2017年3月期第3四半期決算説明会
孫正義氏:みなさん、こんにちは。孫でございます。よろしくお願いいたします。
最近つくづく思うんですけれども、創業して間もない頃というのは、今月末の資金繰りをどうするかということで、1ヶ月1ヶ月の資金、そして目標に対する達成というものに、私の頭の中のかなりの部分が使われておりました。
それから10年少し経って、上場して、我々のものの見方は1ヶ月1ヶ月ではなくて、少なくとも3ヶ月、1年というような先を見るようになってまいりました。
最近は、「今年どうなのか?」「この四半期どうなのか?」という業績のことよりは、「10年後のソフトバンクの構えをどうするんだ?」「30年後の構えをどうするんだ?」と。「本気でソフトバンクを300年成長し続けるようなグループにしたい」と本気で思っているんですね。
ですから、そのための構えを、私が創業者としてまだ元気なうちに、単に私の次の後継者をどうするかというレベルだけではなくて、300年間本当に成長し続けるような、そういう組織体にするには、創業者としてどういう構えを作っておいたらいいのかと。そのことに私の頭の部分をかなり使うようになってまいりました。
そういう意味で、今振り返ってみても、ARMの買収というのがソフトバンク2.0の大きな第一歩だったと思います。
そこをきっかけとして、さらに大きく攻めていく構えを作るために、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」というものを構想し、今その最終的準備に奔走しております。
かなり進捗してまいりました。それで、いよいよソフトバンク・ビジョン・ファンドの立ち上げの終盤に入ってまいりましたので、資金を集める上でのルール上、クワイエットピリオドに入ったと。ファンドの詳細についてはルール上、いま一切コメントできないというような時期に入りました。
つまり、いよいよ終盤戦の最後の立ち上げの準備期に突入したということであります。
もう確実にこのファンドは組成されるという方向になってまいりました。つまりかなり現実味が出てきたということであります。
これは、ソフトバンクが、本当にこれから10年、30年、300年と成長していくための重要な構えだと思っております。
そういう意味で、今日は決算発表のこの直近の四半期がどうであったかということについての事業の内容についてもお話ししますし、まあ、ファンドについては詳細は言えないということなんですけども、ものの考え方については今日少し話をさせていただきたいと思います。
そういう意味で、新しいステージに入ったソフトバンクというものを、ぜひ今日はみなさんに説明申し上げて、質問もお受けしたいと思います。
あらかじめ申し上げておきますけれども、質問のときに、政治がらみの……とくにアメリカの政治がらみのことについては、なるべく聞かないでいただきたいと(笑)。
まあ聞かれても、政治がらみについてはあまりコメントできないという立場でございますので、ぜひよろしくお願いしたいと。
あくまでもソフトバンクの事業についての話を今日はしたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
ソフトバンクの本業は“情報革命”
いま少し話を申し上げましたように、ソフトバンクっていったい何なんだろうと。何の会社なのかということであります。
我々、ソフトバンクの事業領域とは何ぞやと。最近ARMの買収をしたと、チップの会社だと。ソフトバンクの本業からあまりに離れているじゃないかと。こういうふうに多くの人が思われたかと思います。サプライズだったと思ったと思います。
しかし、創業以来ソフトバンクが一貫して変わっていないのは、ソフトバンクは情報革命をするための会社である。ソフトバンクの本業は情報革命だと。
私の尊敬している偉大な歴史的人物、坂本龍馬さんが彼の生涯を何にささげたのかと言うと、明治維新にささげたわけです。
あるときは剣術士でありますし、またその剣を使いながら、時にはそれが鉄砲に変わったり、黒船に変わったり、万国公法公開の法律の枠組みを勉強したりして、結果的に明治維新政府の枠組み、新政府のものの考え方、船中八策だと。これがのちの新政府の新しい日本国憲法の最初の枠組みにもなったと言われております。
途中での姿・形が変わっても、一貫して300年続いた日本の維新を起こすことに生涯をささげたと。ソフトバンクは姿・形が最初はパソコンのソフトの卸業者であったと。
