1.連結業績
近藤昭氏(以下、近藤):本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。それでは、2021年12月期第2四半期の決算説明を始めさせていただきます。
まず、連結業績です。売上高は、514億2,000万円で計画比プラス2.8パーセント、前年同期比プラス8.1パーセントです。営業利益は、13億8,800万円で計画比マイナス7.4パーセント、前年同期比プラス14.9パーセントです。親会社株主に帰属する四半期純利益は、5億6,400円で計画比プラス276.1パーセント、前年同期比プラス42.3パーセントでした。
前期の下期から受注が好調に推移し、第2四半期の受注額も過去最高を更新するなど、住宅事業の好調な業績が牽引しました。売上高も第2四半期の過去最高を更新しています。利益面では、断熱材事業の原料高騰による影響があったものの、住宅事業の増収及び利益率改善等による利益増加により、前年同期比で増益となっています。
親会社株主に帰属する当期純利益の計画比は、税効果及び固定資産売却益、投資有価証券売却益の計上による乖離があります。
営業利益増減要因
営業利益の増減要因についてご説明します。住宅事業の売上総利益率の改善、住宅事業の増収により、7億1,300万円増加しています。一方、断熱材事業では増収による利益増はあったものの、断熱材の原料価格の高騰によるマイナスがあり、トータルでは4億2,000万円のマイナスとなっています。以上により、先ほどお伝えしたとおり増益となっています。
連結財政状態及びC/Fの状況
連結財政状態及びキャッシュ・フローの状況です。総資産減少の主な要因は、現預金が36億8,100万円減少したことによるものです。こちらは借入金24億9,400万円の減少によるものです。
借入金の減少は、前年に実施した不測の事態に備えた借入金を返済したことによるものです。その他はスライドをご参照ください。
2.事業別業績
事業別の業績になります。事業ごとにご説明します。
住宅事業①
まず、住宅事業です。売上高は369億1,700万円、前年同期比7.9パーセント増となりました。前年の下期から続く好調な受注により、今期の期首受注残は前期比プラス14.7パーセントです。桧家住宅、パパまるハウスともに完成引渡しが順調に推移し、増収となりました。
営業利益は18億1,200万円、前年同期比64.9パーセント増となりました。増収及び値引きの抑制や、ITを活用した業務効率化による売上総利益の改善、販管費の削減による利益増加で前年同期を大幅に上回りました。なお、当第2四半期はウッドショックによる影響は軽微でした。
ブランド別 売上内訳
ブランド別の売上内訳です。前年同期比で、桧家住宅の売上高は12.2パーセント増、パパまるハウスの売上高も12.8パーセント増となりました。販売棟数は、前年同期比で桧家住宅が8.7パーセント増の913棟、パパまるハウスは14.2パーセント増の532棟となりました。合計1,512棟で、前年同期比8.9パーセント増となっています。
受注ルート内訳
受注ルートの内訳です。スライド左側の円グラフが昨年、右側の円グラフが今期となります。
桧家住宅においては、従来、住宅展示場への来場者からの受注が、非常に高い比率を占めていました。しかし、新型コロナウイルスによる影響で、来場者が大きく減少しました。その一方、インターネット経由の資料請求や来場予約といったかたちで、展示場への問い合わせが非常に増えました。
また、従来強化してきた紹介活動ですが、引き渡しをしたオーナーや、地域の不動産特約店の方々からの紹介ルートも強化し、受注が非常に増加しました。
結果として、今期は展示場来場による受注は48パーセントと、前年の58パーセントより10ポイント減少しましたが、インターネット経由での受注は、前年同期比111件増、126パーセントプラスとなりました。
また、紹介ルートは136件増加し、前年同期比プラス54パーセントでした。来場も構成比の割合は減っているのですが、受注数としては94件増加し、前年同期比16パーセント増と、すべての項目において前年を上回っています。特にインターネット経由、そして紹介活動の探客といったルートが増えたことが、受注好調の要因だと考えています。
受注金額(月次・前年比)
こちらのスライドは、受注金額の月次の前年比を示しています。昨年の7月から今年の6月までのちょうど1年間で、オレンジ色の折れ線グラフが当社の受注の前年比です。そして、グレーの折れ線グラフは大手ハウスメーカー8社の平均値です。
