2019年6月期 損益計算書概要
宮本彰氏:キングジムの社長、宮本でございます。本日は、当社の決算説明会においでいただきまして、誠にありがとうございます。これより説明に入りますが、本日の説明は、とくにお断りしない限り連結を主体にお話しさせていただきます。
それでは、2019年6月期の経営成績についてご説明いたします。損益計算書の概要です。売上高は343億2,900万円で、前期に比べ1.3パーセント減少となりました。売上総利益は131億8,300万円で、前期に比べ3.0パーセント減少となりました。営業利益は13億9,500万円で、前期に比べ27.1パーセント減少となりました。
経常利益は16億3,600万円で、前期に比べ21.6パーセント減少となりました。純利益は9億6,300万円で、前期に比べ31.4パーセント減少いたしました。それぞれの減少要因については、このあと順を追ってご説明いたします。
売上高推移
売上高推移をグラフにしたものです。前期比で1.3パーセント減少となりました。
セグメント別の売上高
次に、セグメント別の売上高についてご説明いたします。文具事務用品事業の売上高は267億7,000万円で、全体の78.0パーセント、インテリアライフスタイル事業の売上高は75億5,900万円で、全体の22.0パーセントとなりました。
文具事務用品事業の内訳を見ますと、電子製品が155億4,700万円で、全体の45.3パーセント、ステーショナリーが112億2,200万円で、全体の32.7パーセントとなりました。
セグメント別売上高の対前期比を見ますと、文具事務用品事業は1.2パーセント減少いたしました。内訳は、電子製品が1.1パーセント減、ステーショナリーが1.3パーセント減となっております。また、インテリアライフスタイル事業は、1.7パーセント増となりました。
文具事務用品事業については、新製品は好評であったものの厚型ファイルなどの主力製品の販売減により、減収となりました。インテリアライフスタイル事業につきましても、国内グループ各社の売上減により減収となりました。
利益推移
次に、2019年6月期の損益状況をご説明いたします。各利益については先ほどご説明した通りです。売上高の減少に加え運賃や商品保管業などの販管費が増加したこと、特別損失としてぼん家具の固定資産の減損損失が6,700万円あったことなどから、各利益とも減益となりました。
売上原価率推移
売上原価率の推移は、当期が61.6パーセントで、前年期に比べ0.7ポイントの上昇となりました。主に為替や原材料費上昇の影響などによるものであります。
販売管理費推移
販売管理費合計は117億8,800万円で、前期に比べ1億1,100万円増加となりました。主に運賃や商品保管料などの増加によるものであります。
連結財政状況・キャッシュ・フロー計算書
当期末における資産の状況、および当期のキャッシュ・フローにつきましては、お手元の資料をご覧ください。
自己資本
自己資本の動向についてご説明いたします。自己資本は212億4,400万円と前期に比べ、6,900万円の減少となりました。
当期利益の計上により利益剰余金は増加いたしましたが、キングジム・マレーシアの株式を追加取得し、100パーセント子会社にしたことによる資本剰余金の減少や、有価証券評価差額金が減少したことによる結果であります。
一方で、自己資本比率は81.3パーセントで、前期比では2.3ポイントの増加となりました。主に有価証券の時価評価益の減少などにともなう総資産額の減少によるものであります。
ROE・ROA
ROEとROAを示したグラフとなります。ROEは4.5パーセント、ROAは3.6パーセントとなりました。
一株当り情報
EPS(1株当り当期利益)が33円88銭、BPS(1株当たり純資産)が747円47銭となりました。
設備投資額・減価償却費推移
設備投資額は、前期より9,000万円減少し、4億2,900万円でした。内容は生産設備の通常の維持・更新などです。減価償却費は前期より1,500万円増加し、6億1,800万円でした。
配当政策
当期は1株当たり期末普通配当7円を行うことを、9月15日開催の定時株主総会で予定しております。