次に出版も一部やっておりましたけれども、それがパソコンをお互いにつないでインターネットにするんだと。
そのパソコンのインターネットの会社がモバイルの会社になったと。私がボーダフォンジャパンを買収したときに、ぜんぜん本業と違う通信の、しかも携帯の会社を買収ということで、「ぜんぜん本業と違うね」と言われました。
でもそれは、私の全体の流れからいくと、一度道を踏み外したのではなくて、一直線に情報革命に向かったということであります。
その中心が、結局ぜんぶ共通しているのはマイクロコンピューターのチップが中に入っているということであります。
私が10代後半のときに、初めてマイクロコンピューターのチップの写真を見て、現在で言うシンギュラリティ、その当時はシンギュラリティという言葉はなかったんですけれども、このチップが人間の知恵と知識、知能を遥かに超えるものになるんだと想像し、道端で立ったまま涙と流したと。
その日から、私の思いは変わっていないです。一貫してこの情報革命に人生をささげてきたと。
このチップがいよいよパソコンからモバイル、モバイルから運動シューズ、眼鏡、冷蔵庫、洗濯機、自動車などありとあらゆるものに入っていくと。
そのようにインターネットの中心、情報革命の中心が移っていくと。その移っていく重心の中心にソフトバンクの事業領域を常に標準を合わせてきていると。
そういう意味では一貫して、我々は情報革命の最先端のところに挑戦し続けていると。そういう会社であるとご理解いただきたいです。
そして、この情報革命を加速させるために、このソフトバンク2.0の構えをつくろうとしているということであります。
連結業績
それでは、そういうもの考え方の中で直近の3ヶ月間の事業の内容を振り返ってみたいと思います。業績はご覧のとおり、ひと言で申し上げて順調であるということであります。
売上高
売上は0.3パーセント減りましたが、国内(通信)、ヤフー、流通(他)みな順調にいっています。
スプリントはアメリカの会社ですけれども、スプリントの売上はドルベースでいくと増えておりますけれども、円ベースで換算すると少し減ったように見えます。
ドルでものを考えるべきなのか、日本の会社だから円でものを考えるべきなのか、それはものの見方ですが、どちらにしても誤差だということであります。
調整後EBITDA
(調整後)EBITDAは9パーセント伸びました。
その内訳ですけれども、部門別ですが、国内の通信、ヤフーそれぞれ順調に伸びております。スプリントもドル円関わらず伸びております。全部順調に伸びているということであります。
営業利益
営業利益、18パーセント伸びました。
この内訳もご覧のように、ちょうど2〜3回前の決算発表会のこの場で、みなさんのイメージでは、スプリントは倒産寸前で解決策は見えないと写っていると思いますけど、僕の頭の中、胸の中では、スプリントはこれから成長の牽引役になると、心の中で自信が出てきたとと申しましたけれども、その自信が結果として数字に現れてまいりました。
ご覧のように、スプリントの営業利益は3倍増近くしていると。ですから、18パーセント営業利益が伸びたうちの一番伸びたところは、スプリントがまさに利益の成長を牽引するという立場になりつつあると。これからこの状態がどんどん加速していくと思っております。
純有利子負債 EBITDA倍率(連結)
ARMの買収、スプリントの買収で一時的に我々の純利子負債が増えております。
増えておりますけどもEBITDAも伸びているし、今後の大きな投資はファンド経由というかたちになりますので、自ずと借り入れ、純有利子負債というのは、EBITDAに対して、利益に対してどんどん借り入れの比率は下がっていくと。
私は下がりすぎるのは本当はよくないと思っております。それは成長の機会を見送ることになるからです。
ある程度健全な範囲のレバレッジいうのは、経営にとってはベターだと思っております。その健全な範囲の中というのは3倍から3.5倍ぐらいが、ちょうどエンジンをふかしつつ、体に重力を感じながら成長させていくという意味では、ちょうどいい頃合いだと思いますけれども、近々この3.5倍のところの領域に入るということで安心しております。
3.5倍と言いますけれども、私の胸の中の計算では0倍です。というのは、保有している有価証券ですね。上場済みの株式だけで、この純有利子負債を上回る規模を持っていると。だから、その気になればいつでもゼロにという意味で安心しているということです。
国内通信事業 営業利益・累計契約数(主要回線)
