目次

永山亨氏(以下、永山):本日はご視聴いただき、誠にありがとうございます。アピリッツの永山と申します。よろしくお願いいたします。

本日のコンテンツは盛りだくさんとなっています。初めにコーポレートサマリをお話しした後、我々を知らない方もたくさんいると思いますので事業概要についてご説明します。その後は、9月14日に発表した2024年1月期第2四半期の業績ハイライト、業績予想の修正について、自己株式の取得と配当実施について、今後の成長戦略の順にご説明します。

会社概要

永山:コーポレートサマリです。我々のビジョンは「ザ・インターネットカンパニー」、ミッションは「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」ことです。我々は開発を生業にしているため、これからもずっとインターネットに関わるさまざまなサービス開発を続けていこうと考え、このようなミッションを掲げています。

会社概要

永山:設立は2000年です。従業員数は単体で617人、連結で725人と、ある程度の人数がいる会社です。財務指標に関しては、前期の売上高が73.2億円、純利益が2.1億円です。後ほどご説明しますが、成長戦略の柱としてM&Aも掲げているため、子会社が2社あります。

会社概要

永山:株主構成です。我々は2021年2月に上場した会社で、まだ小型株の部類になります。株主数は1,900弱です。株主構成の上位2つは資産管理会社ですが、代表の資産管理会社ではなく、我々が起業した学生の頃に純投資で支援いただいた方々です。

投資家の方は出口戦略が気になると思います。現時点では「発行体に迷惑を掛けるようなことはしない」「発行体の意向に従う」とうかがっていますので、投資をお考えになる際は気になさらないでいただければと思います。

会社概要

永山:事業についてご説明します。当社は、Webソリューション事業、デジタル人材育成派遣事業、オンラインゲーム事業の3つを軸に、バランスよく補完性を持ちながら事業を進めています。

成長の歴史

永山:2000年に創業した当社は学生が始めたベンチャー企業で、現在も若手が中心の会社になっています。若手が何度も成功体験を積んだり失敗したりして、時流、市場、経営を立て直しながら今に至っています。IRページの決算説明会資料もあるため、ご興味がある方はそちらをご覧ください。

会社概要(過去10年の全社売上高推移:連結)

永山:過去10年間の成長の推移です。グラフを見るとわかるとおり、安定的に成長しています。21期に上場した後は成長戦略に乗ってM&Aを毎年1社ずつ行い、23期の売上高は約73億円となりました。

Webソリューション事業・事業概要

永山:Webソリューション事業についてご説明します。名前だけ聞くとわかりにくいと思いますが、開発を生業にしています。

よく「下請けSIerでは?」と言われますが、大枠ではそのとおりです。しかし我々は、言われたものを作るというより、お客さまのビジネスの戦略・分析のコンサルティングから入り、企画・設計を経て開発を行っています。

みなさまがイメージする下請けSIerは、スライドの図の3番に記載されている開発・制作だけを行っています。一方で、我々は上流工程から入って、お客さまのサービスがリリースされた後も運用・保守も請け負っており、一気通貫で取り組んでいるところが特徴です。

Webソリューション事業・事業概要

永山:この特徴により、どのような効果が出ているのかをご説明します。一気通貫でお客さまのビジネスを理解しながら伴走しているため、お客さまのサービスがリリースされた後にその事業がスケールすると、当然「機能を追加してください」というかたちで何らかの発注をいただきます。

このようなロイヤリティループが発生していますので、上場後3年間は前年度の約8割のお客さまから翌年も発注をいただいています。さらに市場環境が活況なこともあり、そこに新規顧客を取り込んで順調に成長しています。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):顧客継続率が高いということですが、新規顧客を受けきれなくなることもありますか?

永山:市場環境は非常に活況であるため、本来であればもっと受注したいと思っています。そのため、人材の採用やM&Aでエンジニアを大量に確保することが課題になっています。

坂本:今は選別して受注している状況ですか?

永山:嬉しいことにそのような状況です。言い方はよくありませんが、ある程度選別して受注しています。

23期トピックス

永山:どのようなものを作っているのかご説明します。投資家の方は節税にも興味があると思いますが、「さとふる」のアプリは当社が作っています。

24期トピックス

永山:我々はオンラインゲーム事業を行っていることもあり、カプコンさまの創業40周年記念サイトを担当しました。単純なサイトではなく、ページ内でゲームができる仕様となっています。

坂本:ファミコン世代のレトロゲームが入っているのですね。

永山:そのとおりです。Webソリューションの開発力とオンラインゲームのクリエイティブなところを理解しているため、発注いただいてから一気通貫で作りました。お伝えしたい事例はもっとありますが、なかなかクライアントからの許可が出ないところが口惜しいです。

坂本:自社でやっていると言いたいですからね。

永山:このようなものを一気通貫で作っていると覚えていただければ幸いです。

坂本:他のゲーム会社からも、似たような依頼を受けることができると思います。一度受ければ、5年や10年刻みに発生する仕事になるのではないでしょうか?

