株式会社トランザス2019年1月期決算説明会
藤吉英彦氏:株式会社トランザス代表取締役の藤吉と申します。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
今日は2019年1月期決算説明会ということで、弊社としてはかなり厳しい決算になりましたが、私どもとしましては、将来の展望にかなりの自信を持っております。決算内容とともに、私どもが今後どのように飛躍する計画を持っているのかということを、みなさまにわかりやすくご説明していきたいと考えておりますので、本日はどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、お手元の資料に従って説明させていただきます。
総括
まずは、サマリーです。2019年1月期に、私どもが会社として何をやってきたのかということでございますが、端的に表現いたしますとこちらになります。
「製品販売で商売をする時代はまもなく終焉を迎える」。これが、我々が持つ考え方でございます。今は中国や東南アジアとか、いろいろな国々で安いデバイスがどんどんつくられて、品質が上がってきている。
そうであれば、我々はそのようなものに対抗するために、どのように我々の強みを最大化していくのか? ここに関しましては、私どもの強みであります一気通貫ビジネス……要は、デバイスの開発からソリューションの提供・運用を一気通貫に行えるビジネスを、今後視野に入れる必要があるということです。
そのようなところから、端末販売型(フロー)ビジネスからサービス提供型(ストック)ビジネスへの転換を決断いたしました。それにより、今まで我々の稼ぎ頭であったビジネスを諦めて転換することを行っておりますので、非常に大きな決断であったと申し上げておこうと思います。
「トランザスの強みを最大化できる、新規事業基盤製品の開発・新規事業の開拓に注力」ということで、2019年1月期は非常に多くの製品・ソリューションの開発、また種まきと言いますか、そのようなものを仕込んでまいりました。
ここにきまして、ようやくそのようなものが芽を出し始めました。そのようなものが、今後は花を咲かせて実をつけて拡大していくのだろうと、我々は考えております。
連結業績 対予想比
それでは、具体的な数字のところからまいります。
お手元の資料にございますとおり、私どもの予想値に対して、実績値が非常に大きな乖離を見せました。
分野別売上高 対予想比
売上高を分野ごとに分けたものは、次の6ページになります。
連結業績 実績と予想の乖離について
こちらの(実績と予想の乖離の)要因に関してご説明させていただきますと、7ページ目にございますとおり、私どもには営業の面で至らなかった部分がございます。製品の納品が、2020年1月期にずれ込んだものがかなりございました。
あと、「方針変更受注断念」と書いてございます。私どもは、これからサービス提供と製品販売を一気通貫でやっていくところで、お客さまに対するサービスの提供部分を他社と組んでやろうと考えていたところがございました。しかしながら、その他社と組んでサービス提供をしようと考えていたところを、「全部自社でサービス提供をしよう」と大きな決断をしたことによりまして、私どもがその会社さまへの機材提供を取りやめたという背景もございます。
しかしながら、将来的な私どもの売上・利益を考えていきますと、こちらに関しましては非常に大きな売上・利益を生んでいくと私どもは確信しておりますので、後ほど将来的な成長戦略のところで、またあらためてご説明させていただこうと思います。
連結業績 対前年比
続きまして、8ページ目です。連結業績の対前年比較がございます。
これもやはり、私どもが販売型から継続ビジネスへの転換を行った関係で、売上が非常に大きく減少いたしました。
分野別売上高 対前年比
次のページに関しましては、分野ごとのサマリーでございます。
損失の拡大
10ページ目にまいります。
私どもの当期純損失に関しましての内容は、このような内容になっております。ソフトウェア償却・商品評価損をかなり大きな金額で計上しておりますが、こちらに関しましても、販売型ビジネスで積み上げてきたものを、今後は運営型ビジネスに変えることによって、生じたものとなります。
営業損失
11ページ目に、原価と販売管理費と売上高の対比がございます。
原価率に関しましては、粗利益率の高いIoTソリューションの販売の月額変更に切り替える決断を行った関係上、かなり上昇したということでございます。
販売管理費に関しましても、表に記載されているとおり、ソフトウェアの見込販売数量の見直しや、開発による増加が要因となっております。
連結業績 前年実績との乖離
12ページ目は、連結業績と前年実績との乖離です。こちらがおそらく、今期に私どもが決断した業務転換に関して、一番わかりやすい表になるかと思います。
