ソフトバンク・テクノロジー(SBT)のビジョン

阿多親市氏:おはようございます。ソフトバンク・テクノロジーの阿多と申します。本日は私どもの決算説明会にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。

できるだけわかりやすく、お話を進めてまりたいと思います。この決算説明会に初めてお越しいただいた方も多いと思いますので、今会社がどういう状況になってるかというところから、お話を説明させていただきたいと思います。

ソフトバンク・テクノロジーはソフトバンクのグループでして、ソフトバンクが50.1パーセントの株式を持っている、名前もソフトバンクを付けさせていただいている会社です。

ですので「情報革命で人々を幸せに」。テクノロジーが付いてますので、技術の力でということであります。

私が5年前にこちらの会社に参りましてから、社員・幹部の多くと話し合いをさせていただき、そのまま生き残っていく方を選ぶのか? それともリスクは高いけれども、大きく成長する方向を選ぶのか?

ということで、合意をしたのが「大きく成長する」。私どもの社内ではとにかく、これが標語のようになっていまして、「大きく成長するんだ」というつもりで経営の方案になっています。

その核としてクラウド。クラウドの技術を手の中に入れていこうと。

それから昨今のキーワードでありますが、IoTという言葉があります。すべてのモノがインターネットを通じて、クラウドに繋がっていくという理解です。

今までの今までのIT、いわゆる企業決算だの、経費会計等々が、メインになっているITではなくて、新しいビジネスを起こすためのITと。ビジネスのコアとなり得るところのIT。そういったものを支えていけるビジネスパートナーとしてお客様と付き合っていけるよう、考える次第であります。

2016年4月より「クラウド」「IoT」に集中

私どもは昨年から新たなステージということで、16年の4月からそれまで蓄えてまいりましたクラウド上の知識、あるいはセキュリティの技術、あるいはビッグデータの解析、こういったものをすべてクラウド上で展開をする。

既存のお客様は、もちろん今までのお付き合いがございますので、お遅れの場合、あるいはデータセンターに置かれてる場合、こういったものも対応させて頂くわけですが、昨年からクラウドの上で展開をする。

そのための仕事というものしかやらない。大きく振り分けて、クラウドの仕事であればもう、ウェルカムです。何か置かれるということであれば、申し訳ありません。もちろん既存のお客様は別でございます。

そういうことを決めて、そしてIoTのビジネス開発。IoTが果たしてお金になるのやら、ならないのやら。いうのがまだまだぐらついてる。

「こんなことができます」「あんなことができます」。じゃあ誰がお金払ってくれるんですか? どの予算がこれに移り替わるんですか? 消費が増えるわけではない。あるいはオペックスが増えていくわけではない。

そういう中で、これに置き換わってより優位なもの。そしてそれが対価として私どもの売上として、お金を頂けるもの。

そういったものを見つけていこうということを、16年度、17年度を見極めていくという年度に置いています。

「大きな成長」に向けたSBTの歩み

これが私どもの歴史です。ソフトバンク技研。それから、ソフトバンクの情報システム部、ソフトバンクネットワークセンター。この3つが合併をして97年に、ソフトバンクテクノロジーができました。

私がCEOになりましたのが2012年。ここで大きく成長するということは、大きな仕事ができるということに繋がります。

独自サービスを持ってないといかんということ。いつまでもSES(システムエンジニアリングサービス)サービスのようなものをやっていたりということではいけません。

それからプロジェクトとして、大きな仕事を回していくわけですから、それを管理をしていこうと。この3つのことを4年かけてやってまいりました。

昨年からは先ほど申し上げた、IoTのビジネスの開発と、クラウドに集中していくというようなことをスタートしています。

クラウド事業における優位性

私どものクラウド事業における優位性。後ほどもご紹介させていただきますが、1つはネットワークの技術者が要ります。

クラウドに繋ぎ込んでいくためには、ネットワークの技術者がいないとこれはできない。サーバーの知識がないとできない。それからクラウド。私が申し上げているのはすべて、パブリッククラウドです。

