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東勤氏:代表取締役社長の東です。2025年3月期決算説明を始めます。本資料では、まず当社の会社概要と事業内容についてご説明し、その後2025年3月期の決算概要、配当・株主優待、最後にトピックスの順にご説明します。
会社概要
会社概要についてご説明します。当社は、1979年10月2日に設立し、鹿児島県日置市に本社を構えています。資本金は6億390万円、従業員数は2024年3月末時点で193名です。事業内容は、水産事業として養殖用配合飼料の製造・販売、食品事業として乾麺、即席めん、皿うどんなどの製造・販売を行っています。
事業内容
事業内容についてご説明します。当社は「高付加価値商品を提供することで、お客さまの発展と社会の進化に貢献すること」を経営方針としており、「食」の分野で発展してきました。
水産事業では「地球の水産資源をさらに豊かに」、食品事業では「伝統の味を現代に活かす」をキーワードとし、製造業としての原点であるモノづくりを追求し、「品質第一」「顧客志向」「イノベーション」「持続的経営」を基本に、新商品開発、新市場の開拓を探求創造し、お客さまに安全・安心な商品を提供しています。
売上構成比率としては、水産事業が60.4パーセント、食品事業が39.6パーセントとなっています。
連結決算サマリー(第4四半期累計)
連結決算サマリー(第4四半期累計)についてご説明します。
2025年3月期における国内経済は、インバウンド需要の拡大、高水準の賃上げ、日経平均株価の史上最高値更新、企業の旺盛な投資意欲などにより、全体としては回復基調を維持しました。一方で、相次ぐ自然災害やウクライナ・中東情勢の長期化、為替変動、資源価格の上昇などを背景とする物価高騰により、依然として先行き不透明な状況が続いています。
当社グループでは、外食産業の回復やインバウンド需要の増加に対応した関連商材の流通拡大により、水産事業が好調に推移し、売上高全体を牽引しました。
連結売上高は、前年度比8.6パーセント増の141億2,600万円となりました。
営業利益は、主要原材料や生産コスト、輸送費などの上昇に対応し、生産性の改善及び販売価格の見直しを進めた結果、前年度のマイナス1,100万円から1億4,600万円へと大きく改善しました。
水産事業の売上高は前年度比12.7パーセント増の85億3,900万円で、食品事業は前年度比2.8パーセント増の55億8,700万円となりました。
このように、水産事業の増収が全体の成長を牽引し、両事業ともに増収を確保することができました。
連結損益計算書(P/L)
連結損益計算書(P/L)についてご説明します。
個人消費や外食需要、インバウンド需要の回復基調に対応した積極的な販促活動や販売価格の改定効果などにより、連結売上高は前期比8.6パーセント増の141億2,600万円となりました。
営業利益は、前期のマイナス1,100万円から1億4,600万円へと黒字転換しました。これは、生産性の改善によるコスト削減や積極的な営業活動、販売価格の見直しなど、収益改善の取組みを推進した結果です。
経常利益は、前期比413.1パーセント増の2億8,500万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期のマイナス1億400万円から8,000万円へと黒字転換しました。
これらの結果は、世界情勢や為替変動に起因する主要原材料・燃料費・輸送費・資材費の価格高騰といったコスト増要因に直面しながらも、生産性向上と価格政策の効果が収益改善につながったことを示しています。
連結売上高・営業利益の四半期推移
連結売上高・営業利益の四半期推移についてご説明します。
当社の連結売上高の約4割を占める養魚用配合飼料には、養殖魚の成長過程に応じた季節性があります。具体的には、摂餌が旺盛になる夏から初冬にかけて需要が高まり、水温が低下する冬から春にかけては需要が減少します。
このため、第1四半期及び第4四半期の売上高と営業利益は、第2四半期及び第3四半期と比べて低くなる傾向があります。
2025年3月期の四半期別売上高は、第1四半期34億5,500万円、第2四半期38億8,000万円、第3四半期41億900万円、第4四半期26億8,200万円となりました。
営業利益は、第1四半期が1,600万円、第2四半期が1億5,300万円、第3四半期が2億4,400万円と順調に推移しましたが、第4四半期は2億6,700万円の営業損失となりました。このように第4四半期は季節性の影響により営業損失となる傾向があり、例年通りの収益構造が確認されました。
セグメント別状況
セグメント別状況についてご説明します。
水産事業の売上高は前期比12.7パーセント増の85億3,900万円で、構成比は60.4パーセントでした。主要製品である養殖用配合飼料のほか、魚介類種苗や栄養強化剤の製造・販売、生鮮魚介類の卸売販売、魚類飼料の販売、クルマエビやスギの養殖・販売が売上に貢献しました。
食品事業の売上高は前期比2.8パーセント増の55億8,700万円、構成比は39.6パーセントでした。乾麺・即席めん・皿うどんに加え、カレールーやジャム類、調味料などの製造・販売が好調でした。一方、きな粉、香辛料、青のり、かき揚げ等冷凍食品、総菜の製造・販売は低調となりました。
セグメント利益では、水産事業が前期比33.6パーセント増の5億2,100万円で、食品事業はマイナス4,400万円から4,200万円へと黒字転換しました。管理部門はマイナス2億7,900万円で、前期のマイナス2億9,000万円から改善しました。
