1-01 KSKグループ概要
牧野信之氏:本日はKSKの決算説明にお集まりいただき、誠にありがとうございます。KSK管理本部の牧野です。
まず、先月発生した熊本地震の被災者のみなさまにお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
それでは早速ですが、2016年3月期株式会社KSKの決算概要についてご説明します。
KSKグループの概要ですが、株式会社KSKの設立は昭和49年5月です。42年が経過しています。
資本金は14億4,800万円。事業内容としては、3つのセグメントを持っています。
1つ目がシステムコア事業で、半導体の設計および組み込みソフトウェアの開発を行っています。
2つ目がITソリューション事業。アプリケーションソフトウェアの開発、パッケージソフトウェアの開発等を行っています。
3つ目がネットワークサービス事業。各種ネットワークの構築、運用、保守を行っています。
今年の3月末現在、従業員の数は1,717名で、前期末に比べ、79名増員です。
本社は東京都稲城市にあり、本社の他に事業所は日本橋、新宿、川崎、埼玉と全国に9つの拠点を持っています。
続いて関係会社ですが、KSKのグループ会社として、3つの子会社を持っています。
1つは株式会社KSKテクノサポート、主な事業はネットワークのサービス事業を行っており、資本金5,000万円で100パーセントKSKの出資です。
2つ目が株式会社KSKデータ、ITソリューション等の事業を行っており、資本金5,000万円。KSKが100パーセント出資しています。
3つ目が株式会社KSK九州、ITソリューションの事業を行っており、資本金は2,000万円。KSKの出資は90パーセントです。
1-02 事業系統図
これらの関係会社とKSKの関連ですが、ITソリューション事業とネットワーク事業の2つに関し、3つの子会社と関係があります。
2-01 前年同期との比較
業績の概要についてご説明します。
前年同期との比較ですが、2016年3月期の売上高は138億5,900万円、前年に比べ3.6パーセントの増収でした。金額にして4億8,600万円です。
経常利益は11億6,600万円、22.7パーセントの増益。金額にして2億1,500万円の増益です。当期純利益は7億500万円、34.4パーセントの増益。金額にして1億8,100万円の増益です。
2-02 予想値との比較
当初の予想値との比較ですが、利益は当初予想を上回りましたが、売上に関しては若干の未達でした。売上は97パーセントの達成率、約4億4,000万円目標に未達です。
一方、利益は経常利益が11億6,600万円で約17パーセントの超過達成。当期純利益も約5パーセントの超過達です。
要因として、売上は全般的に旺盛な需要があったものの、中途を含め人材の確保が追いつかなく、需要に応えられず、売上は未達でした。
一方、利益は契約条件の改定、高採算案件へのシフト等があり、粗利が大幅に改善しています。
加えて、人材の採用が計画に満たず、人材採用に関わるコストが当初の予算ほど発生しませんでした。
その他の経費も当初の予算を下回り、経費が圧縮でき、利益は当初の予想を上回りました。
2-03 営業利益の増減要因(前期比)
営業利益の増減の要因について簡単に分析しました。
前期の営業利益は9億1,000万円、当期は11億2,500万円で当期の営業増益は2億1,300万円です。この要因ですが、原価の改善で1億9,300万円と増益の要因です。
粗利の改善で18.6パーセントから20.6パーセントと、2ポイント改善しています。また、約5億円の今期増収があり、約1億円の増収の効果で営業利益を押し上げています。
それから2年前に創業40周年を迎え、催し物等を行いました。40周年の関連の経費が合計で1億1,200万円。原価で6,800万円、販管費で4,400万円でしたが、前年度は発生しておらず増益要因としてみています。
一方で、昨年は販管費が1億9,200万円増加しマイナス要因です。合計2億1,300万円の営業増益です。
2-04 販売費及び一般管理費の分析
続いて、販売費および一般管理費の分析です。
3期あげていますが、2014年度は貸倒引当金の戻入れが、4,700万円ほど特殊要因があり、この年度の経費率は11.8パーセントで、3年間の中で低くなっています。
対前年も、採用費、教育図書費といった将来の投資につながる経費が増えており、採用費は2年前に比べ、6,300万円の増加。
教育図書費も人材の育成に絡むものが主体ですが、2,100万円の増加です。これらの支出の費用以外は、前向きな費用の増加が、経費増加の主な要因です。
2-05 セグメント別売上増減(前期比)
ここからはセグメント別の分析です。前期の売上が133億7,300万円。当期は4億8,600万円売上が増えています。前期は一部マイナス減収のセグメントもありましたが、今年度は3つのセグメントすべてが増収でした。
システムコアは8,600万円。前期に比べ約3パーセントの増収。要因は半導体の設計に関しては、非常に強い需要があり、売上の需要に結びついています。
また、車載関連のビジネスも非常に強い引き合いがあり、大きく伸びており、売上の増加に寄与しています。一方で、試験装置開発等の案件は伸び悩んでいますが、トータルでは約3パーセントの増収でした。
