2022年3月期通期決算説明会
永井晃司氏(以下、永井):みなさま、こんばんは。株式会社コンフィデンス取締役CFOの永井でございます。2022年3月期通期決算説明会を開催します。本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。
INDEX
本日、ご説明する内容はスライドに記載のとおりです。まず私から、当資料のサマリー情報、当社の概要、連結およびセグメント業績、株主還元、2023年3月期の業績予想についてご説明します。その後、澤岻より2022年7月からの経営体制についてご説明します。
2022年3月期 決算ハイライト
2022年3月期第4四半期の決算ハイライトです。
当社の業績の先行指標となる派遣配属数は740名と、前年比で120名の増加となっています。当期の売上高は前年比24パーセント増、売上総利益は前年比23.6パーセント増、営業利益が前年比23.3パーセント増と、いずれも高い水準の成長率となっています。また、引き続き高い営業利益率を維持しています。
第3四半期でもご説明したとおり、2022年3月期の通期の業績予想に対して、実績が想定よりも堅調であったことから、本社移転を前倒しで行うことを決定しました。本社移転については、2022年5月30日を予定しています。
業績推移および2023年3月期予想:全社連結
業績推移および2023年3月期の業績予想です。今期は売上高・営業利益ともに順調に推移し、売上高は約44.2億円、営業利益は約7.4億円で着地しました。営業利益には、前倒しで行った本社移転によるコストが含まれています。
2023年3月期の業績予想は、売上高52億円、営業利益8.5億円としています。こちらは、高い利益率を維持しながら現在の事業を伸ばしつつ、将来への投資を行うことを意識して決定しています。
株主還元
株主還元についてご説明します。2022年3月期については、第2四半期決算発表時に公表したとおり、1株あたり40円の剰余金の配当を行います。配当性向およびDOEについて、いずれも掲げている目標を上回っています。
2023年3月期については、業績が順調に推移する見込みを反映し、1株あたり配当金45円と増配し、中間配当20円と期末配当25円に分けて配当する予定です。これらについても、配当性向およびDOEは目標値を上回っています。
会社概要
当社の概要です。詳細のご説明は割愛します。
事業の概要
事業の概要です。こちらも詳細のご説明は割愛します。
当社の競争優位性
スライドは当社の競争優位性についてです。こちらも詳細のご説明は割愛します
[全社連結│通期]2022年3月期 決算ハイライト
連結およびセグメント業績についてご説明します。各段階損益については業績予想を上回り、過去最高の業績を達成しています。
[全社連結│通期]事業別業績推移
事業別での売上高および営業利益についてご説明します。売上高については、人材事業が43億4,700万円、メディア事業は7,700万円となっており、引き続き人材事業がけん引している状況です。営業利益についても同様で、人材事業は7億3,800万円、メディア事業は700万円となっています。
[全社連結│四半期]事業別業績推移
事業別の四半期ごとの業績推移についてご説明します。人材事業については、売上高は継続して毎四半期成長している状況で、前年同期比で20.5パーセント増加しています。一方、メディア事業はほぼ横ばいで推移しています。
営業利益については、本社移転や業績賞与を織り込んでいることから、四半期ごとで見ると増減していますが、前年同期比で46.2パーセントの増加となっています。
[人材事業│通期]2022年3月期 決算ハイライト
人材事業の通期業績比較においては、売上高が24.5パーセント増、セグメント利益では24.4パーセント増となっており、売上総利益率およびセグメント利益率ともに高い水準を維持しています。
[人材事業]主要なKPIの推移
人材事業におけるクリエイター配属数、稼働率、日次平均残業時間についてご説明します。クリエイター配属数は、2022年3月末で740名となっており、前四半期末から25名の増加、前期末から120名の増加となっています。ゲーム業界が堅調に推移していること、および当社が進める既存顧客の深耕が順調に進んでいることが要因と考えています。
稼働率は、第4四半期に関しても99.6パーセントとなっており、引き続き高水準で推移しています。日次平均残業時間は、前年と比較して若干減少傾向にあります。
[メディア事業│通期]2022年3月期 決算ハイライト