日本で言われているプライベートクラウドというのは、データセンターにすぎません。そういうものではなく、リソースが常にダイナミックに動かせる。一気に10倍にすることもできるし、一気に10分の1にすることもできる。

常に10振るのを恐れて1しか普段使わないのに、10の投資が必要な今のデータセンターの技術が足りないということであります。

そこを使っていくためには、いろんなデータが流れてきます。自社のデータだけじゃなくて他社のデータも、あるいはパブリックのデータも流れてきますので、セキュリティーの技術は必須であると。

セキュリティーの専門集団にならなければいけない。それから上がってくるデータを、如何に分析して優位にするかと。

それが本当にお金を払う価値があるものできるかというところがありますので、データの活用プラットフォーム。あるいはデータを分析できる人間。

これを集めなければいけないということでやってまいりましたので、3つのキードライバーとよんでますが、この3分野でそれなりの強みが出てきたと。これを1社で持ってるところは少ない。これが私どものクラウドの強みだと理解しております。

IoT領域における優位性

それからIoTの領域ですが、IoTのデータは必ずクラウドに繋がっていくと信じています。ただIoT側、すなわちThings側ですね。デバイス側に何ができるのか?といったときに、デバイス側に向けた会社の買収等を行ってまいりました。

1つはそのデバイス側のオペレーティングシステムを触れると。どんどんとチップの性能は上がってきますから、昔のRTOS、リアルタイムOSだけで、単機能で動くということではもうなくなってきている。

それがだんだん知能を持ってきますから、より高度なOS。Linuxが必要になってくるだろうと。組込領域にはLinuxの会社が、非常に少ないしエンジニアも非常に少ない。

今までの単機型のRTOSではなく、複雑系のOS、Linuxを扱える会社ということで、ミラクル・リナックスを3年前に買収しました。同じくそのThingsそのものが、正しいThingsなのかどうなのかと、自分が得たい情報の先なのかどうなのかと、いうことを見極めるためにはPKIの技術が必要だと。証明書が必要だということで、サイバートラストも3年前に買収をさせていただきました。

同じく高機能になっていますから、高機能というのは表現力が必要です。その表現力というのはすなわち、画面を持つということです。画面を持つことは、そこに文字を持つということになります。ですので文字の会社。

フォントワークスも同3、4年前、買収をさせていただき、これが組み込み側の私の方が今のリソース。だというふうにしています。

もちろんそれ以外にも必要なピースがあるかもしれませんが、その時にはM&Aをするなり、あるいは業務提携をさせていただくなり、というかたちでこのピースをより完全なものにしていきたいと考えております。

2017年3月通期業績(前期比)

業績の概要に移ります。すでに昨日、リリースをさせていただいております。昨日もご質問をいただいている件がございまして、営業利益が達成していませんね、前年割っていますね、というお話もあり。あるいは、それなのにどうして純利益が予定よりも上がっているんですか、と。

これは、税効果があります。まず、アベノミクスで所得税の減税というのがありましたが、FY16、昨年度ですね。当社のベースアップは、6パーセントを超えております。そういう中で、減税率、税率が2.2パーセント下がっているというような件もありますし。

2017年3月通期業績(業績予想比)

また、子会社のサイバートラストで、昨年赤字を出しております。今回は黒字になったということで、税効果会計が適応されると。その2つの効果が、8,800万円あります。

本来であれば、15億円の目標を掲げて、ギリギリ15億円いくか、いかないかというあたりを言っていましたが、16億円近くになっているのは、その効果が8,800万円あるということであります。

これが前年対比で、これが目標との差異で、経常利益が少し違ったかなと。こればっかりは、最後締めてみないとわからないことですから、こんなかたちでございました。

サービス別売上高

サービス別ということで、いつも紹介しております。最初の事業を、連結で3つのジャンルに割り振って、そのジャンルごとに成長の度合いを見ようというものであります。

一番ベースになっておりますオレンジのところ、デジタルマーケティングとありますが、ここには私どもが20年やらせていただいている、シマンテックさんのEC、約185億円くらいが含まれています。そこの伸びがそれなりにあるんですけれども。