続いて、ITソリューション事業ですが、前年度はマイナス成長でしたが、1パーセントながら金額にして1,700万円ほどの増収でした。
要因として、一部先送りの案件がありましたが、ソフトウェアの開発業務の稼働率が大幅に改善しました。
続いて、ネットワークサービス事業は今年度も非常に順調で、一部通信キャリアさん受けの需要が減ったという要因がありました。
それらを吸収し3億7,300万円、率にして約6パーセントの増収でした。
2-06 セグメント別構成比(売上)
以上から、売上全体に占める各セグメントの売上の構成ですが、ネットワークサービス事業が52パーセント全体の半分以上の売上を占めています。
前年との比較は、前期がネットワークサービス事業の売上構成比51パーセントで1ポイントアップしています。一方、ITソリューションは1ポイントダウンの28パーセントという結果です。
2-07 セグメント別利益増減(前期比)
続いて、セグメント別の利益の増減ですが、セグメント利益は前期に比べ、トータルで3億7,600万円の増益でした。
各々の内訳ですが、まずシステムコアは売上の増加および受注単価の改善等が寄与し、7,500万円の増益。利益率に対し、前期に比べ、13パーセントの増益でした。
ITソリューション事業は、ソフトウェア開発業務の稼働率の大幅な改善があり、前期に比べ、約30パーセントの大幅な増益。金額にして1億2,300万円の増益でした。
ネットワークサービス事業は、安定的に増益基調で当期も、旺盛な需要に支えられ、増収効果および受注単価の改善等もあり、率にして16パーセント。
金額にして1億7,800万円の増益でした。
2-08 セグメント別構成比(セグメント利益)
結果、全体に占める各セグメントの利益のシェアはネットワークサービスが52パーセント、ITソリューションが22パーセント、システムコアが26パーセントという構成です。
2-09 セグメント別売上/利益一覧表
以上の内容をまとめました。
セグメント別でみると、利益率が最も高いのは引き続きシステムコアで23.9パーセント。前期に比べ、2ポイントの改善です。2番目に利益率が高いのは、ネットワークサービス事業で18.1パーセント。前期に比べ、1.6ポイントの改善です。
ITソリューション事業も13.7パーセントで、前期に比べ、改善率が最も大きく、改善率3.1ポイントという結果です。
セグメント利益でみると、全体でも売に占めるセグメント利益率は18.0パーセントで前期に比べ、2.2ポイントアップしている結果でした。
2-10 セグメント別業績概況
セグメント別の業績の概要をまとめたものですが、今までの内容を要約したものであるため省略します。
2-11 セグメント別トピックス(システムコア事業部)
セグメント別のトピックを各セグメント別に説明します。
システムコア事業は、当年とも車載関係のビジネスが非常に大幅に伸びました。現在、システムコア事業における全体の売上のシェアは3割です。
非常に高いシェアを車載関係が占めており、特に車載用のマイコンの開発、走行系、安全系、駆動系といろいろなシステムの需要に応えています。
2-12 セグメント別トピックス(ITソリューションズ事業部)
続いて、ITソリューション事業ですが、トピックスとして2つあります。
1つは、前から販売している建設業者向けのERPで住宅マネージャーについて、スマートデバイスの対応ができるように内容の改善を進めています。
また、従来から販売しているコンテンツ変換ツールを持っていますが、新商品を今年の1月に発表し、pronelといった、お客さまのウェブサイトをスマートフォンに対応させたいといったニーズ。
もしくはマルチデバイスに対応したサイトを構築したいといったニーズに応えられるようにと思っています。
2-13 セグメント別トピックス(ネットワークサービス事業部)
ネットワークサービス事業は、引き続き大規模ネットワーク構築案件に取り組んでいます。
紹介したように、最先端の技術を使い、大規模かつ非常に高い信頼性を求められるようなプロジェクト、システムの構築に取り組んでいます。
こういったシステムの開発に取り組むことで、プロジェクトマネージメントの能力も、一層高めたいと思っています。
2-14 お客様別売上構成比(連結)
お客さま別の売上の構成ですが、当期も若干の変化があり、上の円グラフが当期2016年3月期の結果です。
下が前期の構成ですが、当期においてシェアをあげたお客さまは、ルネサスグループさまで、前期に比べ、約2.9ポイントアップしています。
また富士通グループさんも2.1ポイントほどアップし、8パーセントほどになっています。
またネットワンシステムズさんも、1.2ポイントほどアップしており、当年度は約4パーセントの売上構成です。反対に売上の構成比が落ちたお客さまは、NECグループさんで、約2.8ポイント低下しています。
また、東芝グループさんが0.9ポイント低下。ヒューレット・パッカードさんも0.8ポイントほど低下で、このような構成図です。
今年度もお客さまの構成図の平準化が、また一歩進んだと考えています。以上、業績の概要につきましてご説明させていただきました。