新型コロナウイルスに関する影響について①
小川啓之氏:CEOの小川でございます。よろしくお願いいたします。まずはじめに、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、罹患されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。また、感染拡大防止にご尽力されているみなさまには深く感謝申し上げます。
今回の決算発表ですが、新型コロナウイルス感染拡大により行動が大きく制限される中、決算作業に関わる方々の健康、安全を何より重要と考え、また決算の正確性を期するために、当初予定していた4月30日から5月18日へ変更しました。本日の決算発表に際し、ご尽力いただきました関係者の方々にお礼申し上げます。
それでは、新型コロナウイルス感染拡大による影響について私からご説明します。最初に、感染拡大防止への対応についてです。コマツグループは、お客さま、お取引先さま、地域社会のみなさま、社員とその家族の安全と健康を第一として、各国政府の方針に基づき、新型コロナウイルス感染拡大防止に努めています。感染拡大防止については日本のケースを記載していますが、海外についても各国の方針に従いながら同様の対策を取っています。
在宅勤務については本社部門で約90パーセント以上、工場の間接部門においても約半分の社員が実施しています。なお、工場の現業部門では感染防止策を取った上で操業を継続しています。
また、コマツグループによる新型コロナウイルスへの対応の指針として、日本では医療用マスクや協力企業との協業による医療用品の寄贈、米国では従業員の共同寄付による35万ドル相当の寄付、またチリでは官民連携による散水車での道路消毒作業支援等、グローバルで支援活動を実施しています。
新型コロナウイルスに関する影響について②
次に、生産への影響についてご説明します。当社は従来より需要や為替の変動の影響を吸収するため、車体や部品のグローバルクロスソーシング体制を構築しています。代替品の調達や在庫の再配置をすることで生産への影響は最小限になるよう努めており、現時点でサプライチェーンに関わる問題は発生していません。
オペレーションを停止している生産拠点は、英国コマツとコマツインディアの2拠点です。コマツインディアについては本日より操業の再開を予定していましたが、5月31日までのロックダウン延長がアナウンスされたため、その方針に従っていきます。
その他生産拠点については各国政府の方針に従うとともに、感染防止対策を実施の上、稼働しています。
なお、経営環境の厳しい協力企業については、在庫の買い取りや雇用調整助成金取得への支援、あるいは融資先への交渉支援等、資金繰り支援を実施しています。また、支払い条件の改善として、2018年2月から「みどり会」の外注企業へは現金100パーセントとして、支払い条件を変更しています。
新型コロナウイルスに関する影響について③
次に、販売・業績への影響についてご説明します。まず、お客さまの現場・機械稼働の状況です。各国政府による規制が発令されている地域において一部休業などの影響がでていますが、地域によっては建設・鉱山、農林業、物流などは生活インフラを支える仕事、いわゆる「Essential business」として、お客さまの現場は稼働しています。引き続き、機械稼働システムの「KOMTRAX」から得られる地域別・客先別の車両の稼働データを注視していきます。
販売・サポート活動について、販売代理店は在宅勤務を活用しながら供給ルートやシフト体制見直しなどの対策を行なうことにより、お客さまへの製品・部品・サービスの継続的な供給に努めています。
ファイナンスの状況については、一部のお客さま・代理店から支払猶予の依頼を受けており、状況を把握の上で対応しています。グループ会社の資金繰りについては現在のところ問題はありません。
売上への影響については、建設機械・車両部門に加え、産業機械他部門にも大きな影響があり、全体で約400億円程度の影響があったと見ています。
2021年3月期の連結業績予想ですが、現時点で適正かつ合理的な算定が困難であることから未定とし、今後算定が可能となった時点で速やかに開示します。
重点活動項目の進捗状況と2020年度以降の課題
次に、中期経営計画の進捗状況についてご説明します。まず重点活動項目の進捗状況です。昨年度より、新中期経営計画「DANTOTSU Value - FORWARD Together for Sustainable Growth」をスタートし、成長戦略の3本柱として「イノベーションによる価値創造」「事業改革による成長戦略」「成長のための構造改革」を掲げ、収益向上とESG課題解決の好循環により持続的な成長を目指す考え方を示しました。
