戦略フォーカスによる利益成長

ジェームズ・キーホー氏:みなさん、こんにちは。我々の第3四半期の決算カンファレンスにご参加いただきまして、ありがとうございます。

すべての将来の見通しについては読み上げませんが、ARIADの買収計画に対して特別に注意事項を記載していることをご留意ください。

2016年はすばらしい年でした。戦略的なフォーカスと着実な実行によって、収益性のある成長を遂げることができました。

結果として、今年2回目の上方修正を行いました。累計の業績も我々の期待を超えるもので、すばらしい売上成長がすべての地域から生み出されています。成長ドライバーによって牽引されています。

収益性も継続的に改善しています。これは売上成長とマネジメントでバランスが取れているからです。

そして、武田を3つの治療領域に絞り込むというトランスフォーメーションを実施中です。「GI」「オンコロジー」「CNS」です。

そして、ARIAD Pharmaceuticalsを買収するという決定は、この戦略を着実に遂行することの証でもあります。この1年半の間に、50の外部とのコラボレーションをこの主要な治療領域で実施してきました。

5ページをご覧ください。財務ベースでは非常に強い利益を出すことができました。しかし、売上は5.6パーセント減収となっております。これは為替と事業等の売却の影響です。

実質なCore Earningsの成長、それからテバとの合弁会社に係る事業譲渡益がありまして、この為替の影響と売却影響を吸収することができました。

結果として、財務ベースでの営業利益は29.8パーセント。EPSは46.3パーセント増加しました。オペレーティング・フリー・キャッシュ・フローに関しては9.3パーセント前年比で増加しております。

売上は7.4パーセント伸長しており、実質のCore Earningsは23.5パーセントというすばらしい伸長を遂げました。そして、前年比で2.1パーセントのマージンの増加も行っております。

実質のCore EPSは31.7パーセントでした。これはCore Earningが増加したことと低税率のタイミングの影響です。

このような力強い業績を通年も継続できるということです。詳細についてはのちほど触れていきます。

損益計算書(財務ベース)

6ページです。先ほど申し上げましたとおり、売上は5.6パーセント、財務ベースでは減収です。

これは8.4pp為替がマイナスに寄与しています。そして、4.5ppのインパクトが事業等の売却で生まれています。

これらの要素というのは、我々の財務ベースでの売上総利益にもマイナスに影響しています。3.4パーセント前年比で下がっているのですが、そのうちの1.1ポイントがForex、そして1.4ポイントが売却です。そして残りの0.9ppですけれども、そのうちの0.6ポイントというのはコストフェイジングです。

営業利益はだいたい500億円、もしくは29.8パーセント増えました。この力強い実質的なCore Earningsの成長ですけれども、テバの事業譲渡益が税引前でかなり高く、1,030億円。そして、為替の影響が224億円。そして売却の影響579億円を吸収しています。

純利益とEPSの成長というものは、引き続き低税率とタイミングが寄与しています。そして、法定利益のミックスがあります。

そして、最初の9ヶ月の財務ベースの税率は19.5パーセントです。通期のレートとしましては、20台半ばを予想しております。

そして、ネガティブな持分利益マイナス4億円ですけれども、こちらはAppendixの28ページに詳細の内訳を示しております。

損益計算書(実質ベース)

7ページですが、実質のP/L、売上の伸長は7.4パーセントでした。

こちらは上期の成長率とまったく同じ伸長率です。

実質の売上総利益率ですけれども、これは前年で実質ベースで0.7ポイント低くなっています。これは製品コストの調整のタイミングです。

前回の決算発表で申し上げましたけれども、マージンは改善して年度末を終えたいと考えております。引き続きエンティビオ、ニンラーロ、タケキャブのような成長が力強く出ておりますので。

そして、売上成長率よりも低いペースでSGAの成長が見られています。

強いビジネスのパフォーマンスのおかげで、実質のCore Earningsが23.5パーセント伸長しています。2.1ppのマージンの改善が前年比で見られました。

そして、実質Core EPSですけれども、31.7パーセントの伸長です。こちらは税率のタイミングというところがあります。

そして、実質の税率ですけれども、19.7パーセント。そして通期での税率ですけれども、20パーセント台後半を予想しております。

実質的な売上収益はプラス7.4%の増収

それでは8ページをご覧ください。みなさん、これはよくご存じだと思います。

財務ベースの15年度の売上収益が左側にあります。そして財務ベース2016年は右のほうに示してあります。

その間に調整要因が入ってきます。それによって実質の売上の伸びが出てきます。為替と事業売却の影響を両辺から引いています。

成長ドライバーは15.5パーセントの伸び。これは武田の製品の売上の全体の54パーセントとなっております。

去年と同じ時期と比べますと、成長率は10パーセント、そして51パーセントというのが売上の構成でしたので、大きく加速しているというのがこれでわかります。成長ドライバーが牽引しています。