次に主要セグメントの説明を申し上げたいと思います。
まずは国内の通信です。営業利益が9パーセント伸びました。順調です。
回線数も順調であります。54万回線前年対比で伸びております。
ヤフーとのシナジー
さらにソフトバンクモバイルとYahoo! JAPANがより事業の連携を深めるという意味でYahoo! ショッピングは今伸び盛りですから、ソフトバンクモバイルのユーザーとYahoo! ショッピングの事業の連携を深めるということで、(毎日)ポイント10倍キャンペーンを今月から始めております。
まだ始まったばかりですけど、速報によると「非常に良い」と。非常に良い結果が今、出始めています。ですから3ヶ月後には、よかった内容をより詳細にお伝えできると思います。
SoftBank光 累計契約数
また、我々は携帯の前に、モバイルの前に固定ブロードバンドということで、ADSLをはじめました。
固定のブロードバンド。インターネットをより高速にするためにADSLからはじめました。ADSLは立ち上げのテクノロジーの1つのものでしたけど、これが光ファイバーにどんどん置き換わっておりまして、我々の光ファイバーを家庭につなぐという事業がどんどんと伸びております。
これはますます伸びると。前年対比で2.6倍のとこまできました。ですからこれは、さらに伸びていくと思います。ちゃんと利益を伸ばしながら伸ばせるという構えができたわけです。
フリーキャッシュフローを上方修正
その結果、フリーキャッシュフローが伸びました。これは税引き後、設備投資後の現金の収益であります。
会計的な収益の表現の仕方というのは、いろんな方法があります。EBITDA、調整後のEBITDA、営業利益、経常利益、純利益といろんな会計上のモノサシがありますけども。
それがUSギャップであったり、IFRSであったり、日本の会計基準であったり、会計基準によってモノサシはぜんぜん変わるわけですね。
でも最終的なたった1つの事実は、現金であります。現金だけは何にもかかわらず、事実ということですね。
その現金の部分で我々、この3年間で急激にフリーキャッシュフローが伸びていると。1年間で稼いでいる利益ですね。9ヶ月間で4,300億円、現金の利益が出るというところまで来ました。
国内の通期だけで5,000億のフリーキャッシュフローを出すという予想でしたけど、これを今日のこの場をもちまして、5,500億円に上方修正をさせていただきたいと思っています。
この現金収益、フリーキャッシュフローが売上高に対して20パーセントというのは、世界一の比率であります。
つまり、我々の国内の通信事業は世界でも有数の事業効率と形態を実現できるとこまで来たということであります。
2016年度見通し
何度も「ソフトバンクはもう潰れる」「ソフトバンクの通信はもう危機だ」ということを言われてきましたけど、順調に、最終的な利益のフリーキャッシュフローで稼げるというところまで来たというところであります。
したがって、国内の通信の事業というのは、順調にこれからも走っていける。宮内が立派に社長として、その役割をこれからも継続してやってくれると信じております。
Yahoo! JAPAN
その次にもう1つ、国内の重要な事業はYahoo! JAPANであります。
アメリカのYahoo! がいろんなかたちで苦しみましたけど、Yahoo! JAPANだけは世界で唯一、Yahoo! のなかで唯一、毎年利益を更新し、伸びてきた会社であります。
このYahoo! JAPANのいくつかの収益モデルですけど、重要な柱は広告収入。この広告収入のところが、検索広告そしてディスプレイ広告両方ともに伸びて、前年対比10パーセントの伸びというところまでなってきております。
「eコマース革命」の進捗
もう1つ重要な柱は、eコマースです。ちょうど「eコマース革命」ということを発表させていただきました。
私自身がYahoo! JAPANの会長として自ら旗を振って、Yahoo! JAPANのeコマースのビジネスモデルを根底的に変換させたわけですけど、おかげさまでお店の数が16倍に増えたと。
競合他社、社名をあげるのは遠慮しますけど(笑)、競合他社のお店の数の10倍にまで増えたということであります。
eコマース革命で、ビジネスモデルを変えたと。そしたら3年で16倍の店、競合他社の10倍。それまでは店の数は全然伸びなかったんですよ。10年間ぜんぜん伸びなかったのが、突然10倍増したと。競合に対してですね。
