logmi Finance
logmi Finance
高島株式会社8007

東証プライム

卸売業

目次

山田健一氏(以下、山田):上席執行役員 経営統合本部長の山田です。ただ今から、高島株式会社の2025年度第2四半期決算についてご説明します。

スライドの目次をご覧ください。2025年度第2四半期決算の概要、2025年度連結業績予想および株主還元について、私からご説明します。その後、中期経営計画「サステナV(バリュー)」の進捗状況については、社長からご説明します。

エグゼクティブサマリー

まず、2025年度第2四半期決算の概要です。売上高は減収、営業利益は減益、親会社株主に帰属する中間純利益は増益となりました。2025年度の業績予想は修正していません。

また、2025年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。1株当たり配当金は当該株式分割を考慮した金額となっており、期末配当は22.5円、年間配当は45円を予想しています。

連結業績 P/L

連結損益計算書についてご説明します。売上高は前年同期比3.0パーセント減の450億2,000万円となりました。営業利益は前年同期比1.2パーセント減の8億9,800万円となりました。

経常利益は、前期において現地通貨安の影響で発生していた為替差損が、当期では為替差益に転じたことなどにより、前年同期比29.0パーセント増の10億7,500万円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比44.0パーセント増の6億9,500万円となりました。EBITDAは前年同期比4.2パーセント増の17億7,800万円となっています。

EBITDAの推移

EBITDAの四半期ごとの推移はスライドのグラフのとおりであり、稼ぐ力が向上しています。

3つの事業セグメント

当社の事業は「建材」「産業資材」「電子・デバイス」の3つのセグメントで構成されています。

建材セグメントでは住宅および非住宅建築物向けに、外壁材、基礎杭工法、断熱材、太陽光パネル関連資材など、建設や建装に関連する商材を取り扱っています。

産業資材セグメントでは繊維資材、樹脂部材、機能資材などの商材を取り扱っています。

電子・デバイスセグメントのデバイス分野では、メーカーから電子部品を調達し、それを供給するという電子部品販売ビジネスを行っています。アセンブリ分野では自社工場で基板実装を行う製造受託ビジネスを展開しています。

セグメント情報

各セグメントの利益状況および各部門が直接担う利益水準をより明確にするため、当期から全社費用の配賦基準を変更しました。なお、前期のセグメント情報については、変更後の配賦基準に基づいて作成したものをスライドに記載しています。

建材セグメント全体の売上高は前年同期比3.4パーセント減の291億6,000万円、セグメント利益は前年同期比6.1パーセント減の7億9,500万円となりました。

産業資材セグメント全体の売上高は前年同期比3.4パーセント増の88億3,900万円、セグメント利益は前年同期比29.8パーセント増の5億1,800万円となりました。

電子・デバイスセグメント全体の売上高は前年同期比8.3パーセント減の70億4,600万円、セグメント利益は前年同期比23.9パーセント減の2億8,000万円となりました。

セグメント別概況 建材

建材セグメントの主な要因についてご説明します。非住宅分野では基礎関連工事などが低調に推移したことにより、減収となりました。住宅分野では新商材の拡販が奏功し、増収となりました。再生可能エネルギー資材分野では、住宅向け蓄電池販売が好調に推移したことに加え、2025年2月に連結子会社となった株式会社サンワホールディングスの業績が寄与し、増収となりました。

セグメント利益については、セグメント売上の減少に加え、業績拡大に向けた営業活動費用の増加により減益となっています。

セグメント別概況 産業資材

産業資材セグメントの主な要因についてご説明します。樹脂関連資材分野では、自動車関連や電子機器・精密機器関連の部材・物流資材の受注が拡大したことに加え、アミューズメント関連でリサイクル樹脂製品の販売も拡大し、増収となりました。

繊維関連資材分野では、産業用機能性繊維において資材や製品の販売が拡大した一方で、アパレル事業では「選択と集中」を進める中で一部事業を縮小したことにより、減収となりました。

セグメント利益については、セグメント売上の増加に加え、各連結子会社の機能最適化による工場稼働率の向上が大きく寄与し、増益となりました。

セグメント別概況 電子・デバイス

電子・デバイスセグメントの主な要因についてご説明します。日本国内の民生電子機器市場や白物家電市場では、中国企業がシェアを急速に拡大しており、当社の主要顧客である大手日系電機メーカーは総じて苦戦を強いられています。

デバイス分野では、主要顧客にて電子部品の供給不足の反動で積みあがっていた部品在庫が解消に向かっていますが、連結決算で使用する換算レートの差により減収となりました。

