仕事もプライベートも好奇心旺盛なAVILEN高橋社長 AI前提の世界を作るための本質的な変革支援を行う
~新morichの部屋 Vol.26 株式会社AVILEN 代表取締役 高橋光太郎様~

森本千賀子氏(以下、morich):株式会社morich代表取締役社長の森本です。
福谷学氏(以下、福谷):株式会社START UP STUDIO代表取締役の福谷です。今宵も始まりました「新morichの部屋」。
morich:26回目です。
福谷:先月2周年記念を迎えました。
morich:おかげさまでたくさんの方に来ていただきました。日本ビジネスシステムズ社は当初はまだスタンダード市場でしたが、翌週には見事プライム市場に上場しました。
福谷:現在は生配信していますが、その時はシビアな時期で生配信はできなかったのですよね。
morich:そのようなタイミングだったため、できませんでしたね。
福谷:そのようなことも経て今回で26回目を迎え、3周年目に突入しました。みなさま、ありがとうございます。
morich:本当にありがとうございます。この番組は『徹子の部屋』を追い抜かなければいけないので(笑)。
高橋光太郎氏(以下、高橋):目標が非常に高いですね。
morich:ゴールではなく超えなければいけません。
高橋:なるほど。
福谷:『徹子の部屋』は何年目ですか?
morich:50年目のようです。
福谷:いけますよ。
morich:人生100年時代ですから大丈夫です。
福谷:引き続き応援いただければと思います。そして本日も素敵なゲストをお呼びしています。
morich:実は3年前にお会いしているのですが、リアルでは今回が初めてとなります。このように明るい方だとは思っていませんでした(笑)。
高橋:3年前の私は暗かったですか(笑)?
morich:すみません(笑)。
福谷:出会いのきっかけなどについても後ほど聞かせてください。
morich:では、ご紹介します。株式会社AVILEN代表取締役、高橋光太郎さんです。
福谷:よろしくお願いします。
高橋:よろしくお願いします。
morich:ようこそいらっしゃいました。
高橋:ありがとうございます。
高橋社長の自己紹介

福谷:先ほどから声がちらほら入っていましたね。
高橋:ごめんなさい。雰囲気的に話して良いのかと思いました。
morich:大丈夫です。関西ご出身なのですよね?
福谷:もう「出なければ出なければ」と思っていたのですね。
morich:では、簡単に自己紹介をお願いします。
高橋:株式会社AVILENというAIの会社で代表取締役を務めている高橋光太郎と申します。お客さまとAI前提の世界を作ろうと、AIシステムを作ったり内製化を支援したりすることに取り組んでいます。よろしくお願いします。
morich:よろしくお願いします。今日は私も何に取り組んでいらっしゃるのかについてゆっくりお聞きしたいと思っています。一言では語れませんよね。
高橋:確かにややこしいですよね。
福谷:morichシャワーは浴びてきましたか?
morich:浴びてきました。
福谷:morichシャワーについてはご存じですか?
高橋:まったくわからないです。
morich:1週間前から高橋光太郎さんを浴びまくるというものです。
福谷:情報収集ということです。
高橋:そのような意味だったのですね。
morich:メディアなど、本当にさまざまなものから情報収集しました。
高橋:ありがとうございます。
高橋社長の少年時代

morich:夢にまで出てくるくらい浴びまくったのですが、実は今回もあまり幼少期に関する情報は出てきませんでした。
高橋:出てこないと思います。幼少期について話す機会はやはりないですよね。
morich:ぜひ聞きたいです。今日はどこにも出ていない高橋光太郎像をひもといていきたいと思っています。ご出身は大阪ですか?
高橋:六甲アイランドという兵庫県の人工島出身です。六甲アイランドの人には怒られてしまいますが、例えるなら規模の小さい豊洲をイメージしてもらえればと思います。
morich:それはおそらく豊洲の人も怒られますね。
高橋:私は1995年1月29日生まれで、阪神・淡路大震災の12日後が誕生日です。私は何も大変ではありませんでしたが、親は被災していたためかなり大変だったと思います。
morich:本当ですか?
高橋:祖母が大阪の豊中市にいたため、そこで生まれたそうです。
morich:本当によかったですね。
高橋:親がすごいですね。
morich:では、お母さまは妊婦のタイミングで被災されたのですね。
高橋:そのように聞きました。
morich:ということは非常にお若いですね。
高橋:1995年生まれです。
福谷:では、現在30歳ですか?
高橋:今年度で31歳になりますが、現在はまだ30歳です。
morich:幼少期はずっと関西でしたか?
高橋:そうですね。六甲アイランドでほのぼの過ごしていました。
morich:どのような少年時代でしたか?
高橋:昔から変わっていないと思うのは、比較的好奇心が強く、不思議なものが好きだということです。
morich:そのようなキャラのイメージはあります。
高橋:スキー教室に行っても、みんなが先生と一緒にスキーを滑る一方で、私は雪を見て「結晶のかたちが違う」ということをずっと言っているような子でした。そのため、先生から親に「スキーを滑らないんです」と電話されていたような変わった子どもでした。他にも幼稚園の時は祖母や親に図鑑を買ってもらい、延々と読んでいるような子でした。
morich:何がきっかけだったのですか?
高橋:きっかけはまったくわかりません。
morich:お父さまが立派な研究者だったということではないのですよね。
高橋:まったくです。ゴリゴリの営業マンです。
morich:お父さまは私と同じリクルートのご出身ですよね。
高橋:そうなのですよ。
morich:よく知っています(笑)。
高橋:まさかの父が知り合いだったということですね(笑)。
morich:確かにゴリゴリの営業でしたね。まさかこのような理系の息子さんに育つとは思いませんでした。
高橋:もともとの性質がそうだったのだろうと思います。
morich:おそらく世の中のお母さまは、どうしたらそのような子に育つのか聞きたいと思います。
高橋:それは私の母のほうが詳しいと思います。
morich:自然とそうなったということですかね。
高橋:ただ、図鑑などは買ってくれていたと思います。
morich:私も買ってもらったはずですが、おそらく3ページも見なかったと思います(笑)。
高橋:何度も飽きずに延々と読んでいました。小学校に入ってもそのようなものは変わらず好きでしたが、「レゴブロック」などもひたすら作っていました。
morich:空間認識力のためでしょうか?
高橋:空間認識力は低く、方向音痴です(笑)。
morich:そうなのですね(笑)。
高橋:自分が思うように何かを作ることが比較的好きでした。マニュアルどおり作った後は壊し、いったん自分の妄想をもとに作るかたちです。
morich:「レゴブロック」は、かたちどおりスピーディに作る人と、ガーっと崩して自分の好きなように作る人がいますよね。クリエイティブなほうなのですね。
高橋:小学生の時はずっとそのようなことをやっていました。
morich:では、将来の夢はありましたか?
高橋:まったく何も考えていませんでしたが、「将来は科学者とか、なんだかかっこいいな」という考えはありました。
morich:お友だちはいらっしゃったのですか?