永山:おっしゃるとおりです。

Webソリューション事業・事業概要

永山:Webソリューション事業を取り巻く環境についてご説明します。スライドのとおり国内の民間IT市場規模は伸びており、市場環境は非常に活況です。

先ほど「一気通貫で作っている」とお話ししましたが、それが唯一無二かと言えばそうではありません。しかし、我々のような会社は世の中で不足している状態です。そのため、取り合っているというよりも、それぞれ成長している状況です。

この市場環境は少なくとも3年は続くと思っており、市場環境は非常によいと知っていただければと思います。

Webソリューション事業・事業概要

永山:唯一無二ではないとお伝えしましたが、「他にどのような会社があるのか?」とよくご質問を受けますのでご説明します。

Sun Asteriskさま、サーバーワークスさま、メンバーズさま、テンダさまなどが挙げられます。それぞれ、一部似たようなことを行っている会社や、サーバーワークスさまのように「AWS」というAmazonのクラウドサービスプラットフォームを使ったお客さまの支援に特化している会社があります。

スライドを見るとわかるとおり、それぞれの会社が前年同期比で大きく増収しています。また、時価総額は評価が分かれていますが、このあたりは規模や人員のリソースの確保などの違いだと思います。当社は上場して3年、順調に成長を遂げています。今後も成長を続け、規模をもう一段大きくし、みなさまに評価していただけるような時価総額になりたいと思っています。

坂本:PERの数値が非常に低いですね。

永山:おっしゃるとおりで、このあたりを引き上げたいと考えています。

デジタル人材育成派遣事業・事業概要

永山:デジタル人材育成派遣事業についてご説明します。急に「派遣」という言葉が出てくるため、不思議に思われるかもしれません。実は数年前まで、派遣事業はオンラインゲーム事業とWebソリューション事業の中にインクルードするかたちで行われていました。

なぜ派遣事業を行っているかというと、世の中にエンジニアが非常に不足しているからです。Webソリューション事業では、我々のような開発会社が不足しているため、そのニーズに特化して1つのプロジェクトを請け負っています。

その際に「エンジニアだけ短期間ほしい」というお客さまのニーズが非常に多く、空き稼働になってしまいそうな社員がいた場合は、お客さまに派遣して収益を得ていました。2022年に人材派遣を軸としている会社を買収して事業規模が1つ上がったため、セグメントを分けることにしました。

特徴は、未経験者に近い人材を採用していることです。育成に強みがあるため、育成してから人材を派遣します。中途採用で人材を探してコストと時間をかけるより、未経験に近い人材を採用して育成するところが特徴です。当社は20年にわたり開発に携わってきたことでノウハウがあるため、いろいろな教育ができます。

坂本:こちらの事業について、派遣会社が入ると「次はここに行ってください」というかたちで交通整理ができると思います。エンジニアの貸し借りは、業界では慣習的にあったのでしょうか?

永山:背景としてはあります。例えば、お付き合いがあるゲーム会社から「人材だけ派遣してほしい」と要望をいただくことがあります。お付き合いがあるため、当然「このくらいのクラスの人材がよいですね」と応えることができ、お互いマッチング度が高い点がよろこばれています。

坂本:単価もだいたいわかっていますからね。

永山:おっしゃるとおりです。Webソリューション事業のクライアントは、内製や一部内製化している会社があるため、マッチングがしっかりできるところが特徴です。

坂本:なるほど。業界についてよくわかりました。

デジタル人材育成派遣事業・事業概要

永山:デジタル人材育成派遣事業は、収益を得ることと同時に社内でのリソースの循環にも貢献しています。例えば、オンラインゲーム事業において効率化ができ人員が余った場合は、デジタル人材育成派遣事業に移動して収益化します。

デジタル人材育成派遣事業・背景

永山:デジタル人材派遣事業の市場についてご説明します。Webソリューション事業と同じく活況ですが、ニュースなどで言われているようにエンジニアが不足しています。

有名な人材会社も多くのCMを打っていますが、本当に人材が足りません。競合と言われるところはたくさんありますが、市場環境は活況ですので取り合ってはいないというのが現状です。

オンラインゲーム事業・事業概要

永山:オンラインゲーム事業についてです。みなさまがイメージするのはスマホゲームを作っている会社だと思いますが、そのとおりで軸はスマホゲームです。「PlayStation」用などのコンシューマーゲームは作っていません。

特徴として、3つの軸があります。1つ目は自社ゲーム開発です。こちらはみなさまがイメージする、企画・開発・運営まで自社で行っているものです。

2つ目はパートナーゲーム開発です。アカツキさまやマーベラスさま、セガさま、先ほど出てきたカプコンさまなど、いろいろなゲーム会社がありますが、すべてのゲームをゼロイチで作っているわけではありません。オンラインゲーム事業では、これらの会社からの受託開発や運営移管を請け負っています。