ほぼすべての月において、当社は大手ハウスメーカーの平均値を上回って推移しています。特に今年の1月から6月は、好調な受注により、累計では前年比152パーセントと、去年の1.5倍の受注を獲得しています。
住宅ブランド別受注状況
住宅のブランド別受注状況です。合計では、第2四半期の累計の受注棟数は2,575棟、前年同期比46.8パーセント増、受注高は469億円、前年同期比52パーセント増、受注残は615億円、前年同期比43.5パーセント増となりました。第2四半期の累計では、過去最高を更新しています。
桧家住宅の棟数は1,411棟で316億円、パパまるハウスは900棟で142億円となりました。各々、スライドに記載のとおり、プラスとなっています。
桧家住宅は年間棟数が3,000棟ペースの受注に近づいてきました。また、パパまるハウスは2,000棟ペースに近づいてきており、グループ全体の受注は、5,000棟の水準にまで近づいてきました。
不動産投資事業
続いて、不動産投資事業です。売上高は15億3,200万円、前年同期比395.1パーセント増となりました。昨年は、収益物件販売状況が非常に悪かったため、回復と言いましても3件の成約ですが、昨年は「0」件ということです。
一方ホテル事業は、引き続き新型コロナウイルスの影響で、8施設中3施設を休業しています。その他の施設も運営規模を縮小して、コストを抑制しています。その結果、営業利益は7,100万円、前年同期比120.4パーセント増となりました。これは、増収による利益の増加と、ホテル運営コストを抑制したことによります。
断熱材事業①
断熱材事業です。売上高は107億1,200万円、前年同期比7.2パーセント増となりました。戸建部門においては、新型コロナウイルスの影響がありましたが、積極的な営業展開で受注を増加させています。
また、建築物部門においては、ゼネコン向けの断熱・耐火工事の受注が増加しましたが、営業利益は3億2,500万円で、前年同期比56.3パーセントのマイナスとなりました。アメリカや中国の景気回復に伴う需要増加等により、ウレタンの原料価格が急騰し、前年同期を大幅に下回りました。ウレタン価格の急騰については、ウッドショックとは関係ないものです。ただ、この状況はしばらく続くと思われるため、利益のマイナスという状況に対してしっかりとした手立てが必要と考えています。
リフォーム事業①
リフォーム事業です。売上高は14億7,300万円、前年同期比マイナス6.6パーセントです。新型コロナウイルスの影響により、オーナーの定期点検や外構、リフォーム提案など、対面の営業が制限され減収となりました。営業利益は8,200万円、前年同期比24.7パーセント減と、売上高の減収によりこちらも減少しています。
介護保育事業
介護保育事業です。売上高は20億2,100万円、前年同期比マイナス24パーセントです。コロナ禍で、認証保育園において0歳児から1歳児の利用者が減少したこと、前年12月に老人ホーム4施設を譲渡したことにより、減収となりました。
営業利益は1,800万円、前年同期比90.9パーセントのマイナスです。減収に加え、前年同期はコロナ禍で保育施設休園、イベント自粛により変動費が抑制されましたが、当期は通常運営に戻り変動費が増加したことで、前年同期を大幅に下回っています。
3. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期の業績見通しです。売上高は1,200億円、前年比4.9パーセントのプラスです。営業利益は66億円、前年比0.3パーセントのプラスです。経常利益は65億円、前年比0.1パーセントのプラスです。親会社株主に帰属する当期純利益は34億円、前年比8.6パーセントのマイナスとなっています。
子会社である日本アクアが、断熱材の原料高騰を理由に通期業績予想を修正したことを踏まえ、業績予想を下方修正しました。ウッドショックについて、当第2四半期への影響は軽微ですが、通期への影響は不透明です。
事業別業績見通し、コロナの影響等
事業別の業績の見通しと、新型コロナウイルス感染拡大の影響等についてコメントします。住宅事業については、受注は非常に好調で、過去最高を更新しました。一方、ウッドショックにより木材の価格が高騰しており、供給不足が今年4月くらいから顕在化しました。