高橋:いました。そこは親にも心配はかけませんでした。
morich:つい不安になってしまいました(笑)。
高橋:よかったです(笑)。
morich:中学校は地元で卒業しましたか?
高橋:中学校は世田谷学園という三軒茶屋にある男子校かつ仏教校でした。特に仏教の根強い信徒というわけではありませんが、そこへ進学しました。
morich:では、東京に引越したのですか?
高橋:そうですね。小学3年生の時、父親のリクルートでの東京への異動に付いて行きました。
morich:その時に会ったのが私です。
高橋:そうですね。そこで親が「受験だ」「勉強しなさい」という姿勢でした。
morich:でもまだそこまで受験熱はないですよね。
高橋:そうですね。今振り返ると非常に感謝していますが、私は勉強が本当に嫌でした。ですが、受験して世田谷学園という中高一貫校に行きました。
morich:そこで関西弁を捨てたのですね。
高橋:そうですね。今はmorichさんのせいでエセ関西弁が引き出されようとしています(笑)。
morich:そうですね(笑)。中学受験で無事合格された後、何かスポーツには熱中しなかったのですか?
高橋:中高はバレーボールをやっていました。
morich:まったくイメージがないです。すみません、卓球などだと思っていました(笑)。
高橋:いえいえ(笑)。バレーボールは都大会ベスト16だったと思います。セッターというポジションでした。
morich:バレーには比較的熱中していましたか?
高橋:熱中しているというほどでもありませんでしたが、チームで何かに取り組むことは楽しかったです。
morich:勉強は継続されていましたか?
高橋:あまりやらなかったです。
morich:何かの記事に「幼少期は起業家のお父さまの背中を見て」と書かれていたのですが、当時はまだリクルートの社員でしたか?
高橋:そうですね。私は詳細な時期を覚えていないのですが、高校生くらいの時にリクルートを辞めて会社を立ち上げていたと思います。
morich:なるほど。
高橋:リクルート時代も超仕事人だった記憶がありますが、会社を始めてからは非常に楽しそうにしていました。何だかよくはわからないものの、おもしろそうだと思っていました。
morich:中学と高校はバレーを続けつつ、大学についてもそのあたりの時期に決めたのですか?
高橋:そうですね。高校生くらいでどうするか考え始めました。ただ、あまりモチベーションはなかったです。
morich:本当ですか? 東大ですよ。
高橋:大学は東京理科大学です。
morich:そうなのですか。失礼しました。
高橋:モチベーションもなく、とりあえずという感じでした。
morich:とはいえ、東京理科大学も簡単には入れませんよ。
高橋:いえ、本当にそれっぽくやる程度で東京理科大学に行ったかたちでした。
morich:では、そこまで熱心に勉強していたわけではないのでしょうか?
高橋:まったくです。高校3年生の時だけ成績によるクラス分けがありましたが、一番下のクラスでした。
morich:本当ですか?
高橋:本当です。英語のテストで分かれたらしいのですが、本当に一番下のクラスで全然ダメでした。
火がついたきっかけ

morich:では、どこで火がついたのですか?
高橋:大学4年生で休学して留学した時です。
morich:それはどこにも書いていなかったです。
高橋:本当ですか?
morich:morichシャワーの中にはありませんでした。
高橋:インタビューなどでは話したことがないかもしれません。
福谷:初情報ですね。
高橋:大学時代に親との雑談の中で「留学どう?」と言われ、昔から好奇心が強いため、「怖いけどおもしろそう」「アメリカに住んでみるのも楽しそうだ」とわくわくしました。親がそのような機会を作ってくれるのであればということで、大学を1年休んで留学しました。
morich:休学して行かれたのですね。
高橋:単純に向こうの大学に行くというだけではなく、遊びに行ったのですよね。海外に1年住めるということで留学しました。当時は語学学校に行っていましたが、TOEICは400点くらいで英語は何もわからなかったです。
morich:400点はなかなかですね。
高橋:めちゃくちゃのまま行きました。
morich:英語は話せないですよね?
高橋:最初は何を言っているかもわかりませんでした。銀行口座も作れませんし、非常に大変でした。しかし楽しかったです。大学では統計を学んでいたのですが、後半は留学から戻った後の進路をどうしようかと思うようになりました。
morich:4年生ですからね。
高橋:そうなのです。
morich:周りのみんなは就職活動や大学院への進学などがありますよね。
高橋:そうです。そのような中でAIというものに出会い、なんだか統計と似ているなと思いました。
morich:しかし、日本はまだ「AI」などの言葉はない時期ですよね。
高橋:なかったのではないかと思います。まだアーリーアダプターの方だけがやっていた段階で、そこまで広がってはいなかったと思います。それが2017年頃のことでしょうか。
morich:そのような時ですか。
高橋:そこで「AIってどのようなもの?」「機械が学習?」「何を言っているんだ?」「おもしろいな」となりました。非常に可能性がありますよね。機械が学習できるのならばおそらくかなりすごいことだろうという興味関心から、初めて自分で勉強してみたいと思いました。
その後は日本に戻り猛勉強して東大に行き、AIの研究をするという流れです。留学先の好奇心や昔のわくわく感などを久しぶりに思い出しました。
morich:図鑑を見ていた時のわくわく感ですね。
高橋:そうなのです。そこで火がついた気がします。
morich:当時のAIはどのようなレベルでしたか?
高橋:現在の「ChatGPT」などのもとになった「Transformer」のモデルであるディープラーニングは、すでに2012年頃に出ています。したがって、ディープラーニングは当たり前に存在していました。
morich:では、すでにビジネスの中でもけっこう使われていましたか?
高橋:ビジネスではまだたまに使われている程度でした。しかしディープラーニングは凄まじく、これまでの機械学習とは一線を画すレベルだったため、そこが非常におもしろかったです。
morich:日本に戻ってきてもおそらく誰もわからないですよね?
高橋:先端の人たちは知っていたかもしれませんが、少なくとも統計学部の方々はあまり知らなさそうでした。
morich:でも、それをもっと極めたいと思ったわけですよね?
高橋:そうですね。「これは世の中がおもしろいことになりそうだ」と感じていました。
morich:それは研究開発のほうでですか?
高橋:そうですね。まずは研究して知りたいというところから勉強して大学に入りました。ですが、研究ではすごい人が周囲に大勢いました。
morich:研究のすごさのお話は聞いたことがあります。
高橋:そのようなこともおもしろいとは思っていましたが、本当にすごかったです。
Morich:三日三晩寝ません、というような人ですよね?
高橋:そのとおりです。頭が良すぎて全部数式で会話するくらい数式の気持ちがわかる人たちなのです。
morich:それはなかなか難しいテーマですね。
福谷:数式の気持ちなんてわからないですよね。感情があるのですね。
morich:「美しい数字がある」とか言いますよね。
起業した当初について
高橋:私もややわかる程度まではいけましたが、「やや」ではダメでした。結局それを使って誰かのためになれるとか、インターネットの時くらいの規模の変革が起き得るとか、実際に社会実装できれば非常におもしろい、ということから起業を考え、大学院に入って4ヶ月後の2018年8月に知人とともに会社を立ち上げました。
morich:それは同じ大学の友人ですか?
