2017年3月期 決算説明会

濱尚氏:みなさんこんにちは。ただいまご紹介いただきました、朝日印刷株式会社で代表取締役社長を拝命しております濱でございます。

本日はみなさまの貴重なお時間を頂戴しまして、ありがとうございます。

限られた時間でございますので、その中でできるだけわかりやすく当社のことをみなさんに知っていただこうと思って説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

実は私ども、今回のようにみなさんのように機関投資家のみなさんにお集まりいただいて説明をするというのは初めてでございます。

今までは個人の投資家さん向けには何度も説明会はやっているんですけれども、そういう意味では本当に私ども、富山という田舎と言いましょうか、地方に本社を構えている会社でございます。

新幹線は通ったとはいえ、まだまだ北陸・富山は非常にマイナーな県でございます。

そこに本社を構えている会社、かつ業態がBtoCではなくてBtoBということで、なかなか朝日印刷という会社がピンとこない方も多くございます。

中には「新聞を印刷されているんですよね?」というふうにおっしゃられる方もまだまだたくさんいらっしゃいます。

私どもはオーナーが朝日家でございまして、朝日家の会社ということで朝日印刷でございますので、決して新聞等々、またビール、そういったところとは一切関係ございませんので、事前にお話だけさせていただこうと思います。

すいません、余談はこのへんにしまして、資料に沿ってここから私ども、朝日印刷の会社につきましてご説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

会社概況・経営理念

まず、会社の概要・概況でございますけれども、この経営理念のところに「創業200年の夢」といきなり出てきているんですが、これはなにかといいますと、この後沿革でもお話をさせていただきますが、私どもは創業明治5年になります。

1872年創業の会社でございまして、今年で145年という会社でございます。

その200年を見据えて、「自分たちの子供や孫の世代も朝日印刷で働かせたい」そう思える会社にしていこうという経営理念でございます。

所在地等々はこの通りなんですが、特筆すべきところと言いましょうか、平均年齢は34.5歳ということで、非常に印刷業の中ではこの平均年齢は若い会社ではないかなと思います。

そういう意味では本当に働き盛りの若い従業員がたくさんいると。とくに工場になるんですが、そういったところには本当に地元の若いスタッフがたくさん頑張って働いていただいている。そういう会社でございます。

朝日印刷(株)の沿革

沿革でございますが、明治5年、先ほど申し上げましたように、創業いたしまして、この中で赤字で書いてある部分ですね、昭和30年代前半に医薬品の包装材料に特化というふうに書いてございます。

実は創業当初というのは、私どもこの後も出てきますが、薬だとか化粧品の包装材料に特化していたわけではなく、単なる一般的な印刷屋でございました。

小沢活版所。創業のこの小沢ですが、さかのぼりますと、富山藩の祐筆という、書記係の仕事に携わっていた人間でございます。

廃藩置県で藩がなくなって、「じゃあ、仕事はなにをしようか」というところで、なにかを書き記すというところから印刷業を始めたと聞いております。

そこから、富山を基盤にしながら仕事をしておりまして、昭和30年代の前半、ここでの売上の比率というのは、実は一般の印刷物と医薬品の印刷物が半々だったと聞いております。

その時のオーナーというのは、今の会長のお父さんになるんですが、その時にどちらかに一本化しようと。難しい方をやろうということで。

当時富山というところはご存知の通り、薬都富山とも言われていまして、薬が地場産業でございます。非常にそこが難しい仕事だったものですから、その難しい仕事に特化しようということで、言葉は悪いですが売上の半分を捨てまして。

背水の陣でもって薬に取り組んでいったというところが、会社としてはターニングポイントになっているのではないかなと思っています。

そこから昭和39年、東京オリンピックの年に東京にお店を出しまして、薬の方をやりながら、昭和50年代には化粧品の包装材料にも進出をしてまいりました。

薬一本という柱は非常に不安だったものですから、もう1つの柱を作ろうということで化粧品というものに進出をしまして、今では会社にはこの医薬品と化粧品という柱の2つがしっかりと根付いて、会社の基盤を作っている。これが業界であり、お仕事であります。

