第1四半期決算実績 サマリー

富田健司氏:みなさんこんばんは富田です。本日はお忙しい中、そして結構、夜遅い時間にお集まりいただいてありがとうございます。

それでは早速決算の説明をさせていただきます。

まず3ページのサマリーからご説明いたします。前年同期の概況になってますが、受注高、売上高はご覧の通り、大きな変動は前期比ありません。

次に営業利益が前年同期比で110億円の大幅減益になっていますので、驚かれた方が多いと思います。

詳細については、後ほど階段グラフがあり、セグメント別のところでご説明いたしますが、航空宇宙、それからモーターサイクル&エンジン。それから船舶海洋の減益が主因であります。

当社は、まず案件によって収益性が大きく異なる事業。プラント環境だとか、車両だとか。これが入ってますし、それから4Qに売上利益が例年集中する事業。

これがモーターサイクル&エンジンであり、ロボットであり、官公庁向けの案件。これが非常に多いということで、売上のボリュームが少ない1Q。これは損益がブレやすく、3ヶ月だけの業績で、年度判断するのは非常に難しいと考えております。

1Qの営業利益は49億円にとどまっておりますが、これは期初の我々の計画線どおりで推移をしております。これはノーサプライズでありまして、まったく我々はこの先を心配していないということは、最初に申し上げておきたいと思います。

通期見とおしの方も、これは毎年到達パターンが異なりまして、十分達成可能なレベルだと考えておりますし、今回車内でアップデートした計画も期初と大きな変化はありません。そういうことで持ちまして、十分達成可能なレベルでありまして、4月公表値を据え置いております。

一方で経常利益ですが、これは実績前年同期並となっております。前年同期は6月に急激な円高が進行しまして、多額の為替差損が発生したことによります。

なお、ページの下に売上加重平均レート、それから影響外貨量、これを示しております。ドルは110円75銭で前年同期とほぼ同水準。したがって、前年同期比では営業損益の為替の影響は少なかったということが言えます。

第1四半期決算実績 セグメント別

次に4ページのセグメント別サマリー。これは資料の通りでございますが、詳しい説明は後ほどセグメント別に行います。

前年同期比損益増減要因分析

次に5ページの前期比の損益の要因であります階段グラフを見てください。営業利益は前年同期の159億円から49億円。210億円の減益となっております。

まず特殊要因として、1つは航空宇宙。これが大半なんですが、航空宇宙での民間航空機の収益性低下がありまして、その次に船舶海洋。これでLNG船のコスト増加による受注損失工事引当金の見直しを行いました。

これら合わせて75億円の減益となりました。民間航空機の収益性の低下ですが、具体的にはボーイング787向けの分担製造品の価格改定の影響。

それから前年同期にありました、民事の高採算案件。補足でよくマイルストーン的な入金と言っているものですが、これが今年はなかったということによります。

航空宇宙の特殊要因。これに関しては期初から想定済みのものであります。それから為替の影響は、今回ご覧の通り、ほとんど出なかったということになります。

次に売上変動ですが、これは主に精密機械。それからガスタービン機械の増収がありまして、前年同期22億円の増益要因となっております。

それから売上の構成変動等というのがありますが、これは車両で前年同期に高採算案件があった影響。それからモーターサイクルのモデルミクスの変動等によりまして、24億円の減益要因となっております。

それから次にあります販管費ですが、今回はモーターサイクルの研究開発費の増加等で、比較的1Qに、これらの費用が集中したことがありまして、25億円の減益要因になっております。

前年同期比損益計算書の概要

次に6ページで、PLの概況で営業外中心に説明したいと思います。

まず、持分法利益ですが、船舶海洋。それからプラント環境の中国合弁会社の利益が増加したということで、前年同期比4億円の好転となっております。

次に為替差損益。前期比119億円の大幅好転となっておりますが、前年同期は6月に急激に円高が進行しましたので、売掛金の期末評価で多額の為替差損が発生しましたが、今期は為替が比較的フラットで推移しましたので、為替差損益がほとんど発生しなかったことによるものでございます。