「オンラインゲームはボラティリティが高いから投資しにくい」というイメージがあると思います。それを防ぐためにパートナーのゲーム開発、いわゆる受託開発を行っており、これはWebソリューション事業と同じです。

例えば「3億円で作ってください」と依頼を受けてゲームを作り運営した場合、言い方は悪いですが、そのゲームがヒットしようがしまいが3億円は受け取れるため、業績がブレません。これを土台に自社のオンラインゲーム開発などを行っているため、オンラインゲーム事業にしてはボラティリティが少ないのが我々の特徴です。

オンラインゲーム事業・事業概要

永山:3つ目はクリエイター人材派遣です。自社でオンラインゲームをリリースしたけれどヒットしなかった時はクローズしたり、人材が余った時に人材育成派遣に移動することで空き稼働を作らずに収益化できるようにしたりと、安定的な収益確保が特徴の1つです。

坂本:派遣するのは、Webソリューション事業であればWebを作るスキル、オンラインゲーム事業であればゲームを作るスキルがある人材ということですね。

永山:おっしゃるとおりです。

オンラインゲーム事業・事業概要

永山:「自社ゲーム開発運営」「受託開発・運営」「運営移管」を行っているとお話ししましたが、具体的な事例をご紹介します。

受託開発・運営では、マーベラスさまの「一騎当千」というゲームの開発と運営を行いました。このように安定的に収益を確保しています。自社運営として、現在は1本のみですが自社ゲームの開発も行っています。

運営移管では、アカツキさまの「ユニゾンエアー」というアイドルゲームや、セガさまの「けものフレンズ3」というゲームが運営移管されています。実は「ユニゾンエアー」に関しては受託開発を行っており、運営も一部手伝っていました。それによりこのゲームを熟知していたため、「運営移管しませんか?」とお話を受けて運営することになりました。

これら3つを軸に事業を行っています。

連結業績ハイライトサマリ

永山:第2四半期の業績についてご説明します。当社は、上期と通期の業績予想を出しています。上期が終わり、業績予想に対して売上はほぼ計画どおりとなりました。2パーセントほど欠けていますが、利益は大幅に上ぶれています。

3つの事業ごとの状況をお話しします。Webソリューション事業は、売上・利益ともに計画に対して上ぶれました。デジタル人材育成派遣事業は計画どおりです。オンラインゲーム事業は運営移管タイトルで苦戦し、計画に対して若干下ぶれました。

Webソリューション事業の活況により、全社では大幅に上ぶれました。

連結業績ハイライト

永山:業績予想に対しては、先ほどお伝えしたとおり大幅に上ぶれました。単体での営業利益が業績予想に対して141.3パーセント、連結でも126.5パーセントとなっています。こちらを受けて、上期の業績予想の修正を発表しました。

連結業績ハイライトサマリ

永山:昨期と比較すると、大幅な増収と増益を実現できました。売上高は132.1パーセントで、営業利益は154.7パーセントとなっています。後段でもご説明しますが、昨年に1社M&Aをしており、そちらが大きく寄与して成長できています。しかし、M&Aを抜いても3つの事業は伸びており、相乗効果で増収増益となりました。

連結業績ハイライト(売上高四半期推移)

永山:四半期ごとの3事業の売上高の推移です。若干でこぼこしているのは、事業的に売上高が下期に偏重するためです。主な原因はオンラインゲーム事業で、第3四半期に周年イベントが3タイトルあることが影響しています。

また、上期に新卒を大量に採用しますが、売上に貢献するのが下期となる点も挙げられます。そのような状況を考慮すると、第2四半期はきちんと着地できたと言えます。

連結業績ハイライト(原価・販管費四半期推移)

永山:原価と販管費の四半期推移です。こちらは若干季節性がありますが、ほぼ適正値で推移しています。

連結業績ハイライト(営業利益四半期推移)

永山:営業利益の四半期推移です。好調なWebソリューション事業が牽引し、計画を上ぶれました。先ほどお伝えしたとおり、営業利益も下期偏重のためグラフはでこぼこしていますが、下期にどれだけ昨年と同じ波形を保てるかがポイントです。

坂本:Webソリューション事業は市場環境が好調ですが、具体的にはどのような部分が好調だと考えていますか? また、利益率が上がっている要因も教えてください。

永山:コロナ禍を経てデジタル化が急務になってきたため、お客さまのニーズが高いと予想しています。一昔前のような少ない予算ではなく「予算をかけて、きちんと作ってください」といったお客様が多い傾向があります。

そちらに沿って我々のスキルも上がっていき、単価も増えています。利益率が上がっているのは、これら2つの要因の掛け合わせだと思っています。

連結業績ハイライト(EBITDA推移)

永山:EBITDAの推移です。M&Aをしているため、のれんの償却費が負担になってくるのではないかとよく質問されます。しかし、順調に伸びているためご安心ください。

連結業績ハイライト(貸借対照表)

永山:貸借対照表です。あまり大きな特徴はありませんが、強いて言えば買収したのれんの固定資産の状況と、買収資金で借り入れを継続的にしている点の2つが特徴だと思います。自己資本比率は適正に保っているため、特に問題ないと考えています。

