2017年9月期第3四半期決算説明会
佐藤光紀氏:佐藤でございます。本日はお忙しいところ、ご出席・ご来場くださいまして、誠にありがとうございます。私から第3四半期の決算のご説明をさせていただきます。
全体の流れとしては、足下の四半期決算の概要並びに各事業セグメント別の事業の概況、そして累計の連結業績並びに業績予想というかたちで進めてまいります。
3Q(4-6月)決算ハイライト
まず第3四半期(4-6月)の決算のハイライトについて、ご報告・ご説明を申し上げます。
連結収益は35億2,900万円、前年同期比1.7パーセントの増加。Non‐GAAP営業利益は3億9,600万円、前年同期比61.5パーセントの減少となっております。
メディアコンテンツ事業は順調に収益を拡大して、増収を確保しておりますが、全体としては広告が季節性の影響もあり、ふるわない結果になっていることで、決算としては増収減益という結果となっております。
セグメント別のハイライトといたしましては、ネットマーケティング事業で注力領域である動画広告が大幅に伸長いたしましたが、一方で既存の大型案件の縮小の影響によって、全体としては減収で、足下としては低調な実績に終わっております。
収益は32億8,300万円、前年同期比2.4パーセントの減少。Non-GAAP営業利益は7億9,200万円、前年同期比40.2パーセントの減少となっております。
メディアコンテンツ事業につきましては、マンガコンテンツ事業が「GANMA!(ガンマ)」を中心に収益が順調に拡大いたしました。
また前四半期では、テレビCMを含む大型のプロモーションが実施されておりましたので、その費用がこの足下の四半期においてはなくなっていると。
順行モードの費用に戻っていることで、営業損失の幅が前四半期比で大幅に縮小をしているというのが実績でございます。
連結P/L(4-6月)
連結のP/Lです。全体像としては、先ほどハイライトで申し上げた内容と同様ですが、増収減益という結果となっております。
費用面につきましては、毎年4-6月期に集中する新入社員の入社があり、今期は116名増員しております。
これによる人件費の増加、ならびに当四半期におきましても「GANMA!」へのプロモーションということで、マンガコンテンツ事業の広告宣伝費が費用として入っております。この結果、販売管理費が前年同期比で5億6,400万円ほど増加となっております。
連結業績四半期推移(事業別)
連結業績四半期推移を事業別に記載したのがこちらの資料でございます。青いグラフがネットマーケティング事業、赤いグラフがメディアコンテンツ事業です。
全体像として、数値はご覧のとおりで着地しておりますが、赤いグラフ・メディアコンテンツ事業の営業損失の幅が、前四半期比で大幅に縮小していることが見て取れるかと思います。
一方、ネットマーケティング事業につきましては、まだ踊り場を脱せていないという結果でございまして、費用の増加もあいまって、利益規模としては少ない着地に終わっております。
連結販売管理費四半期推移
連結販売管理費の四半期推移をこちらに記載しております。
先ほど申し上げましたとおり、新入社員の増員でこの足下の四半期においては人件費が増加しております。人件費は一番下の青いグラフです。
一方、黄色い色で記載しているマンガコンテンツ事業を中心とした広告宣伝費は、前四半期比で縮小をしており、この分がほぼ営業損失の圧縮につながっているということでございます。
ネットマーケティング事業 業績概況
各事業セグメント別の概況のご説明を進めてまいります。まず、ネットマーケティング事業の業績概況です。
全体像としては先ほど申し上げたとおり、新規案件の獲得は順調に進んでおり、ビジネスの状況としては特段悪い状況ではないのですが、やはり既存の大型案件の縮小が前年比で比較しますと、影響としては大きいということで、結果的にその影響をカバーできずに、取扱高並びに収益が伸び悩む結果となっております。
一方で、縮小する案件の主なものというのは、やはりPCの領域であったり、検索、サーチ周りの領域が中心で、比較的低採算の案件が中心となっております。
ソーシャルメディアの商品構成比率が一気に上昇してきていることで、我々が注力しているソーシャルな領域というのは順調に推移しています。結果として、マージンミックスがやや改善の方向に向かっているということでございます。
また注力領域である動画広告の取扱高が前年同期比約2.4倍ということで、順調に成長を続けております。
このあたりの我々が注力する分野の成長スピードをより上げること、並びに既存の縮小しているものの影響を取り除くことで、足下の体制をテコ入れしながら、反転に向けた取り組みを現在進めております。
ネットマーケティング事業 四半期業績推移
四半期業績推移は、ご覧のような状況となっております。
ネットマーケティング事業 対取扱高収益比率