それから、その他の営業外損益は前期比17億円の悪化となっておりますが、前年同期にほぼ要因がありまして、前年同期に海外子会社の固定資産売却益。それから円高の進行にともなって、船舶海洋のブラジル向けの貸倒引当金の戻りがあったことによります。

特別損益は前年同期に国内の固定資産売却にともなう特益が22億円あった関係で、同額悪化しております。

次にここからセグメントごとの状況についてご説明をいたします。

通期見とおしは、4月見とおしから変更しておりませんが、第1四半期の実績との関係を、随時補足を交えながら説明をさせていただきたいと思います。

船舶海洋

まず、7ページにあります船舶海洋でございます。

第1四半期実績ですが、受注は6月にLPGの運搬船。それからジェットフォイルを各一隻受注をしたということで、前年同期比で110億円の増加をしました。

売上高は前年同期に比べまして、主として修繕船。これは慣行基準で売上計上するわけですけども、これの慣行隻数が減少したということが主因となって、114億円の減収となっております。

次に営業利益ですが、主に3つの要因で34億円の減益となっております。これはまず、最初に減益の影響がございます。それから2番目に、先ほど申し上げましたLNG船の建造コストの見直しが2つ目の理由です。

3つ目は、昨年は円高進行にともないまして、ブラジルの貸倒引当金の戻入。さっき営業外で出ましたが、これがセグメントの営業利益に戻入が発生を昨年しておりますけども、今年はそれがないと。

ちなみに、さっき言いましたように全社では営業外損益に組み替えております。こういった特殊要因と減収の影響。それからコストの見直しということがありまして、トータルで34億円の減益となっておりますが、前期は若干のプラスでスタートしましたけども、みなさんまだご記憶の通り、2Qにセグメントで170億円の損失を計上することになりました。

通期見とおしですけども、これは1Q、数字そのものは書いておりません。それで1Qは安定利益のある修繕船の慣行は減ったという話のほかに、売上の中では損失引当金の売上が多いということで、基本的に固定費を回収する利益が出てないというのが主因であります。

引当金の減っていく下期には利益が回復してくると見ております。これに生産性のアップ、それから資材費ダウン、固定費等々のコストダウンを今取り組んでおりますものの、やはり成果も見えてくるということで、通期に関しては見とおしを変えておりません。

次にノルウェー向けのオフショア船、作業船の状況を少しご説明したいと思います。6月26日にこのオフショア作業船の契約改定先の親会社でありますIsland Offshore社が金融債務の元本債権償還を一時停止をしまして、取引銀行団と債務繰延について協議中である旨、お知らせをいたしました。

同社は6月末を目標に、今財務リストラ計画を取りまとめる予定としておりましたが、いまだ取引銀行団との協議結果について公表しておりませんので、現在状況を確認中であります。

本船そのものは、詳細設計が概ね終了した段階ではありますが、それ以降の工程である生産設計、それから建造との関係については、こういったIsland Offshore社との動向を見ながら慎重に進めております。

車両

次に8ページの車両をご説明いたします。第1四半期実績。受注は大江戸線の地下鉄車両を受注しました前年同期に比べて121億円減少しました。

売上は国内向けは増加しましたが、シンガポールなどアジア向けは減少したこと等によりまして、プラスの3億円で前期並にとどまりました。営業利益は高採算案件の減少等によって、16億円の減益となっております。

今後の見とおしにつきましては、案件は差し控えますが、2Q以降高採算案件の売上が見込める。それから部品の拡販を見込んでおりまして、4月見とおしから見通しを変えておりません。

航空宇宙

それから9ページの航空宇宙をお願いします。

航空宇宙第1四半期。これは受注は防衛省向けの小口受注が増加いたしまして、前年同期比で53億円増加しております。

売上は、防衛省向けがP1C2中心に増加しておりまして、787の機数も増加をしたものの、ボーイングの777の機数の減少。これは26機から18機ですが、それから787の価格改定の影響で67億円の減収となりました。

