2018年3月期第2四半期決算ハイライト

ピーター・ベインズ氏:CEOのピーター・べインズと申します。財務及びオペレーション上のハイライトをお話しする前に、全体の戦略及びオペレーション上の進展についてお話しいたします。こちらには上半期の業績のサマリーが記載されています。

我々の提携パートナーとのGPCR関連提携パイプラインは順調に前進いたしました。臨床試験における中止例もございません。

さらに複数の提携パートナーとの研究開発の進展により、開発マイルストンが得られました。Allergan社からはM4、TevaからはCGRP、AstraZenecaからはA2Aの進展に伴い、マイルストンを受領しております。

またMINA社への戦略的投資により、RNA治療薬領域に参入することになりました。本日、MINA社本日発表したように、Boehringer Ingelheim社との提携が行われることになりました。これはMINA社が有するsaRNA技術の大きな可能性を示唆するものです。

さらにG7 Therapeutics社(現・Heptares Zurich社)との統合を完了いたしました。この少額の投資が我々の年間のStaR®技術をベースにするGPCR構造解析能力のアウトプットをさらに向上させることになります。

このようなStaR®技術に対して継続的に投資するとともに、我々の自社のパイプラインの進展が見られることになります。2018年以降、毎年最大3品目の新規医薬候補品が第I相臨床試験に参加することになります。

またHeptares社の共同創設者であるRichard Henderson博士が、Cryo電子顕微鏡の発見によって2017年ノーベル化学賞を受賞しました。これは我々のSBDDのアプローチをさらに先進させるものになります。

最後に、Allegon社とのグローバルでの提携契約の一部を改正し、新規ムスカリンM1受容体作動薬のDLB1を適応とした日本国内での開発・販売権を獲得することになりました。

StaR®技術及びSBDDは確固としたものにし、我々はグローバルリーダーとして地位を確立し、日本初のグローバルバイオテック企業のリーディングカンパニーを築くという道のりを前進させることになりました。それではCFOのアンドレ・オークリーにバトンタッチいたします。

2018年3月期第2四半期 連結業績 売上収益

アンドリュー・オークリー氏:本日はエキサイティングなニュースを発表いたしました。

2016年度におけるグローバルでのAllegon社との提携契約を一部修正し、日本においてそーせいがレビー小体型認知症に対する適応医薬品の販売権を取得したということです。

これは我々が求める戦略的上市の機会の拡大を、より優れた市場及び適応症で実現し、我々の認知症疾患領域における開発及び規制のケイパビリティをさらに伸ばすという方向性にも合致するものです。

前期はAllegon社から契約一時金として1億2,500万ドルを受領しているので、(今期との)比較が非常に困難になっています。

呼吸器系の事業から得られる安定したロイヤルティー収入は、継続的かつ成長する希釈性のない資金源を提供してくれます。

Novartis社からのロイヤルティー収入が拡大し、一層の底上げとなることを期待しています。

Cash Operating Expense

現金・営業費用に移行してまいります。総営業費用は増加いたしました。これは研究開発費の増加分を一部、一般管理費が相殺した数値を反映しております。前年はAllegon社とのグローバル提携関連でアドバイザリー費用が発生しておりました。

研究開発費については、継続的に我々の自社パイプラインへの投資が行われて、さらにDLB1プログラムに関する初期費用が発生しました。

また提携プログラムの後継品研究開発や、場合によってはバックアップ及びフォローアップ化合物の開発も継続されます。

今期はアクティバスファーマ社を売却し、昨年(2016年)11月にはJITSUBOを子会社から持分法適用会社に変更いたしました。

一般費用及び研究開発費の全体に占める割合は、とくに英国で増加しております。

そして現在、Heptares Zurich社の研究開発費が約90パーセントになっております。今年の最初の6ヶ月間、上期においてはG7 Therapeutics社の統合が完了いたしました。社名はHeptares Zurich社に変更になっています。補完性のあるCHESSやSaBREの技術により、そーせいグループは大幅にStaR®技術による構造解析能力を増やせることでしょう。

