連結業績の総括
江草康二氏:みなさま、大変暑い中お越しいただき、ありがとうございます。それでは、2019年6月期の決算説明会を始めさせていただきます。
まず、連結業績の総括です。期初計画比で、売上は105.5パーセント、経常利益は117.7パーセントでした。(2019年)6月に発表した修正計画比でも若干上振れまして、売上は101.3パーセント、経常利益は103.0パーセントという最終着地となりました。前年比で見ますと、売上は97.5パーセント、経常利益は107.7パーセントです。
営業利益率は過去最高の12.3パーセントで前期比で1.3ポイント収益率を上げることができました。単体の売上は前年比で103.0パーセント、営業利益は125.4パーセントでした。
一方、子会社のT2Cで、前期には大型試乗会があったのですが、それがなくなった反動で、売上が大きく減少いたしました。これが連結での減収へのインパクトとなっておりますが、最終的に、営業利益・経常利益・純利益は4期連続で過去最高を更新することができました。
2019年6月期 決算の概要(連結)
決算概要です。(スライドの表の)右から、修正計画比、期初計画比、前期比です。前期比等は先ほど申し上げましたので、割愛させていただきます。
売上高は162億7,800万円、売上総利益は28億2,500万円、営業利益は19億9,500万円、経常利益は20億1,700万円、純利益は13億4,500万円です。
2019年6月期 決算の概要(個別)
個別は、売上高は132億8,300万円。営業利益は11億9,800万円と、前期比で125.4パーセント。当期純利益は13億8,900万円と、前期比で130.2パーセントになっております。
売上高
(スライドのグラフでは)赤色が連結、黒色が単体、青色が子会社の売上高を示しています。直近3期はこのような関係で、子会社がマイナスで足を引っ張った結果、連結で微減になりました。
営業利益
営業利益は4期連続で過去最高益です。
経常利益
経常利益もほぼ同様でございます。
当期純利益
当期純利益はこのようになっております。
財政状態・経営成績(連結)
財政状態ならびに経営成績です。総資産・純資産ともに、このように増えております。1株当たりの当期純利益も、このように上がりました。自己資本比率は68.2パーセント、ROEは19.4パーセントと、どちらも上がりました。
キャッシュ・フロー計算書(連結)
キャッシュ・フローはご覧の通りです。
カテゴリー別売上高(連結)
事業内容に移ります。カテゴリー別の内容を見ますと、通期を通して大型のインナーイベントや発表会などのいわゆる「広報案件」を多く受注することで、広報が増えました。また、映像制作が増えたことで、制作物が増加しております。
業種別売上高(連結)
業種別です。上位5業種は変わらずということで、大幅な変動はとくにございません。個別に見ますと、エリア(関西支社および名古屋支社)であった車の大型試乗会がなくなってしまったことに加え、前期はモーターショーがあった関係で、自動車関係が減っております。
食品や化粧品・トイレタリーは堅調に伸びました。また、金融に関しては、保険の会社さまのお仕事を受注することができましたので、伸びております。
流通に関しては、以前もご説明しましたが、コンビニエンスストアのSPツール制作等の大口案件がなくなったせいで、このようになっております。
価格帯別案件数の推移(個別)
価格帯別です。今期は、1億円以上の案件が前期の15本から5本増えて20本ということで、大きい案件が増えました。その結果、平均単価も1,144万円へ増えました。
企画力について(勝率)
今期の企画力は非常によかったです。勝率も上がりました。お客さまとの関係性も進んだということで、よい提案もできて、結果として4割という高い勝率で終わることができました。
2020年6月期 決算の見通し(連結)
2020年6月期の予想です。売上高は168億2,900万円と、前期比で103.4パーセント。売上総利益は29億2,500万円と、前期比で103.5パーセント。営業利益は20億4,000万円と、前期比で102.2パーセント。経常利益は(営業利益と)同額。純利益は13億5,200万円と、前期比で100.5パーセントの見込みです。今期も過去最高益を目指します。
2020年6月期 決算の見通し(個別)