平成14年に現在の東証2部に上場して、現在に至っております。余談ですが、この右上に出ております版権免許之証というのは、当時は印刷業というのは国の許可制でございました。

その当時の、「印刷をしてもいいよ」という許可証でございますが、大久保利通さんが内務卿時代の版権免許之証でございまして、こういったものも手元に残っております。

製品紹介(印刷包材事業)

続きまして、どういったものを私どもは作っているかというところでございますが、医薬品の包装材料と言いますと、やっぱり箱、ケース、中に入っているような説明書、瓶に貼ってあるラベルを総称して包装材料と言っているんですが、こちらはまず医薬品ですね。

医薬品も細かく言いますとOTC医薬品・配置薬、医療用医薬品というふうに分かれているんですが、OTC医薬品というのはみなさまも目にしたことがあるかと思います。

こういった、テレビで今イチローがCMをしております、ユンケルの箱ですね。こういったものですとか、中に入っております説明書。

プラスチックトレーは私どものではありませんが、瓶に貼ってあるこのユンケルのラベル、こういったものを私どもは、例えば佐藤製薬さまにお納めをさせていただいております。

これがOTC医薬品と呼ばれるものです。右上の医療用医薬品。これはみなさん箱を目にされるっていうことは実はあんまりありません。

なぜかと言いますと、お医者さんに行かれて先生が処方箋を書いて、現在であれば院外で調剤薬局さんで薬をもらうかたちになっておりますが、その時には薬剤師さんが箱から薬を出して、袋に入れて、お渡しをされていますので、見ることはないんですが、薬局までは基本的には箱に入った状態で納めさせていただいております。

例えばこれは一例ですが、最近話題になっていますが、これはオプチーボという小野薬品さんのガンの抗ガン剤です。

こういった薬の箱なんかも私どもでやらせていただいております。

製品紹介(印刷包材事業)

続きまして、次の分野・市場でございますが、化粧品でございます。

これもみなさん目にされたことは、女性の方であれば間違いなくあると思いますが、SK-Ⅱという商品です。

P&Gさんがやっています、本当に看板中の看板商品なんですが、こういったものも私どもで手掛けさせていただいております。

少し余談になるかもしれませんが、みなさんSK-Ⅱの箱の色は何色に見えますでしょうか?

一般的には臙脂(えんじ)の色なんですが、この色を出すために現在は3回色を塗っています。要は、同じ色で3回重ね印刷をしているということですね。

なんでそんなことをするのかと言いますと、やはりメインブランドなので、こういったSK-Ⅱの商品にも必ずブランドマネージャーさんがいて、このブランドを損なわないような色使いというものにこだわられます。

そうしますと、臙脂を1色塗っただけではこの深みが出ないということで、以前は4回印刷機に通して臙脂を作っていたんですが、今は1回少なくても大丈夫ということで3回通しをしているんですが、そのぐらい化粧品の業界は見た目・色にこだわられる業界でございます。こういったものもやっております。

それから右側、健康食品・食品。これはまだまだ少ないんですが、レトルトのカレーの箱、こういったものも私どもは今、手掛けてやったりもしております。

こういった包装材料に特化をした、いわゆる印刷業の中でも、どちらかといえばニッチなところで製造をしている印刷会社でございます。

包装システム販売事業

包装材料に加えて、これはまた1つの事業になってきているんですが、包装システム販売事業。

簡単に言いますと、先ほどお見せしました、こういった箱を私どもはお納めしているんですが、箱と一緒に、この箱を起こして商品を入れていく包装の仕組み、システム、包装機。