デジタルマーケティングと、私どもが過去10年において位置付けをしておりました、Webの解析。Webアクセスの解析、これが多様なデータを扱う1つのきっかけになったわけです。

ただ、このWebの解析のエリアにおいて、昨年度は大きな変化がありました。外的要因と言うとあれですが、私どもはAdobeさんが買収された会社のシステムですけれども、それを中心に10年間やってきたわけですが、この用途というものが変わってきたと。マーケティング戦略が変わってきたということと、ユーザーが変わってきたと。

1つは、日本には、数百億円を扱うECサイトが、数多くあるわけではありません。簡単に言うと、一巡してしまったと。一巡した上で、もう差別化ができなくなってきたというところがあります。

もう1つには、広告代理店の台頭です。広告を扱っているだけではなく、広告のお金というのは、新聞、テレビ、雑誌等から、インターネット広告に移っているわけです。

インターネット広告に移るときに、今までの大型の代理店は、ビジネスを小型のインターネット代理店に取られていくと。これを阻止するために、このサービスそのものを顧客に提供するというかたちになりました。

実際、こういうことは、数千万円から億までのビジネスにはなっていかないものですが、それが、広告費という何億、何十億の中にサービスとして織り込まれていったのでは、我々は、独立してこの事業を進めていくことができないということが、昨年ありまして。このエリアには大きく舵を切ってます。

ですので、昨年は、このエリアにおいてはもちろん大きく減収しております。これも、先ほどのコンセプト通り、クラウド上に持っていくというスタイルで、ツールもやり方も全部変えていくというのが、昨年の中盤に決定をして、大きく舵を切ってということでありますので、そのエリアについては下がっているということです。

システムインテグレーションのなかに、クラウドが入っていますし、プラットフォームソリューションの中に、セキュリティが入っています。この2分野については、順調に伸ばさせていただいているということであります。

形態別売上高

それから、形態別というところでありますが、EC販売、この中に先ほどのシマンテックさんのものが大変大きく入っているわけです。これは、順調に上がってはきています。

長期で見たときに、1回すごく止まってた時期があり、そのあと、ご案内のようにシマンテックさんがいろいろ会社を買収されて合併をして、ぐちゃぐちゃという間が足踏みの状態で、それを分割されて、もう1回セキュリティの会社に戻られたあとに、また伸びが示されてきたというような状況であります。

真ん中、ご注目いただきたいなと思っているのは、運用のサービス。運用サービスのところは確実にリカーリングのところですので、ここを伸ばしていくというのが、大きな戦略です。

ただ、これをとっていくためには、リスクはありますけれども、開発をやっていかなければいけない。開発をやって、開発したものの運用サービスをやっています、というかたちに持っていくということで。

今期開発をしたものというのは、来期の運用になってくると。もちろん同じ額ではありませんが、運用ビジネスとして積み上がっていくという考えです。

一番上が、なかなかプロブレムなところで、機器販売。この会社がずっとやってきましたお家芸というんでしょうか。海外のメーカーが日本のマーケットで展開するために、ユーザサポートが最初必要であるということで、一緒にビジネスを立ち上げていくわけです。

当然、海外のメーカーも、日本に普段常駐を置き、サポートエンジニアを置き、ということで、2年、3年目になると、実は我々の役割がなくなってくる。すなわち、マージンがなくなってくる、というところがあります。

ですので、上がったり、下がったり、利益もだんだんと下がっていく。そうすると、また新しい商品を見つけにいかなきゃいけないと。いわゆる、IT輸入ソリューションみたいなビジネスになっているものが、この中の半分近くあります。

顧客別売上高

顧客別の売上高になりますが、個人向けが、先ほどのシマンテックさんですね。それから、法人・官公庁向けが、ソフトバンクグループ外の部分。ソフトバンクグループの売上というのは、一番上の赤いところです。

顧客別売上高の成長推移

過去5年分の売り上げの推移。個人向けは、ここ1、2年、シマンテックさんが復活されて、フォーカスされるようになって伸びてきたというのがありますが、それまでは、ほぼフラット。