現在の受注については価格転嫁していますが、過去の受注について新たにお客さまに負担を求めることはしていません。ウッドショックによる損益への影響を最小限に抑えるために、工事平準化の推進に加え、業務効率化、粗利の改善、販管費の抑制等、さまざまな対策を取っていきたいと考えています。
断熱材事業については、原料費の高騰が今年は顕著に表れています。対策として、従来の製品よりも原料使用量を30パーセント削減できる「アクアフォームLITE」への切り替えを進めて、利益の改善につなげていきます。また、今後は価格転嫁等も含めて検討していきたいと考えています。その他についてはスライドにあるとおりです。
2021年12月期セグメント別業績見通し
2021年12月期のセグメント別業績の見通しは、スライドのとおりです。
2021年12月期の配当予想及び配当金の推移
2021年12月期の配当予想及び配当金の推移です。中間・期末配当は50円、年間配当は100円、年間10円の増配予定です。配当性向は30パーセント以上を目標に、引き続き安定した配当を実施する方針です。今期を100円として、2021年の配当性向予想値は36.4パーセントとなります。
新市場区分「プライム市場」への適合状況に関する一次判定結果について
新市場区分「プライム市場」への適合状況に関する一次判定結果についてです。当社は、2022年4月に実施予定の市場区分の見直しにおいて、東京証券取引所より「新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果」を受領し、新市場区分「プライム市場」の上場維持基準への適合を確認しました。
2021年4月よりコーポレートロゴ改定
2021年12月期の事業別の取組みについてお話しします。今年4月より、コーポレートロゴを改定しました。従来、使用してきた「温もり」を感じさせるオレンジ色はこれまでどおり継承しつつ、「HINOKIYA」の表記の文字幅を少し広くすることによって視認性を高め、より存在感のある企業へと成長することを表しています。
住宅事業②
住宅事業の取組みについてです。先ほどお伝えしたとおり、この第2四半期は過去最高の受注となり、前年の1.5倍と非常に好調に推移しました。その最大の要因は、当社の一番の売りである全館空調システム「Z空調」によるものと考えています。
「Z空調」は2016年12月に発売を開始して以来、当社が業界をリードするかたちで、同業他社でも同様の全館空調システムの採用が増えてきました。その結果、お客さまへの認知度が非常に高まり、その中で相対的に優位性を持っている「Z空調」の評価があらためて高まってきたと考えています。
その相対的な優位性というのはコスト、電気代となりますが、何よりも実績です。「Z空調」は累計で1万6,000棟を突破しました。全館空調シェアではNo.1を継続しています。
また、新型コロナウイルスの影響で家で過ごすステイホームの時間が長くなりました。その中でも「Z空調」の快適さ、換気を同時に行う部分、夏・冬に各部屋でエアコンをずっと使っていても電気代が非常に低価格で済むという部分が評価され、コロナ禍における「Z空調」のニーズがより高まってきたとも感じています。
室温に関する調査実施
戸建てに住む方を対象に、家の中の室温に関するアンケート調査をインターネットで行いました。この調査により、家の中の室温に対して大半の方が非常にストレスを抱えているということがわかりました。しかし、電気代が心配で我慢して生活しているということも明らかになりました。これは我々の想像どおりの結果です。
「Z空調」は、先ほどお伝えしたとおり、ほぼすべての部屋の室温を同じにすることができます。一方で、電気代はこれまでの生活とほとんど変わらないということで、結果的にストレスフリーな生活を実現できます。そのような意味でも、これからの住宅になくてはならない設備になると確信しています。
Z空調ならSTAY HOMEでも電気代が変わらない。
スライドに記載している電気代のデータは、実際にお客さまの家で電気量を測らせていただき、それを平均化した数値です。シミュレーション上のデータではなくて、実証のデータの平均値となります。
冬の3ヶ月間の平均は9,319円、夏の3ヶ月間の平均は3,348円ということで、年間を通しても月平均は4,721円です。これくらいの電気代で、夏も冬もストレスなく健康的で快適な生活ができるという意味では、メリットが非常に高いと評価していただいていると考えています。