営業利益は787の機数増。それからコストダウンがありますが、先ほど説明しました787の価格改定。それから前期に民事の高採算案件があった影響プラス、777が減産になったこともありまして、57億円の大幅な減益となっております。

ただし、この減益は最初に申し上げましたように、すでにわかっていたことでありまして、期初の計画にも折り込んでおりまして、ある意味予定どおりであります。

むしろ、数字を見ていただけばわかりますが、売上の進捗よりも営業利益の進捗の方が進んでおりまして、為替実績等々があるんですけども、1Qの営業利益は上振れのペースと言えると思います。

ガスタービン・機械

ガスタービン・機械をご説明いたします。

ガスタービン・機械の第1四半期実績ですが、受注は「V2500」、それから「TRENT XWB」等の航空エンジン分担製造品の増加で、前年同期比76億円の増加となっております。

一方で売上も、「TRENT XWB」等の航空エンジン分担製造品の増加。それにガスエンジンの工事の増加等がありまして、114億円の増となっております。

営業利益ですが、増収によりまして10億円の増益となりました。内訳は新規開発の航空エンジンの分担製造品の収益性は、今まで言ってきましたように、非常に低いものの、今回ファクターの売上も増加しておりまして、ガスエンジンの増収の寄与もあり、営業増益につながったということであります。

この第1四半期のペース、やはり売上のペースに比べて、利益がかなり、年間の39パーセント、4割弱ぐらいになりますが、為替実績も加わって、やはり1Qは上振れペースで進んでいるという認識をしております。

プラント・環境

それから11ページのプラント・環境をご説明します。

第1四半期実績は、受注は国内向けシールド掘進機の受注がありました。前年同期に比べまして28億円の減少であります。

それから売上の方ですが、トルクメニスタン向けのGtoGプラントの工事が前期にピークアウトしたということで、62億円の減収となっております。

それから営業利益は減収の影響で、12億円の減益になりました。利益は、まず1Qは全体が高採算案件が少ないという意味で言うと、「1Qがこの売上進捗なら、この利益」というのは予想どおりのレベルであります。

年間で見ますと、年の後半に比較的高収益の案件が、売上計上予定になっておりまして、これは例年の傾向であるわけですけども、年度では期初の予定を変える必要はないと判断いたしました。

それから補足としまして、海外のLNGタンク案件についてご説明をいたします。海外のLNGタンク案件ですが、昨年度の第4四半期に前期工事を転置することとなり、完工までに見込まれるコストを、第4四半期時点で引き継いでおります。

現在、転置先の建設会社が工事を進めておりまして、2017年度中には完工する見込みでございます。

モーターサイクル&エンジン

モーターサイクル&エンジンをご説明したいと思います。

第1四半期実績ですが、売上は主に欧州向けに。それから汎用エンジンが増加いたしましたが、インドネシア等の新興国向けの二輪車。それから米国向けの四輪車が減少しましたので、前年同期比15億円の減収となりました。

それから営業利益は、減収の影響はありますが、そのほかに四輪車など、比較的利益率の高い製品の構成比が下がったことによるモデルミックスの変動の影響がありまして、前年同期比で36億円ありました。

ただし、これは毎年最初の四半期、出だしではモデルミックスが構成変動が激しくて、これはモデルイヤー、あるいは年間で収束していくというパターンになりますので、モーターサイクルをはじめとしますパワースポーツの製品は、先進国では夏から春にかけて小売シーズンとなります。

それから、当社からディーラーへの卸売。これは、したがいまして冬から春にかけて。すなわち4Qがピークになります。

そのため、当社の売上利益は4Qに集中するというのが例年の傾向であります。一方で1Qの出だしは売上が非常に少なくなりますが、小売シーズンでありますので、例えば販促費であるとか、広告宣伝費は必要になりまして、構造的に利益が出にくいこと。

それから支出のタイミングの影響で損益が非常にブレることが多いということがあり、またそのもの今回は1Qに集中したという特徴がありますので、あまりこれで敏感になる必要はないと思っております。