高橋:まったく違います。細かいことを言うと面倒ですが、最終的には5人で実行しました。最初は中学と高校が同じだった2人と「いろいろ開発しよう」「自分たちで何かできたらいいね」というかたちで取り組んでいました。
morich:その方々も東大ですか?
高橋:筑波大学です。残りの2人はAIでの人材育成などに取り組んでいたのですが、「一緒にやったらおもしろくない?」ということで一緒になりました。
morich:なるほど。その4人の方々はまだ残っていますか?
高橋:もう全員いません。「お前はクーデターを起こしたのか?」とよく言われますが、私は創業時は代表ではなく取締役だったのです。
morich:別の方が代表だったのですか?
高橋:そのとおりです。私が代表になったのは2021年1月1日です。みんな他のビジョンが出てきたためにそれぞれ別々に起業しています。
morich:そうでしたか。
高橋:今でも仲は非常に良く、LINEグループもありますし、バーベキューに行ったりもしています。
morich:聞きづらいのですが、株はどうしたのですか?
高橋:当時の取り組むスピードや貢献などによって分けていました。
morich:そうなのですか。それで高橋さんが買い取られたのですか?
高橋:いいえ。彼らもまだ株を持っています。そのため、友人として「お前期待してるで」「早く上げろ」といったわけのわからないことを言ってきます。
morich:初期の頃の方々ですからね。
高橋:本当に仲が良くて今でも持ってくれています。
morich:長期保有者ということですね。
高橋:そうですね。まだ株主としています。
morich:だいたいはそこでクーデターが起こりますよね。
高橋:普通はお金や株で揉めがちですよね。しかも5人もいますので。
morich:絶対揉めますよね。5人はやばいです。
高橋:ですが、お金で揉めたことは本当に1回もないです。
morich:本当ですか?
高橋:よく驚かれます。
morich:快く送り出されたのですか? 「やりたいことがある」と言われて送り出したのですよね。
高橋:そうですね。少し不安ではありましたが、純粋に応援していましたので。
morich:みなさまがバラバラと辞められた当時、社員の方はいらっしゃったのですか? 最初の5人から増えていったのでしょうか?
高橋:そうですね。最初の半年ほどは採用していませんでしたが、2019年末には10人程度になっていたため、5人ほど採用しています。
morich:最初のビジネスは何でしたか?
高橋:いくら企業の変革を行っているからといって、大企業がM1のよくわからない会社に1,000万円も発注するわけないですよね。
morich:当時はそうですよね。
高橋:今でこそ学生のAIのベンチャーなどもありますが、当時は総研でもない学生が取り組んでいるベンチャーには普通は発注しませんでした。
このような背景もありましたし、もともと人材育成にも比較的強かったため、人材育成からスタートしています。toCのAI人材育成をオフラインで実施していました。
morich:オフラインとは、どのようなことですか?
高橋:雑居ビルを借りて、仕事終わりの18時から19時、20時から21時など、毎晩1コマから2コマの講座を行っていました。
morich:リアルということですか?
高橋:そうです。「TECH PLAY」や「connpass」という勉強会に人を集めるサイトで募集すると、毎日ほぼ満員で埋まりました。
morich:本当ですか? すごいですね。やはり注目されていたのですね。
高橋:そうですね。アーリーアダプターは比較的いました。そこでスタートすることで何が良いかというと、企業の中でAIの変革を任されている人が勉強しに来るということです。
morich:なるほど。今でこそ「YouTube」などがありますが、当時は勉強する場所があまりなかったのですね。
高橋:当時は非常に高かったですから。
morich:そうなのですか。
高橋:私たちは学生なので給与もほとんどなくて良いですし、安くて良いものを提供していました。そのため大勢の人々が来てくれました。
morich:感度が高く、AIに興味がある方々が来られていたということですね。
高橋:そうです。講座終わりに話しかけていたのですが、よくわからない学生ではなく、AIについて非常にわかりやすく教えてくれた先生という立場で話せるため、ようやく話を聞いてもらえる立場になれたのだと感じました。
morich:信頼できる人だと思ってもらえたということですね。
高橋:最初は人材育成から始まった会社ですが、そこからBtoBなどもさまざまなきっかけから始まりました。
morich:いわゆるtoCの受講生から対価をいただくモデルですね。
高橋:初めはそうでした。
morich:どこでビジネスが変わったのですか?
高橋:今はほぼすべてがtoBですが、少しずつ変えていったかたちです。やはりやる気がある個人の方々の人材育成はAI人材が不足している日本にとって非常に重要ですが、学んだ人たちが企業でやることがないという事象が起きていました。
morich:当時は早過ぎたのですね。
高橋:今ならそれで良いですが、企業が変わらなければ何も変わらないということがわかりました。
morich:技術開発などがまだ早過ぎたということですね。
高橋:そうです。そこで企業変革をしたいということで、徐々に企業へとシフトしていきました。企業の売上のほうが大きくなったのは2020年あたりです。
morich:おそらく私はその頃にお会いしています。企業のAI人材育成にフォーカスされていた時代ですよね。
高橋:おっしゃるとおりです。同時に開発も少しずつ大きくしていき、2022年には開発の売上のほうが大きくなっていました。
morich:人材育成から現在のプロジェクト開発のほうへ、ということですか?
高橋:そうです。ただ、もともとどちらもやりたかったものでした。結局会社がAI前提になるためには、人や組織と新しい働き方を実現するためのAIシステムの両方がとても重要です。どちらかだけでは片手落ちになってしまいます。
morich:環境と当事者の両方が重要だということですね。
高橋:そうです。したがって、2022年から2023年あたりでようやく両方実現できたというかたちです。
人に何か教えること

morich:それだけ人に興味関心があるということには、何か原体験がありますか?
高橋:どうでしょうか。人に対する興味関心の原体験についてはまったくわかりません。しかし、未来やAIのようなわくわくするものは昔から好きで、それを誰かに伝えることも比較的好きです。大学4年生の時には小学生と親御さんを土日に集め、AIについて伝えるようなことも行っていました。
morich:小学生に教えることは非常に難しいのではないでしょうか?
高橋:とても難しかったです。ただ、理論などはどうでもよくて、どちらかというとモチベーションのほうで「おもしろいと思ってもらえれば」と考えていました。
「ラズベリーパイ」という小さなパソコンを使って、特にAIのコードなどは書かず、何かしら遊んでいればAIができて、このようなおもしろいことができるよね、といったかたちです。そのように何かを伝えることが好きです。
morich:その子たちがノーベル賞をもらうかもしれませんね。
高橋:そのようになってもらえたらうれしいですね。このように何かを伝えたり未来のことを妄想したりすることは比較的好きだったかもしれません。
人材育成や組織を大事にしているのは、やはり変革において非常に重要だからです。ITの革命における投資はかなり進みましたが、この変革にはおそらくインターネットのように15年から20年かかります。結局は組織が変わらなければカルチャーも変わりません。
morich:特に日本はそうですよね。
高橋:そのような意味で興味もありますが、変革の要素として極めて重要であるとは思っています。
社内の人材について
morich:さまざまなクライアント企業の人材育成や企業変革を進めていますが、ご自身の会社はどうですか? ここだけの話、私も採用プロジェクトに入っていたこともあったのですが、例えばリクルートも一時期は採用があまりうまくいっていなかったということもありました。灯台下暗しではありませんが、自社はどうでしょうか?