映像配信分野の端末の販売を、いずれは月額での収益メインに切り替えようという決断の影響で、映像配信分野の売上がほぼ半分に減ったということが実際のところでございます。
過去から未来へ①
数字のところを少し急ぎ足でババッと紹介させていただきましたが、ここからはストラテジーについて、私から重点的にご紹介させていただこうと思います。
私どもが2020年1月期にやっていく、会社としての方向性でございます。「既存ビジネスモデルの転換期と5G/IoTプロダクトアウトへ企業体質改善(Industry4.0)」をテーマに行っております。
右の写真に「東京都の警備ロボット実証実験終了」と書いてございます。おかげさまで、東京都の実証実験も順調に終わりまして、ちょうど東京都のレポートを上げています。みなさまがたにロボットを体験していただいて、大きな評価をいただいたという内容でございます。
過去から未来へ②
それでは、私どもの今後のストラテジーについてご説明いたします。
こちらの表にあるとおり、2019年1月期までの当社のメインビジネスは、ホテル市場に対してオンデマンドの機械を納めているところで、非常に大きな強みを持っておりました。およそ20万台以上の出荷実績を持っておりますので、かなりのホテルに私どもの機械が展開されていたというのが、過去のビジネスでございます。
しかしながら、私どもがなぜビジネス転換を決断したかを申し上げます。端末販売だけで、対象のホテル市場が100万室ほど、ビジネスホテルや旅館・病院のようなものを全部入れると300万室超ぐらいのホスピタリティサービスがございます。
しかしながら、実際にオンデマンドをご視聴いただけるような市場となりますと、「やはり100万室ぐらいがターゲットなのではないか」と書いてございます。
一度100万室にオンデマンドが入りますと、だいたい5年のリースを組む。5年に一度切替の時期がやってくるということで、およそ1年での収益規模でいきますと、50億円程度であろうということです。
しかしながら、サービス提供はオンデマンドサービスだけではございません。例えば、海外放送をホテルに展開していたり、デリバリーやタクシーの配車など、いろいろなサービスがございます。このようなものを集計していきますと、年間の収益規模は、サービス提供だと200億円超あるということが現実でございます。
そうであれば、やはり私どもは、過去に端末を幅広く展開してきた。これからは、端末の代金をいただかずに無料でばらまいて、月額でいただくビジネスに転換していこうじゃないか。これが、私どもの取った決断でございます。
こちらに書いてございますのが、ウェアラブルデバイスの市場です。私どもの見込みが甘かったところではございますが、過去、ウェアラブルデバイスは非常にスピーディーに拡大していくと見込んでいました。
市場規模に関しましても、国内ハンディーターミナル市場・国内業務用タブレット市場を見ましても、非常に大きな規模がございます。ここに新しいお客さまのタッチポイントと言いますか、操作パネルとしてウェアラブルデバイスを展開していくことでスピーディーに市場を取っていこうということが、私どもの計画でございました。この市場を開拓していって、VODからの事業転換をしていく計画でございました。
ここのウェアラブルのところは、お客さまに対して1つずつソリューションを作り上げて提供していき、それがお客さまに好まれて市場を拡大していく。当然と言えば当然のプロセスなのかもしれませんが、このあたりに私どもは非常に時間がかかってしまったのが、今までの流れでございます。
過去から未来へ③
それでは「これから、当社のメインビジネスをどうしていくのか?」のご説明です。
2019年1月期は、業績としては非常に厳しいものでした。しかしながら私どもは、その間に作り上げてきたシステムに関しては、かなりの自信と価値を感じています。
まずは、先日「特許申請中」としてプレスを打たせていただいたものです。真ん中に「特許申請中」と書いてございますが、携帯電話とテレビが連動する、新しいホテル向けのホスピタリティサービス・サイネージサービスといったものがございます。こちらに関しましては、国内に類似するサービスが今のところございません。
我々は特許申請をいたしまして、これからテレビと携帯電話の融合で新しいメディア・サービス・ホテル事業のあり方を提供していこうというのが、まず1つ目でございます。
さらに右上にいきますと、「SHISA 顔認証チェックインシステム」と書いてございます。こちらに関しては、我々が民泊向けに提供しているサービスでございます。こちらも先日プレスを打たせていただきました。ちょうど期の終わりごろに実証実験が終了いたしまして、現場で非常に高い評価をいただき、目下どんどん設置展開をしている最中でございます。こちらも、月額のビジネスと販売のビジネスの両方を掛けあわせたビジネスとなります。
下にまいりまして、ウェアラブルデバイスは、以前からある製品でございます。