法人・官公庁向けのところは、ありがたいことに、今、CAGR(年平均成長率)で25パーセントくらい。SBグループも6.7パーセントですが、どうしても、機器販売の比率が多いので、それが売れるとき、売れないときで、やっぱり出っこみ引っこみが生じているというような現状であります。

限界利益

お示ししているのは、限界利益。外部コストを引いたものです。それが、こういうかたちで伸びてきているという。これで固定費が同じだったら、利益が上がっているはずなんですが、後ほどご説明しますが、固定はそうはいかないということであります。

営業利益の前年同期比

これはブリッジで、増収効果によって、それまでの限界利益率でいくと13億円積み上がっているはずですと。ところが、機器販売が多いと、限界利益率が悪化しますから、その分が下がった。

なおかつ、今回は、1年前お話をしましたように、100名を増やすということで、昨年の2月から活動を開始して、リクルートさんにも来ていただいて、常駐していただいて、やっていきました結果、120数名、昨年1年間で採用することができました。

退職者もいますので、純増としては102名ということになりますが、この固定費増といったものが効いて、結果としては、営業利益は、昨年を下回ってしまいましたというのが現実です。

貸借対照表の前期末比

貸借対照表ですが、もしなにか気になることがあれば、後ほどご質問いただければと思うのですが、普通の数字だと思います。

受注残高

受注残高です。これが目的で、この3年間頑張ってきたというのがあるんですが。一気に50億円ほど増やさせていただいて。

1:公共案件の強化①

これの中身は農林水産省さんの農地の仕事。3年やってきました。毎年毎年1年、単年契約でやってまいりましたが、この3月に向こう5年の契約ということで、50億円を超えるオーダーをいただくことができ、それがそのまま積み上がって150億円と。本当に農林水産省さんが何なのかも知らない中でスタートした3年前から、社員一同必死に頑張ってます。

なんとか信用を勝ち得て、これから向こう5年間という期間の運用のビジネスをいただいたということで、大きな受注策という形でここに見えてると思います。公共案件の強化といったことをやってまいりました。

農地だと東京での話にあまり関係ない人が多いわけですし、「そういえば田舎では困ってると言ってたよ」というようなことではあるんですが、もともと各市町村1,770あります。

そこに約1,000近くの農業委員会といったものがあって、その中で台帳とコンピュータ化されてるものもあれば、なかには紙のままのものもあるといったのが、4年前の姿です。

これを実際にコンピューター化しましょう。台帳を統一してみましょう。それを全国の農地がどうなってるかを、地図で見られるようにしましょうと。インターネットで検索できるようにしましょうと。

そして使ってないところ、あるいは後継者のいないところは、貸し出しするようにしましょうと。いうような活動がこのアベノミクスにおける「攻めの農業」ということで農地の改造が行われています。

ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、これは青い点が1個1個が耕作地なんですね。この黄色い点ていうのは1人の同じ人が、耕作者として登録されてるというところで、農地は非常に分かれています。ばらけています。

もともと昭和24年の農地解放の時には固まってあったはずです。これを分けてしまったと。それは宅地に近い所とスワッピングして、宅地化されると当然10倍どころではない金額で売れるわけです。

そういったことをやってる間に、どんどん耕作のしにくい農地が出来てきて、農業従事者担い手も、どんどん年齢が上がってきて、だんだんできなくなると。2年も放っておくともう作物を作り戻すってことは、大変難しい仕事になってくると。

これを何とかしていくためには農業の法人化を行って、そして土地をブロックで大きく持って、農地の割も今の1反というベースではなくて、大きなコンバインを入れて少人数でも大きな農業ができると変えていこうというのがこの農地の政策のポイントです。

右側見ていただくとこれは広島県の中山間部、山あいの町ですね。山あいの町が左側で見ると、いろんなマークがあると思います。あれだけ農地の担い手。農地の持ち主がいたんです。で、これをこの仕組みを入れることによって右側ですね。黄土色と緑色ということにだいぶ分かれてきてると思います。

