2017年9月期 第1四半期 ハイライト
宇佐美進典氏(以下、宇佐美):それでは2017年9月期第1四半期決算説明会を始めたいと思います。
まずは第1四半期のハイライトからご説明したいと思います。
2017年度の最初の四半期でありますこの10-12月につきましては売上高、売上総利益、営業利益、のれん償却前利益などすべての指標におきまして過去最高を更新いたしました。
10-12月につきましは広告の需要期ということもありまして、業績も好調になることも多いのですが、今年はそれに加えまして10月より動画プラットフォームの株式会社「CMerTV」を連結で取り込んだことによりまして、アドプラットフォーム事業を中心に全事業におきまして順調に数字が積み上がりまして、良いスタートが切れたなと思っております。
またトピックスといたしましては、インキュベーション事業の強化領域であるEC領域におきまして、イオングループのカジタク社と家事支援のネット販売について包括的な協業について合意いたしました。
合わせて新会社VOYAGE NEXUSを100パーセント子会社として設立いたしました。また、 これは昨日でございますが、同じく強化領域でありますFinTech領域におきまして、シリコンバレーのベンチャーキャピタルであります、SV FRONTIERとFinTECh領域に特化したSV-FINTECHというファンドを立ち上げたというところが、この第1四半期としてのハイライトというところでございます。
連結売上高 四半期推移
続きまして、連結売上高四半期での推移でございます。
10-12月につきましては、売上高はアドプラットフォーム事業を中心に順調に推移をいたしました。前年同四半期比では、31.8パーセント増の65.7億円というかたちになっております。
連結売上総利益 四半期推移
続きまして、連結売上総利益でございます。
こちらも10-12月におきましては、売上高の伸びに伴いまして、過去最高を更新いたしました。この2年ほど売上高は伸びても、売上総利益率の低下傾向におきまして、売上総利益は伸び悩んでおりましたが、10-12月におきましては前四半期比で5.3億円ほど積み増ししまして、前年同四半期で見ますと29.1パーセント増というかたちになっております。
こちらが伸びた要因として、もちろん売上高の伸びに伴う部分が大きい部分でございますが、売上総利益率が28.6パーセントから32.8パーセントへと4.2ポイント改善したことが大きいと考えております。
なおこの売上総利益率の改善は、株式会社CMerTVのような売上総利益率の高い商材がグループに加わったこと、また全体的に売上総利益率の高い商材の売上が伸びたこと等によるものとなっております。
連結販売管理費 四半期推移
続きまして、連結での販売管理費です。
各事業における先行投資や10月より株式会社CMerTVを連結に取り込んだこともございまして販売管理費が増えておりますが、想定ペースで推移しております。
連結営業利益 四半期推移
連結利益でございますが、売上総利益が大きく伸びたことに伴いまして、営業利益につきましても6.3億円と過去最高を更新いたしました。のれん償却営業利益におきましても、6.9億円と過去最高を更新しております。
連結従業員数
続きまして、連結での従業員数でございます。
こちらは10月から株式会社CMerTVが連結になったことに伴いまして、若干人数が増えまして、12月末時点で305名となっております。
四半期連結損益計算書
四半期での連結損益計算書はご覧のとおりでございます。
なおこちらで営業外収益で8,500万円となっておりますが、こちらにつきましては主に為替差益の部分が8,300万円ほどあるということでございます。
四半期連結貸借対照表
続いて、貸借対照表もご覧のとおりというところでございます。
今後の各事業における基本方針
続いて、通期業績予想とその進捗でございます。まず今期の今後の各事業における基本方針がございまして、まず全体としては大きく2つの方針を立てております。
1つは大規模なM&Aを当分控えて自社内事業拡大、事業開発を重視していくという点が1つ目でございます。
2つ目が主要事業の営業利益の20パーセントを目安に3つ目の柱となるインキュベーション事業へ積極的に先行投資を進めていくと。その上で各事業における方針はご覧のとおりでございます。
中長期での利益成長イメージ
こちらは創業からの売上と営業利益の推移でございますが、創業して17年の中でやはりタイミング、タイミングで大きく投資をして、その投資をした結果で、次に大きく利益成長を売上としても伸ばしていくということを行なってきました。
今ちょうどVOYAGEグループにとって見ると、大きく投資をする3回目のフェーズに来ているというところでございます。
2016年9月期、前期から今期にかけましては、それぞれの事業におきまして先行投資が重なるタイミングということもございまして、いったん営業利益としてはしゃがむかたちでの業績予想を出させていただいております。
この先行投資をしっかりと、この後に続く中長期的な利益成長に繋げていくということで、まず中長期的での利益成長を考えております。
連結売上高予想
これを踏まえて、今期の業績予想とその進捗でございます。
まず売上に関して、順調なスタートを切ったなと思っております。ただ冒頭でもご説明した通り、通期での業績を見ますと、上期であります10-12月、1-3月につきましては広告事業期ということもございますので、ここでしっかり数字を積み上げて行くところがこの1年においても重要だと考えております。
連結営業利益予想
続きまして、連結での営業利益でございます。