社員数推移

永山:社員数の推移です。人が成長の源泉のため、四半期ごとに順調に伸びています。今期は中途採用を行っているもののM&Aをしていないため、第1四半期から第2四半期にかけてはそこまで変わっていません。

社員数推移

永山:冒頭に「大学生が始めた会社」だとお伝えしましたが、スライドのグラフのとおり、20年経過しても20代がほぼ6割、30代を含めると8割と、若い社員が活躍しています。そのため、成長とともに単価も上がります。事業継続を考えると、このような割合は崩さずに構成を保ちたいと思っています。

坂本:人材の採用状況と、離職率の推移を教えてください。

永山:新卒採用は順調です。毎年、在籍している社員の約10パーセントは増やしたいといった目標を掲げています。中途採用は他社と同様にハードルが高くなっています。もちろん努力はしていますが、厳しい状況です。

離職率は、高くはないですが低くもないといったところです。こちらに関しては、無駄な退職は防ぎたいと考えています。例えば、当社にいても覚えることがなく、新しいことを覚えたいといった社員を無理に引き止めるのは双方が不幸です。

一方で、マネジメントが足りなかった、環境がよくなかったなどの不幸な退職はなくしたいと考え、社内でもいろいろな取り組みを行っています。以前に比べると離職率は下がっているため、この傾向を維持して10パーセントを切るのが理想だと考えています。

坂本:採用は、開発部門のエンジニアがほとんどですか?

永山:おっしゃるとおりです。エンジニアのほかにはクリエイターもいます。しかし、新卒採用では職種はあまり考慮していません。

増井麻里子氏(以下、増井):Webソリューション事業では相手企業に常駐することも多いと思いますが、そちらが離職理由になることはありますか?

永山:手持ちのデータは開示していませんが、お客さまの要望がかなりハードで疲れてしまうという可能性はあります。しかし、目立った傾向としてあるわけではありません。退職者の年代にも偏りはありません。

しかし、一気通貫で事業を行うにあたり、お客さまの要望を満たすのはハードルが高いと思います。そのため、上場後は社内のプロジェクトチームとしてケアしたり、手当てを支給したりしてきちんと報いるなどの取り組みを段階的に行っています。

正直なところ、まだ未整備な部分もありますので、今後の課題は人的資本に投資をしていくことだと思っています。

Webソリューション事業・業績ハイライト(四半期売上推移)

永山:事業ごとのハイライトをご説明します。Webソリューション事業は、先ほどからお伝えしているとおり、四半期ごとに見ても順調に推移しています。

Webソリューション事業・業績ハイライト(四半期原価推移)

永山:原価も適正値で推移しています。

Webソリューション事業・業績ハイライト(セグメント利益率推移)

永山:利益率も高く、特に第1四半期と第2四半期は好調だったと思っています。我々としては、30パーセントくらいを維持できれば業績予想に対して好調だと考えています。

Webソリューション事業・業績ハイライト(平均単価推移)

永山:平均単価も非常に上がっています。第1四半期と比べて第2四半期が急激に上がっていますが、こちらは上がり過ぎだと自覚しています。

坂本:前回も上がっていて、選別しているという話でした。1つの案件が高利益率なのか、全体が上がっているのか教えてください。

永山:全体として単価が上がってきていることに加え、冒頭でもご説明した大型事例が入ってきたため上がっています。そのため、このような状況がずっと続くとは思っていません。我々が目指すべきなのは、セグメント利益の30パーセントを維持することだと思っています。

Webソリューション事業・業績ハイライト(問い合わせ数推移)

永山:市場環境が活況のため、問い合わせから全て賄えているという恵まれた環境です。問い合わせ数の推移も問題なく、リード獲得を順調にできています。

デジタル人材育成派遣事業・業績ハイライト(四半期売上推移)

永山:デジタル人材育成派遣事業です。四半期比では若干横ばいとなりました。スライドに記載のグラフでは、アピリッツ本体とグループ会社のそれぞれの数字を掲載しています。アピリッツ本体は順調で、グループ会社は若干低減しています。

こちらは、契約の切れ目や計画よりも教育に時間がかかっているためです。下期に回収すると考えていただければと思います。

デジタル人材育成派遣事業・業績ハイライト(四半期原価推移)

永山:原価もほぼ横ばいです。

デジタル人材育成派遣事業・業績ハイライト(セグメント利益)

永山:先行投資をしているため、上期は利益があまり上がらない仕組みになっています。この後、昨年度と同様の波形となる予定です。

オンラインゲーム事業・業績ハイライト(四半期売上推移)

永山:オンラインゲーム事業です。第3四半期に周年イベントがあり、そちらで伸びる予定です。スライドに記載しているグラフのとおり、昨年の第3四半期も非常に高くなっています。