ネットマーケティング事業における取扱高における収益比率、粗利率に近い数値でございます。当社の場合は、会計の仕組みをIFRS(国際財務報告基準)に移行しておりますので、粗利率というのは通常、一般的な広告代理事業というのとは少し違うわけなのですが、それを疑似的に出したものがこちらのグラフでございます。
取扱高に占める収益比率ということで、こちらが足下の第3四半期においては19.6パーセントです。先ほどお話ししたように、低採算の領域から高採算・高収益の領域へのミックスの変化が、足下ではかなり進捗してきているということです。
前四半期比並びに前年同期比でみても、こちらが上昇傾向にあるということで、IFRS移行後の過去最高数値を更新しており、前年同期比で1.6ポイント程度の向上となっております。
ネットマーケティング事業 取扱高推移(地域別)
こちらは国内・海外の取扱高の推移(地域別)でございます。トップラインとしては、やはりまだ成長モードというわけではなくて、踊り場の時期を脱していないというのが現状でございます。
一方で、海外の部門につきましては、わりと順調に反転してきておりまして、大型案件の影響でトップラインが大きく伸び、その反動で逆に横ばい圏が続いていたわけですが、こちらは順調に伸び始めていることで、足下では各地域ごと順調に成長するフェーズに入ってきております。
ネットマーケティング事業 取扱高推移(デバイス別)
デバイス別の取扱高の推移です。
足下ではPCの縮小が原因ではあるものの、スマホの広告比率が80パーセントを超えることで、完全にスマホベースの業態に転換がより進んできているという傾向が顕著でございます。
ネットマーケティング事業 動画広告の取扱高推移
続きまして、注力領域の動画広告の取扱高です。
冒頭で申し上げたとおり、取扱高は前年同期比約2.4倍での拡大です。4ー6月はトップライン全体が低調でしたので、絶対額そのものは前四半期比では下がっているという実績でございます。
一方、ビジネス全体における動画広告の構成比は、前四半期比においても若干増加してきて、動画の割合が連続的に増えていく構造が作れてきております。
ネットマーケティング事業 トピックス
足下のネットマーケティング事業のトピックスとして、海外で大きな動きが1つございまして、アリババグループの新マーケティングプラットフォーム「Uni Marketing」における、日本の広告主向けサービス提供エージェンシーに内定いたしました。
これはクロスボーダーの市場開拓という意味では、中国市場における日本企業のブランド構築を支援するという事業領域となっております。
従来、我々がクロスボーダーと位置付けてきた、中国企業のグローバル展開は順調に推移しておりますが、今回は新しく中国のインターネットユーザー向けに日本企業のマーケティング支援を行っていくかたちで、最大級の広告プラットフォームであるアリババのユーザーベースを活かしながら、事業を展開していこうということでございます。
以上、ネットマーケティング事業の概況を申し上げました。
メディアコンテンツ事業 業績概況
続きまして、メディアコンテンツ事業についてご説明いたします。
マンガコンテンツ事業におきましては、広告を中心に「GANMA!」のアプリ収益が大幅に拡大いたしました。
また前年に比べて、広告出稿によるマーケティング投資を強化しておりますので、いわゆるテレビCMのような大型のプロモーションは一巡して、順行モードですが、費用面ではプロモーション費がここにのっているということでございます。
また、このセグメントにおけるその他の新規事業につきましても、堅調に推移しております。
収益が前年に比べて120パーセント程度の増加で、2倍強のペースで収益規模がかさ上げされてきているということでございます。損益としては、依然投資ベースという位置づけに変更はございません。
メディアコンテンツ事業 四半期業績推移
四半期の業績推移はご覧のような状況でございます。
前四半期に「GANMA!」の大型プロモーションを実行したことをご報告しておりましたが、そこと比較すると営業損失が大幅に縮小しているということで、徐々に収益化のフェーズに入ってきていることが見て取れるかと思います。
マンガコンテンツ事業の概況
その「GANMA!」の状況ですが、足下も非常に順調にユーザーベースの拡大並びに収益が増加してきているということで、この四半期の状況としても、若年層を中心に利用者は順調に拡大してきております。
メディア規模、アプリ収益ともに成長が続いているということで、アプリのダウンロードの推移としては、直近の3ヶ月で約123万ダウンロードの増加でございました。これはYonYでいうと、ダウンロードが2.3倍という結果でございます。
一方、PVにつきましては47.億PVということで、こちらも前年同期比並びに前四半期比ともに拡大してきております。YonYでいうと、PVは5.2倍に拡大してきているということで、ダウンロードが2.3倍でございますので、比較するとPVの伸びが非常に強いことが、数値からみても明らかという状況で、アクティブユーザー数も順調に拡大してきているということの証左でございます。
