1.決算概要 PL分析
藤山敏久氏:それでは、さっそくですが、1つ目の決算概要の説明に入らせていただきます。お手もとの資料の2ページの決算概要、PL分析をお開きください。
まず、受注高ですが、前四半期の14億3,600万円に対しまして、63.2パーセント増の23億4,500万円になりました。売上高につきましては、(前四半期)12億9,600万円に対しまして、21億1,800万円、63.3パーセントの増加となっています。
利益面につきまして、(営業利益は)前四半期2億7,700万円に対しまして、107.6パーセント増の5億7,600万円となっています。同じく経常利益は5億6,900万円、当期純利益につきましては4億800万円、121.9パーセントの増加となっています。
EBITDAにつきましては、(前四半期)3億7,100万円に対しまして、7億900万円と、91.1パーセントの増加となっています。
こちら(スライド右側)の「Point」の1つ目の受注状況ですが、半導体分野につきましては、76.5パーセント増の17億8,200万円となっています。これは、3D NANDの需要に加え、DRAMの需要も上乗せされ、増加となっています。
FPD分野につきましては、中国の第10.5世代液晶パネル等の需要もありまして、28.2パーセント増の5億3,600万円となっています。売上高につきましては、63.3パーセントの増加となっていますが、詳細につきましては、次のページでご説明いたします。
利益面につきましては、外注加工費が、売上高と同様の64.9パーセント増加、1億1,900万円となっていますが、材料費と労務費につきましては、それぞれ(全四半期比)20.1パーセント、37.1パーセント増の、4,800万円と1億400万円となっています。こちらは、売上の増加よりも、やや少ない状況となっています。
営業利益につきましては、租税公課につきまして、登録免許税等が発生しまして、6,700万円の増加となっています。
1.決算概要 四半期業績の推移
次に、四半期業績の推移をご説明いたします。(「Point」の)コメントの数字は累計期間のものとなっていますが、グラフの数字は会計期間の数字となっています。
棒グラフが売上高を示していまして、緑色が半導体分野、青色がFPD分野、オレンジ色がその他となっています。折れ線グラフは利益面を示していまして、青色が売上総利益、黄色が営業利益、オレンジ色が経常利益、赤色が当期純利益となっています。
こちらはご覧いただけますように、半導体分野につきましては、当社の設備投資の状況に合わせまして、階段状に動いています。FPD分野につきましては、有機ELとG10.5液晶パネルの受注が拡大していますが、こちらの設備投資等は行っていませんので、生産力いっぱいの売上高となっています。
そして、利益面につきましては、営業利益・経常利益が少しへこんだ格好となっていますが、内容としましては、(「Point」欄の)一番下にあります、出水事業所取得による登録免許税が5,100万円発生していまして、こちらによるものです。
1.決算概要 B/S分析
続きまして、B/Sの分析に入らせていただきます。
当四半期(2018年8月期第2四半期)累計期間の資産は(前期末比で)5億4,000万円増加しまして、59億5,900万円になっています。こちらの内容としましては、有形固定資産の取得が8億9,100万円増加しています。有形固定資産の中身はこちら(スライド左の表)になりますが、とくに土地・建物が、前期末(2017年8月期末)で7億7,700万円になっていますが、出水事業所を7億6,000万円で取得しまして、(2018年8月期第2四半期現在)15億5,700万円に増加しています。
その他、機械設備が増強していまして、8億5,200万円が9億2,200万円に増加しています。
負債につきましては、2億300万円増加しまして、(合計)24億8,500万円となっていますが、内容としましては、主に8億円の長期借入れを行いましたので、6億1,000万円増加しています。
純資産につきましては、3億3,600万円増加しまして、34億7,300万円となっています。内容としましては、利益剰余金が3億3,600万円の増加となっています。
これによりまして、前期末57.9パーセントの自己資本比率が、(2018年8月期第2四半期現在)58.3パーセントとなっています。(スライド)右下のグラフは、当社の借入れの状況を示しています。平成21年8月期・平成22年8月期は、長短合わせて27億円ほどと、売上を上回る借入れがありましたが、現在は売上の半分ほどと借入金は推移しています。
1.決算概要 CF分析
続きまして、CF分析のページをお開きください。
CFにつきましては数字が大きく動いていますが、営業活動によるCF(オレンジ色の棒グラフ)は、会計期間で3億1,200万円、累計期間で3億8,800万円となっています。これは、主に当期純利益によるものであります。
ただし、青色の棒グラフが投資CFとなっていますが、こちらが有形固定資産取得、先ほどありました出水事業所の土地・建物や機械設備などの取得による支出がありまして、累計で11億9,100万円、会計期間で8億6,400万円の支出となっています。