棒グラフは、自社ゲーム、セカンダリ(運営移管)、受託開発・運営に分けて表示しています。受託開発・運営はずっと安定しており、土台になっています。その上に運営移管があり、そちらに左右されているとご理解ください。

上期は計画から若干下ぶれて終わってしまったため、下期の第3四半期の周年イベントやその他の施策によって水準を戻すことが課題です。

オンラインゲーム事業・業績ハイライト(四半期原価推移)

永山:原価の推移です。こちらは計画どおり効率化を進め、外注費も微減しました。イベントのための先行投資で若干上がっていますが、下期でうまく回収できるようにしていきます。

オンラインゲーム事業・業績ハイライト(セグメント利益)

永山:利益は若干薄利ですが、第3四半期と第4四半期で回復していこうと考えています。Webソリューション事業は好調で、デジタル人材育成派遣事業は計画どおりとなっています。そのため、オンラインゲーム事業、特に運営移管の結果で下期の業績が決まると考えています。

24期トピックス

永山:現在進行中の案件についてはスライドをご覧ください。

坂本:下期の情報と課題があれば教えてください。

永山:「けものフレンズ3」と自社ゲーム運営は計画どおり順調で、利益も出ています。また、受託開発も安定的に推移しています。そのため、運営移管の中でも特に「ユニゾンエアー」をいかに伸ばせるかが重要課題です。現在、いろいろな仕掛けを考えて動いている状態です。

24期トピックス

永山:新作ゲームの開発は時期がずれてしまい、ユーザーさまからお叱りを受けています。何か問題があったわけではなく、きちんとクオリティを上げるために時間がかかっています。こちらは、今期はもうリリースしないため業績には影響しません。また、こちらに急激に投資をして利益が悪化することもありません。

坂本:ずっと開発を続けている状況ですか?

永山:おっしゃるとおりです。一気に開発するのではなく、一定のリソースと投資上限を決めて取り組んでいるために時間がかかるといった背景もあります。

坂本:限られた人員で行われているのでしょうか?

永山:おっしゃるとおりです。

業績予想

永山:上期は業績予想の修正をしました。しかし、通期の業績は上方修正せず据え置きで、スライドに記載のとおり期初に発表したままとなっています。

業績予想

永山:上期に得た利益をどうするのかと言うと、投資に回す計画をしています。投資先は主に人的資本です。我々の成長の源泉はエンジニアやクリエイターですので、労働環境をきちんと整える必要があると考え、移転を決定しました。

移転は来年ですが、今期には敷金などの早期償却費が増加します。また、ニュースなどで報じられている「ChatGPT」などのAI活用のための研究開発にも投資する予定です。ほかには人事制度やインセンティブの制度を改革し、さらにドライブしようと考えています。

我々としては、短期的ではなく来期以降に効果が出る施策に利益を回すという考えで、通期の予想を据え置きました。

坂本:上期の利益を再投資するということですが、成長戦略を見ていると、下期にすぐに効果が出る事例はないように思います。そのため、もっと先のことを考えて行う投資という認識でよろしいでしょうか?

永山:おっしゃるとおり、長期目線の投資になります。

坂本:上期の利益はそのままスライドするのかなど、イメージを教えてください。

永山:下期のトレンドは上期と変わりません。Webソリューション事業は市場環境もリード獲得も順調のため、上期と同様にきちんと上ぶれると考えています。デジタル人材育成派遣事業は計画どおり進んでいますので、下期も落とさずに進んでいきたいと考えています。

オンラインゲーム事業は、運営移管のタイトルがきちんと結果を出せれば達成できると思い、現在進めています。簡単に言いますと、オンラインゲーム事業の運営移管がポイントとなります。

自己株式取得

永山:決算発表と同時に自己株式の取得を発表しました。「どちらかといえば株価対策ではないか」とよく言われるのですが、M&Aに積極的に活用したいというのが主な理由です。もちろん、間接的には株主さまへの還元になります。

坂本:消却はせずに取っておくということですね。

永山:そのとおりです。従業員への配布も考えています。

配当金

永山:配当に関しては、上期6円、下期6円の通期12円と期初に発表していますが、お約束どおり、中間配当はいったん6円で実施しました。期末配当の6円は、期初公表のまま据え置きとしています。

坂本:自己株式の取得とあわせて総還元性向30パーセントを目指すということですので、配当がそのまま30パーセントというわけではありません。しかし、下期偏重の業績パターンから、そのまま行くと業績予想で思わぬこともあるのではないかと思っています。

その場合に増配はあるのか、それともさらに自社株買いをするのか、イメージはお持ちでしょうか? その時の株価等で変わってくるとは思いますが、配当を厚くして増配を見せたいのか、現在PERが低いことから、先ほどおっしゃったように自社株を貯めておいてM&Aや将来の成長に向けて使うのか、どちらに振るのか教えていただければと思います。

永山:配当に関しては、我々としては安定的にきちんと出していくことが大方針です。期によって急に上げ下げすることに検討の余地がないわけではありませんが、どちらかというと自社株買いをきちんと活用し、M&Aに使って成長させるほうが軸になってくると思います。