1つ目の「イノベーションによる価値創造」ですが、2020年4月より建設現場のデジタルトランスフォーメーションの実現を加速する「レトロフィットキット」をはじめとする新たなデバイスとアプリケーションを順次導入するとともに、米国および欧州4ヶ国に「スマートコンストラクション」を本格的に導入することを発表しました。
マイニングにおいては、無人ダンプトラック運行システムを順調に受注し、総稼働台数を増やしました。また、建機の電動化対応として「bauma2019」にてバッテリー駆動式ミニショベルを展示し、4月に国内市場への導入を開始しました。
2020年度以降は「スマートコンストラクション」の海外展開、鉱山用新プラットフォームの開発、自動化・自律化・電動化・遠隔操作化の技術開発を継続して行なっていきます。
2つ目の「事業改革による成長戦略」ですが、2019年度はコマツマイニングの拠点との統廃合をさらに進めるとともに、砕石・セメント向け新モデルの導入、戦略地域向け油圧ショベルのモデルチェンジなどを行ないました。
また、「PC200」は国内市場の業界で初めて油圧ショベルに安全装置である「人検知衝突軽減システム」を標準搭載し、お客さまの安全な現場の実現に貢献していきます。林業分野では新たに米国のティンバープロをグループに加え、商品レンジを強化しました。
2020年度以降は坑内掘りハードロック事業のポジション向上、次世代「KOMTRAX」の導入、ライフサイクルサポート実現に向けたバリューチェーン改革を進めていきます。
3つ目の「成長のための構造改革」ですが、2019年度はIoTを活用し、協力企業も含めた「つながる工場」を実現する「KOM–MICS」が、「ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞」を受賞しました。また、コマツマイニングの新ミルウォーキー工場とコマツフォレストの新ウメオ工場の着工を始めました。
2020年度以降も、引き続きICT・IoTによる業務改革の推進、継続的なコスト改善活動、グローバルな人材強化、ダイバーシティの推進を実施していきます。
中期経営計画「DANTOTSU Value - FORWARD Together for Sustainable Growth」の2年目となる2021年3月期においても、外部環境の大きな変化に機動的に対応し、費用対効果と戦略的価値を見極めながら優先順位を付け、成長戦略の3本柱に基づく重点活動を推進することで持続的成長を目指していきます。
年間業績推移および中期経営計画の経営目標進捗状況
次に、中期経営計画の1年目の経営目標の振返りについてご説明します。スライドの上のグラフは過去からの業績の推移を示しており、下の表では中期経営計画の経営目標の進捗状況をまとめています。
2019年度全体の状況ですが、アジアをはじめとする戦略市場の需要減、新型コロナウイルス感染拡大の影響等で減収減益となり、中期経営計画初年度としては大変厳しいスタートとなりました。収益性では、営業利益率は10.3パーセントとなり、また効率性において、ROEは8.6パーセントとなりました。
ESGにおいて、CO2削減および再生可能エネルギーの使用率については目標達成に向けて活動を進めています。外部評価については、世界の代表的なSRI指標である「Dow Jones Sustainability Indices(DJSI)」に選定されました。また、環境情報開示システムを提供する国際的な非営利団体であるCDPにより、「気候変動評価A」「水リスク評価A–」と認定されました。
リテールファイナンス事業については、ROA、ネットD/Eレシオのいずれも目標を達成しました。私からの説明は以上です。
2019年度 第4四半期(1–3月)の概況
堀越健氏:CFOの堀越でございます。それでは、2019年度の決算概要についてご説明します。はじめに、11ページの2019年度第4四半期の概況です。為替レートですが、1ドル108.1円、1ユーロ120.0円、1元15.5円です。前年同期比で、円はドル、ユーロ、元、すべてに対して円高となりました。また、こちらには記載がありませんが、豪ドル、南アランドに対しても円高となっており、唯一ロシアルーブルに対しては円安となっています。
2019年度第4四半期の連結売上高は、前年同期比マイナス12.6パーセント減収の6,174億円、営業利益はマイナス57.9パーセント減益の428億円となりました。営業利益率はマイナス7.5ポイント減の6.9パーセントとなりました。