財務活動によるCFは、緑色のグラフですが、長期借入れによる借入金が8億円ありましたので、会計期間では7億2,800万円となっています。
以上によりまして、現金残高は19億200万円となっています。
以上で、決算概要を終わらせていただきます。続きまして、事業環境を代表取締役社長からご説明いたします。
2.事業環境 月次受注残高の推移
前田俊一氏:みなさんこんにちは。お忙しいなか、株式会社マルマエの説明会にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。
私たちの業績は今回、少なくなってしまっていますが、たいへん申し訳ございません。
それでは、さっそく事業環境などの説明を始めます。
最初に月次の受注残高です。こちらは毎年配備しています資料と実質同じ内容ですけれども、先ほどまでのグラフは四半期ごと、3ヶ月ごとのグラフでしたが、こちらは1ヶ月ごととなっています。
だいたい2年前から、ほぼ継続的に半導体分野の受注残高が増えてきている状況が見て取れます。とくに最近、少し横ばいだったところが、また増加が始まっているというところです。
「Point」を読ませていただきますけれども、半導体分野では、出水事業所の設備増強と電子ビーム溶接関連の受注が増加しています。段階的な受注増加を今後見込んでいるところです。そして、中長期的にも需要拡大傾向であり、出水事業所の余剰スペースを活かし、柔軟に設備投資を行っていこうという考えでいます。
かたや、FPD分野については、第10.5世代大型液晶パネル向けと、有機EL関連装置の高水準な需要が今後続いていくという見通しをもっています。
現在、売上が上がりながらも、高水準の受注残高が続いているというところで、受注もおおむね好調というところです。
こちらのグラフの読み方ですけれども、私どもは受注残高しか開示していませんので、受注の件数は月次では開示していないのですが、1ヶ月当たりの受注残高を見てみますと、先ほどの四半期の売上と同じぐらい、若干少ないぐらいで、そこから逆算するとリードタイムは2.5ヶ月から3ヶ月弱というところです。
月次のIRにも書いていますが、最近生産力が上がって、売上も増えており、出荷検収も増えています。
先ほどのリードタイム3ヶ月弱、このように受注残高が伸びてきているところからいくと、(受注から)3ヶ月ぐらい経つと、実際の出荷検収も増えていくという関係になっています。
最近、出水事業所の設備、また電子ビーム溶接も開始していますので、そのようなところで出荷検収も増えてきており、そのような足元の状況です。
2.事業環境 販売分野別の環境と方針
次のページです。私たちは半導体・FPD・その他と、3つの販売分野がありますけれども、各分野の環境と、各分野に対して方針となります。
まず、半導体分野につきましては、市場環境として、メモリが非常に好調なんですけれども、アメリカ向けなど一部ロジックで、足元は少し軟調になってきているところです。一部のお客さま、装置メーカーさんだけかもしれませんが、ロジックは少し軟調な気配だというところです。
このような中で、私たちの得意分野でありますエッチャーとCVD工程に向けて、受注品種の拡大を狙っていこうという戦略です。そして、出水事業所の操業で生産力を上げるということ、生産性の向上を実現していこうという戦略をもっています。
FPD分野につきましては、中国においてG10以上の液晶とG6サイズの有機ELの設備投資が続いています。FPD分野はパネルの価格が下落すると、すぐに設備投資が止まったりするのですが、今回の設備投資は中国が出している補助金をもとに投資されていることもあって、なかなかしぶとく続いている状況です。
新たなG10以上、G11など、そのような非常に大きい投資も発表されたり、有機ELも新たな計画が出てきたりと、しばらくは活況な設備投資が続くだろうという予想です。そのような中で、私たちは得意分野製品へ特化して、原価率の改善を狙う方針です。
そして、受注が非常に多くて、お断りするような状況もあるのですが、そのような中でも、新規のお客さま、得意分野のお客さまをどんどん開拓いたしまして、さらに選別受注をできるようにしていこうと考えています。
その他分野につきましては、全体的に市況は好調なのですが、現在、半導体分野とFPD分野に忙しく、生産余力はとれていません。そのような関係で、新規の受注は困難なところにあります。そのような状況ではありますけれども、外注さんの活用などを進めながら、受注を進めていこうと考えています。
3.平成30年8月期の業績予想
次のページです。平成30年8月期、当期の業績予想です。
今期の見通しにつきましては、売上高が40億円、営業利益が10億円、経常利益が9億8,000万円、当期純利益は6億6,800万円という予想を立てています。
こちらの予想に関しましては、非常に好調に進んでいるというところですけれども、ポイントといたしまして、足元の受注および売上は非常に好調です。そのような中で、過去最大の設備投資を行いながら、受注の拡大を狙っていくところです。
左側が売上高と利益のグラフです。売上高も非常に伸びていますけれども、利益も過去最高を更新している状況です。
右側のグラフのうち、棒グラフが設備投資、青色の折れ線グラフが減価償却費、赤色の折れ線グラフが製造原価の中の労務費となっています。