事業成長イメージ

永山:今後の成長戦略です。先ほどから何度かお伝えしているように、我々は開発会社であるため、来年の着地をいきなり倍にすることはできません。ただし、オーガニックでも10年間安定的に成長していることから、その基盤の上にM&Aを実施して人材の確保と事業規模の拡大を行うことを戦略に置いています。

上場後も、昨年、一昨年と1社ずつトラックレコードを残し、お伝えした目標は達成してきているため、今後も事業拡大への取り組みは継続していきます。

坂本:ある程度将来に向けてのイメージはあるものの、しっかりと数字で知りたいという投資家が意外と多く、弊社スタッフにも「中計は作らないのですか?」と聞く人がいます。このあたりについて少し教えていただけますか?

永山:中計に関しては、投資家さまや株主さまからも非常に多くのニーズが寄せられています。しかし、オンラインゲームの3年後を見据えることはなかなか難しく、中計は出していませんでした。

坂本:難しいですよね。

永山:しかし、来年には本社移転も控えるなどさまざまな投資をしていく中で、当然ながら投資後は利益率が下がってしまうため、きちんと説明しなければいけないと社内でも議論をしています。現時点でお約束はできませんが、中計に関しては現在積極的に議論しているところです。

坂本:御社は特にIR活動には積極的であり、それはよいことだと思います。私は小さな会社を経営しているため、ここで投資したら将来儲かるだろうということがわかりますが、中には経営に理解がなく「右肩上がりが当然だろう」と思っている投資家もいます。

「何のための成長企業だ」と思っている人のためにも、対話をしたほうがよいと思います。御社にはすでにファンもたくさんいると思いますので、そこは理解していただけるのではないでしょうか?

永山:おっしゃるとおりです。うまくいったのはなぜか、うまくいかなかったのはなぜかを都度ローリングして毎年説明することにより、イメージがつきやすいのではないかとは思っています。そのため、然るべき時期が来たら、きちんと発表させていただきます。

M&Aの方向性(Webソリューション事業)

永山:M&Aについては、主に既存事業の部分で行っていきます。これは何を大事にしているかといいますと、PMIです。事業統合を違うビジネスに持ってきてしまうとなかなか難しいのですが、将来的にはそのようなことも検討しています。

坂本:では進捗は見えているのですか?

永山:具体的には言えませんが、順調に取り組みを進めています。足元ではずっとM&A案件を探していますし、トップ面談なども実施しています。

坂本:高いから交渉しないというわけでもないのですね。

永山:そのとおりです。今期でいうと掲げていること(業績予想・配当予想)は達成できたので、もう1つ掲げている(M&Aによる成長戦略)ところがどうなるかというところです。

M&A(事業譲受や運営移管・共同運営)の方向性(オンラインゲーム事業)

永山:オンラインゲーム事業に関しては、運営移管などで成長させていきます。

コーポレート

永山:株主還元は、先ほどもお伝えしたとおり配当・自社株買い、人的資本投資に加え、その年々の戦略に沿って内部留保で投資を行っていきます。

コーポレート

永山:繰り返しになりますが、2024年9月に本社移転を予定しています。

坂本:こちらは、最近よくあるコミュニケーションがとれるようなオフィスになっているのですか?

永山:おっしゃるとおりです。恥ずかしながら、現在本社が入るビルは本当に古く、おしゃれでもない普通のビルです。若者にきちんとオフィスに来てもらい、コミュニケーションを活発化させたいという思いと、採用の1つのブランディングにもなることから大きな決断をしました。

コーポレート

永山:このように個人投資家向けIRセミナーを開催し、「X」でも発信しています。DMも開放しているため、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

質疑応答:「式姫Project」のリリース延期理由について

坂本:「御社開発の『式姫Project』のリリースが延期になった理由を教えてください」というご質問です。

永山:こちらに関しては先ほど少し触れましたが、例えば「退職者が多くプロジェクトが回らなくなった」などの理由ではなく、クオリティを上げるための延期です。

一般的なゲーム開発は、大手のアカツキさまやセガさまのように、一気に投資を行って人員を増やして進めるイメージがあると思いますが、売上規模を見るとわかるとおり、我々はどちらかというとR&D(研究開発)的な要素を持って進めています。

もちろん、ヒット作を生むためにクリエイターも本当に一生懸命制作に取り組んでいますが、人員とコストを一定にして開発しているため、なかなか一般的な開発のように一気に進めることができません。

自社ゲームでは「式姫Project」の1つ前と、もう1つ前の作品は残念ながらヒットしなかったため、課題も含めて今回はしっかりしたものを作ろうという思いがあります。

急にアクセルを踏めない背景には一定のコストと人員の問題があり、そのために少し時間がかかることをご理解いただければと思います。とは言え、発信が少ないことについては私もよくお叱りを受けています。