結果、売上も倍になりました。これでモデルができた。これから5年10年、eコマースで、Yahoo! JAPANのショッピングを伸ばしていけるというモデルができたということで、あとは、さらなる実行を増やしていく、実現させていくというかたちで、これも十分やっていけるというふうに自信を深めているところであります。
2013年のスプリント買収から現在まで
我々の一番難しかった直近の事業はスプリントですね。
「いよいよソフトバンクはこれでこける」と最近言われてまいりました。
もともと、スプリントと、競合のTモバイル、両方買収して合併させて、アメリカの2大通信事業でありますAT&T、ベライゾンに対抗勢力を作ると。
2社でほぼ独占している市場に、3社目の対抗勢力を作る、三国志にするんだという構えでいこうとしたわけですけれども、残念ながらアメリカ当局の考え方によって、我々はそれを受け入れられないということで、最初の戦略が狂ったわけですね。
したがって、スプリントは単独で走らざるを得ないという状況になったわけです。「買わなきゃよかった」とずいぶん後悔しました。まあ、合併が許されるだろうという読みのもとに入ったわけですけども、その読みが狂ったということで、自信をなくしました。
世の中もう嫌になりました。非常に悩みました。だいぶ毛も薄くなりました(笑)。もう売りたくてしょうがないというところまでいきました。
実際に、この決算発表の場でも、「苦しくて長い戦いになる」ということを正直に申し上げました。内容は惨憺たるものでした。
「最悪の過去」ということで、ネットワークの品質は最悪。それから、純増も最悪。顧客獲得も最悪ですね。利益も最悪、フリーキャッシュフローも真っ赤っ赤。もうどんどん金が失われていく、借金がどんどん増える一方という状況の会社でありました。まあ、七転八倒して苦しんだと。「苦しい」ということを申し上げました。
「ソフトバンクはこの失敗の判断で、大変な赤字に苦しむ」ということを言われました。誰も買ってくれないということで、しかたないので自力で這い上がろうという決意をしました。
スプリントの4つの反転戦略
4つの反転戦略ということで、ネットワークを改善するんだと。顧客獲得を増やすんだと。経費を下げるんだと。そして、資金調達の多様化をするんだと。この4つの改革を決意しました。
私自身、もう背水の陣ということで、自らチーフネットワークオフィサーになると。マルセロ(スプリントCEOのマルセロ・クラウレ氏)が営業のほう、「経費削減等は自分が責任を持つ。でもネットワークについては自分は専門家じゃないから、マサ、お前さんが最初から責任とると言ってたじゃないか、やってほしい」ということで、「わかった、じゃあそこは私が陣頭指揮をとってやる」と。
今現在も、私自身が毎週、スプリングのチーフネットワークオフィサーとして、ネットワークの詳細設計の責任者として、詳細設計、そしてその進捗をチェックしております。夜の10時から、夜中の12時過ぎまで、毎週、私自身がチーフネットワークオフィサーとしてやっております。
通常は、チーフネットワークオフィサーというと技術者です。技術者で、経営の責任がないわけです。ですから、彼らがなにをやるかというと、「設備投資の予算をください」ということで、お金をたくさん、まず予算調達をするわけです。
最初に説得するのは、経営陣、CEOに対して、「ネットワーク予算をください」と言うわけです。
私はオーナーでかつネットワーク責任者ですから、「そんなに金要るのか?」と。「なんでそんなに金を使うんだ」という立場で設計をするわけです。
ですから、4社の中で圧倒的に少ない設備投資を行ったわけです。4社の中で一番激しく、早くネットワークを改善したわけです。これを言うのは簡単なんです。
チーフネットオフィサーとして、お金を使って改善するのは簡単なんです。だって機器を提供するメーカーがいるわけです。
機器を提供するメーカーは改善するのに、「はい、協力します」「立派な次世代ネットワークを作るのに協力します、買ってください」と来るわけです。
私は「冗談じゃない」と。設備投資の予算がドーンと申請きたのを、全部却下しまして、自分で設計し直すということでお金は圧倒的に少なく使うと。
でもネットワークの改善は一番激しく、早く改善すると。これがもう時期、一位になります。ソフトバンクのネットワークは世界で一番つながるんです。
みなさん国内では、ソフトバンク、ドコモ、KDDIと3社が激しくネットワークの進出で競争しているのを当たり前みたいに思っているかもしれません。