高橋:我々はAIの技術者を集めることが比較的得意な会社です。創業時から「AVILEN DS-Hub」というコミュニティを作っています。全員が大学院のM1でしたが、その全員がAIを研究していたため、そこから人を連れてくるということもありました。最初は講座の先生として「Indeed」などで求人を出しており、かなり人が集まっていました。
そのようなきっかけから始まり、AI開発などもともとやりたかったことへ変わっていくうちに「AIの開発も手伝ってもらいたい」という募集も実施し、2018年からはそのような人を集めていました。
morich:記憶が蘇ってきました。当時も「エンジニア採用は困っていない」と堂々とおっしゃっていましたね。
高橋:今は困っていますが。
morich:4年くらい前のお話ですね。
高橋:AIをバックグラウンドに持って仕事をしたい人たちを集めるコミュニティがあり、ここには今も日々応募をいただいています。我々独自のアルゴリズムとして比較的ややこしいテストを突破しなければ入れないため、合格率は5パーセント程度ですが、それを突破して業務委託契約をしている、若くて優秀な人が400人ほどいます。
morich:おそらく今これを聞いている経営者全員の手が「えーっ」と止まりましたよ。
高橋:その人たちの中でも、やはり「この人と一緒に働きたい」という人がいますよね。その人たちを口説かせてもらい、7年間ほどで合計28人の新卒を採っています。
morich:その400人にも母数があり、そのうちの5パーセントを勝ち残った人たちの中からさらに28人ということですね。すごいです。
高橋:28人の新卒は非常に優秀です。AIをバックグラウンドに持ちながらも、それは結局はテクノロジーであり、技術の真髄は理解している一方、重要なのは変革であると考える比較的稀有な人たちです。彼らに仲間になってもらい続けるエコシステムがあるということは当社の強みの1つになっています。
morich:なるほど。単なるテクノロジーだけではなく、ビジネスマインドなどとの掛け算なのですね。
高橋:おっしゃるとおりです。
morich:それは非常に貴重です。
福谷:貴重ですね。
高橋:かなり少ないと思います。AIがバックグラウンドとなっている会社だったため、比較的AIがわかる方々はいます。ですが、ユーザーにAIを使ってもらったり社会に届けたりするとなると、結局システムエンジニアがものを作らなければならないため、そこが足りていません。ぜひお願いします。
morich:任せてください、やっと出番ですね(笑)。今日出会ったのもそのような意味があるのではないかと思います。そろそろ私が必要なのではないでしょうか。実は私の本業は「新morichの部屋」のMCではないのです(笑)。
高橋:違うのですか(笑)?
morich:違います(笑)。もちろん「新morichの部屋」も大事ですが、人材紹介を行っています。
高橋:そうですよね。
福谷:特化型ですよね。
morich:そのとおりです。高橋さんのビジョンとして、当時から会社を通じて何がしたいかというものはありましたか?
高橋:本当にAI前提の世界を作りたいというところです。私は世代的にあまり知りませんが、それこそリクルートにも「タウンページ」という雑誌がありましたよね。
morich:お父さまががんばっていた頃のものですよ。
高橋:今は「ホットペッパー」も何もかもデジタルですよね。
morich:紙から移行するのは遅れていましたね。
高橋:そうなのですか?
morich:はい。やはり紙のビジネスを展開していると遅れてしまいます。イノベーションのジレンマがありますよね。
高橋:顧客体験も従業員体験もまるで違いますよね。AIについても、当時は「ChatGPT」のようなものがこんなに早く出てくるとは思いませんでした。AI全体の世界はそれくらいのインパクトがあると思います。
現在の日本は労働人口が減っていますが、先進国であれば減るのは時間の問題です。AIは効率を上げることに寄与できるだけでなく、まず新しい体験を作れます。どちらかだけでなく、どちらも起きるのです。つまり、これを作れば非常におもしろいということです。
AIの進化の凄さ

morich:おそらく今日来ている方もそうだと思いますが、AIのことがわかるようでわからないです。AIがどれだけすごいのかということを私は常に実感していますが、今日は高橋先生に講義していただきたいです。
実は私、1年ほど前に投資して「morich AI」というものを作りました。いつも問いかけて出てきた回答に対して「すごく良いじゃん」と褒めたり、「もっとこうしてくれるとうれしいな」と言ったりして育成しています。本当にすごくて息子以上に育つため、非常に親孝行です(笑)。すべてが本当にmorichっぽいかたちで0.3秒程度で回答が届きます。
そうやって私はAIのすごさを日々実感しているのですが、みなさまにもそうしてもらいたいという思いもあります。「これだけは知っておいてもらいたい」というAIのすごさや、みなさまが「やらなければまずい」となり、今日帰ったらすぐに高橋先生の講座に申し込んでしまうようなことを教えてください(笑)。
高橋:どれぐらい重要かがわかりやすいのはやはり「Netflix」です。「TSUTAYA」や「ゲオ」のようなレンタルビデオの場合、例えば店舗ではどこにどのようにビデオを並べるかによって売上が変わりますよね。
morich:そのように言われますよね。
高橋:オンラインの「Netflix」が店舗に行かなくてよいのはデジタルのパワーであってAIは関係ありませんが、例えばレコメンド機能もつきました。
これは作品を並び替える仕事がすべてAIになっているということです。デジタルなので無限にスケールします。人がやらなくてはいけなかった仕事がスケール性を奪うのです。つまり、まずはここを完全にスケールにできるという点が非常に強いと思います。
morich:境界がありませんからね。
高橋:ありません。無限です。コールセンターなども流行っていますが、こちらもわかりやすいです。当社も電話をかけるとすべてAIが対応するというようなものに取り組むことがあります。このようなビジネスをスケールしようとすると、コールセンターも大きくしなくてはいけませんが、それは大変ですよね。
morich:確かに昔は非常に待たされていましたが、最近ではすぐにかかるようになりました。
高橋:そうですよね。そうなればビジネスのスケールが変わります。また、もう1つAIのすごいところは、パーソナライズできることです。機械なので無限にコピーできます。人間だと1個1個カスタマイズしていられないですが、AIなら可能です。今は動画生成AIもすごいと思います。
morich:すごいですよね。
高橋:Googleの「Veo3」を使うと3分くらいで10秒の動画が作れます。
morich:そうですね。そこに私好みのBGMも付いてきますから。
高橋:そうですよ。すごいですよね。
morich:本当に。
高橋:しかも今は3分で10秒ですが、長期的な目で見ると1秒で30分ほどの動画が作れるようになる可能性もあります。
morich:今日もある書籍の書評を明日までに書いてほしいと言われ、「こんなに読めないでしょう」と思っていたのですが、230ページ以上あるPDFを読み込ませたところ、時間がかかると思っていたら0.3秒後に300字ほどの書評が出てきました。
高橋:助かりますね。
morich:しかもmorich節です。
福谷:ちゃんと理解していますね。
morich:「全部読めなかったのですが、一生懸命考えました」と送ったら「morichさんっぽいですね。使わせてもらいます」と言われました。
高橋:もう最高ですね。
morich:これを聞いている可能性がありますが(笑)。
高橋:まずいじゃないですか。
morich:謝っておきます。