連結売上高は、物量減および為替差のマイナス影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大による需要減退もあり、減収となりました。また、営業利益については物量減および地域構成差等により減益となりました。純利益はマイナス74.3パーセント減益の185億円です。
2019年度 第4四半期(1–3月)の各セグメント売上高と利益
続いて、12ページでは各セグメントの売上高と利益についてご説明します。建設機械・車両の売上高は前年同期比マイナス12.6パーセント減収の5,531億円、セグメント利益はマイナス52.1パーセント減益の444億円となりました。売上高は物量減および為替差のマイナス影響により減収、利益は物量減および地域構成差等により減益となりました。
リテールファイナンスの売上高は前年同期比プラス3.3パーセント増収の179億円、セグメント利益はマイナス59.6パーセント減益の17億円となりました。売上高は平均資産残高の増加により増収となり、利益は前年度の中国での債権回収に関する引当金の戻し益がなくなったこと、それから今期については鉱山機械向けの債権について引当を計上したこと等もあり、減益となりました。
産業機械他の売上高は前年同期比マイナス16.4パーセント減収の505億円、セグメント利益はマイナス31.7パーセント減益の40億円となりました。自動車業界向け工作機械の販売が減少したこと等により、減収減益となっています。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、売上が約400億円減少したと見ています。
<建設機械・車両>2019年度 第4四半期(1–3月)の地域別売上高(外部顧客向け)
13ページが、建設機械・車両の地域別売上高の状況です。建設機械・車両の売上高は前年同期比マイナス12.6パーセント減収の5,515億円となりました。アジア、北米、中国で大きく減少しました。戦略市場のアジア、中国で大きく減少したことなどから、伝統市場の比率は前年同期の50パーセントから51パーセントに上昇しました。
2019年度の概況
14ページから、2019年度年間の概況になります。為替レートは1ドル108.7円、1ユーロ120.8円、1元15.6円です。前年比で円は、ドル、ユーロ、元、すべてに対して円高となりました。また、こちらに記載がありませんが、豪ドル、南アランド、ロシアルーブルに対しても円高となっています。
連結売上高は物量減および為替差のマイナス影響等により、前年比マイナス10.3パーセント減収の2兆4,448億円となりました。営業利益は物量減および地域構成差等により、マイナス37.0パーセント減益の2,507億円となりました。営業利益率はマイナス4.3ポイント減の10.3パーセントです。純利益はマイナス40.0パーセント減益の1,538億円となりました。
2019年度の1株当たり配当金は期初公表の110円から変更し、94円とする予定です。連結配当性向は57.7パーセントとなります。
2019年度の各セグメント売上高と利益
15ページでは、各セグメントの売上高と利益についてご説明します。建設機械・車両の売上高は前年比マイナス10.8パーセント減収の2兆2,112億円、セグメント利益はマイナス37.8パーセント減益の2,273億円となりました。物量減および為替差のマイナス影響等により減収となりました。利益は物量減および地域構成差等により減益となりました。
リテールファイナンスの売上高は前年比プラス11.5パーセント増収の709億円、セグメント利益はマイナス27.6パーセント減益の126億円となりました。平均資産残高の増加により増収し、前年度の中国での債権回収に関する引当金戻し益がなくなったこと、また、今期においては鉱山機械向けの債権について引当を計上したこともあり、減益となりました。
産業機械他の売上高は、前年比マイナス12.6パーセント減収の1,775億円、セグメント利益はマイナス26.5パーセント減益の137億円となりました。自動車業界向けの鍛圧機械および工作機械の販売が減少したことに加え、半導体市場向けエキシマレーザー関連製品の販売減少等により減収減益となりました。各セグメントの増減要因については、後ほどご説明します。
<建設機械・車両>2019年度地域別売上高(外部顧客向け)
16ページが、建設機械・車両部門の地域別売上高の状況です。建設機械・車両の売上高は前年比マイナス10.6パーセント減収の2兆2,059億円となりました。欧州で増加した一方、アジア、北米、中国、アフリカで大きく減少しました。戦略市場のアジア、中国、アフリカ等が減少したことから、伝統市場の比率は前年度の46パーセントから50パーセントに上昇しました。