アセンブリ分野では、デジタルカメラ関連の低迷に加え、白物家電向けの基板実装が日本国内製品向け・ASEAN製品向けともに低調に推移し、減収となりました。

連結業績 B/S

貸借対照表についてご説明します。前年度末比で総資産は12億4,500万円増加し、612億9,000万円となりました。主な要因については次のスライドでご説明します。自己資本比率は1.8ポイント減少し、38.0パーセントとなりました。

連結業績 B/S

まず、資産の部についてご説明します。流動資産は前年度末比4.7パーセント増の432億9,500万円となりました。これは未収還付法人税等が減少したものの、現預金や商品・製品がそれぞれ増加したことが主な要因です。

一方、固定資産は前年度末比3.7パーセント減の179億9,400万円となりました。主な要因はのれんおよび投資有価証券がそれぞれ減少したことによるものです。

連結業績 B/S

次に、負債および純資産の部についてです。流動負債は前年度末比6.4パーセント減の260億3,500万円となりました。これは支払手形および買掛金が増加した一方で、短期借入金や電子記録債務がそれぞれ減少したことが主な要因です。

固定負債は前年度末比43.8パーセント増の119億5,100万円となりました。主な要因は長期借入金が増加したことによるものです。

純資産は前年度末比2.6パーセント減の233億300万円となりました。主な要因は為替換算調整勘定および利益剰余金がそれぞれ減少したことによるものです。

連結業績 C/F

キャッシュ・フローについてご説明します。当期末における現金及び現金同等物は105億400万円となり、前年度末比14億3,900万円の増加となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは15億8,700万円の増加となりました。これは棚卸資産の増加による減少分があった一方で、税金等調整前中間純利益の計上や法人税等の還付があったことが主な要因です。

投資活動によるキャッシュ・フローは2億4,800万円の減少となりました。主な要因は有形固定資産の取得です。

財務活動によるキャッシュ・フローは3億4,000万円の増加となりました。主な要因は長期借入による収入です。

2025年度(2026年3月期)連結業績予想

2025年度の通期連結業績予想についてご説明します。この予想は、現在入手可能かつ確定的な情報に基づき、地域別および分野別の販売機会や需要変動などの要素を考慮した上で、スライドのとおりとしています。業績予想の修正はありません。

2025年度(2026年3月期)セグメント別連結業績予想

セグメント別連結業績予想についても修正はありません。

株主還元:配当

株主還元についてご説明します。株主還元の基本方針としては、戦略的投資を伴う持続的成長企業を目指し、成長投資を拡大する一方で、資本効率性を意識した株主還元を実施することとしています。

2024年8月にROE8パーセント以上の達成に向けて、資本効率性のさらなる向上が必要であるとの認識のもと、中期経営計画における2024年度・2025年度の2年間の限定措置として、連結配当性向を80パーセント以上、総還元性向を100パーセントに変更しました。

また、2025年10月1日付で、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しました。1株当たり配当金は、この株式分割を考慮した金額で、中間配当22.5円、期末配当22.5円、年間配当45円を予想しています。業績予想に基づく連結配当性向は80.9パーセントとなる見込みです。

創業110周年(1915年10月1日創業)

高島幸一氏:代表取締役社長の高島です。中期経営計画「サステナV(バリュー)」の進捗状況についてご説明します。

はじめに、当社は2025年10月1日に創業110周年という記念すべき日を迎えることができました。この長きにわたる歴史は、当社の将来性に期待し、ご支援を続けてくださったみなさまの信頼の賜物であり、心より感謝申し上げます。

当社は1915年の創業以来、「事業を通じて社会に貢献する」という企業使命のもと、時代の変化を的確に捉え、「進化適合」の考え方に基づき、サステナブルな先進商社として事業を行ってきました。繊維資材から建材、産業資材、そして電子・デバイスへと事業領域を拡大し、社会の発展に貢献してきました。

1949年の東証上場以来、私たちは資本市場のみなさまに対し、常に「誠実一筋」の経営姿勢で臨み、透明性の高い企業運営と持続的な成長を目指してきました。この110周年という節目は、みなさまとの信頼関係をさらに強固にし、企業価値の最大化に向けた決意を新たにする機会と認識しています。

中期経営計画「サステナV(バリュー)」の目指す姿

中期経営計画「サステナV(バリュー)」では、カーボンニュートラル社会の実現に向けて変化する、市場の成長機会を捉えた戦略的な取り組みによる価値創造を通じて、サステナブルな社会への適応と持続的成長の同時実現を目指しています。