Z空調体感ラボ ZOOON 埼玉開設
「Z空調」の快適さと従来型の住宅との違いを体感できる施設として、昨年、栃木に「ZOOON(ゾーン)」という新たな施設を開設しました。お客さまからも「非常にわかりやすい」と好評です。また、今年は同じ施設を埼玉に新たにオープンしました。
建物の断熱性やサッシの性能はどの会社も高く、今は高気密・高断熱住宅が住宅ものづくりのトレンドになっています。それだけでも数値上はよくなっていますが、必ずしも本当の意味での快適な住宅にはなりません。
本当の意味での快適な住宅を作ろうと思えば、建物の気密性や空調をしっかりと導入していく必要があります。このようなことも、本当の体感を通じて理解していただける有効な施設であると考えています。
2022年 新たに2カ所 計画
2022年はつくば市や仙台市に、同様の施設を新たに開設予定です。このように来年以降も、どの地域でも体感できる施設を作っていきたいと考えています。
セレクテリア
桧家住宅には、さまざまなオリジナル商品および提案がありますが、その中でも最近、特に女性を中心に非常に人気が高まっているのは「セレクテリア」というシステムです。こちらは、桧家住宅で11パターンのインテリア提案を作っており、その中からお客さまの好みに合わせたものを選ぶことができます。
スライドの写真のように、壁、床、キッチン、食器棚などのインテリアをトータルコーディネートすることにより、1つのスタイルを築くことができるものです。黒っぽい写真のほうは「カフェシアトル」というパターンで、いわゆるカフェのようなイメージを再現しています。スライド右側のグレイッシュなほうは「イタリアンモダン」で、少し上質な洗練された空間を表現したものです。
お客さまのさまざまな好みに合わせて、あらかじめ設定したカラーコーディネートの中から、イメージに近いものを容易に選択して作っていくことができます。家具についても、インテリアに合わせた提案を実施しています。
インテリアは選択の余地が非常に大きいため、家作りにおいてもなかなか難しい部分がありますが、それを容易にしたという意味でも高い評価を得ています。また、女性の関心が非常に高い分野でもあり、「Instagram」等のSNSとの連動性を高めて、女性ユーザーに対して発信することで、実際に、桧家住宅の認知度をさらに高めていく戦略も行っています。
新商品 Atelier ーアトリエー
新商品の「Atelier(アトリエ)」です。スライドの写真のように屋根裏空間を利用した部屋の提案です。決して目新しいものではありませんが、あえてこのように屋根勾配を三角にすることで、少し非日常的な空間になっています。また、プラスアルファの部屋という位置づけでも、こちらの商品は非常に好評です。
アトリエのメリット
当社では、以前から「小屋裏収納」を提案してきました。屋根裏の空間に大きな収納を作ることで、大容量の収納スペースを確保し効率的に空間を使うという提案で、2階建ての住宅でありながら大空間の収納が使える商品です。
そこに、当社のヒット商品の1つである、「青空リビング」という屋上提案を組み合わせたような商品もあります。スライド右側の絵にあるように、収納と屋上の両方が欲しいという方には、「小屋裏収納」プラス「青空リビング」という提案をすることも非常に多くなっています。
その場合、行政上の指導において、階段を別々に設置しなければならないのですが、間取りが難しく、部屋の中に階段を2つ設置するという無駄が以前からありました。それを改善するために、今回考えたのが「アトリエ」という商品です。「アトリエ」は3階建てで、屋根裏をすべて部屋として使うことができるほか、部屋から屋上へ直接出られるため、階段が1本で済むというメリットがあります。
3階建てとなるため、構造計算が必要になるなど多少のコストアップはありますが、スライドの表をご覧いただくとわかるとおり、建築コストはほとんど変わらず、従来の3階建てよりもかなり低価格で作ることができます。子ども部屋や客間、趣味の部屋など、いろいろな用途に使えるプラスアルファの部屋が確保できる「アトリエ」は、今年のヒット商品となりました。
断熱材事業②
断熱材事業です。発泡ウレタン断熱材の、原料使用率を30パーセント削減した「アクアフォームLITE」という商品の販売を新たに開始しました。先ほどお伝えしたとおり、原料費の高騰に対応する商品ですが、性能においては従来のものとまったく遜色ありません。今年6月より順次切替作業を行っています。