GIの売上は37パーセント伸長。これは迅速な伸びがエンティビオによってもたらされているということを示しています。エンティビオが1,000億円の売上を最初の9ヶ月年度内で達成しました。地理的な拡大、そして、バイオナイーブな患者さんの使用が増えているということによるものです。

タケキャブも日本では非常に好調です。オンコロジーの売上も伸び、6.3パーセントと加速しました。

ニンラーロが牽引しています。これは年初来の売上が1億9,000万ドルを上回っています。アメリカで最初の9ヶ月での数字です。そして、新規の再発難治性の6人に1人はニンラーロから治療を始めています。

マーケットの12ヶ月のデータを見ますと、プロテアソーム阻害剤は、過去最も成功しているということが言えます。また、ニンラーロをいろいろな国で準備を進めています。この中には、ヨーロッパも入ります。去年11月に承認を得ました。

加えて、アドセトリス21.9パーセントの伸び。そして、オンコロジーのポートフォリオは非常に大きく、このARIADの買収によってさらに伸長することでしょう。CNSの伸びが28.3パーセント。これは、主にトリンテリックスがアメリカで申請したことによります。

全ての地域で売上収益が伸長

それでは、パフォーマンス。地理的にどうかということを9ページでご覧ください。

バランスが取れた売上の伸びが、いろいろな地域の世界で見られています。日本は5パーセントの伸びの加速をしました。

これは主に、アディルバで14.5パーセントの伸びでした。そして、ロトリガは、25.5パーセントの伸び。そして、タケキャブはすでに、250億円を上回っている生産となり、これらを牽引しました。

ヨーロッパ、カナダの成長は、4.6パーセント。スペシャリティポートフォリオが牽引しました。エンティビオのこの地域におけるセールスは、対前年で2倍となっております。アドセトリスは12パーセント近く伸長しました。

アメリカは、2桁成長が続いています。大きく貢献しているのが、エンティビオ。こちらは、85パーセントの伸び。トリンテリックス、これは44パーセントの伸び。ニンラーロは、年初来で2億ドル近くの売上となっています。

新興市場の成長は、4.9パーセントです。今後も強い成長が、主要な市場で見られます。ブラジルは9.5パーセントの伸び、中国は8パーセントの伸び。ロシアは7.3パーセントの伸びです。しかし、一部の国では、弱い数字となりました。中東及び東南アジアです。

実質的なCore Earningsプラス23.5%の成長

それでは、実質Core Earnings、10ページをご覧ください。

こちらは、ブリジングを示しています。財務諸表ベースの営業利益から実質ベースのCore Earningsです。みなさまご存じだとは思いますが、償却、減損、その他の所得および経費を引いています。そして為替、事業売却の影響がありそれによって実質Core Earningsの数値が導き出されています。

武田のトランスフォーメーションの規模、そして一時的なインパクトというものがあります、トランスフォーメーションによって。そしてCore Earningsについては、長期の利益を課せる力を示していると思います。

実質Core Earningsが23.5パーセントの伸びとなりました。主に総売上の伸びが6パーセント。そして強い貢献が間接費についての改善でもたらせています。間接費については1.5パーセントということで、営業利益では伸びは1.5パーセント。

これは売上の伸びよりもずっと小さいもので、営業経費の伸びが1.5パーセント。これは売上の伸びよりもずっと小さいものです。そしてコスト管理がよい。衝突の節減、そしてタイミングの影響もあります。

Core Earningsの成長ですが、税率が低かったこともありまして、CoreのEPSの伸びが32パーセント近くとなりました。先ほど言いましたように、実質税率最初の9ヶ月は19.7パーセントです。しかし、今後通期については、20パーセント後半と考えております。

営業フリー・キャッシュ・フロー

12ページをご覧ください。

営業キャッシュ・フローについては、9.3パーセント伸びて1,200億円となりました。今後も運転資本の改善を目指していきます。しかし、まだキャッシュコンバージョンの日数を少なくする機会があると思います。とくに在庫の最適化。また、買掛のリサイクル、サプライヤーの支払いについて業界を良くしようとしています。