私どもがこれを作っているわけではなくて、包装機のメーカーさんとタイアップをして、セットにしてお客様にご提案をしているという事業もやっております。

こちらの方はもう20年ぐらい前から取り組んでいるんですが、この後売上の分布にも出てきますが、ようやく売上の比率も2桁、10パーセントぐらいにまで届くようになってきております。

非常に投資がさかんになってきている昨今の状況も相まりまして、順調にこちらも事業も成長をしてきているところでございます。

売上構成(連結) 2017年3月期

続きまして、これが私どもの売上の構成になります。

売上のほぼ9割が先ほどお見せしました印刷の包装材料が占めております。

そのうち、残りの1割が先ほどの包装システムということで、ほとんどこの包装材料と包装システムというこの2つのセグメントで売上が構成をされているという状況で、その中のこの9割を占める印刷包材の内訳を見ますと、約70パーセント、7割が薬に関わるもの。

16パーセント、1割5分強が化粧品に関わるものということで、この売上のほとんどを占めているのが化粧品と薬、この2つの市場の印刷包材であるといっても過言ではない、そういう売上の構成になっております。

朝日印刷(株)の業績と株価推移

続きまして、私どもの業績と株価の推移を一覧にまとめてございます。上が私どもの業績でございます。棒グラフが売上、折れ線グラフが利益になっております。

ご覧の通りですが、おかげさまで私どもは本当に売上に関して言えば、地道にと言いましょうか、あまり目立って20パー、30パー伸びるという業界ではないんですけれども。

グラフの通り前年度を少しずつ、2パーであり3パーであり5パーであり上回ってきて、ここまで会社としてこられているというような状況でございます。

利益に関しては、当然投資等々もあるタイミングでやってきておりますので、凸凹ありますが、売上にある程度比例をしたかたちで伸びていっております。

売上に関して言えば、今創業145年になりますが、おそらく前年度を下回った時は、この145年の中にはおそらく片手ぐらいだと思います。

ずっと地道に、と言いましょうか、ちょっとずつですが、売上そのものは拡大をしてこられている。そういう会社だと認識をしていただければと思います。

続きまして、その下の方、株価なんですが、ご覧の通りでございまして、やっている仕事がやはり薬・化粧品という世の中になくてはならないものということになりますので、世の中の景気に世の中があまり左右されないというところが私どもの特徴になっているのかなというふうに思います。

2008年のリーマンの時も日経平均はガクンと落ちているんですが、まったく関係なくと言いましょうか、株価自体は順調に安定した状態でここまできておりますし、現在も2,500円から2,600円の間を行ったり来たりということで、会社としてはもう少し上げていきたいなという思いはあるんですが、株価の推移も見ての通りでございます。

安定した状態で現在はさせていただいている、というふうに言えるのではないかなと思っております。

強み➀ グループトータルサービス力

じゃあ、「朝日印刷という会社はなにが強いの?」「特徴はなに?」というところですけれども、印刷業は歴史的に見ても分業でけっこうやっていらっしゃる、そういう市場なんですね。

その中で、私どもはデザイン・企画の段階から最後の箱ができるまで。もしくは先ほどお見せしました機械まで、川下から川上までワンストップで、自社内で完結できるという強みを持っております。

グループ会社も何社かございまして、そこで分業と言いましょうか、振り分けをしまして、グループ全体でお客様にサービスをさせていただいているということでございまして、本当に川下から川上までサービスを提供できるというのが1つの強みでございます。

強み② グループ販売拠点・製造拠点

続きまして、これも競合他社と比べると大きな強みの1つでございます。

販売拠点がこの地図をご覧いただければと思いますが、北は東北、これは山形にございます。南は熊本まで20拠点、営業拠点、支店・営業所含めてですけれども、ございまして。

