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GMO TECHホールディングス株式会社415A

東証グロース

サービス業

GMOインターネットグループ

鈴木明人氏(以下、鈴木):GMO TECHホールディングス代表取締役社長CEOの鈴木です。よろしくお願いします。

まず、会社の概要と現在の状況について簡単にご説明します。当社はGMOインターネットグループに属する企業です。GMOインターネットグループは、ドメインやサーバーといったインフラ事業から金融事業まで幅広く展開しており、当社はその中でインターネット広告およびメディア事業のセグメントに属しています。

会社概要

鈴木:会社概要です。従業員数は約500人で、主にインターネット広告、メディア運営、直近では不動産テック事業と、幅広いサービスを取り扱っています。オフィスは、渋谷駅からすぐ近くのセルリアンタワーにあります。

沿革

鈴木:スライドは、直近のトラックレコードです。棒グラフは売上高を、折れ線グラフは営業利益を表しています。広告事業はさまざまな社会要因の影響を受けやすいため、売上高・営業利益ともに若干の変動が見られますが、全体として回復基調にあります。

主要サービス

鈴木:当社の事業は大きく4つに分かれます。1つ目は検索エンジン関連事業で、直近ではMEO(Map Engine Optimization、地図検索最適化)などの支援サービスを行っています。

2つ目はメディア事業で、口コミメディア「エキテン」というサービスを運営しています。こちらは、今年10月に経営統合を行ったデザインワン・ジャパン(現「GMOデザインワン」、以下「デザインワン」)が手掛けていた事業であるため、後ほどご説明します。

3つ目はアフィリエイト広告事業で、成果に応じて報酬をいただくモデルです。当社は主にスマートフォンアプリに注力しており、アプリのインストールや利用アクションに応じて成果が発生するビジネスです。

4つ目の不動産テック事業では、不動産管理会社さまを中心にDXツールを提供しています。

主要サービス/検索対策サービス

鈴木:検索エンジンによる集客支援事業について補足します。当社は特にMEOに注力しています。これはユーザーがGoogleマップでお店を検索した際に、お店の情報が適切に表示されるよう調整するサービスです。具体的には、お店の星評価や情報の更新などがあります。特にチェーン店には、複数店舗の営業時間を一括で変更でき、情報を更新できるSaaS型ツールを提供しています。

現状、当社のMEO支援サービスは日本国内で約5割のシェアを占めており、非常に収益性の高い事業として運営しています。

主要サービス/アフィリエイト広告

鈴木:アフィリエイト広告事業についてです。当社はスマートフォンアプリに特化したサービスを提供しています。例えば、アプリゲームのインストール数に応じてクライアントさまから報酬をいただくビジネスモデルです。

この分野では、「Facebook」などの海外アプリの需要が非常に大きく、売上の半数以上を海外のお客さまが占めています。

主要サービス/不動産テック

鈴木:不動産テック事業では、主に大手不動産管理会社を対象としたDXソリューションを提供しています。例えば、オーナー向けの収支報告書の電子化や電子契約、不動産管理業務を効率化するサービスなどを提供しています。

主要サービス/メディア事業

鈴木:メディア事業では、地域情報・口コミメディア「エキテン」を提供しており、多くのお客さまにご利用いただいています。

中期経営計画

鈴木:スライドのとおり、中期経営計画を発表しました。2028年12月期の売上高目標は160億円、営業利益目標は20億円で、直近では売上高73億円、営業利益5億円となっています。

中期経営計画サマリー

鈴木:中期経営計画における大きな方向性は、売上高や営業利益の目標を達成するだけでなく、2029年12月期にプライム市場への移行を目指すことです。さらに、ストック型収益の源泉となるMEO事業や不動産テック事業の成長を計画しています。

また、記載はありませんが、デザインワンとGMO TECHが上場会社同士で経営統合し、GMO TECHホールディングスを設立しました。現在、顧客基盤や管理部門の統合、いわゆるPMIを進行中です。

