2018年3月期第2四半期(累計) 市場動向

松浦一教氏:改めまして、社長の松浦です。2018年3月期第2四半期の決算内容についてご説明させていただきます。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。それではさっそく始めたいと思います。

まずは主力市場、パチンコ・パチスロ市場の動向についてご説明いたします。今期の市場規模は、販売台数210万台と想定しまして、業績予想を計画いたしました。厳しい状況が続いておりますが、上期は想定どおりの市場環境で推移したものと分析しております。

市場環境の大きな変化といたしましては、依存症対策の強化を目的といたしまして、来年2月に規則改正が決まっております。

規則改正の内容をおおまかに申し上げますと、出玉性能が現行の3分の2に抑制されておりますので、射幸性の高い、ギャンブル性の高い機種に依存していたこれまでの営業形態から、改めて大衆娯楽に立ち返った運営が求められているという状況にございます。

それから、規則改正前の、現行規則での駆け込み申請が非常に多くなっております。

申請の受付の競争率が10倍以上に対しまして、適合率が約40パーセントと、とても低い状況が続いてまして、試験結果の出るまでの時間も長くかかっている状況から、顧客の販売計画が非常に読みにくい状況が続いております。

このような状況から、下期につきましても不透明な市場環境が継続するものと分析しております。

2018年3月期第2四半期(累計) 損益計算書(前年同期比)

次に、2018年3月期、中間期の業績のご報告になります。ほぼ当初計画どおりの厳しい業績となりました。前年同期比で売上高が約16パーセントの減収。

販管費は、全般的な経費削減の効果で約7パーセント減少いたしましたが、売上総利益が約26パーセントの減益となりまして、各利益が損失に転じております。詳細な数値は、資料をご参照いただければと思います。

2018年3月期第2四半期(累計) 売上高の分析(前年同期比)

続きまして、売上高の分析についてご説明いたします。売上高約34億円、前期比6億円の減収の要因についてご説明いたします。

主力製品のグラフィックスLSIが、前年同期比で21万個少ない26万個の販売になったことが減収の要因でございます。販売数減少の理由なんですけども、前年同期はいわゆる釘問題の対応で、年末に向けたパチンコ機の入れ替えによりまして、特需がございました。

これに対して今期は、足下の適合率の低さとか、規則改正を控えた市場環境の不透明感などから、部品の先行調達が低調だったこと。それから、前期の特需向けに顧客側で準備したデバイスが、まだ顧客の在庫として残っていたこと。さらには、主要顧客のリユース率が向上していることなどから、販売数が減少しております。

それに対しまして、メモリモジュールの販売は好調で大幅増加となったんですけども、グラフィックスLSIの減少分を補えずに、結果として約6億円の減収となりました。また、利益率の低いメモリ製品が、売上に占める割合が高くなっていることから、売上総利益率が低下しているという状況にございます。

2018年3月期第2四半期(累計) 損益計算書(計画比)

続きまして、通期の計画についてのご説明になります。市場環境は厳しいものの、中間期の実績はほぼ計画どおりで、通期の計画も修正しておりません。

もともと下期偏重型の計画でございましたが、9月末時点で受注残も約23億円ございまして、左下に書いてありますけども、足下の受注が回復傾向にございます。

また、受注残にも一部含まれているんですけども、遅れていたグラフィックスLSIを搭載した基盤製品が、下期に出荷される予定でございます。新規の製品なのでリユースもございません。

さらに、メモリ製品も合わせて採用されておりますので、売上に大きく貢献できるものと考えております。また、現時点では主要顧客のフォーキャストも大幅に変更されておりません。

以上のことを踏まえまして、市場規模も想定どおりで推移していることから、通期計画は据え置いている状況にございます。

ただ、厳しいのは間違いなく、不透明な市場環境が継続しておりますので、顧客の販売計画を含めて、市場動向につきましてはこれまで以上に注視していく必要があると考えております。

