上期連結業績は増収増益
妹尾勲氏:みなさん、こんにちは。トライステージの妹尾でございます。本日は当社の決算説明会にお越しいただきまして、ありがとうございます。
それではさっそくではございますが、2017年2月期第2四半期決算のご報告をさせていただきます。
まずはお手元の資料、ハイライトでございます。
第1四半期に続きまして、第2四半期も大幅に増収・増益をした結果、上期は順調な滑り出しとなりました。連結の業績は、テレビ事業・DM事業ともに好調に推移いたしまして、売上・利益ともに前期比を大幅に上回って着地いたしました。
売上高は227億300万円。前期比で22.8パーセント増。営業利益は8億6,000万円で、前期比52.7パーセントと大幅に増加いたしました。
8月12日に上期の業績予想を上方修正させていただきましたが、しかしながら、実績はこの時点からさらに上振れて着地をしております。通期の業績予想につきましては、据え置きとさせていただいております。
第2四半期のトピックスでは、ASEANの拠点が順次拡大をしております。インドネシアのMERDIS社との株式の追加取得。タイのテレビ通販会社TV Directへの出資と。また後ほどもご紹介しますが、コーポレートサイトも新たにリニューアルさせていただきました。これが第2クオーターのトピックスでございます。
連結業績サマリー
3ページ目、連結の業績サマリーでございます。お手元の資料のピンク色の列が、当上期の連結の業績でございます。
売上高は、前年同期比22.8パーセント増。売上総利益は、前年同期比で26.9パーセント増となっております。この赤丸囲いですね。
販管費。次は販管費ですが、販管費は前年同期と比べて増加しておりますが、売上高に対する比率としては低下をしております。その結果、四半期純利益は前年同期比58.8パーセント増と、大幅増益いたしております。
営業利益以下がすでに通期の見通しを超過しております。
これは今までも言っているお話ですが、下期は当社のコントロール外でクライアントの出稿意欲が停滞する可能性や中長期的な成長に資するなら多少コストをかけてでも投資を行うという可能性もあります。ただ、現時点では保守的に、通期見通しを据え置きとさせていただいております。
なお、四半期の数値がご覧になりたい方は、33ページ以降に四半期業績を掲載しておりますので、後ほどご覧いただければと思います。
事業カテゴリー別サマリー
4ページ、事業カテゴリー別の売上のサマリーでございます。
中期経営計画で目指している来期末の550億円達成に向けて、各事業カテゴリーごとに鋭意事業を推進おりまして、売上高およびセグメント利益はいずれも増加しております。
とくにご報告したい点といたしましては、ダイレクトマーケティング支援事業が第1四半期から黒字化を継続しております。
これは、ダイレクトメール発送代行事業ですね。レッドオーシャンと言われるDMの業界におきまして、上期のセグメント利益は5,000万円の黒字となりまして、着実に利益が出る体質となってまいりました。
今まではどちらかというと売上に対して大きく寄与をしていただいた企業で、営業利益につきましてはマイナスということが多かったんですが、ようやく営業利益につきましてもプラスを計上する子会社になってまいりました。それによりまして、かなり大きく連結には影響を与えていただいていると思っております。
連結業績サマリー 予実比較
続きまして5ページ、連結業績の予実の比較でございます。上期の業績は予算費でも大幅に上振れております。グラフは当初予算に対する売上高および営業利益の差異の要因でございます。
売上高は、当初予算と比較し28億円ほど増加しておりまして、その内訳はテレビ事業が13億円、DM事業が15億円を寄与したものです。
営業利益は当初予算と比較しまして、5億円増加しております。その内訳はテレビ事業の粗利の増加と人件費等のコストが大幅に減少したことによるものでございます。
次のページです。ここからは事業別に中計の目標および当期の課題に対する上期の取組み状況をご報告させていただきます。
テレビ事業
まずはテレビ事業です。2年以内に取引を開始した新規クライアントの売上高および売上比率につきましては順調に増加いたしました。
当社は上場当初から、上位クライアントの売上構成比率というのが上位5社で約50パーセント強と高く、その取扱商材も健食(健康食品)、化粧品、雑貨に偏っておりました。
よって新規クライアント、とくに新領域のクライアントを増やし育てることで、将来の売上増加を図るとともに、リスクの低下に努めております。その成果が、徐々にではありますが、出てきはじめたというところでございます。
おかげさまで中堅のクライアントも育っておりますので、売上高の増加によって、上位5社の売上高が増加しつつ売上比率が低下しており、顧客分散によるリスク低下というのが順調に進んでいると考えております。
次はテレビ事業の取組み状況の2ページ目です。今年3月から私が営業部門を管掌して、新しい営業体制の強化に努めています。