真ん中に関しましては、ルームコントロールやIoTの制御システムでございます。最近国内で、ルームコントロールやIoTシステムがどんどん増えてきています。我々がこの市場で大きな強みとしてとらえていますのが、ウェアラブルデバイスの「Cygnus」や、こちらも以前からの製品であるSet Top Box(STB)。また、ロボットや4Gルーター、チェックインシステムです。
我々の生み出してきたすべての端末が、IoTの制御デバイスとして融合していく。このような中間のハブになるものでございます。こちらに関しましても、これから大きな展開を仕掛けていく。まさに、その準備段階でございます。
右下が、4Gのルーターでございます。これも先日発表させていただきましたが、IoTのゲートウェイにもなります。見にくいのですが、ここに「ドーター基板」と言われる小さな基板がございます。この基板を切り替えることによって、今後5Gや海外モデルに切り替えたり、自由に将来の拡張に向けた切り替えができる製品でございます。こちらも、我々の次期戦略製品として拡大していく予定でございます。
過去から未来へ④
私どもが描いています、「将来的なプロダクトポートフォリオの拡充とソリューション営業の体制確立」というイメージでございます。
過去に私どもが上場した際は、2つのプロダクトしかございませんでした。2019年1月期はまさに、私どものメインの心臓部分であったSTBについて、さらなる飛躍・拡大のために端末販売を諦めたのが2019年です。これを、新しい月額のサービスに転換する。これが、この(左側の)上部でございます。過去に、私どもの既存ビジネスがこの(「2019.1」のグラフ)くらいの幅で商売してきていました。
今期の2020年は、既存ビジネス自体はまた縮小する可能性がございますが、新しいラインナップで埋めていく計画でございます。さらに、それが将来にわたってどんどん拡大していき、全体としてボリュームを上げていく。このようなビジネス展開と我々の体制確立を目論んでいるのが、現状でございます。
IoTルーター
それでは、プロダクトの説明をさせていただきます。先ほど、図の中で簡単にはご説明させていただきましたが、これらを我々がどう販売していくのかをご紹介します。
当社の既存VARを通じて、これから始まる5G市場を狙う。これが今回プレスを打たせていただきました、IoTに対応する4G/LTEルーターです。私どもにはいろいろな付き合いがございますが、4G/LTEルーターを販売している中小のメーカーさまは、やはり年間で4万台ぐらいの販売をされています。
この年間販売台数がどんどん右肩上がりで上昇しているのが、今の市場のトレンドでございます。それでは、5G市場が始まったら何が起こるのか?
5Gが起こったら、あらゆるところに通信網が広げられると考えています。例えば今、デジタルサイネージ市場がどんどん拡大しています。そこに対して、今の4G/LTEではなかなか配信しづらい……その場合、Wi-Fi経由でやっている。いろいろなパターンがございますが、5Gが始まってきましたら、一気に通信端末へ大量のデータを配信することができるようになります。そうすると必要になるのが、やはりこのような無線に対応したルーターになります。
さらに、私どもが他社さんと違いますのが、セキュリティです。こちらに関してはVPN……Virtual Private Network、非常に強力なVPNを張り、非常に高いセキュリティを誇りながら、5G市場にこのようなネットワークをどんどん広げていこうという狙いでございます。
そうしますと、どのような場所でも、このようなルーターが活躍する市場が開ける。そうであれば、「我々としても、そこに力を入れていこうじゃないか」という内容でございます。
民泊オンライン・チェックイン・システム
それでは続きまして、「SHISA」という顔認証のチェックイン・システムでございます。
こちらは民泊向けということで、外国人の方が(日本へ)来られて宿泊施設に行ったときに「鍵を渡さなきゃいけない」「パスポートのコピーを取らないといけない」とか、いろいろな制約がある中、運営者さんが運用でお困りであったということです。そこで、私どもの(「SHISA」では)パスポートのスキャン・顔認証・タッチパネル・チェックインが全部できます。
さらに、こちらには書いてございませんが、連動する鍵がございまして、その制御ができます。「このようなものを民泊に取り付ければ、遠隔ですべて管理できるのではないか」ということで始めたのが、このチェックイン端末でございます。
2019年2月1日より運用を開始いたしましたが、すでに実証実験が終わり、「これは十分いける」という評価をいただきまして、300室への導入が決定いたしました。さらに2020年の春までに、今のところは1,000室程度の導入を予定しています。
