2018年3月期 第2四半期決算ハイライト
村山昌博氏:財務・経理を担当しております、村山でございます。それでは2018年3月期第2四半期の決算の概要について、ご説明させていただきます。
2018年3月期第2四半期決算のハイライトでございます。
まず油価ですが、Brentの期近物、終値売上ベースで1バレル53ドルから始まりました。米国シェールオイルの増産観測等による供給過剰懸念を背景に、(2017年)6月には一時44ドルまで下落いたしましたが、そのまま回復。57ドル54セントで、第2四半期を終えております。
その結果、Brentの当期期間中の平均は、1バレル51バレル49セント。前年同期比で4ドル48セント、9.5パーセントの上昇となっております。
一方為替ですが、ドル円で期初は111円近辺で始まりました。期末公示仲値は112円74銭となりましたので、ドル円の期中平均は111円05銭。前年同期比で5円79銭、5.5パーセントの円安でございます。
このような油価・為替の環境下、当社の売上高は前年同期比15.0パーセント増収の4,479億円。営業利益は、34.6パーセント増益の1,858億円。経常利益は、47.8パーセント増益の1,954億円。親会社株主に帰属する当期純利益は、301億円。前年同期比91.7パーセントの増益となりました。
原油売上高
続きまして売上高につき、原油・天然ガス別に概要をご説明いたします。
まず原油売上高は、前年同期比550億円。20.0パーセント増収の3,309億円です。販売量は4.1パーセント減少いたしましたが、単価の上昇に加え円安の影響により、20.0パーセントの増収となった次第でございます。
販売量は、アジア・オセアニアにおける販売数量減を主たる要因といたしまして、前年同期比で4.1パーセント減少となりました。
原油の海外平均売上単価は、1バレル51ドル25セント。前年同期比19パーセントの上昇となりました。売上高の平均為替レートは、1米ドル111円44銭と、前年同期比4.5パーセントの円安になったということでございます。
天然ガス売上高(LPG除く)
一方、LPGを除きます天然ガスの売上高は、前年同期比39億円、3.7パーセント増収の1,083億円となりました。販売量は減少いたしましたが、単価の上昇に加え、円安の影響により、3.7パーセントの増収でございます。
原油と同じく、販売量は、アジア・オセアニアにおける販売数量減を主たる要因といたしまして、前年同期比で8.7パーセント減少の1,513億キュービックフィートとなっております。
海外生産ガスの平均単価は、1,000キュービックフィートあたり5ドル14セントとなりまして、前年同期比で6.4パーセント上昇。国内ガスの販売価格は、立方メートルあたり45円64銭で、前年同期比で4.0パーセント上昇。売上高の平均為替レートは、米ドル110円71銭。前年同期比で4.6パーセントの円安でございます。
2018年3月期第2四半期 売上高 増減要因分析
前年同期の売上高の増減につきまして、要因別にステップバイチャートにまとめさせていただきました。
前年同期の売上高3,896億円に対し、販売量では、172億円の減収要因。(内訳は)原油でマイナスの111億円、天然ガスでマイナスの61億円。
販売単価では、580億円の増収要因。(内訳は)原油で521億円、天然ガスで59億円。
為替は、円安で171億円の増収要因。
これらに、その他の3億円を加えまして、売上高は4,479億円。15.0パーセントの増収になったということでございます。
損益計算書
次に、損益計算書の概要をご説明いたします。
当期の売上高は4,479億円、15パーセントの増収でございます。次に売上原価ですが、売上増にともないます自然増や、減価償却費の積み上がりといった原価押上要因はありましたが、OPEXの削減努力によりまして、前年同期比で120億円、5.7パーセントの増加に留まりました。
その結果売上総利益は、前年同期比で462億円、25.7パーセント増益の2,257億円となった次第でございます。
販売単価の上昇による、売上高の増収は15.6パーセントでしたが、これに比べまして、売上原価の増加が5.7パーセントと、小幅に留まりました。これにより売上総利益率は、前年同期比で4.3ポイント改善しております。この上期は、50.4パーセントまで、粗利益率は回復したということでございます。
探鉱費は、引き続き選別的に対応しており、前年同期比15億円減少の9億円。販売費及び一般管理費は、前年同期比横ばいの389億円となっております。
以上の結果、営業利益は前年同期比477億円、34.6パーセント増益の1,858億円となりました。
営業外収益・費用につきましては、次のスライドでご説明いたします。前年同期の為替差損が、当期は若干の為替差益に転じたことを主因として、営業外損益が前年同期比で、154億円改善しております。
この結果、経常利益は前年同期比プラス632億円、47.8パーセント増益の1,954億円となりました。
法人税等は、主に売上総利益の増益を受け、外国税が増加したことによりまして、前年同期比541億円増加の1,615億円でございます。
非支配株主に帰属する当期純損益は、前年同期の89億円に対し、当期は36億円の利益に留まり、53億円減少しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期四半期純利益は、301億円。前年同期比144億円、91.7パーセントの増益となった次第でございます。
営業外収益・費用
このスライドは、営業外収益・費用の内訳でございます。
まず、営業外収益です。持分法投資利益等の増益はありましたが、その他に含まれております固定資産売却益等の一過性利益が剥落したことによりまして、前年同期比でほぼ横ばいですが、7億円減少の156億円となっております。
一方営業外費用は、為替差損が、当期は若干の為替差益になったことにより、前年同期で162億円減少して、60億円の営業外費用となっております。
以上の結果、営業外損益は、前年同期比で154億円改善したということになります。
2018年3月期第2四半期 純利益 増減要因分析
以上でご説明いたしました、前年同期の純利益増減要因分析につきまして、こちらのグラフにまとめましたので、ご参照いただければと思います。