営業部門の再編成、トップの営業も行うかたわら、全社員を5〜10人の少人数で集めて、私から10個のメッセージ、「メッセージ10」というものを作っているんですが、それを伝える機会を設けさせていただきました。
どちらかというと営業の心得が中心ではありますが、「当社はこうあってほしい」「今後もこうありたい」ということをビジョンとして示している、そういうメッセージを初めて社員に出しました。それを今、車座方式で徹底的に話をして聞かせているところです。
先日終わったんですが、1時間ほど時間を使わせていただいて、そこでほぼ全社員に6月〜9月の3ヶ月間でようやく全社員に話し合う、この写真のように5〜6人のメンバーで話をさせていただいております。
これをやったことでなにが少し変わってきたかというと、営業マンそのもの自体が、どこの方向を向いていて、どう売っていったらいいのか、なにに対して自信を持って売ったらいいのかということが明確にわかった、という声のほうが大きく出ております。
そういう意味ではだんだん、私が言っているクライアント様とのWin−Winの関係、パートナーシップの構築というところを、営業マンたちが自信を持ってやれるようになったのではないかなと。
その結果がすぐに出てるとは思いませんし、我々はまだ慎重に見ていますが、この上期の好調ぶり、もしくは下期の安定振りにつながっているのではないかなと思っています。
隣は放送枠の質の向上への取組みというのもやっています。これは仕入れになりますが、前もこの席では何度もお話をしています、私の念願でありました、我々の持っている放送枠全枠のデータベース化というものが進んでおります。
ある程度、ここにありますように「これまで取り組み」「今期」「今後」という並びで、このようなかたちで、放送枠のデータベースが次々にシステム化されていくということを行っています。
今までは時間をかけて、営業マンや営業デスクの人間たちが一生懸命ちょこちょこと、しこしことやっていた作業が大幅に軽減されるということが起きています。
月に3万〜4万枠の大量の放送枠を各クライアント様へプロパイドするという作業だけでも、本当は大変な作業をしているんですが、その作業をシステム化していくということを、ここ1〜2年の間で非常に速いペースで進めてさせていただいているというところです。
それによって当社の放送枠の質の向上と、当たり前ですが、すべて見える化できますので、どのぐらいで仕入れ、どのぐらいで売っているということがわかったわけで、ここの席でも再三申し上げているように、売価の安定につながってまいりましたし、このメディアの枠についての粗利のポイントは、少しずつですが、上がり始めているというところでございます。着実に施策を進行中でございます。
Web事業
次はWebの事業のお話です。これは後ほど前田からご説明を差し上げますが、これまでテレビで培ってきました強みとか資産を活かして、競合優位性のあるサービスの開発というのを取り組んでおります。
昨年度からは、広告の効果測定ツール「TVエビス」というのを9月20日に晴れて開発を終えて、本リリースとなりました。
これは何度か説明会でもお話をしている、TVを見てWeb購入にいたる貢献度、通称「オフラインアトリビューション」と言いますが、これをもう一歩さらに進化させてリアルタイム化したもので、テレビの放送枠ごとにWebの相関関係をリアルタイムで可視できるツールとなっております。
9ページにTVエビスによる分析のイメージというのがありますが、またこれは追って後ほど前田から説明をさせたいと思っております。
海外事業
続きまして、海外の事業です。ASEANを中心といたしまして、マルチチャネル型の通販の支援サービスというのを行っております。
当初、日本にありますビジネスモデルの横展開ですね。当初は今やっているビジネスモデルを横展開をしていこうと検討しておりましたが、各国のマーケティング調査を済ませた結果、ASEANには自社商品を通販で販売する事業者というのは非常に少ないと。つまり、ナショナルクライアントと言われる方々が少ないということもありました。
逆に、通販支援から一歩踏み込んで、我々が強みにしている商品の目利き、通販の商品でこれが売れる・売れないという目利きを使って、モノを売るんですね。
日本のよい商品をこのASEANの諸国にモノを売る売場として、ASEANを捉えて、国境やチャネルを飛び越えて、ボーダレスな売場拡大とコネクション作りというものを今推進しています。
前期に関連会社化したインドネシアのMERDIS社をはじめとして、タイのTV Direct社、シンガポールのJML社と、順次拠点が拡大しております。
インドネシアのMERDIS社は韓国籍の企業でして、韓国の商品を大量に仕入れ、インドネシア内でのテレビショッピングの会社さん、もしくはeコマースの会社さんに大量に商品を卸している実績のある会社です。
この会社を子会社化し大きくして、日本の商品もこの会社を通じてASEAN各国へプロバイドしていくという狙いがございます。そういう意味では、日本や韓国の商品を仕入れて、ASEAN各国のテレビ、eコマース……。