また、建築物の売上利益率の推移のグラフにあるとおり、建築物への断熱材や、今年から本格的に開始した、防水の売上利益も順調に拡大しています。
特にこの防水に関して、断熱材は、ほぼ新築がメインの商品ですが、防水は新築だけではありません。既築物件におけるメンテナンスとしての防水は、マーケットが非常に大きいということです。
そのような意味では今後、日本アクアにとっては、もう1つの大きな柱になる商品ではないかと考え、期待しているものです。戸建て住宅においても、すでにこの「超硬化防水アクアハジクン」という防水商品の施工を開始しています。戸建てだけではなくて、大型のビルやマンション、倉庫、駅舎など、ありとあらゆる施設に対応できるということで、今後の日本アクアのさらなる成長の鍵を握る商品なのではないかと考えています。
リフォーム事業②
リフォーム事業の中で、今年新たにスタートさせた、「ヒノキヤオーナーズApp」についてです。スライドにはスマホの画面が表示されていますが、当社グループのオーナーの方々に対して、修理の依頼や、定期点検の申し込み、さまざまな消耗品の購入、取扱説明書、さまざまな住宅のメンテナンスに関する情報、リフォームに対するクーポン等の情報を、アプリを通して提供するものです。さらに、このアプリを通して、お客さまから当社へお問い合わせやお申込みをしていただくといった、双方向で活用できるアプリということです。
特に住宅の場合は、非常に長いお付き合いになります。最初の定期点検は10年、15年などのスパンで行われます。その間、さまざまな問題や不都合が発生しますが、10年後の点検を覚えていないこともあると思います。
お客さまからの問い合わせがある際、従来であれば、「見にきてほしい」というご要望に対して、まず社員が見に行き、確認して、次の対策を考えて工事を行うといった、二度手間三度手間が当然あったわけです。
このアプリを使うことによって、こちらからプッシュ送信をしたり、何かしら不都合がある箇所の写真や動画を送信していただきます。最初の現場確認をせずに対策を打ち、工事に取り掛かれるという、お互いに時間と労力が非常に少なくなる効果もあると思っています。このようなアプリを浸透させて活用することによって、リフォーム事業、または定期点検やアフターのいろいろな作業を効率化させていこうと考えています。
ヤマダHDグループとの取組み
最後は、ヤマダホールディングスグループとの取組みについてです。今年の1月に「Z空調」をヤマダホームズ、ヤマダレオハウスに対してリリースし、販売を開始しました。
また、住宅のお客さま向けに、住宅だけではなく家電や家具のセット提案も実施しました。ヤマダデンキの家具、家電、またグループである大塚家具の家具なども、お客さまにセット提案をするといった取組みです。
また直近では、「ヤマダ NEO BANK」という、いわゆるネットバンクの一部をヤマダグループで実施しています。こちらもリモートも含めたかたちで、ヤマダグループだけに対応できる非常に有利な住宅ローンです。さらに住宅ローンの中で、家具、家電も含めることができるため、ローンの面からも、お客さまに非常に大きなメリットを提供できます。
今後も、いろいろなかたちで、ヤマダグループ全体とのさまざまなシナジーができるような取組みを行い、随時発表していきたいと思っています。以上で、説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
質疑応答:ウッドショックによる影響について
司会者:ウッドショックによって、粗利益の低下や受注見込みなどに影響はありますか? 6月以降の仕入れや仕入れ価格の見通しについてお聞かせください。
近藤:ウッドショックに関しては、第2四半期までの影響は軽微でした。今後、業績への影響がある場合は、適切に発表したいと考えています。
全般的な状況についてお伝えすると、価格が高騰していることは間違いありません。一方で、供給不足という問題もありました。そちらに関しては、当社の既存の取引先に協力を依頼し、しっかりと確保できる見込みです。価格などの業績への影響については、今後、必要となった場合は適切に発表したいと思います。
質疑応答:「アクアフォームLITE」への切り替えについて
司会者:今回の「アクアフォーム」から「アクアフォームLITE」への切り替えについてです。最終的に何パーセントくらいを目指していますか?