2018年3月期第2四半期末 財政状態

続きまして、2017年9月末時点での財政状態ですけども、とくに大きな変化はございません。引き続き、健全性の高い財政状態にはあるものと捉えております。

ポイントだけご説明いたしますと、現金同等物が約9億円減少しております。この減少分は、その他の項目に特記して、矢印で注記されてるんですが、現在開発中の第6世代のグラフィックスLSI、AG6の開発費の前渡金約6億円が主なものでして、今年度末にAG6が完成する予定ですので、それに合わせて検収されていくものになります。残りは、上期の事業活動によるもので減少しているということになります。

2018年3月期第2四半期(累計)における新規事業に向けた取り組み

以上が業績関連のご報告になりまして、ここから上期の新規事業の立ち上げに向けた取り組みについてご説明いたします。

まずはAXIPについてですが、ソフトウェアIP・ミドルウェア製品のラインナップに、音声圧縮のC-FAという製品を加えました。今後の予定といたしましては、右側にあります超解像・画像拡大の製品を年度内に販売開始予定で、セキュリティ関連の製品を来年以降に販売予定でおります。

その他にも開発中の製品がいくつかございますので、ラインアップを拡充しまして、まずはゲーミング市場向けに浸透を図りたいと考えております。

それから下側にあります、AXIPを利用したデモアプリを開発いたしまして、「夢幻のラビリズ」という名前で8月1日に正式リリースをしております。累計10万ダウンロードは超えているものの、残念ながら業績には貢献できておりません。

ただ、当初の目的でございました、ゲーム開発者に性能を確認してもらったり、アプリユーザー目線の知見を獲得したり、さらにはパブリッシング事業の仕組みや運営ノウハウなど、今後のAXIPを展開していく上で重要な情報は得られたと考えております。

獲得した知見をもとに、AXIPにフィードバックをかけて、よりよい製品に進化させていきたいと考えております。

2018年3月期第2四半期(累計)における新規事業に向けた取り組み

次が協業関連についてですけども、エスディーテック株式会社につきましては6月に追加出資を実施いたしまして、関係を強化しております。下の図に記載がございます、エスディーテック製のビデオエフェクトツール。

こちらに当社の動画圧縮技術が技術供与されておりまして、大手メーカーのカラオケ操作端末に採用されて、JOYSOUNDの直営店での運営が開始されている状況にございます。

それから、自動車メーカー向けにも採用の検討が進んでおります。車載向けにはカーナビの他、スピードメーターとか情報の表示、センターパネルの部分に複数の表示パネルが搭載されてきていますので、今後ますます需要が伸びると見込んでおります。

2018年3月期第2四半期(累計)における新規事業に向けた取り組み

最後に、NEDOに採択されました研究開発テーマと、ティアフォーについて、協業についてご説明いたします。NEDOの公募事業に提案した研究テーマが採択されまして、東京大学・大阪大学・イーソル株式会社とともに共同参画いたします。

テーマの概略を簡単にご説明します。テーマの具体的なタイトルが表示されてるんですけど、なかなかわかりづらいと思いますので、簡単にご説明いたします。

ティアフォーのCTOを務めております東京大学の加藤准教授という方がございまして、プロジェクトをまとめているのが加藤准教授でございます。

加藤准教授が開発いたしました自動運転向けの基本ソフトウェア、Autowareという名前がついているんですが、そのプラットフォームが中心にございます。

このソフトウェアは、自動運転向けではデファクト的な存在になっているもので、無償で公開されているものでございます。Autowareは自動運転に限らず、記載されているような、右下の、他の想定市場にも応用可能ですので、Autowareを効率よく動作させるためのシステムを共同で開発しましょうというのが、この研究の目的でございます。

当社が担当するのは、Autowareを効率よく動作させるためのLSIの研究開発になります。この研究開発を通じまして、株式会社ティアフォーとも協業いたしまして、ビジネスの方向性を検討していきたいと考えております。短いですが、説明は以上になります。ご清聴ありがとうございました。