こちらは月額でのビジネスになるのですが、1室あたりの月額収益単価が、今回の実証実験で3,000円を超えるという結果が出ています。「1チェックインでいくら」というかたちで、私どもはサービス提供をさせていただいているのですが、こちらは非常に有効に使えるという声をいただいております。
「中長期で3万室への導入を目指します」と書いています。私どもとご一緒させていただいている民泊業者さま以外に、いろいろなところからお声をかけていただける状況になってきています。そのような他の民泊業者さまを含めて、私どもでこの展開をしていこうという設備でございます。
さらにこちらは、私どもがあまり過去に予想していなかったことではございますが、ホテルさまにものすごく高い評価をいただいています。「これは、今後ホテル市場に使えるのではないか?」という話もいただけるようになってきています。とくに日本より、海外のホテルに興味をいただいております。
おそらくこれが、「将来的に我々のラインナップとして、ホテル向けの顔認証チェックイン・システムが、海外市場・日本市場をひっくるめて出ていくのではないか?」というのが、私どもの中長期での予想でございます。
さらに私どもが検討していますのが、「これを、会社や工場などの入退室管理にも使えるんじゃないか?」という発想もいただいています。例えば、社員数が1,000名を超える大きな工場がございます。そうすると、朝に工場で渋滞ができるんです。タイムカードを代行で打つ担当者が決まっているとか、そのような話も聞きます。その場合に社員証をスキャンして、顔認証ですぐに、実際に本人が来たのかどうかを確認できる。このような機械の使い方もできます。
「SHISA」と呼ぶ、私どもの開発した顔認証チェックイン・システムは、非常に高い価値と可能性があると考えています。
NGH 次世代VODシステム
続きまして、私どもは「NGH」と呼んでいるのですが、「Next Generation Hospitality service」の略でございます。こちらは、私どもの過去のVOD用端末(STB)の販売を取りやめて、新しくやっていこうという戦略商品でございます。これを私どもは、ホテルさまに導入費用無料ですべて提供していこうと考えています。
すでに、システムは完成いたしました。今は最終の検証を行っています。ちょうど今週の頭に、特許申請を終えました。2019年5月に、複数のホテルにて実証実験を実施する予定です。
これは何がすごいのかを簡単に申し上げますと、室内にあるQRコードをお客さまにスキャンしていただきますと、携帯電話とテレビが連動するようになります。携帯電話でホテルさまのインフォメーションやサービスを受けながら、「オンデマンドをしよう」と選択していただくと、テレビ画面に大画面でオンデマンドが出る。
あと、海外ニュースを見たい場合も同じでございます。要は、携帯電話とテレビが連動していく。これは、今までのオンデマンドの市場になかったシステムになります。こちらを、サービスをひっくるめて提供していこうというのが、我々の考えです。
過去のトランザスのVOD端末出荷実績は、20万台超でございます。これを、客室単価1,500円/月につき20万室に中長期で展開していきたいのが、我々の考えでございます。
これをもし我々が達せられれば、明らかに見え方の変わる「新しいオンデマンドの時代」が展開できるだろうと考えています。これで、過去に作ってきた我々の畑と言いましょうか、お客さま市場に、次のジェネレーションのサービスを展開していく。ここから日本や世界のホテルサービスをどんどん改良していって、進化させていこうという計画でございます。
AIrux ルーム・コントローラー
このNGHに連動したものが、次のページになりますが、ルームコントロールです。あと、IoTゲートウェイやロボット、ウェアラブル・デバイス。このようなものが連動していくようなシナリオを描いております。
まずは、我々が一番の強みを有しているオンデマンドの(NGH設置先の)ところに10パーセントほどの市場を狙っていき、さらにはこちらのIoTを飲食店舗にどんどん拡大していこうという計画になっています。
「なぜ、飲食店舗なのか?」「なぜ、ホテルにこれが必要なのか?」など、いろいろな疑問があろうかと思います。
まずはホテル市場を例に説明させていただきますと、ホテルさまはどんどん無人化が進んでいっています。過去に、ホテルはやはり「おもてなし」「ホスピタリティサービス」ということで、ホテル側が主導となっていろいろなサービスを提供しているのが、我々のホテルの観点ではございました。
しかしながら昨今、訪日外国人がどんどん増えていくだろうという予想のもと、ホテルがいよいよ無人化し始めています。H.I.S.さんが「変なホテル」ということで、恐竜が受付にいる無人化したホテルを展開されています。将来的に日本のホテルは、そちらに向かっています。そうなったら、我々は何をしていくのか?
