2016年度トピックス
倉石誠司氏:それでは、2016年度決算についてご説明いたします。はじめに、2016年度のトピックスについてご紹介いたします。
まず、2016年度の販売台数についてですが、四輪車の世界販売台数が500万台を超え、歴代最高記録を更新しました。
市場別に見ますと、昨年6月に新型Ridgelineを、同12月には新型CR-Vを発売した米国においては、四輪車販売台数が160万台を超え、歴代最高記録を更新しております。
中国においては、CR-V、Vezel、XR-V、Accord、Civicなどがご好評をいただき、四輪車販売台数が事業年度として初の130万台超えとなりました。
日本では、Vezelが3年連続SUV新車販売台数で第1位、また、N-BOXシリーズも2016年度届出車販売台数第1位となりました。
二輪車におきましては、インドの二輪車生産台数が初の500万台を達成しました。
続きまして、オープンイノベーション及び協業に関する、2016年度の主なトピックスをご紹介いたします。
昨年12月22日には、Google社を傘下に持つAlphabet社の自動運転開発研究子会社であるWaymo社と、米国にて自動運転技術領域の共同研究に向けた検討の開始を発表しました。
今年1月30日には、General Motorsと燃料電池システムの量産を行う合弁会社の設立を発表しました。
同じく3月24日には、日立オートモティブシステムズ社と電動車両用モーター事業の合弁会社設立に関する契約を締結しました。
さらに2月28日には、ロボット技術・モビリティシステム・エネルギーマネジメントなどの新価値領域を担う研究開発組織として、R&DセンターXの新設を発表しております。
以上が、2016年度の主なトピックスとなります。それでは、2016年度決算の概要をご説明いたします。
2016年度 連結決算総括
はじめに、2016年度を総括いたしますと、円高による為替影響などはあったものの、新型車投入効果などによる販売台数の増加、コストダウン努力、品質関連費用の減少、年金会計処理影響などにより、営業利益は8,407億円と前年度に比べ67パーセントの増益となりました。
2016年度 売上台数の状況
Hondaグループ販売台数についてですが、二輪事業ではブラジルなどで減少したものの、インドやベトナムなどで増加したことにより、1,766万1,000台と前年度に比べ3.6パーセントの増加となりました。
四輪事業では新型車投入効果などにより中国や北米などで増加したことにより、502万8,000台と6パーセントの増加となりました。
汎用パワープロダクツ事業では北米やアジアで増加したことにより、612万1,000台と2.6パーセントの増加となりました。
連結売上台数につきましては、ご覧の通りでございます。
2016年度 損益状況
続きまして損益の状況でございますが、売上収益については、すべての事業での増加などはあったものの、為替換算影響などにより13兆9,992億円と前年度に比べて4.1パーセントの減収となりました。
営業利益は、研究開発費の増加や為替影響などはあったものの、コストダウン効果・品質関連費用を含む販管費の減少・年金会計処理影響などにより、8,407億円と前年度に比べ67パーセントの増益となりました。営業利益率は6パーセントとなっております。
持分法による投資利益は1,647億円、税引前利益は1兆69億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は6,165億円となりました。1株当たり当期利益は342円10銭となっております。なお、為替レートは、1米ドル108円と前年度と比較し12円の円高となっております。
2017年度 連結業績見通し
次に2017年度の連結業績見通しについてですが、売上収益は14兆2,000億円、営業利益は7,050億円、持分法による投資利益は1,750億円、税引前利益は8,750億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,300億円を目指してまいります。
1株当たり当期利益は294円7銭と見込んでおります。見通しを算出するにあたっての為替レートですが、通期平均で1米ドル105円を前提としております。
以上が通期連結業績見通しでございます。
配当
2016年度の年間配当金については、前回公表しました通り1株当たり92円とし、2017年3月31日を基準日とした期末配当金は、1株当たり24円を予定しております。また、2017年度の年間配当金の予想につきましては、2016年度に比べ1株当たり4円増配の96円としております。
2016年度第4四半期売上台数の状況
続きまして、2016年度第4四半期決算概要についてご説明いたします。
まず、事業別のHondaグループ販売台数についてですが、二輪事業ではインドネシアなどで減少したものの、パキスタンやベトナムなどで増加したことにより、424万8,000台と前年同期に比べ1.8パーセントの増加となりました。
四輪事業では新型車投入効果などにより中国やマレーシアなどで増加したことにより、128万5,000台と前年同期に比べ4.6パーセントの増加となりました。