近藤:申し訳ありませんが、私のほうで正確な数字がまだ把握できていません。基本的には切り替えられるものはすべて切り替えていく方針です。切り替えられないものというのは、一部、許認可上の関係でできないものがあったり、お客さまのご希望ということもあるかもしれません。
性能的には変わらないか、「アクアフォームLITE」のほうが厚く吹きますので、従来の「アクアフォーム」よりも高い性能を維持できることもあります。
基本的には、木造の戸建てにおいては「アクアフォームLITE」に切り替わっていくと考えています。何パーセントという数字はまだ把握できていないため、この場ではお答えしかねます。
質疑応答:戸建分譲が伸び悩んでいるように見える理由とヤマダ電機との取組みの進捗について
司会者:注文住宅事業が順調に伸びている一方、戸建分譲が減っているのがやや気になります。ケイアイスター不動産など、戸建分譲各社は好調です。主力の注文住宅事業が伸びているため、あまり気にしなくてもよいのでしょうか?
また、戸建分譲では、「Z空調」などの主力商品をアピールしにくいのでしょうか? スライド33ページのヤマダ電機との取組みについて、「Z空調」の販売件数など、アップデート、進捗、手応えについて教えてください。
近藤:当社グループは戸建分譲がそれほど多くないため、減っているというほど大きく変化しているわけではないと思います。今期に多少の影響があったとすれば、前期の新型コロナウイルスの問題が顕在化したことだと考えます。
去年の3月以降は先行きが見えないという不安もあり、「これから住宅が売れるのか」という懸念もあったため、仕入れを少し抑えました。
結果的には、住宅業界は新型コロナウイルスの影響が追い風になりましたが、当社の分譲においては仕入れが少し止まったことで、販売物件の確保ができなかった影響はあるかと思います。
分譲専業と言いますか、分譲が中心の会社が非常に好調だというのは理解しています。しかし、当社は注文住宅のほうが圧倒的に多く、そちらのほうがいろいろな意味でブランド力が使えたり、「Z空調」のよさをアピールできたり、商品性で勝負できます。
一方で、分譲の戸建てはまず何よりも価格が訴求点になります。商品性や会社のブランドよりも価格を重んずる方が多いため、当社の完全注文住宅の考え方とはなかなか一致しないところもあります。
ただし、そうは言いましても、どうしても価格的に注文住宅ではなかなか手の届かないお客さまもいらっしゃいます。そのような方々に、土地代込みで少しでも手が届く金額で住宅を提供していくのは、そのようなニーズがあることを重々承知しているためです。
住宅に関しては、新型コロナウイルスの影響がそれほどないことがわかっていますので、今は逆に仕入れを強化して、建物を建てて売ったり、土地を販売して注文住宅を建てていくなど、土地や地域ごとにいろいろと戦略を考えて実行していこうと思っています。いずれにしても、土地の仕入れは強化していこうと考えています。
ヤマダ電機との取組みについてですが、「Z空調」の販売件数というのは、YAMADA HOMESとの販売件数ということかと思いますが、そのあたりについては、数字は用意していませんが、まだそれほど大きな数字にはなっていません。
それには、さまざまな理由があります。ヒノキヤグループの住宅会社と、YAMADA HOMES、ヤマダレオハウスとの特徴は当然異なりますが、競合する面もあります。そのあたりにおいて、「Z空調」を全面に打ち出すことによって、逆にヒノキヤグループとの競合が促進されてしまうこともあると聞いています。