さらに、現在継続的に新しい仲間を迎え入れる取り組みも進めています。

経営統合の効果 MEO事業 | エキテン事業

鈴木:MEO事業とエキテン事業は、それぞれ別会社で運営していましたが、経営統合により顧客基盤を相互活用し、併売や新商品の提供を推進しています。

経営統合後のシナジー収益効果

鈴木:これらの経営統合のシナジーにより、2028年度には6億円弱の営業利益押し上げ効果を見込んでいます。

株主還元の方針

鈴木:当社およびGMOインターネットグループ全体では、株主還元を非常に重視しています。純利益に対する配当性向は65パーセント以上と設定しており、一般的な企業と比較しても高い配当水準です。

駆け足となり、不十分な点があるかもしれませんが、概要をご説明しました。

個人投資家はIRに何を求めているのか。

荒井沙織氏(以下、荒井):ここからはkenmoさんと一緒に詳細をうかがっていきたいと思います。それではkenmoさんからご覧になったGMO TECHホールディングスの注目ポイントを教えてください。

kenmo氏(以下、kenmo):個人投資家の視点でGMO TECHホールディングスの注目ポイントをご紹介します。私がIR説明会や決算説明を視聴する際に特に重視しているのは「変化」、業績の達成確度や可能性などの「蓋然性」、そして「ビジネスモデル」の3点です。この3点について順に見ていきます。

【変化】

kenmo:まず、変化についてです。現在、GMO TECHホールディングスには3つの大きな変化が起こっています。

【変化①】

kenmo:1点目は、デザインワンの経営統合です。「エキテン」はもともとデザインワンが運営していた事業で、32万店舗の顧客基盤と470万件の口コミデータを保有しています。一方で、収益性の面で課題があり、顧客もデータも豊富でありながら十分に収益につながっていませんでした。

GMO TECHホールディングスとして統合されることで、今後のシナジー効果が売上や利益にどのように影響を与えるのかが注目されます。

【変化②】

kenmo:2点目は注力領域へのリソース転換です。「エキテン」運営企業との統合やアフィリエイト広告事業における組織構造改革が進行中です。収益性の低い領域から高い領域へ人員を再配分する取り組みが進められており、これが利益率の改善につながるかどうかが注目点だと思います。

【変化③】

kenmo:変化についてもう1点お伝えします。細かいようで大きな変化として、今回、社名と銘柄コードが変更になりました。『会社四季報』や「株探」などで過去の情報が把握しづらくなり、情報の連続性が損なわれています。

一方で、本日ご参加いただいている投資家のみなさまにとっては、この変化が新たなチャンスをいち早く捉える状況を生み出していると言えるでしょう。

【ビジネスモデル】

kenmo:ビジネスモデルについては、先ほどご説明いただいたとおり、GMO TECHホールディングスの最大の強みはMEO対策であり、業界No.1という点が非常に大きな魅力です。現在はストック型事業が順調に拡大している一方で、フロー型事業が足を引っ張っている状況です。今後、この点がどのように改善されていくかが注目されると思います。

【蓋然性】

kenmo:最後に蓋然性についてです。中期経営計画で売上高160億円、営業利益20億円の達成を掲げていらっしゃいますが、現時点では不透明感が残り、マーケットも様子見のようです。そのため、株価にも過熱感は見られない状況です。

しかしながら、「エキテン」との経営統合によるシナジー効果が収益に貢献し、注目度が徐々に高まれば、達成確度を確認しながらエントリーする投資戦略も考えられるかと思います。

一方、配当による株価の下支えもあるため、本日の内容を踏まえて好感が持てる場合は、少し買ってみるという選択肢もあると考えられます。

以上、個人投資家としての視点で述べた所感になります。

質疑応答:デザインワンとの経営統合の背景について

kenmo:蓋然性について確度を高めるため、ご質問したいと思います。まずおうかがいしたいのが、スライドの「エキテン」を展開するデザインワンとの経営統合についてです。今回の意思決定を行った背景

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