北はなんで仙台じゃなくて山形なのかというふうに言われることも多いんですが、これはお客様が固まっているエリアというのは仙台周辺ではなく、山形周辺なんですね。

先ほども言いましたように、私どもは薬関係の仕事が7割以上を占めておりますので、山形県は薬の生産も非常にさかんな土地柄でございます。

もともと仙台に東北営業所を出しておったんですが、ほぼ毎日仙台から山を越えて山形に営業活動をしに行っていたものですから、それを閉めまして、山形に新しく営業所を作って移設をしたというところでございます。

同じようなことが言えるのは、例えば徳島。四国ですね。四国でなぜ高松だったり松山じゃないのか。なぜ徳島なのか。

徳島には大塚製薬という非常に大きな製薬メーカーさんがあるんですね。それで徳島に営業所を出しているというところでございます。

他も同様でございまして、基本的にお客様の近くで営業が活動をして、なにかあれば、もっと言うとなにもなくてもお客様のところに営業が伺える状況・環境、そういったものを会社を上げてこの10年・15年で作り上げてきたというところが私どもの非常に大きな強みかなというふうに思っています。

競合他社さん、規模の違いもありますが、束ができても5・6拠点。

東京・大阪・名古屋・富山・プラス1くらいのところでやっていらっしゃるところが多いですが、私どもは本当に幅広く全国のお客様にサービスと言いましょうか、営業が行ったり来たりできるような、そういう販売拠点を作っているところが大きな強みになっているのかなというふうに思います。

一方、製造拠点につきましては2年前に富山以外で京都に新しく工場を作りましたが、それまでは富山一極集中でやっておりました。

富山に5つの工場を作りまして、そこで集約してやっていたんですが、2年前からリスクの分散等々もございまして、京都に新しく工場を作り、現在はこちらに書いてある5拠点で製造をしております。

強み③ 販売ネットワークによる効果

続きまして、先ほどのスライドとつながるところはあるんですが、じゃあ営業所を出してどうだったのかというところも踏まえて、これはグラフにしてあるんですが、左側の棒グラフ、青い数字が2005年。今から12年前ですね。この頃は私どもの営業拠点が11拠点の頃。

それから2017年。今は20拠点ですね、ほぼ倍、11営業所から20営業所に変わったんですが、それによってどれだけ売上が増えているかというグラフでございます。

薬に限って言いますと、ほぼ倍増しております。これはこの後のスライドにも関わってくるんですが、やはりお客様の近くで営業活動ができるということは、お客様にとっても非常に便利に使っていただける。

なにかあった時に「ちょっと朝日さん来てよ」って言って伺える環境というのは、お客様にとっては非常に大事なんだなというふうに実感ができるグラフでございます。

この右側のグラフも同じようなことでございまして、これは地区に分けているんですが、同じように営業所を増やすことによって、お客様からのいただけるご注文も増えてきたというところが、我々の大きな販売ネットワークの強みだと考えております。

その下に書いてあるところも、これも会社としては大きな強みであり特徴であるというふうに考えております。

私どもは今、約375億円の売上があるんですが、一番売上が大きいお客様で総売り上げに占める割合は3パーセントを切っております。

1社に依存をする売上の体制ではなくて、分散をして、幅広く、偏りがなく、医薬・化粧品の世界ではお仕事ができているというところが特徴として挙げられるのではないかなと思っています。

薬の世界で言いますと、上位、国内100社中91社と直接お取引をさせていただいております。

この取引できていない9社は、80位以下の売上の規模で言いますと、あまり大きくない会社さんでございますので、ほとんどの会社の製薬メーカーさんとなにかしらのお取引ができているというところです。

化粧品メーカーさんに関しましても、同様に上位30社のうち22社と直接取引をしております。これも代理店を通さずに営業ができているというところが、私どもの大きな強みかなと思っております。

繰り返しになりますが、全国に20拠点という営業拠点を網羅しながら、お客様の近くで地域密着型の営業を今までしてきたというところになるのではないかと思っています。

強み③ 圧倒的な市場シェア

続きまして、「朝日印刷はどれぐらいのシェアを持っているのか」というところですが、残念ながら公の数字ではございません。

私どもが独自で集計をしている数字になりますので、あくまでも当社独自の調査にはなるんですが、医薬品の印刷包材の世界で言いますと、シェアは第1位、約4割弱のシェアを私どもは今持っているというふうに思っています。