Heptares社を2015年2月に買収して以来、創薬プラットフォームの拡大に投資してまいりました。このキャパシティやケイパビリティ拡大に関する資金需要は、その大半が提携プログラムにおける製品や技術協力によって支えられております。これは弊社のリスクバランスを取った資本配分、フレームワークの一角をなすものであります。

このアプローチを通じ、GPCR創薬プラットフォームを活用して、最大3品目の新薬候補を毎年臨床試験に進歩させることを、来年以降に実現したいと思っております。

Cash Earnings1

弊社ではNon-GAAPの指標である現金収入、つまり売上収益から現金営業費用を控除した数字を導入しています。営業外の項目には多くのノイズがあり、実際の業績を見えづらくしてしまいます。

前期比で見ていくと、Allergan社から受領した契約一時金1億2,500万ドルが影響しております。バイオテックビジネスモデルにおいて、業績は会計上の数値ではなく進捗で図られます。我々の場合は提携プログラムや自社パイプラインにおける進捗となります。現金収入は22億円、2,980万ドルとなりました。前年は129億円、1億2,240万ドルでした。これは前年に発生した、Allergan社の契約一時金が大きな影響をもたらしているためです。

損益計算書(主要項目)

損益計算書を見てまいります。その他収益は、子会社アクティバスファーマ社の売却益および補助金が中心となります。

営業外収益は非現金費用である減価償却費、株式報酬費用が少し増加しました。増加要因としてはG7 Therapeutics社買収に係る無形資産償却費が増加したことによるものです。

財務費用は前年比で増加いたしました。これはポンドが前年比で大きく上昇したためです。昨年はポンドが英国のEU離脱を受けて大幅に下落しておりました。

条件付対価は、引き続き受領マイルストンに対する費用。そして基本的な費用の性質とて、整合しておりません。

Heptares社の買収は、一時金1億8,000万ドルと条件付対価2億2,000万ドルという、Heptares社のパイプライン進捗を条件とする対価で構成されています。

条件付対価の費用とは、推定負債額の変化に当たります。これは保守的にIFRSにのっとって計算されています。つまりこれは、経済的に利益に対する費用ではなく、追加の購入対価と言えます。これは我々の基本的な業績と整合するものではありません。

これらを踏まえた上でグループとして、今期少額の純損失を計上しました。前年は純損益を計上しましたが、これはAllergan社の契約一時金によるものです。

2017年度業績見通し(2018年3月期)

今年度の残りの期のガイダンスになりますが、グループの現在の収益は提携先からのマイルストン収入への依存度を高めています。これらのプログラムでは、開発戦略やスケジュールが提携先によって決められており、我々にとっては予測しがたいものです。

いつマイルストンが支払われるのかは見通せず、会計年度により大きな差異が生じます。Allergan社と昨年4月に締結した契約は例外的なものです。

契約一時金は巨額であり、結果として、今年度は大幅な減収となります。短期・中期的には研究開発費が増加します。これはStaR®技術を活用して、自社パイプラインから高価値の試薬候補を輩出させるという戦略に合致したものです。

我々は戦略的にビジネスモデルを前進させ、より適切にリスクのバランスの取れた資本配分を実施し、販売および共同販売促進を自社製品に対し、特定の適応症や市場で行っていきます。

短期的には開発マイルストンで収入を得ると同時に、呼吸疾患役のロイヤリティー収入を受領していきます。中長期的にはさまざまなモデルの組み合わせで、リスクバランスの取れた売上収益を自社製品、共同販促の製品およびロイヤリティー、契約一時金、開発および販売マイルストンの組み合わせで実現してまいります。

まとめますと、昨年の収益を再現することは難しいと思います。またより多くの投資を自社創薬能力およびキャパシティ増大のために行います。

自社パイプラインが前進すると、会社費用が日本市場でDLB1研究で発生しておりますけれども、現金収入が通年でブレイクイーブンになると予想しています。ただし、マイルストンのタイミングやダウンサイドである為替の変動、レガシーな呼吸器疾患製品の業績にも依存するものです。ありがとうございました。