2017年3月期決算説明会 決算の総括

池田憲人氏:池田です。今日は大変多数のみなさんにお集まりいただきまして、ありがとうございます。

最初に決算の総括です。改めて申し上げますが、当期の純利益は3,122億円、対前年比マイナス3.9パーセントです。業績予想に対する達成率は104パーセントになりました。

経常利益は4,420億円、対前年比マイナス8.2パーセントです。予想に対する達成率は105.2パーセントになりました。

この経常利益4,420億円の内訳をご覧いただくと、ベース・ポートフォリオとサテライト・ポートフォリオ合計で、平残は197.5兆円の運用をしたわけでございますが、損益としては、4,330億円ということです。

ベースポートフォリオは(平銭が)131.5兆円で、損益がマイナス2,433億円。サテライト・ポートフォリオは平銭66兆円で、6,764億円のプラスになりまして、合計4,420億円というのが内訳です。

その他をご覧いただくと、役務取引等利益が前年比で45億円落ちたということは、我々としてやや悔しかった部分ですが、以上の結果、1株当たり配当額は年50円。配当性向は60パーセントという状況になりました。

役務取引等利益から右側に線が引っ張ってありますが、為替あるいは決済ペイ業務に関する収益は664億円です。

それから投資信託を含めた金融商品の販売が201億円ということで、とりわけ投資信託の販売の手数料が減少しています。

これは、前期にキャッシュバックキャンペーンというものをいたしまして、それによってこの部分がマイナスになっているということです。

もちろん目的がありまして、投信の取引先を拡大させようという想定がありまして、すべてが成功したわけではありませんが、いずれにしても投信は拡大しているものの、残念ながら手数料はそれをカバーできるまではいかなかったということです。

その下に、投資信託の販売額、純資産残高、口座数などがありますが、これは軒並みプラスになっています。

人様の銀行のことを言うつもりはありませんが、銀行の窓販の中では、このあたりは将来の地盤が固まってきたなと思っています。

左下には自己資本比率、レバレッジ比率を記載しています。

ポートフォリオ別運用状況

次のページに行きます。ベースポートフォリオについては、右側にそれぞれ短期資産、満期保有目的の債券、その他有価証券、貸出金などの記載があります。

短期資産を除いて、38兆円、35兆円、1兆円ということで、74兆円の資産です。これが前期末比でそれぞれ減少しています。

(スライド)下のサテライト・ポートフォリオですが、末残をご覧いただくと合計で70兆円になります。

昨年申し上げたとおり、60兆円ぐらいまで行こうかなということで、だいたいメルクマールは作っていたのですが、こういう情勢や収益環境にいかに取り組んでいくか、収益のマイナス部分を取り返すかということで、結果的に1年間で10兆円程度増えたということです。

右のほうに、昨年のポジションをそれぞれ記載しています。以上がポートフォリオです。下のほうのポートフォリオの運用状況は、後ほどご覧ください。

2018年3月期 業績予想

次のページは、2018年3月期の業績予想です。3年計画の最終年度にあたります。いずれにしても、この3年間の最初の年には上場したと。

昨年度、今年の3月末については、その真中の中をしてきたと。それで最後の年度という位置づけです。

これが終わった後の次の計画をいろいろなところで詰めている最中ですが、ポイントのところをご覧いただくと、2018年3月期の当期純利益は、この3月期対比で12パーセント増を予想しています。

経常利益の増減イメージ

次のページは、2017年3月期の経常利益の増減イメージです。左側が最初の年度です。

15年3月期の経常利益は5,694億円。もちろんこれは管理会計ですから、厳密に言うと2、3億円違っている部分がありますがご承知ください。下に定義が書いてあります。

それに対して、一昨年度のベースポートフォリオは1,933億円、明らかな収益の減少がありました。

それに対して、役務の手数料を増やして、サテライト・ポートフォリオの収益を増やして、コストを削減した分が入っておりまして、結果的に一昨年は4,819億円の経常利益になったということです。

それをベースにして昨年度。今回の決算については、(一昨年の)4,819億円に対しての増減ですが、ベース・ポートフォリオの収益の減少というのが2,073億円になりました。

それに対して、役務の手数料は投資信託のキャッシュバックというキャンペーンの負担がここに入りまして、残念ながらマイナスになりました。

しかし、それに対して、サテライト・ポートフォリオというところに収益を増やしてきまして、1,611億円プラスにしました。

そしてコスト削減。これは真水で108億円減少して、17年3月期の経常利益は4,420億円ということになったわけです。

なおベース・ポートフォリオの収益の減少は今年度は1,800億円前後あります。昨年に比べて多少負担は少なくなってきているという状況です。最終的に、来年の3月には経常利益4,900億円を予想しています。

2018年3月期業績予想・配当政策

業績予想・配当政策です。2018年3月期の業績は、経常利益4,900億円、当期純利益3,500億円ですが、2018年3月期の1株当たりの配当額は50円を予定しています。

なぜ50円かというと、先ほど申し上げたとおり、国内の部分の手数料が投資信託等まだまだ軌道に乗っていない部分があって、やや不安定な部分があるということで、50円を予想しています。業績予想はそこをご覧ください。

それから資金収支。正式なトップラインとはちょっと違いますが、資金の収支を見ますと、2016年3月期は1兆4,500億円、それから(2017年3月期は)1兆4,000億円。そして今年度は1兆4,400億円を見通しておりますが、それぞれ色の濃淡があります。

濃いところがベース・ポートフォリオで、薄いところがサテライト・ポートフォリオというところで、このような推移になろうかと思います。

昨年度、前年のいわゆる経常収支の粗利は0.6パーセントで、その前の年が0.66パーセントです。ここの資金の粗利というのが、現在のマイナス部分、低金利状態ですので、なかなか見通せない部分があるのですが、一方で私ども、昨年から集中満期というのがありまして、全体で35兆円ぐらいの高い金利が徐々に効いてきています。この集中満期、調達コストはじわじわ下がってきているという状況です。

配当は先ほど申し上げたとおりですが、安全性をどう見るかというと、下のほうに自己資本比率とレバレッジ度比率をそれぞれ試算しています。

大変失礼なのですが、メガバンクの3行さんと比較をさせていただきました。

レバレッジ度比率は、概ねメガバンクさんと同じくらいですが、左側の自己資本比率については22.22パーセントですので、バーゼルの規制がどう入ってくるかはともかく、この比較においては、まだまだ余裕があるところですので、サテライト・ポートフォリオについては、リスクアセットをよく見ながら収益を高めていきたいと思っています。