<建設機械・車両>2019年度の売上高とセグメント利益の増減要因
17ページが、建設機械・車両部門の売上高とセグメント利益の増減要因です。売上高は販売間の値上げ効果はあったものの、物量減および為替差のマイナス影響等により前年比マイナス2,677億円の減収となりました。
セグメント利益は売上高同様、販売間の値上げ効果があったものの、物量減および地域構成差や成長のための戦略投資による固定費が増加し、前年比マイナス1,380億円の減益となりました。また、セグメント利益率は前年比マイナス4.4ポイント減少し、10.3パーセントとなりました。
<リテールファイナンス>2019年度の状況
18ページがリテールファイナンスの状況です。資産は主に北米・欧州において増加したものの、為替の影響により前年度末に対して横ばいとなりました。新規取組高は建機本体の売上減により、主に北米・中国・中南米で減少しました。
売上高は平均資産残高の増加等により増収となり、セグメント利益は前年度の中国での債権回収に関する引当金戻し益がなくなったこと、今期においては鉱山機械向けの債権について引当を計上したこと等により前年比では減益となりました。
<産業機械他>2019年度の売上高とセグメント利益
19ページが、産業機械他セグメントの売上高とセグメント利益の状況です。産業機械他部門の売上高は自動車業界向けの鍛圧機械および工作機械の販売が減少したことに加え、半導体市場向けエキシマレーザー関連製品の販売減少により、前年比マイナス12.6パーセント減収の1,775億円となりました。
セグメント利益は前年比マイナス49億円減益の137億円、セグメント利益率は、前年比でマイナス1.5ポイント減の7.7パーセントとなりました。
【参考資料】BBレシオ〔受注/売上指数(6ヶ月)〕産業機械
ここで、産業機械の受注と売上について、40ページの参考資料でご説明します。産業機械の受注と売上指数の推移を示しています。グラフは直近6ヶ月間の受注額を、同じく6ヶ月間の売上高で割った指数の推移です。
上段のコマツ産機は、プレス機械、板金機械の販売サービスを行なっています。自動車業界向けの需要減少により受注が低迷していることから、指数は60パーセントレベルまで低下しています。
下段のコマツNTCは、トランスファーマシン、マシニングセンタ、クランクシャフト加工機等の工作機械の設計、製造、販売を行なっています。同様に自動車業界向けの需要減少により受注が低迷していることから、長期にわたり指数が100パーセントを下回っています。
連結貸借対照表
20ページで、貸借対照表についてご説明します。総資産は3兆6,536億円となり、前年度末比でプラス154億円増加しました。売掛金は債権回収が進んだものの、年度末に手元流動性を確保するため現金を積み増したことにより、現金・預金が増加しました。また、新会計基準適用により、その他資産においてはオペレーティングリース使用権資産が前年度末比で増加しました。
借入金・社債は、前年度末比でプラス816億円増加の1兆123億円となりました。株主資本比率は、前年度末比マイナス1.4ポイント減の48.5パーセントとなりました。ネットD/Eレシオは0.43です。
設備投資・減価償却費・研究開発費・固定費の状況
21ページで、設備投資等の状況についてご説明します。レンタル資産投資を除く生産設備等の投資では、KMCの工場再編の影響等により前年と比べ増加しました。研究開発費、固定費は成長分野への重点投資により増加しましたが、その他の費用を削減し、全体では横ばいとなりました。私からの説明は以上です。
<建設機械・車両>主要7建機の需要推移
今吉琢也氏:経営管理部長の今吉でございます。ここから、2019年度の主な市場の状況等についてご説明いたします。なお、2020年度の需要に関しては、我々の予算、事業計画を策定した時点の想定について参考までに記載しておりますが、現時点での見通しではありませんのでご注意ください。中国市場については、すでに新型コロナウイルス感染拡大が終息し、世情も落ち着いておりますので、現時点での見通しを記載しています。
23ページで、主要7建機および鉱山機械の需要の推移を表しています。2019年度第4四半期の数字については当社推定の速報値です。2019年度の需要台数は、前年比マイナス8パーセントの減少となりました。とくに第4四半期は、主に中国、北米、欧州、アジアで新型コロナウイルス感染拡大による影響が大きく、全体でもマイナス16パーセントの減少となりました。