それが農業法人です。農業法人になって一括で管理をする。そうするとその出っ張ったのが一反ではなくて、1ヘクタールとかいうかたちで取れるようになってくると、大型の機械も入れれますし省略化も図れる。こういう考えのもとに進めてる。これは優良事例です。

すべてがなってるわけではないですが、東京では感じられないですが、東北や中四国も行かれると、深刻な問題になっていると。それをこのように進めてる。僅かですけども、助けができている。一緒に貢献させていただけてるという実感を、我々社員は持っております。

下はもっと極端で3つぐらいあった法人が、もう1つになろうということで、1つになってこれから整地をやり直さないといけないので、時間はかかる仕事ではありますが、まず権利者が1つになることが大変重要なことだと思って、この仕事を頑張ってやらせていただいております。

1:公共案件の強化②

2つ目。昨年の4月から4月の時点では、まだ理解ができなかったことがあり、それは何かというと、2020に向けた情報セキュリティ対策を包括して取り組む。その時の話は1,770市町のネットワークの強靭化が、その時のテーマでした。

だから各市町に対して予算が付けられて、そしてそこがやるんだということで理解をしていたんですが、2月3月ぐらいの国会で通ったものが、県でまとめろていうのが出てきました。

それは150億円ぐらいの予算ですが、47都道県がその各県の下にある20から30の市町の、インターネット出口を全部まとめろと。そしてそこを経由してインターネットに出ていくように、そのことによってセキュリティが担保されやすい。

これを「情報セキュリティクラウド」というふうによびます。一気に4月、去年の今頃ここで喋ってるときには、もう裏でいろんなものが動いていました。この結果としては、4県。 右にある岩手、宮城、新潟、長崎と。4県の対応を推進してこの3月末に、初期構築を終了してこの4月から運用がスタートしているとご理解いただいたらいいと思います。

残り43県がどこが取ったかっていうのは、ちょっと雑誌名忘れましたけど、リスト全部載ってましたので、だからもう言っていいだろうと思って今喋っています(笑)。

ここが、すごく僕らにとってはトライの場所でして、まったく社長のわがままでですが「絶対やるぞ」というふうに、4月5月の連休明け、大宣言をしてもうとにかくやらないと、これから絶対ここはホットになると。今年だけじゃないと思ってトライしました。

47県中4県を取っているような会社はうちだけです。2番目にがケイ何とかさんがが3件取っていると思いますが。 4件取っているのはうちがナンバーワンです。

なによりナンバーワンなのは、負けたのがナンバーワンです。20件負けました。 4勝20敗。今頃2軍どころではない話なるわけですけど、 ただ思いっきりトライしました。

毎週2件分ぐらい僕が全部最終チェックをして価格も社長承認じゃないと勝率が上がりません。その時点での見積もりでは。それでもとにかくやるんだ。

結果として4県取れたのは良かったです。それから対抗のいろんな提案される会社がどういうことでやってくるのかというのがわかってよかったです。15万円で入札するところもありました。

あるいは開札日に答えを聞かせてもらえるかなと思ったら、1週間毎日毎日呼ばれて話の中身を聞かれて、最後に残念でしたと言われたという悲しい経験もしました。

初めて県レベルでお付き合いさせていただくので、今までWebでは2件かありましたが、このレベルでは会社ぐるみで取り組ませていただいて、ものすごくノウハウがたまったということと、自分たちの技術、自分たちの提案は間違えじゃないということがよくわかりました。

それぞれの県を受けるためにやっていくためには、当社にもSOCがあります。このSOCですべての県の仕事を受けます。県庁の建物にSOCをたてたり、あるいは他の会社と連携したり一切しません。NOCもSOCも当社に全部預けてください。

「うちはプライムしかやりません」という話で、先方のRFPを無視した提案をしていますから、落ちても当たり前かもしれませんが、そういうことをやらせていただいた結果、4つの県のセキュリティのレベルといったものをどの県で起きても4つの県にすべて適応する。どの県で見つかっても4つの県すべてに適応する。

これがぼくらのサービスレベルです。これをスタートしています。おそらく最高品質であろうと自分ながら思います。これはキャリアクオリティの品質を提供していると申し上げてもいいと思います。