メディア事業については、前年対比で同水準で推移しています。こちらについては、当社グループ業績に寄与するよう、SNS運用代行やプロモーションサービスの拡充を目指すべく各施策を講じていますが、現在のところ、その成果が表れるまでに至っていない状況です。
[メディア事業]主要なKPIの推移および目指すべき姿
PV数は、2021年3月期と2022年3月期の通期で比較しますと、ほぼ同水準で推移していますが、四半期推移で見ると減少傾向にあります。その対策として、PV数の増加を図るとともに、収益構造の転換を行うべく、アドネットワーク収益中心の収益構造から、プロモーション受託中心の収益構造への変化を推進しています。
[全社連結]販売費及び一般管理費の推移
販売費および一般管理費の四半期推移ですが、科目ごとに見ると、第3四半期と比較して人件費が増加しています。こちらは当期の業績が順調に推移したことから、業績賞与を引き当てたことによるものです。また、支払手数料および減価償却費が増加していますが、減価償却費は本社移転による影響が含まれています。その他には大きな増減はなく、適切にコスト管理を行っています。
[全社連結]営業利益の増減要因分析(対前年同期比)
スライドの図は、営業利益の増減要因を前年同期と比較したものです。ご参照ください。
[全社連結]貸借対照表・キャッシュフロー計算書
貸借対照表およびキャッシュフロー計算書についてご説明します。貸借対照表については、前四半期に続いて潤沢に現預金を保有しており、安全性に問題はありません。純資産のうち、利益剰余金が一定程度積み上がっている状況であり、1株あたり40円の配当を行います。3月に当社役職員の新株予約権の権利行使があったことから、資本金・資本剰余金がそれぞれ約500万円程度増加しています。
キャッシュフロー計算書については、堅調に業績推移していることから、営業キャッシュフローは4億6,100万円の増加、財務キャッシュフローは、上場による公募増資4億7,300万円の増加と、長期借入金の返済9,000万円の減少等により、3億8,700万円増加しています。
2022年3月期 剰余金の配当
次に、株主還元についてご説明します。エグゼクティブサマリーでもご説明したように、2022年3月期の剰余金の配当は1株当たり40円としました。これは、目標として掲げている配当性向30パーセント、DOE10パーセントのいずれも上回っています。
次のスライドからは、2023年3月期の業績予想となっていますが、冒頭のエグゼクティブサマリーでご説明した内容と重複しますので、ここでの説明は割愛します。
経営体制の強化 役員体制
澤岻宣之 氏(以下、澤岻):2022年7月以降の新たな当社経営体制について、ご説明します。6月30日の株主総会において、新たに取締役として三木寛文氏、青木利則氏、監査役として藤森健也氏、以上3名の新任役員を含めた形で、選任決議を行います。予定どおり株主総会において選任が決議された場合、7月以降の経営体制はスライドのとおりとなります。
経営体制の強化 新任取締役
なお、新たに取締役として就任予定の三木寛文氏については、エンタメおよびWeb業界における豊富な知見と、エンジェル投資家としてスタートアップ企業への数多くの支援実績によって培われたコネクションが強みです。
青木利則氏については、大手ゲーム会社において、さまざまなプロジェクトに携わり、国内外の豊富なコネクションが強みです。それぞれの強みを活かした助言や協力を期待しています。
両名の参画により、当社の成長戦略の推進力はより高まるものと期待しています。以上でご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:来期業績予想見通しについて
司会者:「来期の業績予想の中で、売上高52億円としていますが、達成に向けた見通しはいかがでしょうか?」というご質問です。
澤岻:上場時に公表している当社の成長可能性資料に記載した中期および長期の成長戦略に特に大きな変更はありません。
当期については、引き続きゲーム業界向けのクリエイター派遣事業を主力事業として進めていく予定です。足元のKPIは非常に堅調に推移しているため、こちらの52億円の売上高という業績予想については、ある程度手応えを感じています。
一方で、来期以降、中期的な観点で考えていくと、新たなサービスの開発や、事業領域の拡大などをしっかりと進めていく必要があります。このあたりについては既存事業のさらなる成長、および新たな領域への進出に向けた知見の蓄積を、双方で進めていきたいと考えています。