単体は、このようになっております。売上高は131億5,500万円と、前期比で99.0パーセント。営業利益は10億6,300万円と、前期比で88.8パーセント。当期純利益は12億3,500万円と、前期比で89.0パーセントです。
この期に関しては、計画の比重を少し子会社に置いております。オリンピック案件のイベントセレモニーは、イベントということもあり、子会社のT2Cを窓口にして受注する割合が多いということで、このようなバランスで計画を立てております。
2020年6月期の進捗(個別)
個別の進捗です。国際的イベント関連が好調です。今年はモーターショーもございますし、ラグビーワールドカップももうすぐ始まります。来年(2020年)3月から、オリンピックのトーチリレーなんかも決まっております。このように、通常の受注に加えて、いくつかの国際的イベント関連を堅調に受注することができております。
去年の同時期と比べますと、かなりよい進捗で進んでおりますので、先ほどの予想では単体を少し低めに出しておりますが、この状況がこのまま進めば、単体でもよいかたちで上振れすることもあると考えております。
配当方針及び配当金について
配当です。43期(2019年6月期)は、結果的に期初と比べて3円増配の29円とさせていただきます。44期(2020年6月期)に関しては、純利益から割り算をして、前期比でプラス1円の増配となる30円とさせていただく予定です。
中期方針
中期方針のレビューと対策です。43期の期初にみなさまにお示しした方針は、以下の5つです。
一部大手顧客の変革への対応。高い収益力維持に加えて、戦力増による規模拡大。日本初の「体験デザイン・プロダクション」を深化させること。ゴールデン・国際イベント・イヤーズといわれる、2025年までの案件をしっかり取り込んでいくこと。最後に、さらに踏み込んだアライアンス、ということでした。
①一部大手顧客の変革への対応
1つ目です。数字的には、結果としては伸長させることができましたので、それはそれとしましても、期初に掲げた新しい体制でのいろいろな施策……例えば、本部にこだわらない全社的なリソースの配分であるとか、営業や数字の管理のナレッジの均質化等々、さまざまなことを継続的に行って、お客さまに必要とされるソリューションを提供し続けたいと思っております。
②高い収益力維持×戦力増=成長
2つ目の収益力維持と戦力増です。いまご説明したように、収益についてはよかったと思いますが、期初のグループ社員数が214名だったところ、今年の進行期では205名と、増やすことができませんでした。
要因には、思い通りの中途採用ができなかったこと等がありますが、新卒採用も含めて少し抑えたところがありましたので、来年(2020年)4月以降に向けては、現在もそうですが、中途の採用と来年4月以降の新卒の積極的な採用をもう一度進めたいと考えております。
③『体験デザイン・プロダクション』の深化
3つ目は、「体験デザイン・プロダクション」の深化です。これは定量的な評価はできませんけれども、社内的な力はかなり上がってきたと思います。ここ(スライド)に書いてあるようないろいろな勉強、社内の表彰、海外の視察、そして異業種からの人の採用として、映像プロデューサー、PRプロデューサー、アートディレクター、美術デザイナー、データアナリストを採用いたしました。
こういった人たちとのコラボレーションで、社内でこの「体験デザイン力」が、ますます力を付けていっている最中だと思っております。まだ完成形ではなく、引き続き行っていかなければならないと考えております。
「体験デザイン」にこだわった仕事をしたおかげで、海外のカンヌをはじめとした広告賞も多数受賞しました。また、当社の社員が日本の三大賞の1つであるACC TOKYO CREATIVITY AWARDSという広告賞の審査員に選出されるなど、「イベント会社のテー・オー・ダブリュー」というよりは、「コミュニケーション、体験デザインのテー・オー・ダブリュー」という評判も高くなっていると思っております。今後は、データ活用やアライアンス強化ということで「体験デザイン」提案力のさらなる深化・向上をさせていただきたいと考えております。
広告主は“非マス領域”を年々重要視
こちら(のスライド)は、もうみなさんに何度も見ていただいているものです。非マス領域がほぼ6割になって、マス広告が4割ということで、非マス領域での施策・提案が市場で求められているので、どんどん力を注いでいければ考えております。