これはどういう計算をしているかと言いますと、医薬品の要覧というものがありまして、世の中にある医薬品の種類はわかっています。

それをすべて私どもの営業が「この商品はうちでとれている・とれていない」というのをすべて集計をして計算をしている数字ですので、若干の違いはあるかもしれませんが、大きく外れた数字ではないというふうに思っております。

薬の方は4割弱。化粧品ですが、シェア第2位でこちらも今23パーセントを超えてきています。

化粧品のシェア第1位がおそらく24とか25とか、非常に近いところにおりますので、今はもう追いつけ追い越せで、かなり射程圏に入ってきている状況だと我々は認識をしております。

ちなみに薬のシェア2位となりますと、おそらくシェアで言うと10パーセントもいっていないのではないかなと我々は想定をしております。

強み④ 高度な印刷技術・管理ノウハウ

印刷業界で言いますと、大日本さん、凸版さん、この2つはガリバーの会社でございますが、そういったところは入ってこないのかと。

「参入しないの?」というのはよく質問で出てくるんですが、参入してきません。現時点ではですけど。

それはなぜかと言いますと、非常に高い参入障壁があるからです。じゃあどういった参入障壁なのかと。

まず1つはロットが、大日本さんだとか凸版さんはやろうとしている大きなロットとは違って、非常にロットが小さいんですね。ですから、ロットサイズが合わない。かつ、非常に細かい。

ちょっと言葉を悪く言いますけども、めんどくさいことが多いです。例えばですけども、みなさんチラシを近所の印刷屋さんに100枚注文しました。

そうすると、印刷があがって納品された時には、だいたい130枚ぐらい、もしくは110枚とか届いて、「10枚サービスです」というような納品のされ方になると思うんですが、これは印刷業では一般的なやり方です。

ただ、我々の業界ですと100枚と言われたら100枚きっちり納めないとバツがつく世界なんですね。

それを詳しく話をしていますと時間がなくなってしまうんですが、そのぐらい非常に厳しい。

例えば薬ですと、箱の裏の用法用量の中に含有の量とかも書いてあるんですが、例えばAという含有の成分が10.0ミリグラム入っています。その「.」がなければ100ミリになるわけですね。

これは印刷のミスと言いましょうか、不良で十分起こりうることなんですが、そういったものは万が一市場に出てしまった場合は、法律ですべて回収しないといけないんです。

例えばユンケルで同じようなことがあったら、何十万本、何百万本を市場からすべて回収しないといけない。

そうなると、その回収費をどうするかという話になりまして、なかなかこの抱えているリスクと引き換えに参入をするというのは印刷業界としてはあまりやりたくない。要は面倒くさいんですね。

そういう世界の仕事なので、あまり大手さんも入ってこない。そういう業界でございます。

朝日印刷を取り巻く環境①

続きまして、私ども朝日印刷を取り巻く環境でございます。

ご存知の通り、何年も前から言われていますが、日本は、世界もそうですが、これから高齢化社会を迎えてきております。

高齢化社会を迎えるとどうなっていくかというと、当然お年寄りが増えます。そうなると、薬を飲む方が増えると。

薬を飲む方が増えるということは薬が増えるということで、私どもはおかげさまでやらせていただいているお仕事の7割ぐらいが薬関係の仕事になりますので、そういう意味では印刷包材も増えていくということです。

それがこのグラフに現れているんですが、おそらく今後10年、統計上で見ましても、高齢者の人口が増えていきますので、爆発的に10パーセント、20パーセント増えるということは人口的にはありえませんが、間違いなく毎年数パーセントずつこの市場というのは大きくなっていくと。