結果として全体のセグメント利益は前期比417.2パーセント増の2億8,500万円となり、大幅な増益となりました。
連結キャッシュフロー
連結キャッシュフローについてご説明します。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益の増加、売上債権・棚卸資産・仕入債務の減少により、前期比5,500万円増の5億200万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得増加や定期預金払戻収入の減少により、前期比1億1,200万円減少の3億5,600万円の支出となりました。一方で、投資有価証券の売却・償還による収入も一部ありました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増減額の増加や長期借入れによる収入の減少、長期借入金の返済による支出の減少などの影響により、前期のマイナス5,100万円から7,500万円の増加し、2,400万円の収入となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は前期末比1億6,900万円増の13億4,700万円となりました。
連結貸借対照表(B/S)
連結貸借対照表(B/S)についてご説明します。
総資産は、現金及び預金の増加、原材料及び貯蔵品の減少、有形固定資産及び投資その他の資産の減少などにより、前期比4億7,400万円減の142億2,600万円となりました。
負債合計は、買掛金の減少、短期借入金の増加、長期借入金の減少などにより、前期比4億200万円減の90億9,100万円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の減少などにより、前期比7,100万円減の51億3,400万円となりました。
個別決算サマリー(第4四半期累計)
個別決算サマリー(第4四半期累計)についてご説明します。
2025年3月期の個別業績においては、水産事業・食品事業ともに販売活動が順調に進捗し、収益性の改善に寄与しました。
売上高は前年度比6.1パーセント増の88億9,000万円となりました。これは、クルマエビの大手生産者でのシェア拡大や高付加価値魚類の品質評価による拡販効果に加え、新規代理店との取引開始などが水産事業の増収に寄与したこと、また食品事業では皿うどん類の新製品定番化、価格訴求品の販売増、ラーメン類やカップ類の海外向け及び新規PB商品の受注増加が影響しています。
営業利益は前年度比33.5パーセント増の3億1,600万円となりました。高付加価値商品の販売強化や販売アイテムの選別、生産性の向上によるコスト削減が収益改善につながりました。
経常利益は3億2,100万円となり、前年度から黒字転換しました。水産・食品両事業の利益改善が要因です。当期純利益は2億1,700万円となり、前期のマイナス1億2,600万円から3億4,300万円の改善となりました。
これらの結果、個別決算においては、売上・各利益項目すべてにおいて前期を上回る水準を確保し、業績回復基調が鮮明となりました。
業績予想差異
連結業績において、売上高は進捗率104.9パーセントとなりました。一方、営業利益の進捗率は63.8パーセントとなりました。これは、原材料費・資材費・エネルギーコストの高騰、及び魚類養殖子会社における魚病の発生による歩留まりの低下が主因です。
また、カレールー製造子会社において減損損失を計上したことも、親会社株主に帰属する当期純利益の進捗率70.8パーセントに影響しました。
一方、個別業績では、付加価値の高い製品群や海外向け製品の販売拡大に注力した結果、売上高は進捗率104.7パーセント、経常利益は218.4パーセント、当期純利益は657.6パーセントと、いずれも予想を大きく上回る結果となりました。
配当・株主優待
当社は、将来の事業展開及び経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定的な配当の継続を基本方針としております。こうした方針に基づき、2025年3月期の期末配当予想を従来の1株当たり9円から12円に修正しました。
これにより、年間配当金は12円となり、前期の9円から増配となる見込みです。本件は、2025年6月開催予定の第46回定時株主総会に付議する予定です。
また、株主優待制度として、1,000株(10単元)以上保有の株主さまに対し、年2回、各回3,000円相当の自社商品を贈呈しています。
トピックス
当社食品事業部門「ヒガシフーズ」では、伝統の味と品質を守りながら、ご家庭で愛される商品を積極的に開発しています。2025年3月から5月にかけて、以下の新商品を発売しました。
1つ目は「カップ横浜かた焼きそば」で、太麺タイプの揚げめんに、醤油と鶏がらをベースとしたあんかけスープを組み合わせました。具材にはチンゲン菜、にんじん、とりそぼろを使用しており、熱湯1分で調理できるクイックカップ商品です。
2つ目は「知覧お茶ラーメン2人前」で、鹿児島県南九州市にある西垂水茶業さまの「知覧グリーン」と鹿児島の食品メーカーの当社のコラボ商品です。高品質な知覧茶の一番茶を使用し、深蒸し茶ならではの旨味とコクを活かした香り高いラーメンです。
3つ目は「【数量限定】麻婆豆腐皿うどん2人前」で、ラー油・赤唐辛子・豆板醤をベースにした辛味と、豆味噌・花椒・八角による香りを活かした濃厚な風味の粉末スープと、ザクザク食感の揚げ麺を組み合わせました。
私からのご説明は以上です。ご清聴いただきありがとうございました。