2019年度 第1四半期実績
三野隆之氏:サントリー食品インターナショナル社の三野でございます。さっそくですが、2019年度第1四半期決算についてご説明いたします。
売上収益は、前年同期に比べて3.1パーセント増の2,857億円。為替中立では(前年同期比で)4.4パーセント増となりました。
営業利益は、前年に加工食品・事業売却益を116億円計上した影響で、(前年同期比で)33.1パーセント減の178億円となりました。ただし、これらの非経常的要因を除いた既存事業ベースでは、(前年同期比で)16.8パーセント増の180億円。為替中立では(前年同期比で)19.3パーセント増となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年の売却益は非課税だったことなどから、前年同期に比べて47.7パーセント減の107億円となりました。
(2019年)2月の通期決算発表時にもご説明申し上げましたとおり、「稼ぐ力の再構築」といった構造改革に鋭意取り組んでいますが、依然として当社を取り巻く環境は厳しく、加えて、最盛期である第2四半期・第3四半期をこれから迎えます。年間業績予想の達成に向けて、着実に目の前の課題に取り組んでまいります。
【日本】第1四半期実績
これより、各セグメントの状況についてご説明いたします。まず、日本です。飲料総市場は、数量ベースでほぼ前年並みと推定される中、当社は主力ブランドの「サントリー天然水」「BOSS」が引き続き好調に推移し、(前年同期比で)2パーセント増となり、市場を上回りました。
売上収益は、チャネル構成ならびに容器構成の悪化があり、また、「トクホ+機能性」カテゴリーはトレンドが回復しつつあるものの、全体の伸びを下回った結果、前年と比べて0.2パーセント増の1,507億円となりました。
セグメント利益は、昨年度より高収益商品の強化を進めた結果、「特茶」ならびに「BOSS」ショート缶のマイナス幅が着実に縮小し、商品構成によるマイナス影響が縮小。加えて、コスト削減活動進展の結果、売上総利益の段階でほぼ前年並みとなりました。
その上で、マーケティング投資投入のタイミングを第2四半期以降にシフトした結果、対前年で24.8パーセントの増益となりました。ただ、このブランド投資のタイミングのズレがなければ、セグメント利益はほぼ前年並みです。
中期構造改革の進捗
日本における中期構造改革の進捗についてご説明いたします。
「高付加価値・高収益モデルの確立」に関しては、とくに「特茶」において、ユーザーの健康増進の取り組み全体をサポートする「特茶プログラム」を実施するなどし、当期の「特茶」は対前年で3パーセント減と、昨年同期の約2割減と比べ、トレンドが回復基調にあります。(2019年)4月2日に「特茶」をリニューアルしたほか、5月7日に機能性表示食品「伊右衛門プラス コレステロール対策」を新発売するなど、積極的な活動を継続しています。
「SCMの構造革新」に関しては、サントリープロダクツ株式会社の宇治川工場・榛名工場、ならびに長野県大町市「サントリー天然水」第4の水源において、生産能力拡大に着手しています。ただし、これらが業績に貢献するのは、主に来年以降となります。
今年に関しては、「クラフトボス」のPET容器の軽量化をはじめとしたコスト削減活動、ならびに物流能力の確保など、最盛期の供給能力の増強に取り組んでおり、突発的なコストの発生リスク低減を進めています。
最後に、「自販機ビジネスの事業構造変革」に関しては、販売トレンド改善やオペレーションコスト削減に取り組んでいますが、厳しい環境下、成果が出るまで時間がかかります。
これらの活動に加え、(2019年)5月1日付で、大容量ペットボトルの値上げを実施し、多くの取引先さまとの商談も大半で合意に至りました。ただ、今年の業績に与える影響額は、値上げによる販売数量の変動状況などにも左右されるため、現時点では具体的な額は見通していません。
【欧州】第1四半期実績
続いて、欧州です。売上収益は、スペインの低迷が引き続き影響し、為替中立で(前年同期比で)1.3パーセントの減収となりました。
セグメント利益は、フランス・英国の販促広告費が第2四半期以降に期ズレしたこと等により、為替中立で(前年同期比で)13.2パーセントの増益となりました。
フランスは、市場が若干低迷していますが、主力の「Orangina」そして「MayTea」が伸長いたしました。他方、「Oasis」が前年を下回るなど、やや減収となりました。英国は、「Lucozade Energy」が引き続き成長しており、為替中立で増収です。スペインは、業務用総市場が低迷する中、とくにトニックカテゴリーが縮小した結果、主力の「Schweppes」の苦戦が継続し、厳しい業績となりました。
ポートフォリオの見直し、および営業体制の改革を新体制で行ってはいますが、改革が軌道に乗り業績回復に貢献するには、今しばし時間がかかると見ています。
【アジア】第1四半期実績
次に、アジアです。売上収益は、飲料事業が引き続き好調に推移し、為替中立で(前年同期比で)25.8パーセントの増収となりました。なお、タイの飲料事業は昨年(2018年)3月より事業を開始したため、昨年1~2月分の影響を除くと10パーセント程度の増収です。
セグメント利益は、事業売却益の影響を除いた既存事業ベースでは、為替中立で(前年同期比で)18.4パーセントの増益となりました。同様に、タイ飲料事業の影響を除くと、一桁半ばの増益となります。
飲料事業に関しては、ベトナムが引き続き好調で、(前年同期比で)2割近い増収となりました。タイも、飲料総市場が回復する中、主力の「Pepsi」等が好調に推移しました。また、インドネシアでご好評いただいている「Good Mood」を、(2019年)2月にタイ、4月にベトナムでも発売するなど、アジア地域内でのブランド展開に着手いたしました。
健康食品事業は、「Essence of Chicken」が、タイに加えて、これまで成長を支えてきたミャンマーを中心とする新興国でも苦戦し、減収となりました。
【オセアニア・米州】第1四半期実績
最後に、オセアニアと米州です。オセアニアは、フレッシュコーヒー事業は為替中立で増収も、フルコア・サントリー社において、イースター向け活動が第2四半期にずれ込んだ結果、オセアニア全体での売上は為替中立で(前年同期比で)1.4パーセント増と微増にとどまり、利益は前年を若干下回りました。
米州は、「Pepsi」ブランドの復調、非炭酸カテゴリーの伸長、ならびに昨年下期に行った値上げが奏功し、増収となりました。他方、原料高等の影響があり、利益は前年を若干下回りました。以上、セグメント別にご説明させていただきました。
日本をはじめ、多くのリージョンが、これから最盛期を迎えます。構造改革を進めるとともに、最盛期に着実な成果を生み出すことで、年間業績予想の達成に向けてしっかり取り組んでまいります。
私からの説明は以上です。ありがとうございました。