貸借対照表
次に、連結貸借対照表についてご説明申し上げます。
まず総資産ですが、当四半期末は4兆3,696億円。前期末と比べまして574億円、1.3パーセント増加しました。現預金は減少しましたけれども、有形固定資産及び投資その他の資産の増加によるものでございます。
一方負債ですが、当四半期末は流動負債・固定負債を合わせまして、1兆1,569億円となりました。長短借入金がで611億円増加したことによりまして、前期末と比べ523億円、負債が増加しております。
純資産は、四半期純利益と配当金支払いの差し引きにより、利益剰余金が170億円増加した一方、為替換算調整勘定が158億円のマイナスになったことなどにより、純資産全体では前期末に比べ、51億円増加の3兆2,126億円となっております。1株当たりの純資産は約4円増加いたしまして、2,019円となっております。
この結果、自己資本比率は67.5パーセント、前期末と比べ0.8ポイント減少。また、活用可能な手元資金残高は、5,460億円となっております。バランスシートの現預金の残高と、ほぼ一致する金額ということでございます。
キャッシュ・フロー
続いて、キャッシュ・フローでございます。資金フローといたしましては、営業活動から得られた資金に加え、定期預金の洗い出し等により得られた資金の設備投資等に使っております。
営業キャッシュ・フローは、主に販売単価の上昇により、1,411億円。前年同期に比べて245億円、21パーセント増加しております。投資活動に支出したキャッシュ・フローは2,283億円となり、前年同期に比べ1,521億円増加いたしました。財務キャッシュ・フローは一部借入を行いましたので、423億円の収入となっております。
以上が、キャッシュ・フローの説明でございます。以上をもちまして、この中間期の決算のご説明とさせていただきたいと思います。
2018年3月期 第2四半期 業績予想値と実績値との差異
続きまして、2018年3月期連結業績予想について、ご説明申し上げます。
まずこれまで申し上げた第2四半期連結累計実績数値と、(2017年)8月に発表した業績予想値との差異について、ご説明申し上げます。
まず、油価前提です。8月の発表では、第2四半期累計期間で1バレル50ドル40セントと想定しておりましたが、実績ではそれより1.1ドル油価高の、51ドル50セントとなっております。
また為替レートは、8月発表時点では1ドル110円60銭と想定しておりましたが、実績は1ドル111円10銭ということで、予想比50銭の円安となっております。
これらの前提条件の差異などによりまして、8月の業績予想比で、売上高は179億円、4.2パーセントの増収。営業利益は13.3パーセント・経常利益は11.0パーセントの増益となりました。純利益につきましては、8月の予算比で21億円、7.7パーセントの増益となった次第でございます。
売上高は、油価高及び円安に加えまして、リフティングの期ズレ等による、販売量の増加がございました。この結果、4.2パーセントの増収になっています。コスト削減等の努力によりまして、売上原価はほとんど横ばいでした。
その結果、営業利益ベースでは13.3パーセント、218億円の増益となります。営業外損益は24億円の減益となりましたが、経常利益は予算比で11パーセント、194億円の増益となったということです。
法人税も増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は21億円、7.7パーセント増益の301億円になりました。こちらが、上期の決算結果でございます。
2018年3月期 連結業績予想の修正
次に、通期業績予想について、ご説明申し上げます。
(2017年)8月発表の業績予想では、第2四半期以降、油価をBrentで1バレル50ドル・為替を1ドル110円と想定しておりましたが、足下の原油価格の上昇を織り込みまして、下期の油価想定をBrentで1バレル55ドルと見直します。一方、為替レート想定は、1ドル110円で据え置きたいと考えております。
この結果、通期の油価・為替の前提は、それぞれ1バレル53.3ドル。1ドル110円50銭となります。
以上の前提で通期業績予想を見直しますと、ご覧のスライドのとおりです。売上高は8,770億円、営業利益は3,410億円、経常利益は3,670億円、当期純利益は520億円となります。
8月に発表した業績予想と比較しまして、売上高は4.5パーセント、380億円の増収。営業利益は10.4パーセント、320億円の増益。経常利益は8.9パーセント、300億円の増益を見込む一方、親会社株主に帰属する純利益は520億円で、8月の予想を据え置かせていただきました。
売上高につきましては、想定油価を上方修正したことにより、380億円の増収となります。売上増により原価も上昇しますけれども、前からご説明しているように、私どもの売上原価は大層が固定費でございますので、25億円程度しか増加いたしません。
その結果、営業利益は320億円、10.4パーセントの増益を見込んでいるということでございます。営業外収益では、8月予算比で若干、20億円程度の減少を見込んでおりますけれども、経常利益では300億円、8.9パーセントの増益を見込みました。
プロダクトミックスの変化及び税金の増減に、影響を及ぼさない費用の計上といった特殊要因によりまして、当社全体では税負担率が上昇しています。
したがいまして、経常利益では増益となるものの、親会社株主に帰属する当期純利益は前回公表値横ばいの、520億円と据え置かせていただいたという次第でございます。
2018年3月期の、1株当たりの配当金のご説明です。まず中間配当につきましては、従来予定から変更なく、9円の中間配当を行いたいと思います。
また期末につきましても、予定どおり9円の配当を行うということで、修正変更は考えていないということでございます。
イクシス生産開始後の株主還元につきましては、今後、増配も含めた株主還元策の強化を検討してまいりたいと存じます。したがいまして、2018年3月期の期末配当につきましても、今後のイクシスの進捗状況並びに今期の収益見通し等をふまえまして、期末にかけて改めて検討してまいりたいと考えております。
私からのご説明は以上でございます。どうもありがとうございました。