汎用パワープロダクツ事業では北米やアジアなどで増加したことにより、221万8,000台と13.5パーセントの増加となりました。
連結売上台数につきましては、ご覧の通りでございます。
2016年度 第4四半期損益状況
続きまして損益の状況でございますが、売上収益については、金融サービス事業や四輪事業の売上収益の増加などにより、3兆7,634億円と前年同期に比べ2.9パーセントの増収となりました。
営業利益は、研究開発費の増加や為替影響などはあったものの、コストダウン効果や品質関連費用を含む販管費の減少などにより、1,381億円と前年同期に比べ2,019億円の増益となりました。
持分法による投資利益は485億円、税引前利益は1,869億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は959億円となりました。1株当たり四半期利益は53円24銭となっております。なお、為替レートは、1米ドル114円と前年同期と比較し1円の円高となっております。
【二輪事業(二輪車+ ATV 等) 】Hondaグループ販売台数
続いて、事業別のHondaグループ販売台数についてご説明いたします。
二輪事業についてですが、当第4四半期のHondaグループ販売台数は、北米やインドネシアなどにおける減少はあったものの、パキスタン・ベトナム・タイなどで増加したことにより、424万8,000台と前年同期に比べ1.8パーセントの増加となりました。
【四輪事業】Hondaグループ販売台数
次に四輪事業ですが、当第4四半期のHondaグループ販売台数は、北米などにおける減少はあったものの、中国における新型車投入効果、マレーシアやパキスタンなどにおける増加などにより、128万5,000台と前年同期に比べ4.6パーセントの増加となりました。
【汎用パワープロダクツ事業】Hondaグループ販売台数
続いて汎用パワープロダクツ事業ですが、当第4四半期のHondaグループ販売台数は北米・欧州・アジアなどにおけるOEM向けエンジンの増加などにより、221万8,000台と前年同期に比べ13.5パーセントの増加となりました。
2016年度 Hondaグループ販売台数(12ヵ月間)
なお、12ヶ月間累計の事業別のHondaグループ販売台数はご覧の通りでございます。
2016年度 第4四半期売上収益事業別増減
続きまして、売上収益についてご説明いたします。
まず、当第4四半期の売上収益についてですが、金融サービス事業や四輪事業における増加などにより、3兆7,634億円となりました。なお、為替換算影響マイナス428億円を除く事業別売上収益の増減額はご覧の通りでございます。
2016年度 売上収益事業別増減
12ヶ月間累計の売上収益はご覧の通りでございます。
2016年度 第4四半期税引前利益増減要因
次に、税引前利益の増減要因についてご説明いたします。
当第4四半期の税引前利益は1,869億円と前年同期に比べ2,456億円の増益、営業利益は1,381億円と前年同期に比べ2,019億円の増益となっております。
その増減要因でございますが、売上変動構成差等については172億円のマイナス、コストダウン効果等についてはコストダウン努力などにより454億円のプラス。
販管費については品質関連費用の減少などにより2,239億円のプラス、研究開発費の増加により280億円のマイナス、営業利益段階での為替影響は円対米ドルの円高影響などにより222億円のマイナスとなっております。
持分法による投資利益の増加により401億円のプラス、金融収益及び金融費用により35億円のプラスとなっております。
2016年度 税引前利益増減要因
続いて、12ヶ月間累計の税引前利益でございますが、為替影響などはあったものの、コストダウン効果・品質関連費用を含む販管費の減少・年金会計処理影響などにより1兆69億円と前年度に比べ3,715億円の増益となっております。
【二輪事業】売上収益/営業利益(率)
次に、事業別の業績についてご説明いたします。
まず二輪事業ですが、売上収益は連結売上台数の増加などにより、4,537億円と前年同期に比べ3.8パーセントの増収となりました。営業利益は為替影響などはあったものの、コストダウン効果などにより、381億円と前年同期に比べ38.1パーセントの増益となりました。営業利益率は8.4パーセントとなっております。
【四輪事業】売上収益/営業利益(率)
次に四輪事業ですが、売上収益はアジア地域での増加などにより、2兆7,467億円と前年同期に比べ0.9パーセントの増収となりました。
営業利益は台数変動及び構成差に伴う利益減や研究開発費の増加などはあったものの、品質関連費用を含む販管費の減少やコストダウン効果などにより、549億円と前年同期に比べ1,697億円の増益となりました。営業利益率は2パーセントとなっております。
【汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業】売上収益/営業利益(率)
次に、汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業ですが、売上収益は汎用パワープロダクツ事業の連結売上台数の増加などにより、1,148億円と前年同期に比べ22.6パーセントの増収となりました。