2:IoTビジネス開発の進捗①

それからIoTビジネス。9月29日に英国ARM社とmbedクラウドパートナーということで、パートナー契約を結びました。その実績として残しているものが、これです。ダイキンさんが開発なされた、Airitmo(エアリトモ)ですね。

エアリトモというセンサーの製品になりますが、これにmbedのOSでアプリケーションを書き、ここから出てくるBluetoothの電波をスマートフォンを経由して、mbedクラウドにあげて、そこで解析をする。

あるいは、そこから新しいプログラムをダウンロードさせるということで、これは国内初だと思います。提携から半年で、ここまで一気にやってきました。

実際の商用に移していくときに、洋服の青山商事さん。彼らはもちろん、スーツだけじゃなくて、ユニフォームも作ってらっしゃいます。それがタクシーのユニフォームだったり、あるいは、電車のユニフォームだったり、もちろん、トラック、バス等々もそうですね。

そういう方に付けてもらって、そういう運転者の体調管理をこれで行うというのが、狙いのポイントであります。7月から実際に付けてデータを取っていくということをやります。

発表をなんとか3月中にしたかったので、この発表を3月にやらせていただいて、半年走りながらやってきました。

2:IoTビジネス開発の進捗②

それからもう1つ、同じく10月くらいに発表させていただいて、また、今年の4月の11日に、ルネサスさんの開発者向けの大きなイベントがあったわけですが、そこでもご紹介をいただいています。

「産業向けルネサスマーケットプレイス」。あるいは、開発環境。今まで、チップを開発して、できれば、ワンチップにしたいわけですが、ワンチップに入らないものを、外に置いて、1つのボードができあがります。

このボードを使って、例えば「プリンターを作ってください」とか、例えば、「ほかのなにかをつくってください」というようなかたちの提供の仕方を、ルネサスさんはチップベンダーとしてなさいます。

これを、その次の過程の会社が、この上でアプリケーションを書くんです。これは聞いた話ですが、最終的には、キヤノンさんとか、リコーさんとか、そういったところに納品をされて、完成物として出荷をされるという段取りになってくるわけです。

ところが、そのボードを1個1個仕入れて、あるいは、1個1個提供を受けながら、小さな環境で進めていく。みんなが同じところで迷うに決まっているのに、メーカー間というのは情報のシェアは一切ない。

あるいは、お金払ってでも欲しいライブラリというのができても、誰もそれを売り渡しもしない。これだと、開発はどんどん遅れていきます。

誰に比べて? 海外に比べてです。日本の製造業が自社の中のノウハウにひたすら凝り固まるばかりに、外に小さなノウハウも出さない、売り買いもしない。

ということでは、絶対負ける。この開発環境をクラウド上に提供して、クラウド上にいろんな会社の、いろんなエンジニアがログインして、自分ところに置いときたいと言うんだったら、自分のとこに置いとけばいいです。

でもこれは「売ったら売れるかも」というのであれば、そのモジュールだけ売ればいいです。それだけで開発工数が、12日でも22日でも安くなるんだったら、20万円であろうが、30万円であろうが、みんな平気で払います。そういうものができるような環境、開発するプラットフォームです。

そして、できあがったモジュールの売買ができるようなマーケットプレイスを作りましょうというご提案を差し上げて、これを現実化したと。目に見えるかたちでお見せしたのは、4月11日だったのです。

その最後の1つのキーになりますのが、先ほども申し上げましたように、このRZ/G。このクラスは、もうARMのAシリーズですね。いわゆる、インテリジェントなチップであります。

そこでRTOSを動かす、あるいは、mbedOS。mbedOSもRTOSみたいなものです。そういうレベルのものじゃなくて、もっとインテリジェントなものです。

そこで開発する環境としては、Linuxが必要です。そのLinuxを、私たちのグループのミラクル・リナックスが開発をして、標準化をして、提供する。

そしてそのときに、Things同士が、あるいは、Thingsとエッジが、あるいは、エッジとクラウドが、結びついていくときに、本当に正しいエッジなのか、本当に正しいクラウドなのか、本当に正しい人が使っているのか、ということを証明するための証明書というのが、サイバートラストが提供していると。これが、上り方向の話。