質疑応答:今後の配当方針と、配当性向やDOEの水準について
司会者:「2022年3月期に40円の配当実績で、2023年3月期には45円と増配を予定しているとのことですが、今後も安定的に配当を出す方針でしょうか? 目標指標として設定されている配当性向やDOEは、達成可能な水準でしょうか?」というご質問です。
永井:今後も安定的に配当を行っていく方針です。また、目標指標として掲げている配当性向およびDOEについては、達成可能な水準だと考えています。
しかし、株主のみなさまにとって配当を継続的に行っていくよりも、当社が積極投資を行う方が株主利益にかなうような場合には、その投資内容をきちんと説明するとともに、現時点の配当政策を変更する可能性があります。この点はご承知おきいただきたいと考えています。
質疑応答:M&Aの活用方針について
司会者:「事業の成長に関して、M&Aは活用していく方針でしょうか?」というご質問です。
澤岻:事業の成長において、優秀な人材の採用、そして優れた知見を持つチームを内部に獲得することは非常に有効な手段であると認識しています。
M&Aについては、それらを早急に実現できる有効な方法であると考えているため、当社としては、成長戦略の考え方に合致するビジネスのビジョンに、共感ができる良いご縁があれば、積極的に考えていきたいと考えています。
今回の取締役体制については、コネクションをより強化していける布陣だと認識しています。M&Aの対象先のリサーチや関係性づくり、このような方面でしっかりと加速させていくことで、将来においてM&Aが実現できるように進めていきたいと考えています。
質疑応答:本社移転に伴う業績影響について
司会者:「新年度は、本社移転に伴う業績影響はありますか?」というご質問です。
永井:来期への影響について、精緻な数字でご説明することは控えさせていただきますが、当期における通期の業績において、1,900万円程度販売費および一般管理費の増加があったということは、今回のスライドでもご説明した内容です。
こちらが、2023年3月期においても、一部継続するという認識です。これは、いわゆるコスト面での影響ですが、先ほど決算説明のところでもお話ししたとおり、堅調に業績が推移している中で、本社面積の拡大を前倒しで行った状況です。
引き続き人員を増加させる方向で、より一層の売上高拡大の準備が整っているという認識です。今後の業績へは、非常によいインパクトがあると考えています。
質疑応答:既存顧客向け営業における今期の方針について
司会者:「前期業績に寄与した既存顧客向け営業について、今期はどのような方針でしょうか?」というご質問です。
澤岻:こちらの方針については、今期も継続して進めていく考えです。当社はゲーム業界に特化したクリエイター派遣事業で、さらに市場占有率を高めていき、ゲーム業界のさまざまな部署、プロジェクトへの網羅性を高めていきたいと考えています。
現在、延べ取引先実績は200社を超える数字となっており、現在は120社前後の取引先と740名のクリエイター派遣人数を誇っています。これらをより多くの部署、プロジェクトに展開していくことで、クライアント企業との関係性をより強固にしていき、深い関係性を築いていきたいと考えています。
昨今、ゲーム業界においては、Web3.0というキーワードが非常に盛り上がっており、新しい技術を用いたゲーム開発のプロジェクトなども、さまざまな部署で始まってきています。そのような方面へのアクセスを強固にするために、当社としてはより網羅性を高めて、クライアント企業と取り引きしていくことが非常に有効であると考えており、今期もさらに加速させていきたいと考えています。
質疑応答:売買単位と株式分割について
司会者:「株式分割などの可能性をどのように考えているか教えてください」というご質問です。
永井:株式分割については、株主や投資家のみなさまの利便性やメリット、当社の株価水準などを勘案した上で、検討を行っている状況です。
具体的な実施要否や実施時期について、我々からの回答は差し控えますが、当社の株価水準などを総合的に勘案して、具体的な検討を進めていく予定です。
質疑応答:メタバース・Web3.0などの影響について
司会者:「メタバースやWeb3.0などのキーワードが、御社へ与える影響や関連性を教えてください」というご質問です。
澤岻:こちらに関しては、現在、非常に盛り上がっているキーワードですので、当社としても非常に注目しています。この新しい市場とゲーム業界の技術やIP資産は、非常に相性がよいものだという認識が広がってきている現在の状況は、当社にとって非常に追い風であると考えています。