先進国、新興国とも市場そのものの見方は変わっておりません。期初から変わっておりませんので、モデルミックスそのものも、通期では改善していくと考えております。

したがいまして、通期見とおしの達成は、十分に可能だと考えております。これも年間の方はさっき申しあげましたように、少し去年今年で、モデル構成や費用の出方が違うという解釈で、これはどちらも年度では収束していくものだという見方が、正しいんだろうと今考えています。

精密機械

13ページの精密機械。ここですが、まず第1四半期の実績でございますが、受注は主に中国の建設機械向けの油圧機器の増加によって97億円増加をいたしました。

売上高ですが、中国の建設機械向け油圧機器に加えまして、自動車それから半導体向けの各種ロボットも、好調に増加しておりまして、88億円の増加になります。

量産品でございますし、利益率そのものも向上してきているということで、増収の効果が大きく、営業利益は前年比倍増となる24億円の増益となりました。

年間見とおしとの関係でありますが、この増勢は今後もこれ、継続するということが確実だとみております。率直に言いまして、1Qの実績は上振れのペースで最初の3ヶ月が経過したと言っていいかなと思います。

貸借対照表の概要

バランスシートをご説明いたします。

棚卸資産や前頭金の増加によりまして、総資産が増加をしました一方で、海外向け債務が減少したということで、結局運転資本が増加いたしました。

借入金は前期末から1,091億円増加したということになります。このためネットD/Eレシオが105.7パーセントまでいっておりますが、これは1Qから3Qにかけては借入が増加をしていくというのが、例年の傾向であります。

キャッシュ・フローの概要

ということで、キャッシュ・フローも同様にご説明しますと、営業キャッシュ・フローも同様の傾向でして、運転資本の増加などによりまして、前年同期比で163億円悪化しております。

投資キャッシュ・フローも設備投資の支払いが集中したこと。それから前年同期は固定資産の売却収入などがあったことなどによりまして、前年同期比で145億円の悪化となりました。

この結果、フリーキャッシュ・フローは前年同期比で309億円の悪化となっております。一方、17年度のフリーキャッシュ・フローですが、前からこれは想定してる話なんではありますが、運転資本の増加。それから今期は航空宇宙の設備投資の支払いの増加。

こういうのがつながりまして、厳しい状況が想定をされております。これに関しましては、会社をあげて引き続き改善に向けて努力を継続中であります。

連結受注高・売上高・利益見通し

最後に16ページで、2017年の業績見とおしというところで、少し総括をさせていただきます。

最初に申し上げましたように1Qの営業利益が49億円にとどまったということで、通期の業績見とおしの達成がどうなんだろうという見方があると思われます。

しかしながら、減益幅の大きかった航空宇宙の減益は、計画にすでに折り込み済であります。それからモーターサイクルは4Qに売上利益集中型でありますので、通期では十分に改善をすると見込んでおります。

それから精密機械は中国向けの油圧機器が想定以上に伸びており、ロボットも好調であり、おそらく上振れの可能性が大きいだろうと考えております。

そして同様に創成期ほどの大きな先行ペースでがありませんけども、航空宇宙、それからガスタービン・機械も、年間のペースからすると、利益が少し先行している。

そして車両、プラント、船舶はやっぱり2Q以降、収益性の改善をなせる要素がある。こういったこと。ただ船は、やはりこれからのコストダウンの成果次第ではありますけども、収益トントンのハードルというのは、やや高いのかなと率直には考えておりますが、全体的には、十分社内計画フォロー上も、現在オンラインにいるというような現状であります。

このため現時点では、通期の営業利益580億円の達成は十分可能であると考えておりまして、4月の見通しを据え置いた期待でありまして、特別例年に比べて達成へのハードルが高いという印象は特別持っておりません。したがいまして配当についても一株当たり6円から変更なしとしております。

セグメント別通期業績見通し

セグメント別税前ROIC等の推移

研究開発費・設備投資・期末従業員数

それから17ページから19ページは、通期見とおしを据え置いたため、4月公表値から変更ございません。

やや長くなりましたが、私の方からの説明を以上で終わらせていただきます。