海外に出てみてください。日本のモバイルのLTEの接続率、スピード、カバー率は圧倒的に世界一ですよ。海外に行ったら、日本のユーザーがどれほど恵まれているのかということが初めて認識できると思います。
実際に、海外に出てスプリントでアメリカで経営してみて、アメリカのネットワークの品質の悪さというのは十分認識しております。
それをお金を使わずに。先日、スプリントの決算発表がありましたけれども、設備投資が少ないからネットワークが改善しないと勘違いしたアナリストの方とかジャーナリストの方が一部いたようでしたが、それはまったく初歩的勘違いであります。
お金を使ったら、ネットワークは良くなる。普通はそうです。なぜソフトバンクモバイルがフリーキャッシュフローが世界一の利益率になったかと。
それは設備投資、お金をなるべく使わないで世界一のネットワークを作ったから、フリーキャッシュフローが世界一位になったわけです。
ですから、同じようにスプリントもなるべく設備投資、お金を使わずに改善率は1位と。改善率だけでなく絶対値も1位になります。もうじき1位になります。
私が、チーフネットオフィサーとして、責任をもってもうじき1位になるということを実現させてみせます。それだけの自信ができた、それだけの設計ができたということであります。
RootScoreアウォード受賞数(大都市圏)
この第3四半期による、そのネットワークのいろんな賞を与えるわけです。この受賞の数もだんだん増えてきて、結果スプリントが一番改善率が高いということになりました。
スプリント 純増(ポストペイド携帯電話)
顧客の獲得もマルセロを中心に非常にがんばりました。毎月、毎月、顧客が純減、純減というところから、毎月純増というところまで変わってきました。
スプリント 解約率(ポストペイド携帯電話)
解約率も低い次元に一気に改善してまいりました。
スプリント 売上高
その結果、どんどん売上高が下がっていたのが、売上が反転してまいりました。
スプリント コスト削減
同時に固定費の削減がどんどん進んでいると。年間の固定費が3兆数千億円かかっていたのが、年間の固定費が約1兆円近く下がりました。この4年間で。年間の固定費が3兆数千億円だったのが、2兆数千億円のところまで下がりました。
スプリント 調整後EBITDA
ですから、この4年間でEBITADAが倍増したということであります。完全に反転してきたと。あれほど難しかったスプリントの経営が反転してきたと。
スプリント 営業利益
したがって営業利益も真っ赤っかで、どんどん営業利益がさらに悪化していくという状況から一気にに反転してきて、ついに営業利益で千数百億円の黒字、9ヶ月で千数百億円の黒字まできたということですね。
アメリカの歴史の中でもまれにみる大反転ということですね。これだけの大企業で真っ赤っかのところから反転するというのが、非常に珍しいということであります。
スプリント 調整後フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフローについても黒字になってきたということであります。
スプリント 手元流動性
もうじき倒産する、資金が底をついたと言われていた会社が、手元の資金でも十分な余裕が出るところまで来たということであります。
今日現在でもスプリントはソフトバンクの足を引っ張ていると思っている人がたくさんいると思いますが、おそらく半分以上の人がいまだに思っていると思います。
スプリント 持分価値
しかし、ソフトバンクが買収に使ったお金は1.9兆円で、スプリントは上場しておりますので、今現在のスプリントの価値は3兆円を超えるところにまできたと。
つまり、我々がスプリントを買収してこれほど苦しんだ経営の中で、投資した金額に対して58パーセント伸びたと。1兆円以上儲かったということです。
この短期間で、我々が投資したスプリントの上場している価値が1兆円以上増えたということであります。
2016年度見通し
したがって、スプリントが足を引っ張って、スプリントで悩みまくっているというイメージをそろそろみなさんのほうでも認識を改めていただきたいと思います。
私はそういう自信が出てきたと。だからARMを買収するという決断ができたと。みなさん、いよいよスプリントがこれから成長の牽引役になりますということを前回、前々回くらいから言い始めたと思いますけれども、その自信の結果、ARMの買収の意思決定することになれたと。
さらにその結果、次の攻めだということで、10兆円規模の世界最大の投資ファンドを創るという決断ができたということです。