2020年度の需要台数は新型コロナウイルス感染拡大前の2月時点の想定ですが、全体では2019年度並みとしていました。新型コロナウイルスの直接、間接の影響は依然として不透明ですが、需要動向について注意深く見ていきます。
<建設機械・車両>主要市場の需要推移:①日本
主要市場の状況についてご説明します。24ページは、日本市場の需要推移についてです。2019年度の需要台数は、前年比プラス5パーセントの増加となりました。2017年9月に施行された国内排ガス規制前の駆け込み需要の反動減からの回復や、インフラ関連工事の需要が堅調に推移したことにより、前年比で増加しました。
2020年度の当初想定は、消費税増税後の需要冷え込みが長期化すること等を予想し、前年比でマイナス5パーセントからプライマイナス0パーセントと見ていました。足元の状況として、日本の「KOMTRAX」の月平均稼働時間の推移を表示していますが、4月は前年同月比でプラス2パーセントとなりました。
<建設機械・車両>主要市場の需要推移:②北米
25ページで、北米市場の需要推移についてご説明します。2019年度の需要台数は、前年比プラス3パーセントの増加となりました。セグメント別には原油安によるエネルギー関連の需要がマイナスであったものの、建設・レンタル向け等が好調に推移したことにより、需要は前年比でプラス3パーセントと3年連続の増加となりました。しかし、第4四半期は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、マイナス12パーセント減と大きく減速しました。
国別ではアメリカの需要が増加しましたが、カナダは5四半期連続のマイナスとなっており、需要が弱い状況です。2020年度の当初想定は、大統領選の影響により市場が様子見となること等を予想し、前年比でマイナス5パーセントからプラスマイナス0パーセントと見ていました。
北米の「KOMTRAX」の月平均稼働時間について、4月は前年同月比マイナス12パーセントと、2ヶ月連続2桁マイナスとなりました。
<建設機械・車両>主要市場の需要推移:③欧州
26ページで、欧州市場の需要推移についてご説明します。2019年度の需要台数は、前年比マイナス2パーセントとなりました。主要市場であるドイツ、フランスは引き続きインフラプロジェクトにより需要が堅調に推移しましたが、イギリスは「Brexit」による先行き不透明感から需要が減速しました。加えて、新型コロナウイルス感染拡大により、第4四半期で需要が大きく減速しました。
2020年度の当初想定は、2019年度の状況が継続し、全体ではプラスマイナス0パーセントからプラス5パーセントの伸びを見ていました。
欧州の「KOMTRAX」の月平均稼働時間は、前年同月比で3月がマイナス9パーセント、4月はマイナス16パーセントとなりました。
<建設機械・車両>主要市場の需要推移:④中国
27ページは中国市場です。需要の数字は外資メーカーの数字です。2019年度の需要台数は、前年比マイナス21パーセントとなりました。また、参考として国産メーカー込みのミニショベルを含む油圧ショベルの総需要は、前年比でプラス2パーセントの増加となっています。
国産メーカーの販売比率の増加に加え、新型コロナウイルス感染拡大により、春節後の2月の需要がまったく振るわなかったこともあり、需要が大きく減少しました。3月以降は需要は回復しており、今後の政府の景気刺激策等の動向にもよりますが、現在のところ2020年度の需要はプラスマイナス0パーセントからプラス10パーセントと見込んでいます。
中国の「KOMTRAX」の月平均稼働時間は、前年同月比で3月はマイナス17パーセントでしたが、4月はプラス3パーセントとなりました。
<建設機械・車両>主要市場の需要推移:⑤東南アジア
28ページで東南アジア市場の需要推移についてご説明します。2019年度の東南アジアの需要台数は、前年比マイナス24パーセントの減少となりました。最大市場のインドネシアは第2次ジョコウィ政権発足後もインフラ投資に大きな変化が見られず、需要の低迷が継続しています。また、鉱山機械は燃料炭価格の低迷や先行き不透明感から顧客の投資抑制が継続しており、需要の大幅減少が続いています。
フィリピン、タイ、マレーシアでは、第4四半期に入り徐々に回復の兆しが見えていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により大きく減速、減退しました。