こちらにつきましても、順調なスタートを切れたと考えております。通期で見ますと第2四半期以降におきましては、インキュベーション事業での人材採用強化やプロモーション投資、また4月からは新卒採用として20名ほどコスト面での増加が見込まれるというところもございまして、油断はできないと思っております。
とはいえ比較的良いかたちでスタートができたというのが、この2017年9月期だったかなと思っております。
セグメント別営業利益予想の内訳
続きまして、セグメント別での営業利益の予想の内訳でございます。
もともと、この2017年9月期におきましては、前期比では減益の業績予想というかたちで出させていただいておりますが、ここに関しての考え方を改めてもう一度ご説明したいと思います。
まず2017年におけるのれん償却費を除いたセグメント別での営業利益の考え方でございますが、アドプラットフォーム事業におきましては、事業内での先行投資をしつつも、事業環境の変化等を踏まえて保守的に考えて、営業利益につきましては前期と同程度というかたちで考えております。
ポイントメディア事業におきましては、スマートシフトを進めていくなかで、減益を想定しております。
またインキュベーション事業におきましては、強化領域を中心に、人材用強化やプロモーション投資など先行投資を進めていくため、2017年9月期におきましてはマイナス2億円の営業利益を想定していると。
これを踏まえて、この1クオーター終わった時点での進捗でございますが、ご覧のとおり、各セグメントにおきまして順調に進捗していると考えております。
主要事業の概況
続きまして、主要事業の概況です。
まず当社の主要事業でございますが、アドプラットフォーム事業を中心に、ポイントメディア事業、インキュベーション事業の3つで構成されております。
創業時はまずポイントメディア事業中心に取り組んで業績を拡大し、その後そこで培ってきたメディアのマネタイズのノウハウをアドプラットフォーム事業へと事業領域を広げてました。
また中長期で次の事業の柱になる事業を、インキュベーションとして現在取り組んでいるというところでございます。
国内インターネット広告市場
続いて、個別にアドプラットフォーム事業からご説明したいと思います。
ネット広告市場は年10パーセント前後で継続して成長しておりまして、その中でも最近は、運用型広告と言われている領域が、年20パーセント前後で高い成長を続けております。
そのなかで当社のアドプラットフォーム事業は、まさにこの運用型広告市場において、広告のプラットフォームを提供するということを主たる事業として行っております。
2016年度9月期の実績では、アドプラットフォーム事業の売上は、前期比で32パーセントの成長率となっておりまして、この運用広告型市場の成長をさらに大きく上回る成長を遂げているというところでございます。
アドプラットフォーム事業のビジネスモデル
続いてアドプラットフォーム事業としてのビジネスモデルです。
日本最大級のSSPであります「fluct」、スマートフォン向けのアドネットワークとしての「Zucksアドネットワーク」、また「CMerTV」などのアドプラットフォームを展開しております。
広告主につきましては、ブランド系の広告主から、パフォーマンス系の広告主と幅広くカバーするとともに、メディアにおきましてもPC、スマートフォン、アプリといったデバイス上でのプレミアムメディアから専門メディア、CGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)など、幅広く顧客にしているということでございます。
アドプラットフォーム事業売上高 四半期推移
続いて、アドプラットフォーム事業としての売上高の推移でございます。
売上は「CMerTV」が連結で加わったことによるアドオンもございますが、全体として非常に好調に推移したというところでございます。四半期で初めて40億円を越えまして、44.9億円と過去最高(売上高)を更新しました。前年同四半期で言いますと、56.4パーセントの増収というところでございます。
アドプラットフォーム事業売上高内訳 四半期推移
続いて、アドプラットフォーム事業における売上高の内訳での推移でございます。
こちらもサプライサイド、デマンドサイド双方で過去最高を更新いたしました。とくにデマンドサイドでは、「CMerTV」が連結で加わったことによるアドオンに加えまして、大口のクライアントからの受注も重なり非常に順調でございました。
サプライサイドに関しましては、6四半期連続で過去最高を更新しておりまして、安定的に高い成長を実現しております。
アドプラットフォーム事業営業利益内訳 四半期推移
続いて、アドプラットフォーム事業としての営業利益でございます。
デマンドサイドや動画領域への先行投資をこなしつつ、営業利益は4.8億円と過去最高を更新いたしました。これはグループ全体の営業利益の3/4を占めるまでに成長しているというところであります。
ただ、先ほども申しましたように、この10-12月につきましては、大口のクライアントからの受注など、ちょっとうまくいきすぎたかと思っております。
ですので、これはあまり実力値とは思わずに、引き続き先行投資とベースの底上げをしっかり進めていきたいと考えております。
トピックス
続いて、トピックスといたしましては、10月に連結子会社化されました「CMerTV」がバンダイナムコエンターテインメント社と資本提携いたしました。
既存株主からの株式移動によりまして、バンダイナムコエンターテインメント社の持分比率が10.4パーセントというかたちになっております。今後、VOYAGEグループ含めてさまざまな協業を検討しております。
ポイントメディア事業
続いて、ポイントメディア事業になります。まず国内ポイント・マイレージ市場につきましては、野村総研の調査によりますと順調に伸びているというところでございます。