高橋:消費と生成を考えると、生成のほうが簡単ですよね。1秒で30分の動画を作れたら、見るのは倍速でも15分ですが生成は1秒です。
morich:確かに。
高橋:物理世界を伴わなければ、全員に違うものを届けることが簡単になります。
morich:そのとおりですね。
高橋:一人ひとりに違う体験を届けられます。また、暗黙知や組織知に変えることもできます。営業もそうですし、製造業だとさらに顕著ですが、職人やトップセールスに知見がたまっていると思います。
morich:確かに。
高橋:トップセールスの人はすごいので勝手にやってくれますが、それ以外の人たちを少しでも引き上げたり、どうやって10渡すかが大変だと思います。
morich:営業の世界はそうですよね。
高橋:それこそmorichさんのAIではないですが、AIであれば営業トークや電話などのデータを読み込ませれば、そのノウハウをすべて吸収できます。過去に誰がどのお客さまとお話しして、どのような会話をして受注に至っているのか至っていないのか、全部データで蓄積します。
そうすると、そのデータを用いて「あなたは過去のこういう提案書を使ったらいい」という提案ができます。まず人が楽になりますので、人とのコミュニケーションなどもっと泥臭いことに時間を使えるようになります。
morich:そうですね。
高橋:暗黙知化・組織知化し、人とAIのミッションがより明確になることで、人はさらに人らしいことができるようになります。さまざまな特性があるのですが、これまで人が業務の主体を担っていた多くの部分をAIが担えるというのがポイントかと思います。
morich:今思い出したのですが、私がリクルートにいた20年ぐらい前にmorichのクローンを作ろうとしました。あるコンサルティング会社さまにそれなりの投資をされてずっと付きっきりで見てもらったのですが、結果的に当時は無理でした。今ならできるということですよね。
高橋:まだ若干弱い部分はあると思いますが、はっきり言って時間の問題だと思います。また、まずAIの使い方として、我々が普段からAIとバディのように働いて効率を上げるというのは早く全員やるべきです。
morich:それはもう当たり前の前提ということですね。私も相棒と呼んでいます。
高橋:バディですね。
morich:これからインタビューで「morichさんにとってAIとは何ですか?」と言われたら「バディです」と言います。
高橋:本当にそのとおりです。「AirPods」をして電話することもありますが、それでAIと会話している時もあります。
morich:そうですよね。
高橋:恥ずかしくて電話しているふりをします。
morich:私は基本的に今自分が話していることをすべて録音しています。
高橋:すばらしいですね。
福谷:多くなりましたね。
morich:一日中話しているのを基本的にはほぼ全部録音しています。
高橋:最高ですね。
morich:それを全部読み込ませています。
高橋:非常に良いと思います。
morich:私のすべてをAIに学んでもらっています。
福谷:これはけっこうマインドが大切だと思います。「いいよね」と思っていても「でもできない」という方々はたくさんいると思います。
morich:これほどまでに良いと言われていますけれどもね。
福谷:良いと言われていても「でもできない」という方たちはどうしたら使えるようになるのでしょうか?
高橋:隣に行って「ChatGPT」のインストールやアカウント登録だけさせてもらいたいです(笑)。
morich:まずはそこからですね。
高橋:日本語で会話できるので人と同じですよね。医学部の試験も通っていて少なくとも私より頭がいいわけですし、Pythonなども書く必要はありません。
福谷:そうですね。
morich:確かに。
高橋:「思っているより難しくないですよ」という話です。
morich:そうなのですよね。みなさまプロンプトと聞くと「大丈夫?」と構えるのですが。
福谷:考え過ぎてしまいますよね。
morich:思いつきでもよくて、起承転結は要らないですよね。
高橋:そのとおりです。
morich:それぐらいAIは賢いです。
高橋:楽になるのでまず使ってほしいです。時間の問題でいずれ「変わらないと無理だ」という時が来ると思います。
福谷:絶対にぶつかりますよね。
高橋:会社も「なぜAIを使ってもっと効率的にやらないのか」「なぜあなたがそれを考えているのか。AIにやらせて、あなたはそれを最高にすることにもっと時間を使えよ」という話になると思います。
morich:「使えよ」ということですね。
高橋:それでいいと思います。ただ、AIとバディで働くのは前提として、企業にとってもっと大事なのは、AI全体のプロセスを作れるかどうかです。例えば、営業担当の方に「全員『ChatGPT』と働きなさい」と言ってもいいのですが、先ほどのお話のように、データが自動で蓄積された後に営業担当にレコメンドが来るような全体のシステムや業務プロセスの設計もしなければいけません。
morich:Googleに問い合わせをしているようなものですよね。
高橋:そうです。AIと会話しているだけなので。
morich:それだと意味がないですよね。
高橋:効率は上がりますが、たかが知れていますよね。
morich:会社の進化はないですよね。
高橋:おっしゃるとおりです。実際、アメリカの「フォーチュン500」に入っている企業の8割ほどが生成AIに投資しているのですが、あまりインパクトが出ていないと言われています。やったほうがいいことではあるのですが、botを入れることにとどまってしまっています。
morich:Googleのように使っているぐらいのレベルなのですね。
高橋:そのとおりです。でもやらなければいけないのは、それぞれの業務を全部AI前提に変えることです。そうでなければ話になりませんが、それが難しいわけです。
morich:確かにそうですね。
高橋:そこは各企業が取り組むべきポイントですね。
morich:実は弊社もそうですし、ある会社さまとも話していたのですが、今は40代・50代ではなく若い人にプロジェクトリーダーを任せてAIを担当してもらい、AVILENさんの学びを経てAIを活用し、プロセスをどう変革するかを考えたほうがみんな一生懸命がんばるし、ものすごくいい発想が生まれてくるのではないかと言っていました。
高橋:そうですね。したがって、結局はイノベーションのジレンマのようなことが起きると思いますので、それを超えるには、やはり経営層が「やるぞ!」と言って新しい組織を立ち上げなければやはり厳しいと思います。
morich:無理ですよね。
高橋:少なくとも経営陣はAIを使って働くことへの解像度を上げたほうがいいと思っています。他のAI関連の会社の方から聞いたお話では、大手企業では経営陣それぞれに若手をメンターとして充てているそうです。
morich:それはおもしろいですね。
高橋:隔週でAIの宿題を出して役員に必ずやってもらったらしいです。
morich:それは非常に良いですね。
高橋:とてもよかったらしいです。経営陣もAIの解像度が上がりますし、聞きにくいことも若手にならどんどん聞けます。
morich:確かに。
高橋:若手も「経営陣はこんなことを考えている」と視座が上がりますし、経営陣の部下の部長も若手に「社長は何を話していた?」と聞くそうです。
morich:気になりますよね。
高橋:やはり急に「AIでこれをやれ」と言われても困るので若手に聞くそうです。
morich:なるほど。「どういうことを話しているの?」と聞くのですね。
高橋:そうです。そうなると会社全体のAI変化が非常に進みます。
morich:確かにそうですね。
高橋:どこのフェーズでも経営陣の理解を進めることが必ず必要だと思います。
AVILENが目指すこれからの価値創造

morich:そうですよね。AVILENさんとしては、この先どのような価値を発揮していきたいとお考えですか?