坂本:当時はかなり新しい技術を詰め込んでいるとお話しされていました。しかし、発売が延期したことにより、それらの技術が一般化して今のゲームにもすでに取り入れられ、よくあるパターンのゲームになってしまっているのではないかという危惧があります。そこで、さらに新しい技術が使われているのか、そうでないのかを教えていただければと思います。

永山:それほどキャッチーで新しい技術を取り入れているわけではなく、世界観やストーリー、キャラクターなどでユーザーのニーズをキャッチしていく方針です。

坂本:技術的な部分よりも、どちらかと言えばストーリーなどの部分に振っているということですね。

質疑応答:CFOの自社株保有について

坂本:「現時点で、永山CFOは自社の株式を70株程度しか持っていないと認識していますが、これは今後アピリッツが十分成長した後に退職を考えているためでしょうか? 流動性の問題もあるかと思いますが、2人しかいない社内取締役の1人として、ぜひ御社の株式を保有していただきたいです」というご質問です。

これは簡単に言われがちですが、決算等の関係上、意外に難しいと思いますがいかがでしょうか?

永山:よく見ていただきありがとうございます。おっしゃるとおりで、前期末時点ではその程度しか持っていませんが、コミットしていないわけではなく、実はストックオプションを持っています。すでに一部行使しているため、次の有価証券報告書ではご覧いただけると思います。

また、ご存知ない方のためによい機会ですのでご説明しますと、ストックオプションはただではなく払い込みのお金が必要です。私にも家庭があるため、投資配分の関係でこの持ち株数となっています。決してコミットしていないわけではなく、きちんと自社株を持ち、投資家さまと同じ目線でしっかり事業を運営していく認識はあります。退職も考えていないためご安心ください。

坂本:永山さんが売るか売らないかというのは家庭の事情ですし、私は個人の自由だと思います。投資家はすぐ売るという話だと思いますが、割安だと思ったら保有したほうがよいわけです。そのあたりも含めて、今後の発信をお待ちいただければと思います。

質疑応答:今後のセミナー登壇について

坂本:「永山さんは、これまで何度もログミーほかさまざまなIRセミナーに登壇されていますが、今後このようなオンラインIRに出演されなくなるとしたら、どのようなタイミングになるのでしょうか?」というご質問です。

私としては、巨額な増資をする前に非常に積極的にIR活動を行い、増資後に突然見なくなる会社がゼロではないと認識しています。PERが上がっていけば、コスト等を考えるとIR活動は行わなくてもよい1つの理由になると思っているのですが、現段階での永山さんの考えをお聞かせください。

永山:現在積極的にIR活動を行っているのは小型株の認知がなかなか進まないことが理由ですが、基本的なスタンスとしては時価総額が大きくなっても変わりません。ただし、体が1つしかないため、当然そこに人員を割いていくことになります。機関投資家さまが入ってくるようになると、そちらとの1on1の面談数も非常に増えていきます。

坂本:現在はおそらく、永山さんや社長が対応しているのだろうと思います。

永山:おっしゃるとおりです。私が過去に在籍していた時価総額1,000億円を超えるような会社では、四半期ごとに何十件も面談が入ってきます。

当然、そのリソース配分については会社できちんと対応しなければいけませんが、理想としては、機関投資家さまと個人投資家さまを比率で分けることなく、あまねく配分していきたいという思いとスタンスは持っています。

ただし、その時にどうしても登壇者が見つからなかったり、質問者さまのようにいろいろなIR説明会を視聴されていると、例えば話す人によって伝え方が違ったりすることもあると思います。そのため、今後時価総額が切り上がっていったとしても、個人投資家さまと機関投資家さまの格差を作らないスタンスは継続していきたいと考えています。

坂本:今後、おそらくリソースの問題で「永山2号」や「永山の弟子」のような人材も出てくる可能性があるということですね。

永山:そのとおりです。

質疑応答:アピリッツの将来像について

増井:「10年後の会社の姿はどのようになっていると考えていらっしゃいますか? オンラインゲーム事業を運営移管のみに縮小させ、Webソリューション事業に集中させるなどの戦略はあるのでしょうか?」というご質問です。

永山:ありがとうございます。実はまさに先週、10年後をどうすべきかという課題について、部長以上のボードメンバーで経営合宿を行ってきました。10年先を見据えるのは、市場環境が不透明な中、わかりづらいものがあります。

今展開している事業について、よく「とんがってないよ」とお叱りを受けることもありますが、既存事業に関して成長率の差はあれど、市場環境と市場規模はオーガニックでも十分にあると思っています。

我々の技術革新が追いついていかないというリスクはありますが、きちんと学んでいければ10年後でも既存のビジネスは十分行っていけるだろうと思います。

幸いなことに、当社は3つの事業を軸に展開しているため、今ご質問にあったとおり、ポートフォリオとして、オンラインゲーム事業からWebソリューション事業やデジタル人材育成派遣事業への移管など、その時の事由や市場環境に合わせて柔軟に割合を変えていくことは常に考えています。