当社がゲーム業界内部により深く入り込んでいくことで、これから始まっていく新たなプロジェクトの初期段階に関わっていくこと、今後盛り上がってくるであろう労働市場において良いポジションを取ることを目指していきたいと考えています。
また、先ほど申し上げたように、成長可能性資料の長期成長戦略で掲げている、ゲーム業界とさまざまな異業種とのコラボプロジェクトの推進が、このメタバース・Web3.0の盛り上がりによって、より早く進んで行くのではないかと考えています。そのため、当社としてはその流れにしっかりと乗って行けるように、現在は内部で知見を蓄積し、コネクションをつくるなどの準備をしています。
質疑応答:円安やロシアのウクライナ侵攻による影響の有無について
司会者:「円安やロシアのウクライナ侵攻に関する事象に対して、御社への影響はありますか?」というご質問です。
永井:円安やロシアのウクライナ侵攻に関する事象による影響について、当社は国内取引が大半を占めていますので、直接的かつ大きなインパクトはないと考えています。
新型コロナウイルス感染症にまつわる行動制限がある程度緩和されて、海外への渡航や、地方へ出向くような人が出始めているという状況ではありますが、円安の影響で、海外に行く人は相対的に少ないと思います。ゲーム業界全体にとって、そうした要因は業績が堅調に推移するという意味で、当社にとっての追い風になっている部分はあると思います。
また、ウクライナ侵攻に関しては、こちらも直接的な影響はないものの、万が一、ロシアから日本に何かしらの影響が出るような事象が発生した場合には、当社にも影響が出る可能性があると考えています。我々としては、そのような事態に備えるためにも、BCPなどをきちんと準備して、継続的に業務を行える体制構築を図っていきたいと考えております。
質疑応答:メタバースやWeb3.0でのポジション構築について
司会者:「メタバースやWeb3.0でよいポジションを築くとは、具体的にどのような意味ですか?」というご質問です。
澤岻:メタバースやWeb3.0のマーケットについては、これから市場ができ、大きく成長していくフェーズとなっています。したがって当社としては、そうした発展途上の市場に対して、どのようにアプローチしていくかが非常に重要であると考えています。
ゲーム業界の技術や人材が、新しい領域において広く活躍し得るという話題は、昨今非常に取り上げられています。当社では以前より、ゲーム業界の技術やIP資産をさまざまな業界において広く利用されるように、橋渡しをしていきたいという考えのもと、長期の成長戦略を掲げていました。
今後はこのような流れが加速していくものと考えています。そのため、当社としては、ゲーム業界の各企業における既存のさまざまなプロジェクトに、より深くかかわることにより、新たに立ち上げられるプロジェクトの初期段階に入り込んでいくことが可能であると考えています。
また、クリエイターの転職市場を確実に押さえていくことで、ゲーム業界から異業種へ、そして異業種からゲーム業界へという人の流れに、しっかりと入り込んでいけると考えています。こちらについても、現状の営業戦略・リクルーティング戦略の延長線上にあるものと認識していますので、着実に推進していきたいと考えています。
ゲーム業界内部における占有率をさらに高めていきますが、今後、メタバース・Web3.0といったキーワードのもとに、ゲーム業界と異業種との大きなプロジェクトが立ち上がっていくものと考えています。ゲーム業界の人材プラットフォーマーとしての存在感を高めていくことによって、業界を超えた大きなプロジェクトにおいて重要な役割を担っていけると考えています。
質疑応答:新型コロナウイルス感染症の影響について
司会者:「新型コロナウイルス感染症の影響をどのように考えていますか?」というご質問です。
永井:現在、新型コロナウイルス感染症が蔓延して約2年近く経っている状況ですが、ゲーム業界においては、感染拡大の初期の段階から、巣ごもり需要というかたちで上昇基調になり、業績が堅調になる1つのきっかけになったと考えています。我々もそれに乗じるかたちで、ゲーム業界に人材を派遣することにより、一定程度成長できたのだと考えています。
当社においては、新型コロナウイルス感染症によるネガティブな影響は非常に限定的だと考えており、感染拡大が収束しても、継続して成長できると考えています。 以上を持ちまして、2022年3月期通期決算説明会を終了いたします。ご視聴いただき誠にありがとうございました。