2021年10月期決算説明会

桜井ひろみ氏(以下、桜井):ロングライフホールディング株式会社代表取締役の桜井ひろみでございます。平素は、当社事業活動に多大なご理解とご支援を賜りまして誠にありがとうございます。

ただ今から、2021年10月期期末決算の状況についてご説明させていただきます。よろしくお願い申し上げます。それでは、2021年10月期連結業績について、常務取締役の大麻良太よりご説明いたします。

売上高

大麻良太氏:大麻良太でございます。これより連結業績の報告をさせていただきます。

連結業績の状況ですが、売上高は123億8,200万円で、前年比で減収となりました。しかし、前期末に譲渡したカシダスを除くベースでは、2.6パーセントの増収となりました。

営業利益

営業利益については、施設の抗菌等、新型コロナウイルス対策のためのコスト増加等により、前年比で5,100万円の減益で、4,600万円となりました。このコストの大部分は助成金で賄っているものの、助成金収入は営業外利益で計上されるため、営業利益は減益となっています。

経常利益

経常利益については、新型コロナウイルス感染症対策に対する助成金収入等の計上により、前年比9,200万円増の1億300万円となりました。

当期純利益

最終利益においては、前年比で5,600万円改善したものの、マイナス3,200万円となりました。

連結貸借対照表

連結貸借対照表の状況です。当連結会計期間末の総資産は、前連結会計期間末に比べ19億7,100万円減少し、177億400万円となりました。その主な要因は、資産の部については、借入金の返済により現金および預金が15億5,100万円減少し、減価償却により有形固定資産が2億4,600万円減少したことです。

負債の部については、短期借入金が12億円減少し、未払法人税等が2億3,300万円減少したことによるものです。

連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フローの状況です。当期末の現金および現金同等物の期末残高は、借入金の返済による支出等により、前年比で15億4,300万円減少し、11億7,800万円となりました。

売上構成

セグメント別業績についてご説明します。セグメント別の売上構成については、ホーム介護事業が41.5パーセント、在宅介護事業が47.6パーセント、リゾート事業が2.0パーセント、以下はご覧のとおりになります。

ホーム介護事業 / 施設・居室数

ここからは、主要セグメントの業績についてご説明します。はじめに、ホーム介護事業です。全ホームの数および居室の数ですが、この10月末現在において、全国に23の有料老人ホームやグループホーム、全1,041室の運営を行っています。関西エリアで17ヶ所、首都圏エリアで5ヶ所、東海エリアで1ヶ所となっています。

ホーム介護事業

ホーム介護事業の業績については、コロナ禍の影響を受ける中、ホームの運営体制の効率アップ、ならびに全社一丸となった営業強化や、Webによるブランディング活動開始等の効果により、売上高は51億4,400万円で、前年同期比2億1,700万円、4.4パーセント増となりました。

セグメント利益は、ここでは経常利益を指しますが、8,600万円で、前年同期比2億4,500万円の改善となりました。

在宅介護事業①

在宅介護事業についてご説明します。10月末現在、ご覧のように訪問介護事業を中心に122サービスを展開しています。

在宅介護事業②

在宅介護事業の業績です。特定事業所加算が適用できる事業所を増加させ、サービスの質の向上と拠点の収益力アップに努め、売上・利益ともに増加しました。

売上高は58億9,900万円で、前年同期比1億2,200万円増、2.1パーセント増となり、セグメント利益は2億5,500万円で、前年同期比1億3,000万円増、104.7パーセント増となりました。

リゾート事業①

リゾート事業についてご説明します。リゾート事業においては、現在「ヒルズテラス函館」「箱根別邸」「由布院別邸」「コーラルテラス石垣島」の4つの施設があります。リゾート会員も年を追うごとに増加し、コロナ禍の中、コテージ型のリゾート施設での滞在がたいへん好評です。

「コーラルテラス石垣島」では、ブライダルサービスを開始しました。こちらもたいへん好評をいただいています。

リゾート事業②

リゾート事業の業績は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、新規会員の獲得においては厳しい環境にありました。その中でも、新たなエリアやルートでの営業展開の開始、運営面ではブライダル事業者との提携を行い、サービスの向上と新規会員の獲得に注力しました。

売上高は2億4,200万円で、前年同期比5,600万円増、30.7パーセント増となりました。セグメント利益はマイナス2億4,900万円でしたが、前年同期比では8,700万円の改善となりました。

収益認識基準に関わる会計基準

2022年10月期の業績予想についてご説明します。業績予想、配当予想については、誠に遺憾ながら未定としています。

理由としては、2022年10月期より新たに適用される「新収益認識に関する会計基準」による会計上の影響が確定できていないためです。ご理解を深めていただくために、リゾート事業を例にとってご説明します。

スライドに記載されているのは、リゾート事業の収益認識、すなわち売上計上のイメージ図で、旧会計基準は左側の図です。旧会計基準では会員契約が成約すると、契約時に会員権として青い部分の金額が売上計上され、その後、10年間にわたってメンバーフィーとして売上が毎年計上されます。