レポートベースのキャッシュ流出の名目でいくつか除かれているものがあります。まず、最初に408億円の支払いの影響のフローから除いています。これは将来のトランザクションが新興市場であるということを考えてのことです。

これは今の時点では、これ以上公表できません。またトランザクションについては、いろいろな条件が整い満たされた時点で発表していきます。また、157億円の支払い。これは将来のロイアリティの支払いについても除外しております。

これに関わる商品については公表していません。しかし、キャッシュのパフォーマンスについては非常に満足しております。

年間の見通し

次は13ページをご覧ください。通期の見通しについてです。

通期の見通しのガイダンスを実質Core Earningsで伸ばしていますし、またCore EPSについても引き上げています。また、財務ベースの見通しも引き上げています。

売上については、1兆6,700億円を1.7兆円としていますが、これは為替の年度末の想定に基づいているものです。また財務ベースのCore Earningsについては160億円から170億円と増加しております。

これはこれまで計画になかったARIAD等の買収などを吸収できます。また純利益についても2パーセント引上げています。また追加のイープットをARIADの影響について提供していますし、このトランザクションは予想通り今年の2月末には完了すると考えております。

まず、このリールがCore Earningsにプラスになるのは2018年と考えています。そして2016年度についてはこの影響がマイナスということで90~100億円となっております。このうち80パーセントについては、トランザクション、そして統合コストと考えます。

最後に暫定的に200~210億円の年間における無形資産の償却を想定したいます。これは2017年の想定に基づくものです。これについては暫定的なPPAによるもので今後変わっていくものと考えられます。

最後に強調しておりますが、株主還元についてはコミットしております。その主な部分は配当です。ARIADのトランザクションがあっても武田の配当に影響はありません。

マネジメントガイダンス

それでは14ページ、こちらマネジメントガイダンスとなります。

強い年初来の業績をお見せしました。これによって通期の見通しは今年に入って2回目の上方修正となります。ガイダンス実質Core Earningsについては10パーセント半ばから後半を10パーセント後半へと引き上げています。実質Core EPSのガイダンスについても10パーセント前半から半ばを10パーセント半ばの成長と変えております。

財務ベースの通期の見通し

スライド15ページをご覧ください。こちらは財務ベースの通期の見通しとなります。

先ほど話をしたように売上EPSについても上方修正をしました。そして営業利益についても大きな変更があったことを強調します。右側に書いてあります、まず最初にレポートベースのCore Earningsについての160億円~170億円上積みされることになります。強い年初来の業績を反映しております。

これによって前に計画にはなかった2つのコストを抽出することができます。そのうちの1つは追加の70億円のアーレンディーンのトランスフォーメーションのコストが2016年から2017年に加速していく。

それによって2016年度のアーレンディーンのトランスフォーメーションについては470億円となります。これは70億円増え前の想定は400億円でした。そして全体のプログラムの経費ひついては変わらず750億円になっています。

2つ目のトピックはARIADで90~100億円の影響です。マイナス影響は主に、トランザクションコスト、そしてそのクロージングコスト。例えば銀行向けのフィーであるとか、あるいは統合、そして移行のコストに関わるものです。さらに全体のコストのガイダンスを今年の5月に発表していきたいと思います。

その結果、強い実質Core Earnings、一時的なコストが増えたにも関わらず、営業利益についてはフラットとなります。

まとめとなりますけれども、今四半期も力強い結果でした。このモーメンタムを続けていきます。また明確な戦略的なロードマップを持ち武田を変革してきます。堅牢な売上値を今後も生みだしていきます。研究開発のパイプラインを強化していきます。収益率を改善して、競合に対抗できるようになります。

研究開発では、我々はイノベーションの場を高く設定しています。引き続き我々の治療料金のフォーカスを強化しフレキシブルなパートナーシップと外部のイノベーションを活用していきます。

我々のポートフォリオは今変革しています。それは2ヶ月の2つの大きなリールでも照査されている状況です。和光純薬の売却を行うことによって、コアな治療料金に対しての投資のリソースができました。

そして2つ目にARIADの買収がこれから数週間で完了します。これは本当に戦略的なリールで我々のオンコロジービジネスを変革するものでございます。

最後に今四半期の結果は納得できるデータポイントとして、我々のトランスフォーメーションが計画通り成功しており、強い結果を生み出してると申し上げたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。