今後も継続的な成長が見込まれております。そのなかで、ポイントメディア事業としてのビジネスモデルですが、ユーザーに対しては無料でお得なサービスを提供する一方で、サイト内での広告掲載またはアンケート回収が主な収益となっておりまして、こういった収益を原資としてユーザーにポイントを付与するといったことを行っております。
当社の特徴といたしましては、アンケートでのポイントがたまる「リサーチパネル」、ショッピングでのポイントがたまる「ECナビ」、ポイント交換としての「PeX」といったネット上でのポイント関連サービスをすべて自社で保有し、結果として実際にショッピングを行っているF1・F2層を中心とした会員データベースを構築しているというところが当社の特徴であり、強みになっていると思っております。
ポイントメディア事業業績 四半期推移
続いて、ポイントメディア事業としての業績でございます。
事業全体といたしましては、PCからスマートフォンへのシフトを進めていくなかで、前年同四半期比で見ますと、売上はじゃっかんの減収となっているものの、売上総利益率の改善や販売管理費を抑えることで、営業利益率は改善傾向にあるというところでございます。
営業利益額も1.3億円と徐々に上向きになってきてはおりますが、引き続きスマホシフトを進めていくなかで、今期はまだまだ苦しいフェーズが続くと認識しております。
ポイント発行残高 四半期推移
続いて、ポイント発行残高です。
現在のポイント発行残高といたしましては、「ECナビ」および「PeX」の合算で27.4億円相当というかたちになっております。これは非常に大きなアセットだと思っておりまして、今後はFinTechともからめてたまったポイントの活用の可能性をいろいろと検討していきたいと考えております。
ポイントメディア会員数 四半期推移
続いて、ポイントメディアとしての会員数の推移です。
「ECナビ」、「リサーチパネル」、「PeX」の会員数は、852万人と順調に増加しております。
トピックスといたしましては、凸版印刷社との協業でポイントがたまるチラシアプリ「ECナビ×Shufoo!」をリリースいたしました。
もともと「ECナビ」におきましては、ネット上でのショッピング志向の強いユーザーを会員としているというところが強みでございます。
このユーザーをリアルな購買活動に移していくところを試行錯誤しておりまして、今までもWeb上でこういったサービスを展開していくことを行っておりましたが、よりユーザビリティの向上を目指して今回アプリ化をいたしました。
O2Oの入口といたしまして、チラシは非常に重要なタッチポイントだと考えております。今後もスマートフォンへのシフトを進めていくなかで、会員データベースを活用した新たな収益源を強化していきたいと思います。
インキュベーション事業
続きまして、インキュベーション事業でございます。
このインキュベーション領域におきましては、主要事業での営業利益の20パーセントを目安に、積極的に先行投資を進めております。
そのなかでもとくに強化している領域が、HR領域、EC領域、FinTech領域の3つの領域でございます。
こちらがそれぞれの領域の概要となっております。
インキュベーション事業 四半期推移
続いて、インキュベーション事業としての四半期での業績の推移でございます。
インキュベーション事業のうち、強化領域は濃い緑色のグラフ、その他の領域が薄い緑色のグラフというかたちになっております。
濃い緑色のグラフにおきましては、前年同四半期比で見ますと、強化領域の売上はHR領域、EC領域の伸びによりまして、大きく増収いたしました。
一方で、営業利益につきましては、主にEC領域におきまして、積極的にプロモーションを行った結果、前年同四半期比では減益となっております。
こちらのトピックスといたしましては2つございまして、1つ目が口頭でもご説明しました、イオングループのカジタク社との協業および新会社の設立でございます。
イオングループのなかで家事支援サービスを展開しているカジタク社と家事支援サービスのネット販売事業について包括的な協業について合意をいたしました。
また、合わせて家事支援サービスのネット販売事業を行う新会社をVOYAGE NEXUSを100パーセント子会社として設立しております。
こちらにつきましては、今は彼らが独自のシステムを作っておりますが、ゴールデンウイークをめどにリニューアルを行いまして、それ以降に本格的にプロモーションを行っていこうと考えております。
今回の提携につきましては、リアル分野に強い企業とネット上での事業開発に強い当社と双方の強みを持ち合うことで、日本ならではの大企業とのコラボレーション型の協業だと認識しております。
引き続きこのようなリアル産業において強みを持っている企業とのコラボレーションとのジョイントベンチャー、協業等を増やしていきたいと考えております。
こちらもトピックスでございますが、FinTech領域に特化をいたしました投資ファンド「FINTECH Fund」の立ち上げを行っております。
こちらは強化領域であるFinTech領域におきまして、シリコンバレーのベンチャーキャピタルであるSV FRONTIERと共同でファンドを立ち上げたというところでございます。
すでにLPといたしましては、日経グループQUICK社横河レンタ・リース社が決まっておりまして、あと数社集めまして、ファンドの規模としては20億円規模のファンドにしていこうと考えております。
こちらにつきましては、FinTech領域における投資だけではなくて、LPと一緒にFinTech領域における事業開発を進め、LPとのコラボレーションモデルを進めていきたいと考えております。以上、簡単ではございますが私からのご説明とさせていただきます。