2020年度の当初想定は、最大市場のインドネシアで需要が弱い状況が継続すると見て、全体でマイナス10パーセントからマイナス5パーセントと予想していました。
足元の状況として、インドネシアの「KOMTRAX」の月平均稼働時間の推移を表示していますが、対前年同月比で3月はマイナス4パーセント、4月はプラス2パーセントという状況です。
<建設機械・車両>鉱山機械の需要推移
29ページでは、鉱山機械の需要推移についてご説明します。2019年度の鉱山機械需要は、前年比マイナス18パーセントの減少となりました。インドネシアの需要は燃料炭価格の低迷などにより、引き続き低調です。また、アフリカにおいては南部アフリカ地域の鉱山機械需要は底堅かったものの、その他地域の需要が低調に推移したことにより前年比で減少しています。CISにおいても燃料炭価格の下落の影響による需要減少の傾向が続いています。
2020年度の当初想定は、インドネシア、CISの減少と他地域での需要の一巡も踏まえ、マイナス10パーセントからマイナス20パーセントの減少と見ていました。
【参考資料】BBレシオ〔受注/売上指数(6ヶ月)〕鉱山機械(本体)
ここで、鉱山機械の受注と売上の状況について参考資料でご説明します。38ページは鉱山機械本体の受注と売上指数の推移を示しています。グラフは直近6ヶ月間の新車の受注額を、同じく6ヶ月間の売上高で割った指数の推移です。
スライド上段のコマツアメリカは超大型ダンプトラックの製造販売をしています。受注売上は堅調な状況が続いていましたが、北米などで不透明感が増しており、第4四半期に入り100パーセントを下回る状況が続いています。引き続き、お客さまの投資動向を注視していきます。
中段のコマツドイツは超大型油圧ショベルの製造販売をしています。足元の指数は100パーセントを下回っています。
下段のコマツ単独の指数は、インドネシア向けの100トンクラスのダンプトラック需要の低迷が続いています。3月以降は100パーセントを上回りましたが、受注のレベルは低位に推移しています。
【参考資料】BBレシオ〔受注/売上指数(6ヶ月)〕KMC製の鉱山機械(本体)
39ページはKMC製の鉱山機械本体の受注と売上指数の推移を示しています。とくに北米の石炭顧客において足元の受注状況は引き続き低調で、指数は60パーセントレベルまで低下しています。今後も状況をよく注意していきます。
<建設機械・車両>鉱山機械の売上高の状況
30ページで鉱山機械の売上高についてご説明します。2019年度の売上高は燃料炭価格の下落により、アジア、CISで売上が減少したことから、前年比マイナス9パーセント減少の9,546億円となりました。為替の影響を除くと、前年比ではマイナス6パーセントの減少となります。
<建設機械・車両>部品の売上高の状況
31ページで部品の売上高の状況についてご説明します。2019年度の売上高は、前年比マイナス6パーセント減少の5,875億円となりました。為替の影響を除くとマイナス3パーセントの減少になります。主に鉱山機械の部品で、オーバーホール需要の低迷等により売上高は減少しています。
「デジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクション」提供開始
重点活動の進捗状況でもご説明した、2019年度の主な活動についていくつかご紹介します。41ページは、アメリカで3月に行なわれた「CONEXPO」です。「デジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクション」の提供開始について発表しました。海外に「デジタルトランスフォーメーション」の導入拡大を図ります。
スマートコンストラクション・レトロフィットキットの導入開始
42ページは「スマートコンストラクション・レトロフィットキット」で、4月から販売を開始しています。
バッテリー駆動式ミニショベル「PC30E–5」を国内市場に導入
43ページが電動ミニショベルの国内市場導入です。
業界初 油圧ショベルに「人検知衝突軽減システム」を標準装備
44ページが「人検知衝突軽減システム」です。標準装備は業界初となります。
ESGへの取組み:外部評価
45ページはESGへの取り組みですが、外部評価として「Dow Jones Sustainability Indices(DJSI)」「CDP」のそれぞれから高い評価をいただいています。コマツは今後も品質と信頼性を追求し、企業価値の最大化を図るとともに、「DANTOTSU Value」により、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を目指していきます。ご説明は以上となります。