このIoTのルーム・コントローラーは、「お客さまが、本当に室内にいるのかどうか」を察知して(不在であれば)エアコンを切る。あと、「お客さまが、どのくらいホテルの室内に滞在しているのか」。また、「インフルエンザの時期に、湿度がどのくらいに保たれていると風邪になるのか」。そのようなものをもとに、ホテルさまが(今までと)ちょっと次元の違うデータ収集・サービス提供ができる。そのようなものになっていきます。
「じゃあ、飲食店は何(で必要)なのか?」ですが、飲食店はエアコンや電気の使用がものすごく(かさみ)毎月のコストになります。このようなものを遠隔から制御し、さらに自動化することによって、エネルギーを削減していこう。このようなコンセプトでございます。
これを私どもは、ちょっと言い方がよろしくないかもしれませんが、お客さまが費用を払っても元が取れる……「費用対効果があって、お客さまがさらに月々で収益を高められるパッケージ製品にして、市場に展開していこう」というのが、我々の考えでございます。
Cygnus ウェアラブル・デバイス
ウェアラブル・デバイスです。私どもは、非常に苦戦いたしました。しかしながら、ようやくラインナップが増えてまいりました。いよいよ、これが市場にどんどん出ていくのではないかというベースが整いつつあるのが、現状でございます。
我々が一番、今までにラインナップを増やしたものは、工場ライン管理端末でございます。先日プレスも打たせていただいていますが、こちらも徐々に拡大していく時期に入ってきたのではないかという印象を受けています。それに伴って、トランシーバー端末、さらにロジスティック向け端末です。このようなものもどんどん(拡大していくと見据え)ラインナップとして、昨年増やしました。
これらを今期、同じ業種・同じ利用ができる業種さま・お客さまに対して展開していこうというのが、我々の考えです。具体的に申し上げますと、「年1万台販売可能なSolutionの5ラインナップを短中期で目指していこう」というのが、我々の計画でございます。
2020.1期予想
それでは、今期の業績予想にまいります。
私どもの2020年1月期の予想でございます。正直に申し上げまして、まだ私どもがビジネスを転換して……昨年の第2四半期くらいからでしょうか。仕込みを始めてきていますが、やはり「月額モデルのビジネスに変えるには、もう少し時間が必要だろう」と考えているのが現状でございます。
ゆえに、こちらにございますとおり、売上高は8億8,800万円、営業利益は2,000万円、経常利益は1,700万円。このくらいで着地するだろうと、我々は見込んでいます。ただし、新しい商売の不確定要素に、我々は非常に大きな可能性を感じています。もちろん、この数字をいかに拡大できるのかということで、我々が戦略をこれから繰り広げていくのが、今期の流れになろうかと思います。
新規ビジネスへの変遷
我々の頭の中の構図は、このような感じでございます。
今までの映像配信分野の売上は、さらに小さくなると見込んでいます。2018年1月期から昨年(2019年1月期)にかけて、半分ほどに減りました。さらに今年(2020年1月期)は縮小するだろうと考えています。しかしながら、他に仕込んできたものが具体的に流れ始めていますので、このようなものがカバーしていくという自信を持っています。
売上高表記の移行
ビジネス転換に伴い、2020年1月期から、売上高の区分が新しい表記に移行されます。
今までは「映像配信」だとか、過去の既存ビジネスでの区分けになりましたが、これからは(ビジネスの)ラインナップがかなり増えたことと、月額ビジネスに移行していく関係から、「Hospitality市場」はホテルや飲食店向けのサービス。続いて、「Enterprise市場」。あと、「IoTソリューション」。これは、IoT端末・IoTソリューションの提供というくくりです。その下にまいりまして、「IT技術」。これは、システム保守・開発等のIT技術の提供。一番下まいりまして、「ITサービス」。
要は、「端末・ソリューションの提供」「技術の提供」「サービスの提供」という3つの区分で、「端末の提供」を2つの市場に分けて、どのように私どものビジネスが伸びていくのかを、みなさまにわかりやすくご紹介していけるようにしようというのが、こちらでございます。
2020.1期予想 分野別売上高
今期の予想を分野別にしたものが、こちらの数字になります。
成長曲線
2019年1月期から、「さらに将来に向けて、過去から何がどのように推移して(今後は)どうなっていくのか」という、我々の自信をグラフ化したものがこちらでございます。
今後は、我々の新しく作ってきたSolutionが、月額の積み上げとともに大きく市場に出ていくだろう。今期の2020年1月期が、まさにスタートの期であるというのが、我々の考えでございます。
飛翔の始まり
最後に、飛行機の飛ぶ絵とともに(「飛翔の始まり」と)書いてございます。
会社としましては、昨年の2019年1月期に仕込んできました商品・Solution・展開に、我々一同は非常に自信を持っています。具体的な戦略も、始まりつつございます。
2019年1月期は、厳しい結果となってしまったということはございますが、同時にこれは、私どもの大きな飛躍であり飛翔の始まりであるということを、みなさま方に申し上げたいと考えています。
私からの説明は以上となります。どうもありがとうございました。