マス広告だけで人は動かない。TOWは体験をデザインし、ヒトとココロを動かす。
マスは重要ですが、マス広告だけでは人は動きません。テー・オー・ダブリューは「体験をデザインし、ヒトとココロを動かす。」ということで、コア事業であるリアルを真ん中に置き、ここの価値を上げていくかということために、デジタル・映像・PR・データを作っていきたいと思っております。
シモダテツヤ氏が TOWのワクワク創造アドバイザーに就任
アライアンスというか、新しい人材の登用といたしましては、業界では大変有名なんですけれども……株式会社バーグハンバーグバーグというユニークな会社を立ち上げたシモダテツヤさんという方が、この会社を辞めてフリーになりました。
本当に面白い企画を考える方なんですが、この方に当社のアドバイザーとして来ていただいて、当社のプランナーに非常に大きな刺激をたくさん与えてもらいたいなと考えております。
一生に一度の体験デザイン事例 『新元号“令和”発表』
また、体験デザインの一環でこんなこともやりました。「一生に一度の体験デザイン」ということで、新元号の「令和」を発表した当日に、渋谷では「令和」と書いたTシャツを配ったり、新橋では「令和ボトル」と「令和号外」をセットで配りました。このような、この日この時にしか味わえない施策を行なったりもいたしました。
海外の広告賞も多数受賞
先ほど申し上げた、海外の広告賞についてです。高崎市の 「絶やすな!絶品高崎グルメ『絶メシリスト』」というサイトが、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルの銅賞およびアドフェスト(アジア太平洋広告祭)の金賞や銀賞を取りました。
また、ヤフーモバイルさんの720時間ぶっ続けでドラマを観るという動画企画「720 HOURS OF YOUTH」は、ニューヨークフェスティバルで金賞、アドフェストでも金賞を取ることができました。
海外の広告賞も多数受賞
小林市という地方のシムシティ課と組んだ新しい街を盛り上げる施策も、海外のあらゆる賞を取りました。
ロッテさんの「お絵かき爽ハッピー」というプロモーションも、アドフェストで賞を取りました。
講談社さんの「100万の命の上に俺は立っている ワケあり無料版」という出版社と組んだ仕事でも、アドフェストで賞を取りました。
④2020案件を含め2019~2025年の6年間は ゴールデン・国際イベント・イヤーズ
4つ目です。いよいよ9月に始まるラグビーワールドカップでは、当社でも銀座でのラグビーストリートPRイベントなどを行わせていただきましたし、100日前イベントも行いました。7~8月は各地のパブリックビューイングの仕事の進行期になりますけども、受注させていただいて、いま行っているところです。
『ラグビーWC 2019 日本大会(9~11月)』
ラグビーをはじめとして、来年(2020年)3月に始まる聖火リレーからオリンピック、そして2025年の万博へ、イベントの受注がつながっています。行政に限らず、各企業さまのプロモーションにもしっかり取り組んでいきたいと思っております。
2019年は、東京モーターショー開催年
今年は東京モーターショーですので、これもしっかり対応していけるかと思っております。
“2020案件”の取込み
そして、オリンピック・パラリンピックです。
⑤さらに踏み込んだアライアンス
5つ目に、アライアンスということで、このようにリアル・デジタル・動画・PR・データと、それぞれの領域での提携や出資を、これからも進めていきたいと思っています。
3本柱で成長
最後になります。3つの柱を成長エンジンとしていきたいと思っております。1つ目に、「体験デザイン力向上」はいわずもがな、統合プロモーション案件を拡大していくこと。2つ目が、「ゴールデン・国際イベント・イヤーズ」の大型イベント案件の取込です。
そして3つ目として、2020年以降も見据えて、「直クライアント・ビジネス」を拡大していきたいと考えております。2020年の案件はすべて2021年にはなくなりますので、それに代わるもう1つの柱として、こういったものにチャレンジしていきたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。