その次に、下り方向の話としては、当然、いろんなアップデートが必要になります。セキュリティ上のホールが空いてるだとか、あるいは、こういう脆弱性があるだとかわかったら、パッチワークしなきゃいけないです。それは、下り方向的に新しいプログラムを入れなきゃいけないといったときに、そのコードを正しいコードにサイニングします。そしてカプセル状にしてしまいます。

サイニングされてないコードをダウンロードしてはいけない。しても、展開してはいけない。こういうポリシーさえ、Things側、エッジ側にあれば、いわゆる、マルウェアだとか、そんなものに感染しないわけです。

そういったときの下りのOTA、Over the Airと書いてありますが、モバイル回線、空中回線を通じて、そういうものがダウンロードされてくる。

この信頼関係を結ぶこと、それから、マーケットプレイスを作ることが、ここで実現したいことで、まだ時間がかかります。チップが開発されて、シングルオンチップで1つのものができてから、最終完成品まで、2年半から3年かかります。そのくらいのタームです。2016年に仕込んで、1年かけてもまだこの程度です。本当力不足で申し訳ないですが。

ここから、開発者たちが動いて、2017年の間動いて、2018年に完成品に組み込んで、接合して、これで売れるのかどうなのかということをやっていくというくらいのペースになっていきますので、どうしても2年3年はかかっていくのが、このIoTの次世代のThingsになるだろうと思います。

3:採用・技術教育

今度は、事業基盤のところですが、採用は、申し上げたように、102名純増と。120何名取って、20何名辞めたので、102名という状態です。

あとは、とにかく、エンジニアの質を上げようということで、2年前から、PMPを取ります。プロジェクトマネジメントの国家資格を取って、お客様との間でちゃんと対等に話ができる、赤字案件を出さないように、ということでやってきました。

目標は100でした。100クリアできたということで、社内的にはめちゃくちゃ盛り上がってる状況で、ノリノリの技術統括役員は200人にすると言っていますので、来年どこまで増えるかわかりませんけれども。それで、我々の仕事も少し上流に近づいてきたということがいえると思います。

それから、あと、働き方改革です。ITというと、どうしても3Kのイメージが強くて、キツイという中で、真剣に取り組んでまいりました。昨年は、一番効果が出たと。41時間が、全社員の平均残業時間だったものが、30.7時間と、4分の1ほど良くなったと。

良くなった分、ボーナスを増やすとか、いろんなことを使ってやっているわけですが、ベアアップもし、ボーナスも増やし、そして、時間を短く、効率を上げるということに挑戦をしております。

基本戦略

今後の事業戦略。事業会社として、もっと高収益なビジネスモデルに移っていかなければいけないという認識があります。それから、IoTの分野においては、IoTビジネスを本当に開発していき、これこそ得意技だ、これこそSBTじゃなきゃ、というところを、ぜひ作りたい。それから、クラウドです。この部分をやってまいりたいと思っています。

事業成長イメージ(1/2)

従来のECビジネス、あるいは、SESサービスから、クラウドというものを手に入れて、自分でマネージできるクラウド。自分でお金を払って、領域を買って、自分のネットワーク監視、あるいは、ソフト監視といったものを入れたクラウドをベースに、セキュリティを積み上げる。Thingsを、Thingsビジネスの立ち上がるように。

そして、最終的には、とにかくAIなりなんなりで、先を予測できる。危険を察知できる。そういったものを作りきらないといけないと考えているわけです。

事業成長イメージ(2/2)

売上高、中期は発表しないのかと、いつも怒られるわけですが、昨年の秋に、今期から3期で営業利益33億円を達成することを条件に、ストックオプションを展開をしましたので、今期から、来期再来期までに、33億円は意地でも達成するというくらいにしか申し上げられないということです。