中間配当は7円で実施済ですので、年間配当は1株当たり14円となる予定です。なお、今期以降当社の配当に関わる配当性向については、従来の30パーセントから40パーセントへ上方修正し、安定配当を目指してまいります。
その結果、2020年6月期の配当予想は中間7円、期末10円の年間17円としております。
新製品の状況(ステーショナリー)
続きまして、2019年6月までに発売した新製品の状況についてご説明いたします。ステーショナリーにおきましては、シンプルなデザインの文房具シリーズ「HITOTOKI STANDARD」を発売したほか、倒れないペンケース「OCTOTATSU」や合成皮革シリーズ「Lezaface︙U」を発売いたしました。
新製品の状況(電子製品①)
電子製品におきましては、「テプラ」PROシリーズに、オフィス向けエントリーモデル「SR370」とスタンダードモデル「SR-R680」を発売いたしました。
新製品の状況(電子製品②)
そのほか、付箋サイズの「Boogie Board BB-12」や、環境騒音を低減する「デジタル耳せん」の新モデル「MM2000」、気付かせメモ「kakumiru」を発売いたしました。
新製品の状況(オフィス環境改善用品)
オフィス環境用品では、超大型液晶の「ザラージタイマークロック」や自動消毒器「tette」、卓上収納ボード「PEGGY」などを発売いたしました。
新製品の状況(インテリアライフスタイル事業①)
インテリアライフスタイル事業におきましては、ぼん家具では、撮影スタジオの増設やクリエイターの増員により、新商品の発売の体制を強化し、主力モールである楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングにおいて、売上高の増加に努めました。
また配送各社の値上げにより配送費が増加いたしましたが、梱包や商品仕様の変更により梱包サイズを小型化することで、配送費の抑制に努めました。
新製品の状況(インテリアライフスタイル事業②)
ラドンナでは「Toffy」ブランドにおいて、主力のキッチンカテゴリーに加え、ライフスタイルグッズなどの新商品を投入してカテゴリー展開を強化いたしました。
フォトフレームについては好調な低価格ラインの拡充、リラクゼーション分野では「アクアバブル」の新商品を投入するなど、積極的な販売展開を行いました。
新製品の状況(インテリアライフスタイル事業③)
アスカ商会では高品質なアーティフィシャルフラワーの新商品を拡充しました。国内3地区で新商品見本市を開催し、販売強化に努めました。
新製品の状況
またキングジムでは、ECショップ「はなどき」を2019年5月に楽天でオープンしました。アスカ商会のアーティフィシャルフラワーなどをアレンジしたフラワーギフトや、室内インテリアとして利用できる人工観葉植物などの商品を取り揃えております。
キングジムグループの取り組み①
ここからは、キングジムグループの取り組みと今後の見通しについてご説明いたします。成長分野である「ポメラ」や「Boogie Board」に代表されるデジタル文具におきましては、対話型翻訳機「World Speak」を2019年7月に投入しご好評いただいております。
ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピック東京大会、大阪万博など大規模イベントの開催が予定されており、今後も世界各国から多くの外国人旅行者が日本を訪れることが見込まれております。
多言語翻訳ニーズに応え、新市場の獲得を目指してまいります。
キングジムグループの取り組み②
オフィス環境用品におきましては、オフィスや店舗・公共施設などで活用できる多彩な商品を取り揃えております。また、災害に備えて個人の手元で保管することができ、シーンに合わせて選べる5種類の災害対策セットを2019年7月に投入いたしました。
キングジムグループの取り組み③
女子文具につきましては「KITTA」の新デザインや専用ファイルを2019年7月に投入いたしました。「HITOTOKI」ブランドのさらなる認知度向上と売上の拡大を図ってまいります。
キングジムグループの取り組み④
ステーショナリーにおきましては、機能性ペンケース「PACALI」シリーズと、クリップボード「magflap」の新サイズを、2019年8月30日より発売いたします。