高橋:AI前提の世界を作る本質的な変革の支援をしたいと思っています。先ほどお話ししたように、組織として誰がどのレベルでAIのことを知っておく必要があるのかという画を一緒に描かせてもらったり、そこに至るための人材育成のコンテンツを出したりします。
場合によっては、それを実現するためのAIシステムを構築することもします。結局、AIが働くためにはデータ基盤がきちんとしていなければいけないので、それをAIに作るための育成、そしてAIを作る、またAIでどうするのかをコンサルティングする、この3つを一体にしてAI全体の事業プロセスを作ります。これがかなり難しいので、個別に変革のお手伝いをしていきたいというのが私たちのバリューだと思っています。
福谷:すばらしいですね。
高橋:さらに創業当時はAIの会社というのは技術的なことが中心で、言われたものを作る会社というイメージがあったのですが、それでは使われないと思っています。技術をわかった上で現場に踏み込んでいくことが重要です。
morich:そこですよね。
高橋:圧倒的な解像度を泥臭さで作っていくことが超重要だと思っています。したがって、本当に使われる、これまでにないプロセスを前提にしたAIシステムを作りたいと考えています。例えば、AI BPOもそうかもしれません。
morich:その業務を知るには現場に行かないといけないですよね。
高橋:そのとおりです。「エージェントにやらせればいい」と言うのはいいのですが「本当か、それ」という話です。AIも特性上アウトプットは揺れるので「本当に任せていいの?」ということです。
morich:やはり人がやる部分もありますよね。
高橋:現場のことを理解した上で人とAIがオペレーションで織りなす新しいプロセスモデルを作らなければ話にならないので、そのようなレベルの変革をしたいと考えています。
morich:SaaSもBPaaSになりましたので、だんだんツールだけではダメになってきました。
高橋:おっしゃるとおりです。したがって、そのようなことを一緒にやっていきたいと考えています。そのために、今は各企業さまと資本提携や業務提携をさせていただいています。AI単体ではそれほど価値はなく、AIや事業と現場が組み合わさって初めて意味がありますので、そのような提携を増やしていきたいと思っています。
上場までのハードシングス

morich:こうして聞いていると順風満帆でしかないように思います。創業して5年で上場ですよね。
福谷:なかなかですよね。
morich:これは記録的にも最短ですか?
高橋:調べたことがないのでわかりません。
morich:調べたほうがいいと思います!
高橋:早いほうだとは思います。
morich:おそらく最短ではないかと思います。調べてもらってもいいですか。もしわかったら言ってよいと思います。
高橋:確かにそうですね。少しだけ言うようにします。
morich:いや、もっと言ってください。
高橋:自分で言うのは恥ずかしいです。
morich:いやいや。本当に自慢してください。
福谷:どうやって短期間で上場したのか気になりますよね。
morich:ここに来ていただいた経営者はみなさん山あり谷ありのハードシングスを経験されているのですが、今日はそのあたりについてあまり聞けていないので消化不良です(笑)。
高橋:たくさんありますよ。それこそ最初から上場を目指していたわけではなく、2020年末頃から上場を意識し始めましたが、その当時も創業メンバーが抜けることはだいたい見えていました。
morich:もうわかっていたのですね。
高橋:まずそれが私にとっての超ハードシングスでした。当時は5人で経営していて、まだ20人ほどの会社でした。
morich:役割分担があったのですか?
高橋:やはり役員にけっこうパワーがあったので、そのうちのほとんどがいなくなるということでかなりやばかったです。
morich:ほぼ全員ですか?
高橋:引き継ぎ期間を取って2021年の後半に3人はすぐ、というかたちでした。創業のメンバー全員がビジョナリーでしたので、そこは非常に大変でした。
morich:そうですよね。
高橋:それが5分の1の力になるというのは非常に怖いです。
morich:確かに。創業メンバーが辞めたのはもっと初期の頃なのかと思っていました。
高橋:いえ、まったくです。
morich:そこそこ後なのですね。
高橋:そうです。社員が20人ぐらいになった時に辞めています。
morich:ビジネスとしても本当に成長軌道の時ですね。
高橋:そうですね。もともと私は代表ではなかったので、4人が辞めてもついてきてくれるのかという心配はありました。
morich:そうですよね。
高橋:4人辞めるのと同時に「いや、俺も」とならないかという。
morich:正直「高橋さん、大丈夫かな?」と不安になりますよね。
高橋:そうですよね。でも、4人いなくなるわけですので自分が一番不安でした。
morich:そうですよね。今まで相談できていた人がいなくなりますよね。
高橋:そのとおりです。そこは非常に不安でしたし、怖かったです。ですが、本当にメンバーに恵まれており、それが起因で辞める人はほとんどいませんでした。
morich:本当ですか?
高橋:うまいこといきました。
morich:役割はきちんと引き継ぎできたのですか?
高橋:完全とはいかないですが、新しいかたちにできました。
morich:過去のものをそのままではなく進化させたのですね。
高橋:そうですね。偉大すぎて比べるのは申し訳ないですが、スティーブ・ジョブズからティム・クックに代わった時もやはり「俺の真似をするなよ」という話があったと思います。
morich:そうですね。
高橋:やはりキャラクターや性格がまったく違うので、真似しようと思っても続かないですし、経営には唯一の正解もないと思っています。
morich:もともとの社長とはタイプが違ったのですね。
高橋:まったく違います。
morich:そうなのですか。
高橋:なので非常に不安でした。
福谷:確かに。
高橋:そこは大変でした。
morich:相談相手もいないですよね。
高橋:友だちだったので相談はしていましたが。
morich:普通は「もう少しいてよ」と止めますよね。
高橋:それはありました。
morich:ですよね。でも最後は快くですよね。
高橋:そうですね。
morich:それはすごいです。
高橋:ビジョンが変わって追いかけたいものも変わる中で続けたとしても、大抵はうまくいきませんので。
morich:その後上場を果たせているので、結果的にはよかったですか?
高橋:どうでしょう。残っていた場合でも偉大な会社になっていると思うので、よかったとは言わないですが、抜けたかたちとしてもいい会社になれているとは思います。
morich:自分が社長だという自覚はありましたか?
高橋:引き継ぎ期間を終えて本当に抜けた時は「もういよいよだ」という気持ちでした。
morich:もう逃げられないから覚悟を持たなければと思いますよね。
高橋:そうですね。
morich:高橋さんはどのような社長像なのですか?