市場の成長機会と捉えているサステナブルな社会に貢献する省エネ化・省力化のニーズに対し、ターゲット市場で必要な機能・ソリューションを提供する機能商社として、価値を創造・提供しています。また、市場の成長機会を捉え、価値創造を繰り返すことにより、機能商社として一大飛躍することを目指し、持続的な成長を図っています。

サステナV(バリュー)の基本方針

当期は「サステナV(バリュー)」の3年目であり、最終年度となります。本中期経営計画では、利益成長と資本生産性の向上を通じて企業価値の向上を目指すことを基本方針としていますが、人財投資はその利益成長を実現するための主要な施策の1つです。

人財投資の取り組みとしては、中長期人財マネジメント戦略の策定・実行を掲げています。具体的には、グループ的人的資本の可視化、経営人財であるキャリア型人財・グローバル人財・営業人財・高度専門人財の採用と人財開発策、エンゲージメント向上策を挙げています。

人財戦略

人財戦略についてです。当社にとって人財は価値創造の中核であり、最も重要な資本であると位置づけています。人財の自律的成長と事業の持続的成長を組み合わせることで、企業価値の継続的な向上を実現していきます。

そのため、成長を支える人財の採用を強化し、自律的に成長し、能力を持続的に発揮できる環境を整備することを人財戦略の基本方針としています。

また、誰もが働きやすい職場環境を構築するため、2024年度からさまざまな委員会を立ち上げています。女性活躍推進のための女性エンパワーメント推進会議や、人財教育に関する教育委員会を立ち上げ、人財育成のためのさまざまな検討を進めてきました。

あるべき状態

「サステナV(バリュー)」における人財戦略を促進するため、2025年4月1日に「人の成長を考える委員会」を発足しました。この委員会は、組織全体のパフォーマンス向上や効率化を目指し、従業員の成長を定型的にサポートすること、従業員のモチベーションやエンゲージメント向上に寄与するために組織の成長と当社が求める人財の定着に貢献する仕組み作りを実現することを目的として活動しています。

さらに、研修や各種施策が人財戦略に合致し、人財の成長につながるものとして実施されているかどうかを確認・検証する役割も担っています。研修などの持続性を確保し、再現性のある人財成長を体系的かつ標準的に維持できるよう支援しています。

サステナビリティ・ロードマップ 進捗状況

「サステナV(バリュー)」では、サステナビリティを重視した経営に取り組み、社会課題の解決を通じた持続的な成長を実現することで、株主のみなさまの期待に応えていきます。

2022年にはサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ基本方針の策定、マテリアリティの特定、GHG排出量の算出などを行ってきました。2024年にはサステナビリティ・ロードマップを作成しており、今後もサステナビリティへの取り組みを推進していきます。

サステナビリティ・ロードマップ 進捗状況

多様性に関しては、国籍や性別を問わない多様な人財の採用・育成を推進しています。具体的には、2025年度までに外国人管理職比率30パーセント、女性管理職比率20パーセント、さらに2030年度までに女性役員比率30パーセント以上を達成する目標を掲げています。

また、誰もが働きやすい職場環境作りとして、育児休業取得率や有給休暇取得率などのKPIを設定し、職場環境の改善に取り組んでいます。エンゲージメントの向上については、2022年8月からエンゲージメントサーベイを実施しており、定期的にスコアを計測し、その向上に努めています。

私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:次期中期経営計画の策定状況について

司会者:「次期中期経営計画の策定状況はいかがでしょうか?」というご質問です。

山田:当期は現中期経営計画「サステナV(バリュー)」の最終年度にあたります。そのため、来年度からスタートする中期経営計画については、現在策定中です。

「サステナV(バリュー)」と同様に、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく、事業の持続的成長と人財の自律的成長を通じて、株主・投資家のみなさまのご期待に応えたいと考えています。来年3月までに策定し、5月の決算説明会でご説明する予定です。

質疑応答:次期中期経営計画における株主還元の方針について

司会者:「次期中期経営計画における株主還元の考え方について教えてください。今中期経営計画ではかなり高い還元率でしたが、その持続性はいかがでしょうか?」というご質問です。

山田:現段階では詳細をお伝えすることはできませんが、株主や投資家のみなさまのご期待に沿えるような株主還元策にしたいと考えています。

facebookxhatenaBookmark