目指しているIoTのビジネスモデル

あとはThings側ですが、Things側はどうやって儲けるのというところがポイントで、前回もお話したかもしれませんが結局リナックスを開発したりいろんなドライバを開発しても最終的にはメーカーさんのものになって、メーカーさんはそれに対して開発費用はいただけるだろうと思いますし、翌年からの保守費用もきっといただけるだろうと思いますが、それで終わってしまう。

そうじゃない。毎月欲しい。ちょっとでもいいから。毎月課金をしていくためには証明書っていうのが間違いなくキードライバーだと思います。ネットワークの外側に。ただこれは正しいです。これは今月からディスエイブルされている。つなぐのは誰でもできるんです。ディスエイブルするとつながせない。これはアウトだと。

FY17重点項目:クラウド以降の強化

ただそのマルバツを答えるだけの証明認証局といったものが必要で、これがいきてる。イコール月額いくらで使えると。車だったら3年分ですから72ヶ月分を先にいただいて結構です。

FY17重点項目:IoTの実証実験(POC)

車検の度36ヶ月分いただいて結構だし、車検のたびに2年分いただいて結構だと思いますが、そういう証明書のビジネスをコアにThingsのところにうってでたいと。

日本国内だけじゃなく。そういう形のものをやっていきたいといっているのはこのIoTのエリオスということです。かけるデバイス数で例え1円でも。「1円は高いよ」と言われちゃうかもしれませんが、そのもののモデルにあった課金ができるようなビジネスを考えています。

FY17重点施策:上流シフトの準備

さらにですが、NOC・SOCこういった4件。それからお役所関係もやらせていただいてますし、あるいはその他の民間の会社のSOCもありますので、これを一気に広げたい。SOCのポリシーが何百件。すでにうちの中のライブラリに入っている。これがまさに効果・考慮のエッセンス。

これは1年や2年で絶対追いつけないという自信がありますから、もっと僕らはスピードをあげて絶対追いつけないところに行っちゃいます。行っちゃった上でOEMビジネスなりを考えています。

今はそういうものをひたすらためているというところです。あとは先ほどもルネサスで説明しましたが、大体こういうイメージですね。登り方向で正しいThingsですから下り方向で正しいコードを打つというところになっております。

それからPMばっかり増やしてまた社員増やすことに。もう本当に、社員増やしてもぜんぜん足りないので。正直申し上げても12月なんて頭抱えてまして、10件きて3件しか応対できないんです。7件ぐらいご辞退申し上げると……。

「辞退は許さん」とか言って電話かかってきたり、いろんなことをするんですがリソースがこれだけいてもでも足りないです。

それでいて上流の方向にエンジニアを持ってかないとまた意味がないということなので今年からパートナー制度ということで主にSPSを中心にやられる会社とパートナー制度を結ばさせていただいて。

私どもの技術も勉強してもらって真ん中の開発・テスト・設計、そういったことを担っていただくような仕組みをして、うちのエンジニアはもっと上流にいくか、あるいはNOC・SOCというリカーニングのビジネス側でAIを使ってもっと処理化したいビジネスを立ち上げるといった方向にどんどん舵を切っていきたいと思っております。

2018年3月期通期業績予想

来期の目標、これももうご案内しております。

売上はいつも控えめなのはなぜかというのは今日も申し上げました、引き販売。去年度やめるつもりだったんですが、どうしてもお客さまに迷惑がかかってやめれない。今年こそやめようと。でもお客さまに迷惑がかかるとまたいっちゃうかもしれない。

危ないビジネスですね。トップラインだけボリュームが大きくなるので、なかなかオーダーを切ってくると「何億円お断りなさるんですか?」っていう話になる。でも「何百万円にしか利益にならないものをやってても本当にいいんですか?」という問題もあり去年切りきれませんでした。

だから500億円達成はそれなりにみんな喜んでるんですがそれはハードウェアのパッケージのビジネスが何十億円か入っているという。他のビジネスに関してはまあまあなんとなくで進めさせていただいているというのがこんな形です。ですのでその部分が下がるというリスクを踏まえて今回はトップラインが520億円と相変わらずのお運びで数えさせていただいたということになります。

以上でご説明が終了しました。