新しい会計基準では右上の図のように、今回の新会計基準により、会員権もメンバーフィーの部分も、すべて10年間にわたって計上されることとなります。

これにより、会員権契約を成約すると初年度の売上が大きく減少し、2年目から10年目までの間、均等に売上が計上されることとなります。しかし、キャッシュフローベースでは何も変わりはありません。

この新会計基準の適用にあたり、もう1つ重要なルールがあります。右下の図は、新会計基準の適用の際に、「過去の契約についても遡って、新会計基準を適用しなさい」ということを示すものです。その結果、過去に売上計上した会員権部分の売上、左の図でいう青い部分についていったん取り消し、右下の図のように計上し直すこととなります。

過去に売上計上したものの新会計基準適用措置により、この過去の売上を取り消した部分、左下の図の青い部分の相当額を今期の期首の純資産から減じなければなりません。これにより、純資産額が大きく減少することとなります。

このように、介護事業を専業としている弊グループにとって、今般の新会計基準適用による財務会計への影響は非常に大きく、その適用措置についてさまざまな検証を続けています。そのため、2022年10月期の新会計基準適用による会計状態が未だ確定できておらず、業績予想、配当予想ともに未定としています。

株主還元

株主還元についてご説明します。先ほどお伝えしたように、新会計基準の適用による純資産の圧縮により、2022年1月に予定している配当支払時において、配当原資の確保ができなくなります。その結果、誠に遺憾ながら無配とせざるを得なくなりました。大変申し訳ございません。

今後の取り組みについては、代表取締役社長の桜井ひろみよりご説明します。

1.入居率の向上 今期末に80%

桜井:配当に関して、ご期待に応えることができず誠に申し訳ありません。続いて、ロングライフグループの今後の取り組みについてご説明します。

当社グループの主力となる老人ホーム事業の日本ロングライフにおいて、最も注力すべきことは入居率の向上です。現在の入居率68パーセントを、今期末には80パーセントまで引き上げられるように努力し、稼働率も向上させて、運営による利益を追求していきます。

また、ホームページやWebマーケティングを強化することにより、新しい営業スタイルを確立させます。一昨年、我々は『週刊エコノミスト』の優良老人ホームランキングにおいて、退去率が最も低い老人ホームに選ばれました。今後も、ご逝去以外のご退去を出さないように、さらなる退去率の低下を目指していきます。

2.顧客満足の更なる向上

今後はロングライフグループの優位性を再度強調していきます。人財育成・離職率低下のためのDX推進や、顧客満足を超えた感動サービスを提供するGFCの再徹底、また、全ホームにおいて今一度細部にまで徹底して実施することにより、サービスの質の向上を追求していきたいと考えています。

37期の取り組み①

在宅事業のエルケアについてです。特定事業所加算、個別機能訓練加算などを取得していきたいと思います。新規出店に関して、第37期は6店舗の出店を予定しています。また、スタッフの増員・強化については、新たに採用チームを発足した上で、月間50名の採用を目標とし、売上・利益の追求に努めていきたいと考えています。

37期の取り組み②

ロングライフリゾートの取り組みです。第37期は、外部企業とのアライアンス、Webマーケティングの実施、ビジター売上による各ホテルでの売上向上、また、好評いただいている石垣島でのリゾートウェディング・フォトウェディング・パーティウェディングへの顧客の増加について徹底的に取り組んでいきたいと考えています。

1.財務戦略

最後に、ロングライフホールディングの取り組みについてご説明します。財務戦略としては、M&Aの積極的な取り組み、オフバランス化による企業価値の向上、自己資本比率の向上に努めていきます。

2.SDGsの取り組み①

SDGsの取り組みについて、3点ご報告します。女性活躍推進チームを発足し、働く環境、仕組み、キャリアモデルなど、制度の構築に取り掛かっています。その上で、男性、女性、それぞれが持つ力、それぞれの個性を活かすことによって、企業の持つ力を最大限向上していきたいと考えています。

2.SDGsの取り組み②

産官学連携プロジェクトとして、インドネシア資格制度構築を支援しており、また、専門学校とのコラボレーションを進めています。2018年よりデイサービスを活用して子どもレストランをスタートしましたが、コロナ禍によりいったんクローズし、今年の7月からテイクアウトにより再スタートしました。ひきこもり・不登校のお子さまの学習支援施設からもリクエストがあり、配達も行っています。

3.人財育成

人財育成です。ホワイト企業アワード2021年人材育成部門において、受賞することができました。こちらは、ホワイト企業アワードで2回目の受賞となりました。また、11月24日の朝日新聞による就職人気企業ランキングにおいて、当社がなんと97位にランクインすることになり、大変光栄に思っています。

我々は、どの世代からも支持されることにより、さまざまなかたちで新たな責任を担いながら、経営の革新を進めていきたいと考えています。今後もご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。