今後も「PACALI」シリーズや「magflap」のように、付加価値のある製品を投入することで、新たなユーザー層を獲得し、より一層の市場拡大を図ってまいります。
また、ファイルの生産拠点が海外自社工場であることを活用し、新たな設備投資による生産の合理化や新規技術を獲得するなど、さらなる原価低減を目指しコスト競争力を高めてまいります。
キングジムグループの取り組み⑤
基盤事業である「テプラ」におきましては、テプラ初のスマートフォン専用モデルとなる、手のひらサイズのラベルプリンター「テプラ Lite LR30」を2019年8月に投入し、ご好評いただいております。
これからも日毎提案による新市場や新チャネルの開拓を図り、テプラが使用されるシーンを増やすことで、テープ需要の拡大を進めてまいります。
キングジムグループの取り組み⑥
海外におきましては、2019年12月に、連結子会社である錦宮香港有限公司が中国・深圳に電子製品商材の販売拠点として子会社を設立いたしました。
中国国内のキッチン家電の販売が好機に推移しており、さらなる売上の拡大を目指してまいります。
また海外子会社を中心に、東南アジアや中国での売上拡大を図り、アジアでのキングジムブランドを確固たるものにしていくとともに、欧米そのほかの地域の新規市場開拓を進めております。
キングジムグループの取り組み⑦
インテリアライフスタイル事業におきましては、世の中のニーズとトレンドに沿った商品を企画開発し、業績拡大を目指してまいります。
ぼん家具では、収納家具やテレビ台、オフィス家具など積極的に新商品を投入し、売上拡大と収益力の改善を目指してまいります。
ラドンナでは、キッチン雑貨やリラクゼーショングッズなどのラインナップをさらに充実させ、売上の拡大を目指してまいります。
アスカ商会では、品川にある東京ショールーム「&DECOR」を拠点として、東日本エリアでのさらなる販売力強化に取り組んでまいります。
今後もキングジムグループ間のシナジーを活かした施策を展開し、売上の拡大にチャレンジしてまいります。
キングジムグループの取り組み⑧
また2019年7月にはキングジムグループの商品を集めた展示販売イベント「キングジムフェア2019・夏」を秋葉原で開催いたしました。初めての夏開催となりましたが、多くのお客さまにご来場いただき、当社グループの商品をご体感いただくことができました。
今後は夏冬の年2回の開催とすることで、イベントを通じて市場への一層の浸透を図り、事業の拡大に取り組んでまいります。
さらに、M&Aおよび新規事業についても積極的に取り組んでまいります。
2020年6月期の業績予想
最後に中計2年度である2020年6月期の業績予想についてご説明いたします。2020年6月期の売上につきましては、テプラやファイルといった基盤事業が安定的に推移することに加え、デジタル文具やオフィス環境改善用品、女子文具、インテリアライフスタイル事業などの成長分野でも商品企画力を発揮した魅力ある新製品を投入することで、売上増加を見込んでおります。
またキングジムでは、原材料費や物流費の高騰が続くなかでコスト吸収に努めてまいりましたが、2019年8月21日より241品番の価格改定を実施いたしました。
利益面では、グループ間を横断した複数のプロジェクトを展開するなどして固定費や変動費のコストダウンを推進することにより、営業利益・経常利益ともに増益を見込んでおります。
2020年6月期の業績予想は、売上高が3.4パーセント増の355億円、営業利益が7.5パーセント増の15億円、経常利益が0.8パーセント増の16億5,000万円、当期純利益は19.4パーセント増の11億5,000万円を見込んでおります。
なお、第9次中計の最終年度となる2021年6月期の業績目標は、当初の予定どおり売上高が380億円、営業利益が21億円、経常利益が23億円、当期純利益が16億円、ROE7.0がパーセントを目指してまいります。
以上をもちまして、株式会社キングジムの2019年6月期決算説明会のご説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。