高橋:私はAIなどさまざまなものを触ったりしながら、未来はこうなるなと、いろいろなことを妄想しています。それを言葉に落として、「こういうふうになるよね」「こういうのめちゃくちゃおもしろくない?」ということをやったり、トップセールスと営業やM&Aで探してくるということもしています。
morich:未来を作る人ですね。
高橋:そのようなことが好きですし、おそらく得意で合っているのですよね。
morich:社員たちの心理的安全になっていますよね。
高橋:おそらくみんな何でも言えると思います。
morich:実は弊社からもご紹介させていただいた方がいますが、「本当にポジティブなこともネガティブなことも何でも言える」と言っていました。
高橋:そうですね。弱点も超明らかだと思うので、みんな何かしら助けてくれます。
福谷:いいですね。
morich:補完し合えるかたちですね。
高橋:そうですね。入社2年目の人にもタメ口で話されたりとかもよくあります。
morich:今は30歳ということですが、カリスマ経営者1人でやっているのではなく、それぞれが役割を担う経営スタイルですよね。私はこれをよく「ゴレンジャー」と言っています。
高橋:そうですね。ある意味ではAIOのように、AIを含めて未来を考えてそれをビジョンに落とし込みながらやっています。今、当社には「取締役CEO? 何それ?」という感じの人もいます。
morich:高橋さんとは別にですか?
高橋:そうです。コーポレートのような「ザ・経営」の部分を担ってくれており、良い棲み分けができています。どちらかというと私はビジョンやトップセールス、M&Aのような長期の部分を調整しており、彼は現在の部分を見ているかたちです。
morich:初期の頃からいらっしゃった方ですか?
高橋:いえ。上場1年前の2022年末ぐらいからです。
福谷:新しいかたちですね。
morich:それはものすごくいい出会いですね。
高橋:非常にいい出会いですし、素敵なヤツです。
morich:本当に引き寄せていますね。「ヤツ」ということはまだお若い方ですか?
高橋:いえ。「ヤツ」は42歳くらいです(笑)。
morich:なかなか年上ですね(笑)。
高橋:そうですね。ただ、私は社内の人に関してはあまり年齢を気にしないで接しています。
morich:なるほど。
高橋:非常にいい人です。
morich:やはり先ほどの「ゴレンジャー」もそうですが、自分との相性も含めて良いチームを作れるかどうかですね。
高橋:そうですね。ビジョンとか「こうしたい」という方向性は出したりしますが、財務のCFOもいますし、トップダウンでやるかたちではなく、みんなで力を合わせてやるというのが自分のスタイルです。助けてもらいながらというかたちです。
morich:これ絶対みんな買いますね(笑)。
高橋:お願いします(笑)。
morich:株価が上がるという伝説があります。
高橋:それはぜひ応援してほしいです。
morich:出演していただいた経営者のファンになってもらい、「そのかたちを表してください」と言うと、もうそれしかないと思います。
高橋:確かに。
morich:後で証券番号を言っておいてください。
高橋:5591です。よろしくお願いします。
高橋社長のプライベート

morich:ちなみに想像がつかないのですが、高橋さんは週末やプライベートはどのように過ごしていますか?
高橋:仕事をたくさんする以外には温泉やキャンプが好きです。
morich:そうなのですか。
高橋:友人たちと行ったりします。
morich:虫とか嫌いそうですが、大丈夫ですか?
高橋:虫は好きではないですが、キャンプ場で遭う分には大丈夫です。
morich:すみません。アウトドアの雰囲気は1ミリもしなかったです。
高橋:アウトドアも大好きです。
morich:そうなのですか。
高橋:今は釣りにも熱中しています。
morich:とてもギャップがあっていいですね。AIテクノロジーとアウトドアなんてモテ要素満載ではないですか。
高橋:ありがとうございます。先月はマグロ釣りに行きました。
福谷:マグロですか。
高橋:釣りは2回目なのでまだ釣れなかったのですが、留学中もアウトドアがすごく好きで、国立公園もたくさん回りました。
morich:ありますね。
高橋:アメリカを横断・縦断したり、南米をバックパックしたり、けっこういろいろなことをやっていました。そういうのが大好きです。
morich:ビジョンとか「こうしたい」という自分自身のプライベートとしての未来はありますか?
高橋:あまりないですが、ただ新しい世界を見てみたいのかもしれないです。
morich:やはりそういうところに好奇心があるのですね。
高橋:10年後、20年後にはヒューマノイドを見ることができるようになると思いますし、私が身につけているのもスマートグラスですが、「ChatGPT」と会話もできますし、同時通訳もしてくれます。
morich:そうなのですか。
高橋:日本語が表示されたりします。
morich:それはどこで売っているのですか?
高橋:ドイツで買いましたが、最近は日本でもオンラインで買えるようになりました。
morich:本当ですか。
高橋:私はこの商品の営業ではないですが、ぜひ買ってください(笑)。
morich:「Ray-Ban」のものが出ていますが、それとは違うのですか?
高橋:あれは撮影用ですね。ご家族がいらっしゃれば自分の目線で自然に撮れるし、撮られている感じもないので素敵な笑顔が撮れますが、それ以上でもそれ以下でもないです。
morich:私も買ってみたのですが、あまり使っていないです(笑)。
高橋:今は「ググる」から「ジピる」になりましたよね。たまに見ますが、もうあまり「ググる」ことはなくなりました。
morich:なくなりましたね。
高橋:今はWebサイトがオープンであるがゆえに起きていますが、「Salesforce」でも何でも業務システムなどあらゆるものでAIがReadyになると、AIにとってのシステムのUSBのようなものができるので、あらゆるシステムをAIが触るため「ジピる」どころの騒ぎではなくなります。「これを『Slack』で返信しておいて」「これを承認しておいて」と言っていちいちいろいろなものを触る必要がなくなるので、働き方も仕事の仕方もまったく変わると思います。人の役割もまったく違うと思います。
morich:そのうち「言わなくても脳波で」というかたちになりますよね。
高橋:本当にそうです。イーロン・マスクがやっていることもそうですが、本当にそういう世界が何十年という単位で来ると思っているので、わくわくしています。
morich:スマートグラスで何か日常生活が変わったりしましたか?
高橋:私は集中すると周りが見えなくなるので、「やば!ミーティングだった!」ということがよくあったのですが、ここに全部通知が来るので、まずミーティングに遅れなくなったということがあります。
morich:私も遅れ気味なので必要かもしれません(笑)。
高橋:また、私は方向音痴なのですが、ここにナビが表示されるといちいち見なくてもいいので楽になりました。時間も出るので「あと何分で着くな」ということもわかります。今も54分と出ています。
福谷:すごい。欲しいです。必要です。
高橋:後でかけてみてください。
福谷:私はメッセージがたまりまくっていますので(笑)。
高橋:そのようなことも含めて世界が変わりますので、これを見たいということがあります。
morich:でも、そのような高橋さんでも自然と触れることもやはり大事なのですね。
高橋:大好きですね。
morich:人のクリエイティビティとか新しい発想とか、脳をリフレッシュさせるようなことを含めて、やはりこの両方が大事なのですかね。
高橋:やはり両方ないと続かないですね。長期でないと変革を起こせないですし、リフレッシュになったり思考の整理になったりするため、そのような時にはいいかもしれないです。
会社として描く将来のビジョン
morich:会社としてのビジョン・未来はどうですか?