収益面も引き続き順調に成長しておりまして、前四半期比・前年同期比ともに伸びてきていて、YonYでいうと収益規模が約5.2倍でございます。
これは指数での開示をしておりますので、前年の第1四半期を100とした数値との比較で、足下の第3四半期の実績が10倍程度になってきております。
マンガコンテンツ事業 ブランド広告主の開拓
「GANMA!」のマネタイズに関しては、商品開発においても新たなフェーズに入っております。前回の説明会でも、「いわゆるブランド領域の広告市場の開拓に動いています」とお話し申し上げましたが、徐々に実績が出てきております。
ブランド広告主の開拓の事例ということで、この夏に『ザ・マミー』というハリウッドの大作映画がありますが、この映画のプロモーションに「GANMA!」をご活用いただいております。
主に若者向けの新作映画のプロモーションというかたちで、我々ならではの取り組みとして、通常の広告のご出稿というかたちに加えて、映画と連動したスピンオフのオリジナルマンガを、我々のプラットフォーム上の作家さんが手掛けるというかたちで、独自の展開をしております。
現在このようなスピンオフ(の漫画)も公開中ですので、ぜひアプリ等でご覧になっていただけるとありがたいところでございます。以上がメディアコンテンツの事業概況でございました。
連結P/L(10-6月)
続きまして、累計の連結業績並びに業績予想をご説明いたします。今回は10月から6月までの9ヶ月間。3四半期の累計実績を記載しております。
全体として、今期はマンガコンテンツへの大型投資で、この先行投資を積極化したことによる影響が出ております。
一方で、ネットマーケティング事業における、一部既存大型案件の縮小ということで、こちらの収益が伸び悩んでいることから、営業減益という着地となっております。
また今期の当期利益に与える影響で、アクセルマークの株式の売却を行っておりますので、こちらが非継続事業からの当期利益というかたちで、8億8,000万円ほど計上されている点が特徴かと思います。
事業区分別業績(10-6月)
こちらは9ヶ月分の事業区分別業績を記載しております。
足下の四半期の状況とそれほどトレンドは変わりませんので、ご覧いただいたとおりの状況でございます。
累計で見ると、やはりメディアコンテンツへの投資を組み込んでいる影響が全体の業績として出ております。
4Q(通期)連結業績予想
続きまして、第4Q(通期)の連結業績予想でございます。
足下の注力ポイントで言いますと、全体像としてはメディアコンテンツ「GANMA!」につきましては、足元も引き続き順調に推移しておりますので、どちらかというとネットマーケティング事業のテコ入れの部分に私自身のリソースも含めて、この7月から体制面でもかなり強化をして、反転に向けて動いております。
この第4四半期(7ー9月)のネットマーケティング事業は、前四半期比では増収増益、前年同期比では増収減益と見通しております。
数字的には底打ちしてきておりますので、しっかり反転の幅を広げていくことに注力して取り組んでまいりたいと思います。
メディアコンテンツ事業は、マンガコンテンツ「GANMA!」を中心に、引き続き大幅な増収を見込んでおります。
今回は通期の予想で、配当につきましても予想値を記載しております。
1株当たりの配当金は前年比での同額を予想しております。1株当たり配当金は株式分割の調整後の数値での比較でございますが、3.2円で前年と同額を予想しております。
配当性向としては、前年の実績16.5パーセントに対して、今期は19.9パーセントに推移する予定でございます。
事業区分別の4Q(7-9月)業績予想
全体の業績予想を事業区分別、セグメントごとに記載しております。
数値としてはご覧いただいたとおりですが、ネットマーケティング事業は増収減益、メディアコンテンツ事業は増収で、大幅に収益トップラインが伸びていくという予想をしております。
全体像としては第4四半期単独で、連結業績として収益が37億2,000万円。営業利益が4億2,000万円とそれぞれ予想しております。以上が第4四半期並びに通期の業績予想でございました。
2017年9月期以降の中期の経営方針といたしましては、Non-GAAP営業利益100億円を業績目標として、基本方針として広告事業をグローバルに伸ばす、強いメディアをつくる、スマホの次に投資するという方針を持っております。
足下はまだ踊り場を脱却しておらず、足踏みしておりますが、しっかりメガトレンドをつかみながら、成長領域での競争力を磨き上げていきたいと考えております。
引き続き、当社グループへのご支援のほどどうぞよろしくお願いを申し上げます。以上で私からのご説明を終了させていただきます。本日はありがとうございました。