設備投資が前回(2018年8月期第1四半期決算説明会)の資料では、18億円ほどと記載していましたけれども、今期予想として26億3,000万円と上乗せをしています。設備投資をさらに上乗せして、受注拡大を狙うという考えです。
設備投資につきましては出水事業所の取得、または顧客の要望に応えた設備投資の上乗せを行っています。そのため減価償却は費用が増加しています。費用は増加していますが、増収効果で補うことで、利益率は向上しているという状況です。
第2四半期は先ほどご説明いたしましたが、一時的な登録免許税の増加などがありまして、売上総利益は改善していますが、営業利益が一時的に停滞したという要因はありました。それ以外を除けば、利益率の改善にも通じているということです。
4.中期事業計画「Evolution2018」中期事業計画の状況
次に、中期事業計画の状況につきまして、説明いたします。
私たちは平成28年8月期から平成29年8月期、そして今期、平成30年8月期までの3ヶ年の中期事業計画をもっていました。もともと数値計画もありましたが、数値計画につきましては連結で売上高40億円、営業利益40億円を目指そうという計画でした。まさに今期(2018年8月期)、その数値通りに、予想が達成できる見通しが高まってきいてるところです。
それ以外の目標として、既存の事業につきましては、半導体分野をドライバーとして伸ばしていこう、そして生産数を向上させようと、そのような目標をもっていました。こちらにつきましては、エッチャーやCVDの分野で拡大を目指そうということが続いている状況です。さらに、出水事業所を取得したことで、増産を継続しようというところです。
次ににM&A戦略を出していました。こちらは中小企業中心に、相乗効果のある会社をM&Aしていこうと。半導体分野は、非常に変動の大きい分野ですので、半導体のリスクヘッジをできるような分野の会社を立てていこうという方針をもっていました。
こちらは従来の事業が非常に忙しくなっている中で、他の会社を買うのではなく、自分たちの事業に投資をすることで会社を伸ばしていこうということで、自社投資を優先し、中断しています。
そして、新分野につきましては、目標として作業補助、介護ロボットを開発していこうという目標をもっていまして、この中計を出した直後に、鹿児島大学と共同研究をはじめました。前回の資料で状況等については開示していますけども、展示会に出展したり、テストを行ったりしているところです。最近では、さらに当社の開発部の中に、医療機器課を設置いたしまして、製造販売業の認可申請を進めている状況です。
今回、新たにEBW事業というものを開始しています。こちらは次のページ以降で説明いたします。
目標にあげていた市場変更、中計の期間中に東証一部を目指そうという計画を立てていました。こちらの進捗につきましては、当社の今の規模と、ステージに見合うような管理体制の構築に課題が残っていまして、主には、人の問題、こちらがなかなか改善できていません。そのようなところで、少し課題が残っており、遅れているという状況です。こちらはチャレンジを継続していこうと考えています。
4.中期事業計画「Evolution2018」電子ビーム溶接(EBW)について①
先ほどお話ししました、EBW、電子ビーム容接について説明いたします。
電子ビーム容接機というのは、真空内で電子ビームを高速に加速して、素材に照射することによって、素材を溶かして混ぜながら溶接していく加工機です。少し分かりにくいですが、この写真(スライド右側)は真空の部屋の中で、電子ビームを照射して、製品を溶かしながら溶接している、そのような写真です。(スライドの図は)電子銃の構造、断面図です。
フィラメントを加熱して、電子を発生させて、それを加速させ、電子ビームを発生させると。こちらの写真(断面図右下)がアルミの素材を電子ビームを当てて、溶接したあとの写真です。横にスケールがありますが、2〜3ミリ幅ぐらいで、細くて深い溶接ができる、そのような特徴を表した写真です。
通常、人間が行うような溶接ですと、表面だけしか溶接できなかったり、安全性がなかったりしますが、電子ビーム溶接は高いエネルギーで溶接しますので、深く細く溶接できるというところが特徴です。
4.中期事業計画「Evolution2018」電子ビーム溶接(EBW)について②
電子ビーム溶接の2つ目の特徴は、真空中でアルミや銅、特殊金属の高品位な溶接ができるというところです。電子ビームの収束性・制御性が高く、低入熱、熱を加える時間・範囲が狭いので、歪みが少ない溶接方法です。
電子制御などによって、溶接の高い再現性、同じ製品を繰り返し作れるということも特徴の1つです。先ほどのページにも記載がありましたが、このような新しい容接機を使いまして、高品位な部品の受注を伸ばしていこうという方針です。
装置の仕様につきましては、ここに記載されているとおりです。新しく取得した出水事業所に設置してありますけれども、このような1.5メートル格の部屋の中に、製品を入れて、蓋を閉めて、真空にして溶接する、そのような装置です。今回、マルマエの新しい強みとして、このような電子ビーム溶接を拡大していこうという方針です。
新しい事業などの説明は以上です。あとの資料につきましては、当社の事業概要となっていますので、後ほどご覧ください。