これが15年ほどすると、人口が少なくなっていきますので、そこからはまた縮小というかたちにはなっていくんですが、少なくともこの10年、15年は安定したかたちで成長していく、そういう市場でございます。

朝日印刷を取り巻く環境②

それから、地元富山の話をさせていただきましたが、富山はこの薬が地場産業の大きな大きな1つでございます。

その中で、富山で作っている、これは医薬品の生産金額を表すグラフなんですが、初めて富山県が1位を取りました。

これはなにがいいかと言いますと、やはり我々は地元富山でございますので、地元のお客様との密着具合というのも他の県に比べるとさらに強いものがございます。

富山で作る薬が増えれば増えるほど、私どもがお納めする印刷包材というものが増えるということになりまして、富山県全体も知事が旗を振って1兆円の産業にしていくんだということでやっていらっしゃいますので、これに合わせて私どもも同じように成長をしていける、そういう環境だというふうに考えております。

朝日印刷を取り巻く環境③

続きまして、こちらももう新聞等々でもずっと言われていますが、安倍首相が掲げられた骨太の改革の中で、ジェネリック医薬品を8割まで引き上げると。

現在は7割いっているかいっていないかぐらいだというふうに言われておりますが、ジェネリック医薬品をもっともっと促進をして、増やしなさいというのが国からのご指示でございますので。

ジェネリック医薬品が増えれば増えるほど、ジェネリック医薬品の印刷包材というものが増えるということでございます。地元に日医工さんという非常にジェネリックではナンバーワンの企業もございますし、こちらも当社にとっては追い風になっております。

決算ハイライト

続きまして、会社の決算等々数値的なところでございますが、このあたりは皆さんも専門家でございますので、数字の方はご覧いただければと思っておりますが、17年の3月期はもともと増収減益という予測でございました。

結果的には増収減益という結果、予測通りにはなっているんですが、こちらの方は先ほど言いました京都に新しい工場を作りましたので、そちらの償却費・固定費、そういったものの増加を見越しての増収減益でございました。

売上・利益とも目標を達成しております。

かつ、今足元の状況というのが非常に忙しいといいましょうか、お客様に納期的にちょっとご迷惑をおかけするぐらい工場が忙しい状況でございまして、なんとかそういったことにもお応えしていけるように設備投資も昨年度から追加をしてやらせていただいております。

部門別売上高

こちらの方は、部門別の売上に分けたものでございます。

医薬品につきましては、先ほど言ったジェネリックを始めとした医療用市場、それからOTCともに順調でございまして、中でもOTCがここ数年活況を帯びてきております。

これはなぜなのかというのはまだまだはっきりつかめていないところはあるんですが、やはり数年前からの爆買い、インバウンドの影響というものも、国内市場の中でもそれが呼び水になって起こっているのではないかなというふうに思いますし、越境ECというようなところも影響は出ているんだろうなというふうに思っております。

化粧品も同様でございます。5、6年前までは非常に苦しんでいたこの化粧品業界も、インバウンドがスタートしてから非常に日本そのものの需要も活気が出てきまして、新しい製品がたくさん出ております。

そういった意味では本当にこの医薬・化粧品、両方とも活気が出てきておりますし、それに合わせて、先ほど骨太で8割までもっていかないといけないジェネリックも、そのためにやっぱり設備がないとお客様も薬を作れないということで。

先ほど私ども機械メーカーとタイアップをしているというふうに申し上げました、包装システムの方も非常にお客様の設備投資のタイミングとマッチをしまして、金額的にも大きなものになってきております。

要約損益計算書

このあたりの損益計算書だったりというところはまたご覧いただければと思います。

経常利益の増減分析

経常利益につきましても、この増減分析をしておりますが、こちらもご覧ください。

要約貸借対照表

要約キャッシュフロー計算書

次は貸借対照表、こちらも皆さん専門家でございますので、この次の要約キャッシュフロー計算書も合わせてご覧をいただければというふうに思います。