営業損失はその他の事業に関する費用の減少などにより、27億円と前年同期に比べ174億円の改善となりました。
なお、汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機及び航空機エンジンの営業損失は、128億円と前年同期に比べ173億円の改善となりました。
【金融サービス事業】資産/売上収益/営業利益(率)
次に金融サービス事業ですが、当年度末の金融子会社資産の合計は9兆4,370億円となりました。売上収益はオペレーティング・リース売上やリース車両売却売上の増加などにより、5,211億円と前年同期に比べ13.3パーセントの増収となりました。
営業利益は販管費の増加などはあったものの、増収に伴う利益の増加などにより、477億円と前年同期に比べ9.6パーセントの増益となりました。営業利益率は9.2パーセントとなっております。
事業別売上収益/営業利益(率)の状況(12ヵ月間)
なお、12ヶ月間累計の事業別の業績はご覧の通りでございます。
所在地別売上収益/営業利益の状況(3ヵ月間)
次に、当第4四半期の所在地別セグメントの業績についてご説明いたします。
まず日本についてですが、研究開発費の増加などはあったものの、品質関連費用を含む販管費の減少や売上変動及び構成差に伴う利益増などにより、営業損失は418億円と前年同期に比べ1,385億円の改善となりました。
北米の営業利益は売上変動及び構成差に伴う利益減などはあったものの、品質関連費用を含む販管費の減少やコストダウン効果などにより、1,055億円と前年同期に比べ298.9パーセントの増益となりました。
欧州についてですが、品質関連費用を含む販管費の減少などはあったものの、売上変動及び構成差に伴う利益減などにより、営業利益は154億円と前年同期に比べ29.6パーセントの減益となりました。
アジアの営業利益はコストダウン効果や品質関連費用を含む販管費の減少などにより、677億円と前年同期に比べ3.1パーセントの増益となりました。
南米・中東・アフリカ・大洋州などのその他の地域ですが、品質関連費用を含む販管費の減少やコストダウン効果などにより、営業利益は20億円と前年同期に比べ217億円の増益となりました。
所在地別売上収益/営業利益の状況(12ヵ月間)
なお、12ヶ月間累計の所在地別セグメントの業績につきましては、ご覧の通りでございます。
持分法による投資利益
次に、持分法による投資利益についてご説明いたします。
持分法による投資利益は、中国における販売台数の増加や、前年度、日本における一部の関連会社株式の減損損失を計上したことなどにより、前年同期に比べ479パーセント増益の485億円となりました。なお、アジアにおける持分法による投資利益は438億円となっております。
2016年度 設備投資
次に、設備投資についてご説明いたします。
12ヶ月間の設備投資の実績については、すべての事業において減少したことや為替換算影響などにより、5,410億円と前年度に比べ1,064億円減少いたしました。事業別の為替換算影響を除いた増減額はご覧の通りでございます。
Hondaグループ販売台数見通し
2017年度の連結業績見通しについてご説明いたします。
まず、Hondaグループ販売台数は、二輪事業で1,877万台、四輪事業では508万台、パワープロダクツ事業では616万5,000台を見込んでおります。なお、汎用パワープロダクツ事業事業については、2017年4月1日よりパワープロダクツ事業へと名称を変更いたしました。
連結売上台数見通し
連結売上台数の事業別見通しは、二輪事業で1,222万台、四輪事業では368万5,000台、パワープロダクツ事業では616万5,000台を見込んでおります。
2017年度 連結業績見通し
続きまして通期の連結業績見通しでございますが、営業利益は7,050億円、税引前利益は8,750億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,300億円となっております。
対前年度 2017年度見通し税引前利益増減要因
この連結業績見通しの2016年度実績からの増減要因でございますが、税引前利益については営業利益の変化により1,357億円のマイナス、持分法による投資利益により102億円のプラス、金融収益及び金融費用により64億円のマイナスと、1,319億円の減益を見込んでおります。
対前年度 2017年度見通し営業利益増減要因
営業利益の増減要因を組み替えて申しますと、為替影響により950億円のマイナス、2016年度に発生した年金会計処理影響により840億円のマイナスとなっておりますが、売上変動構成差等で593億円のプラス、コストダウン効果等で750億円のプラス。
販管費の増加により370億円のマイナス、研究開発費の増加により540億円のマイナスと、為替影響と年金会計処理影響を除くと433億円の増益を見込んでおります。
2017年度 設備投資・減価償却費・研究開発支出見通し
2017年度の設備投資、減価償却費、研究開発支出の見通しにつきましては、設備投資は5,300億円、減価償却費は4,500億円、研究開発支出は7,500億円を予定しております。
説明は以上でございます。ありがとうございました。