連結損益概要

米倉英一氏:みなさんこんにちは、米倉でございます。本日はお忙しいなか、お集まりいただきましてありがとうございます。私から2019年度第2四半期決算、及びメディア事業、そして宇宙事業の取り組みについてご説明いたします。

はじめに、昨日発表いたしました、2019年度第2四半期連結決算の概要です。

営業収益は約246億円減の約692億円、四半期純利益は約8億円減の約59億円となりました。主な要因は防衛相向け衛星売却の剥落によるものですが、通期予想の当期純利益100億円に対する進捗率は約59パーセントと、概ね計画通りに進んでおります。

メディア事業の業績概況:前年同期比

メディア事業の業績概況です。当第2四半期決算より、セグメント利益を営業利益から親会社株主に帰属する四半期純利益に変更していますが、第2四半期のセグメント利益は、右の棒グラフのとおり約2億円減の約19億円となりました。

前年同期との比較では、営業収益は約14億円減少し、498億円となりました。光回線によるテレビ再送信サービスの収入が10億円増加いたしました。また、累計加入件数の減少に伴い、業務手数料収入が3億円、視聴料収入が21億円減少しております。

営業費用は約12億円減少し、472億円となりました。視聴料収入の減少に伴い、番組供給量が10億円減少しています。コストコントロールにも努め、BSスカパーなどの番組制作にかかわるコンテンツ費用7億円、顧客獲得のための販売促進費などの費用も12億円削減しています。

2018年12月の新4K衛星放送開始に伴い、衛星回線料が7億円、東京メディアセンターの設備更新による減価償却費が11億円増加しました。

宇宙事業の業績概況:前年同期比

続いて宇宙事業の業績概況です。第2四半期のセグメント利益は約5億円減の約43億円です。営業収益は防衛相向け衛星引き渡しの剥落により、約223億円減少の約255億円となりました。「Horizon 3e」により、北米子会社の売上が4億円増加しています。

また、2018年12月の新4K衛星放送開始に伴い、トランスポンダ収入が5億円増加しております。営業費用は約213億円減少の193億円です。「JCSAT-5A」の償却終了により、減価償却費が2億円減少しました。

「Horizon 3e」サービスを開始したことにより、北米子会社の営業費用が7億円増加しました。また、衛星事業原価等が218億円減少しております。

スカパー!サービスでのWOWOWの提供開始

ここからはメディア事業部門の取り組みについて、詳しく説明します。

10月25日より、プレミアムサービス上に加えて、スカパーサービス上でも「WOWOW」の提供を開始いたしました。いくつか具体例を紹介いたします。欧州サッカーでは、ブンデスリーガ、セリエAに加えて、スペインリーグのラ・リーガが加わり、サッカーファンに喜んでいただける魅力的なラインナップとなっております。

なお、今回の放送開始を記念して、スカパーサッカーセットと、「WOWOW」の期間限定の組み合わせ割引キャンペーンも実施しております。さらに、テニスではATPツアーに加え、全豪オープンテニスが、ゴルフではPGAに加え、LPGAが、スカパーサービス上でお楽しみいただけるようになりました。

「WOWOW」の魅力的なコンテンツを連動させることにより、お客様にさらに充実したエンターテイメントライフを提供し、視聴料の拡大を図ってまいります。

光回線を使ったテレビサービスの拡大(地デジ・BS再送信)

続いて、光回線を用いた地上波、BS再送信サービスの取り組みについてご説明します。現在、日本全体約5,300万世帯の内、26都道府県約3,000万世帯への提供が可能ですが、12月に新潟、福島、栃木、群馬、茨城の5つの県で新たにサービス提供エリアが拡大します。今後もNTTと協業し、更なる提供エリアの拡大を進め、契約数の拡大を目指します。

4K放送拡大・スポーツコンテンツ(ラグビー)

続いて、4K放送の拡大と今後のラグビーコンテンツについてご説明します。日本代表の活躍もあり大変な話題になりましたが、ラグビーワールドカップにより、4K放送への加入も拡大しました。

ワールドカップを全試合4Kで放送した「J SPORTS」の4Kの契約者数は8月から9月にかけて33パーセント増となりました。また、全4K商品における「J SPORTS 4K」の割合が約3割を占め、スポーツコンテンツが牽引するかたちとなっております。

ここで今後のラグビーコンテンツをご紹介いたします。ラグビーワールドカップの関連番組をはじめ、学生ラグビーやスーパーラグビーを「J SPORTS」で放送していきます。また「WOWOW」においても、ヨーロッパの6ヶ国が参加する国際ラグビー大会、シックス・ネーションズなどを放送するなど、ワールドカップ後も充実のラインナップとなっております。

新型衛星 High Throughput Satellite(HTS)の事業展開強化

続きまして、宇宙事業のご説明です。

まず、当社のHTS事業の状況についてご説明します。12月に打ち上げ予定の「JCSAT-18」により、HTS2機体制となりますが、HTSに必要不可欠なゲートウェイ局についても国内4拠点で整備を進めてまいります。ゲートウェイ局は衛星と地上ネットワークを接続し、インターネット等へのアクセスをお客様へ提供しております。

「JCSAT-18」のゲートウェイ局は、横浜、茨城に設置を進めており、2019年内に完成する予定です。「Horizons 3e」のゲートウェイ局は群馬、山口に設置し、こちらはすでにサービスに使用しております。

「Horizons 3e」は携帯バックホールや、船、航空機向けのモバイル通信だけではなく、固定局によるインターネット通信などさまざまな用途で国内外のお客様に広くご利用いただいております。

JAXAとの協業関係強化

次に、JAXAとの取り組みについてご紹介します。1つ目は低軌道衛星の案件です。JAXAの低軌道衛星「SDS-4」の2019年12月譲り受けに向けて、準備を進めております。本衛星は、当社初の低軌道衛星として、衛星運用も行う予定です。

2つ目は、技術試験衛星の運用、及び相乗りの案件です。JAXA公示の技術試験衛星9号機(ETS-9)バスの定常運用、及び相乗りペイロードの追加搭載などの契約先として、当社が選定されました。当社はこれまで培った衛星運用の実績を高く評価され、この「ETS-9」の運用を請け負います。

また、本衛星には、宇宙デブリなど静止軌道上の状況を撮影することができる静止軌道光学モニターを搭載し、今後の新たなサービスの検討を進めてまいります。

宇宙×メディア事業の創出「きぼう宇宙放送局」構想

最後に、国際宇宙ステーションにおける、JAXA、バスキュールと一緒に活動を開始した「きぼう宇宙放送局」のご紹介です。昨日、11月6日に3社による共同リリースを発表いたしましたが、まずはフェーズ1として、2020年夏以降に国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の船内に番組スタジオを開設し、地上との間で双方向ライブ配信に挑みます。

当社は、フェーズ1において、番組の連携パートナーとして参画するとともに、フェーズ2として「きぼう」船外へのカメラシステムの構築による高画質放送の開始に向けた検討を行います。さらに、フェーズ3として、当社の衛星通信網も活用した新たな通信システムを構築し、2022年以降の宇宙からの高画質ライブ放送、配信を目指します。

宇宙を楽しむ未来をつくる。これはエンタメと宇宙を仕事場としている、我々スカパーJSATのミッションだと思っております。

衛星フリート図

最後に、こちらはフリート図です。現在は17機体制でサービスを提供しております。ご清聴、どうもありがとうございました。