また、我々経営陣も10年後には引退を視野に入れているかもしれないということも議論しました。「経営」という視点で若手を教育し、次世代を育てていかなければいけないと思っています。

日本では、さまざまな会社で今後の事業継承が課題になっています。我々もあまねくその課題にはぶつかるため、いわゆる目の前の仕事の教育ではなく、今までは自然発生的に待っていた経営についての教育も、会社の仕組みとして取り組んでいこうと非常に活発に議論しました。

10年後は、基本的には今と同じことをしていると思います。強いて言うなら、現在我々が開拓していない分野のM&Aに取り組み、技術などを取り込んで新しい事業の軸を作っている可能性は十分にあります。

オンラインゲーム事業については、よく「オンラインゲームがなければいい」と揶揄されることもあります。しかし、IT事業を持つ企業として、エンジニアは自社プロダクトに非常に誇りを持っていますので、一概に利益だけを見ていないことはお伝えできればと思っています。

坂本:ありがとうございます。中計を出す時は10年後の未来についても少し入れてください。

永山:わかりました。グラフで入れるようにします。

坂本:ぜひお願いします。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:現時点において、10年後の会社の姿はどうなっていると考えていますか?

回答:現在の既存3事業については、市場における占有率も高いわけではありませんので、オーガニックで成長余地は十分にあると見込んでいます。

3事業のポートフォリオの割合ですが、Webソリューション事業は市場環境が活況でこの傾向は継続すると見込んでいます。また、デジタル人材不足がこれからも加速する中で、デジタル人材育成派遣事業も成長していくと見込んでおり、その2事業が中心になっていくと思っています。

加えて、M&Aを成長戦略においていますが、上記の既存事業の安定成長の上に、方針どおり当社が現在持ち合わせていない新しい技術の会社とジョインする等、継続的に成長できるよう市場環境に柔軟に合わせて成長していきたいと思っています。

<質問2>

質問:新規顧客獲得において苦労する部分はありますか?

回答:Webソリューション事業においては、市場環境が活況のため現在はインバウンドでリード獲得が行えています。ただし、案件の規模やご相談を受けた際の当社側のリソースやスキルセットのマッチは簡単ではなく、苦労する点でもあります。

デジタル人材育成派遣事業は過去の取引先との関係もあり、現時点では問題なく獲得できています。オンラインゲーム事業に関しては、各ゲーム会社さまと関係性は構築できているものの、案件の話があった際のリソース配分やタイミング等もあり、その点では難易度が高い傾向にあります。

<質問3>

質問:オンラインゲーム事業において、特に運営移管を縮小し、Webソリューション事業に集中させるなど、今後の戦略はありますか?

回答:利益が十分に確保できない場合は、選択肢として当然ありますが、現時点で急激なシフトはしません。急激なシフトは退職にもつながるケースもありますので、Webソリューション事業やデジタル人材育成派遣事業の売上規模拡大によって、オンラインゲーム事業の割合が小さくなることは見込まれますが、改善を行い利益確保ができる見込みがまだありますので、現時点では継続していきます。

<質問4>

質問:社員の新しいチャレンジを支援する風土や制度はありますか?

回答:特段の制度はありませんが、資格取得へのインセンティブや、能動的な若手を役職へチャレンジさせるなどの試みは行っています。

<質問5>

質問:案件の単価は今後どこまで上昇すると見ていますか?

回答:どこまで上昇するか見込むのは難しいのですが、Webソリューション事業においてはセグメント利益率を30パーセント以上確保できれば十分に利益確保できますので、その水準を保てるように進めていきます。

<質問6>

質問:上場後から精力的にIRをされている印象ですが、IRとしての今後の活動方針をおうかがいしたいです。

回答:まだ認知度は低いと自覚していますので、引き続きオンライン・オフライン双方で積極的にIR活動は行っていきます。出来高が増えて機関投資家が入ってこられるステージになると機関投資家向け説明会の実施は増えると思っていますが、フェアディスクロージャーの観点から今後も個人・機関とどちらかに軸足を置くのではなく、フラットに活動量は落とさずに活動を進めていきたいと思っています。

<質問7>

質問:Webソリューション事業は環境が良く、競合も多いと思います。一気通貫の中でも、特に御社の強みと言える部分はどこにありますか?

回答:特徴として2つあります。まずお客さまの層ですが、コンシューマーを対象としたサービス展開を行っている事業会社との大規模システム開発、その後の運用・運営支援が強みです。東証プライム企業が25パーセント程度あり、いわゆるエンタープライズ領域のお客さまに対する実績とその品質に強みがあります。

もう1点は、自社にて内製化をほぼ行っているため、ビジネスアーキテクト・デザイナー・データサイエンティスト・ソフトウェアエンジニア・セキュリティ等が複数の観点を持って開発に当たれるという強みがあります。顧客側のビジネスとクリエイティブな商法の観点を持ってサービス開発を行いたいというニーズに一気通貫で社内で対応できる強みがあります。(外注で賄うことはできますが、顧客満足を満たす難易度は高いです)