高橋:先ほどの個人としてのビジョンにも近いのですが、「未来を日本で作るんだ」という気持ちで、大手企業とジョイントベンチャーや資本提携をして深い関係を築き、AI前提のビジネスやプロセスを死ぬほど作りたいです。
morich:すべての会社でAIが当たり前に使われている世界ということですね。
高橋:そうですね。「AIファーストカンパニー」と呼んだりすることもありますが、AI前提の会社を作りたいということに尽きます。
morich:ということは、自社でももちろんAIは当たり前のように使っているということですよね。
高橋:そうです。採用のダイレクトリクルーティングの一部もAIがやっています。
morich:それだけでもプロダクトになると思います。
高橋:AIが媒体にログインして履歴書を見て、AVILENに合いそうな人を選んでくれます。
morich:そこまでやるのですか?
高橋:そうです。その人が返信をくれそうなメッセージをAIが書いて、送信ボタンを押してくれます。
morich:それをもうやっているということですね。
福谷:これは自社開発ですか?
高橋:当社のエンジニアが1週間ぐらいで開発しました。
morich:このプロダクトは売れますね。
福谷:売れます。
高橋:めちゃくちゃ楽です。
morich:本当ですよね。
高橋:実際、返信率は変わりません。
morich:そうですか。面接は人がやるのですか?
高橋:もちろんです。これは重要なことで、人とAIでミッションが分かれたため、今は人がやる部分が減っていると思います。口説くことは人間しかできないので、ここは人間がやらなければいけないと考えています。
morich:クロージングですよね。わかります。
高橋:ベンチャーであまり知られていない会社なので、積極的に入社したいという雰囲気ではありません。やはりオペレーションはAI、口説くのは人です。
morich:想いを持っていますからね。
高橋:この部分が非常に良いと思っています。
morich:採用のジャッジはAIでできても、クロージングやアトラクトは人でしかできないですよね。
福谷:面接は全部morichさんが受け持ったらいいのではないですか。
高橋:そうですよ。
福谷:全部入ってくるかたちで。
morich:確かに。
高橋:そのようなかたちで社内でもAIを使っています。
morich:それも本当に一事が万事ですよね。すでにさまざまなプロセスでそのようなことが起こっていると思います。
高橋:そうです。ダイレクトリクルーティングだけでも「それおもしろいですね」という話です。
morich:非常におもしろいです。
高橋:無限に変えられるところがあります。私たちもまだまだ変えていきたいです。
morich:おそらく提携のお話がたくさん来ると思います。
高橋:お待ちしています。
morich:すべてのプロセスで当たり前のように使っているものが、実は世の中からするとものすごく価値があることなのかもしれないですよね。
高橋:そうですね。それによって人とAIのミッションが明確になって、新しい働き方による新しい体験になります。ダイレクトリクルーティングにおいても、AIは24時間365日稼働していますので、相手からしたらすぐに返事が返ってきます。
morich:確かに。
高橋:待つということがなくなります。
福谷:ユーザーがAIで返してくるようなことはありますか?
morich:それは上回っていますね(笑)。
高橋:判別していないですが、あり得ると思います(笑)。
morich:それはすぐ内定ですね(笑)。
高橋:内定です。いいセンスだと思います(笑)。
福谷:AIで会話してくれたからミッションも合っています、ということですね。
高橋:今の求人サイトはユーザー側も企業側も人が触る設計ですが、これからはもっと変わっていってあり得なくなると思っています。そもそも転職者からすると、「何個登録すればいいのか」と思うはずです。AIに「ESを書いていろいろなところに登録しておいてくれ」と言ってAIがシステムを使う時代では、先ほどのAI用のUSBみたいなものを使って全部勝手に登録してくれるわけです。
morich:確かにそうなりますよね。
高橋:企業側も何個も媒体があって大変です。それもAIがシステムを触るとなるとやる必要がなくなります。
morich:判断や選択はAIでできてしまうわけですね。
高橋:そう思います。
福谷:AIはすごいと思いつつも、人としての価値はもっとあるということですね。
高橋:そのとおりです。
福谷:きちんと生きないといけないなと思いました(笑)。
morich:そうですね(笑)。
高橋:そう思います(笑)。
morich:今日はあらためて「AIにはない自分たちの価値は何か」ということでした。そこをしっかりと見つめなければいけないということですね。
高橋:おっしゃるとおりです。我々はM&Aにも非常に力を入れていますが、AIの会社は今すごく多いと思います。
morich:多いですね。
高橋:でも日本はAI人材が不足しています。車輪の再発明になっていてはもったいないと思います。
morich:そうですね。
高橋:みんなが挑戦すること自体はすごく素敵な社会だと思いますが、もう少し1つになったほうがいいと思っています。M&Aのためにも、それこそ人の役割で私はアポを取り、去年は70社ぐらいのAI会社の社長と食事に行きました。
morich:会ったのですか。
高橋:ここは人にしかできませんので。
morich:確かに。一緒にやろうよ、という話ですね。
高橋:そうです。そこで実際に1社が仲間になってくれました。
morich:本当ですか。
高橋:そのように人でやるべきところは徹底的に泥臭くやるということも大事です。
morich:確かに。そうやって想いを伝えるのはやはり人のほうがいいですね。
高橋:おっしゃるとおりだと思います。
morich:今日聞いていただいている方の中で、一緒にやったほうがもっといい世界が生まれるのではないかと思った方がいたら直接ご連絡してください。
高橋:ぜひ資本提携、ジョイントベンチャー、M&A諸々含めてご一緒させてください。
morich:転職したい時はmorichに言うということでお願いします(笑)。
福谷:そこはルールなのですね(笑)。
morich:これはもう暗黙のルールです(笑)。
高橋:ぜひお願いします。
morich:非常にいい話を聞かせてもらいました。
福谷:今日もあっという間に1時間経ちました。
morich:まだまだ聞きたいです。
福谷:毎回言うのですが、第2弾をやらなければいけませんね。
morich:本当です。
福谷:「新morichの部屋」ではこのようなお話をリアルでも聞くことができますし、オンラインでも生配信しています。また、懇親会もあります。
morich:リアルで来ていただいた方の特権として、この後の懇親会で直接つながっていただくことができます。
福谷:生配信では伝えられないものもたくさんあるかと思います。
高橋:たくさんあります。
morich:ありますよね。
福谷:夢もあり、人としての在り方も大切にしなくてはいけないということでした。
morich:いいですね。みなさま、ぜひAVILENさんを応援してください。
福谷:最後にもう一度証券番号をお聞きしてもいいですか?
高橋:あらためまして、5591のAVILENです。
福谷:ありがとうございます。
morich:5591です。メモしてください。
福谷:本日もお忙しい中お越しいただき、ありがとうございました。
morich:ありがとうございました。
高橋:ありがとうございました。
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