お客さまごとにしっかりと対応していくための「Z空調」ですが、それを全面に打ち出したかたちでの活動は今はあまりできていないということです。そのあたりは、今後も双方をしっかりと伸ばせるように、商品構成や打ち出し方を考えながら実行していこうと思っています。
質疑応答:「アクアフォームLITE」の材質と「Z空調」の気密性について
司会者:「アクアフォームLITE」は断熱材の材質が従来と異なるのでしょうか? また「Z空調」について、効率性を発揮するために気密性が大切だと思いますが、業界比較で気密性関係の具体的な数値があれば教えてほしいです。
近藤:「アクアフォームLITE」の材質は従来と同じです。原料の構成比が多少異なりますが、基本的には同じ材質の同じ商品です。従来の「アクアフォーム」について、木造戸建ての場合はだいたい壁の中に施工しますが、柱の厚み分より少し薄いくらいの厚さを吹いていました。
発泡ウレタンは膨らむため、少し余計に膨らんでしまい実際より厚く吹いてしまうケースもあり、削るなどして無駄な部分が出ていたのですが、今回の「アクアフォームLITE」はその柱の厚み分を無駄なく吹くことができ、廃棄を減らす効果もあると聞いています。そのため、トータルで原料費のコストを抑えることができます。
発砲の倍率についても、従来の「アクアフォーム」は100倍でしたが、「アクアフォームLITE」は120倍と、少ない原材料で多く膨らむイメージです。その両面で、原料費をだいたい30パーセント削減していますが、厚みはしっかり確保しているため、断熱性能は従来と同じ、またはそれよりも多少高い数値が出るということです。
気密性について、断熱性能を示すQ値は今お伝えできないのですが、こちらは断熱材だけで決まるものではなく、窓の面積や数、材質などにより当然変わってくるため、これと言ったことはなかなか言いづらいです。
気密性能を表す数値について、「アクアフォーム」の場合は、特別な施工をしなくても1を切ると言われています。一般的には、この気密数値が1を切ることが非常に重要で、それにより冷暖房の効率を上げることができます。また、外気の影響を小さくして効率を上げることもできます。
当社は住宅展示場でもずいぶん長く「アクアフォーム」を使ってきました。約10年が経った展示場を今回建て替えるということで取り壊しをしたのですが、実は取り壊す前に再度、そこで気密性能がどのように変化しているか実測を行いました。その結果、新築時とほとんど変わらないという結果が出ました。これは非常に重要なことだと思っています。
もちろん、性能の数値は新築時が一番よいのですが、年数が経過するにつれどんどん低下します。さまざまな劣化により、想定していた快適さや光熱費の削減などが失われていくことになりますが、「アクアフォーム」の場合はそれがほぼなかったということです。今後も築20年、築30年と、より長い時間が経過したものでも性能がどう変化するか、実証データとして測定していきたいと考えています。
また、「アクアフォーム」という断熱材としての性能の数値だけではなくて、お伝えしたように気密性を同時に取れるということが、ほかの断熱材との最大の違いであると考えています。この優位性があるからこそ、「Z空調」がたった2台のエアコンでも建物全体の冷暖房として十分に機能することにつながり、かつ電気代も安く抑えられると考えています。