もう1つはリテイルですね。ASEANの各国でおやりになっていらっしゃるテレビ通販事業社さんたちは、一様にすべてリテイルでコーナー展開をお持ちになっています。ですので、リテイルにもその商品は流れていくというところで。
日本もかなりそういうかたちになってきましたが、当初は日本はどちらかというとリテイルよりもテレビショッピングだけで売っている商品が多かったんですが、ASEAN各国はリテイルは必ずついていると。ですから、オムニチャネルで商品が売れるという仕組みがもうすでにできています。
そういう準備が整ってきている。そこに我々も乗っかって、日本や韓国の商品を流していけたらいいと思っています。
DM事業
次はDMの事業です。DM事業はもちろん利益率のアップと新事業の開発・拡大というのを中計の目標としておりまして。当期は、収益性の高い直接取引のクライアントの獲得と、発送代行よりも川上の領域での収益の獲得に取り組んでおります。
収益性の低い理由の1つは、ほとんどの仕事が、上位概念の代理店から発注ということになります。収益性の高い直接取引のお客様を増やせば、当然ながら収益性は上がってくるということで。その取組みをさせているところでございます。
こうした取組みの結果、売上高は順調に増加いたしておりまして、前年同期比で39.2パーセント増となっております。
DMの取扱通数は順調に今増加しておりまして、年間約2億通と、業界トップクラスでございます。このスケールメリットを活かして積極的な営業活動を実施させていただいております。
当社本体、単体のトライステージとの営業連携も、徐々にですが、増えてまいりました。
利益につきましては、利益率の高い直接取引のクライアントが順調に増加したことや、既存顧客との取引の採算の改善によりまして、第1四半期にグループ化以降初めてのセグメント利益の黒字化を達成いたしました。
黒字が継続しております。通期での黒字化に向けて、引き続き尽力してまいる所存でございます。
海外事業を中心とした投資実績
次は投資ですね。これの現況の報告でございます。
中計にて100億円上限をつけさせてもらって、100億円規模の投融資枠を設定し、各事業の戦略を後押しするべくM&Aを積極的に推進しております。第2四半期もこちらに記載のとおり、積極的に投資を進めております。
なお、2015年にタイに設立した合弁会社「ROSE STAGE」につきましては、タイでの経営資源をTV Directに集中をするということにさせていただいて、残念ながら撤退をいたしました。
これらの結果、2016年9月までの投融資の実績額は合計で22.7億円となりました。
連結貸借対照表
13ページは連結の貸借対照表でございます。
昨年10月、発行済み株式の22パーセントにあたる168万株を主要株主様から自己株式として取得をいたしましたところにより、一時的に現預金が減少いたしましたが、3月に行った借入れ、および5月に行った自己株式の処分によりまして、再び現預金が増加しております。
また積極的なM&Aによって、投資の有価証券が増加してきております。
総資産は前期末と比べ64億2,400万円と増加し、162億8,500万円となりました。
100億円規模の投資を推進するにあたりまして、財務の安定性・健全性の確保にも注力をいたしております。
当上期は前期末に比べ、自己株式の処分により、一株あたりの純資産額は増加した一方で、新規借入れによりまして、自己資本比率はほぼ横ばいとなりましたが、50パーセントを超える健全な水準を保っております。
キャッシュフローにつきましては、第1四半期から引き続き営業キャッシュフローがマイナスとなっておりますが、支払サイトが長い優良な大口顧客との取引が増加したことによるものでございます。
業績サマリー
続きまして、15ページ、トライステージ単体の単体の業績サマリーでございます。上期業績は、既存のクライアントおよび新規のクライアントとともに取引は好調に推移いたしました。
売上高は、前年同期比14.5パーセント増。営業利益は、前年同期比40.1パーセント増となりました。
販管費は、各種戦略を履行するための人員増により人件費が増加したものの、前年その他に計上しておりましたメディア向けの10周年の記念行事や株主総会の対応などの費用が発生しなかったために減少いたしました。
その結果、四半期の純利益は前年同期比47.9パーセント増と、大幅に増益しております。
中期経営計画の配当政策について、改めてご説明させていただきます。当社は2015年4月に発表いたしました中期経営計画にて、中期経営計画計画中の3年間は配当性向を100パーセントを目指すという方針を発表いたしております。
この配当性向につきましては、単体の財務諸表で計算された、1株あたり当期純利益金額を基準としておりまして、2年目の当期は1株あたり76円の配当を予想しております。
なお、中期経営計画期間後の配当性向につきましては、現時点では未定ではございますが、株主還元と財務健全性のバランスを鑑みさせていただきながら、なるべく減配とならないように検討してまいる所存でございます。
続いて、3月に当社グループに参入しました日本百貨店、これは「日本(にほん)百貨店」と読まずに「日本(にっぽん)百貨店」と読むんですが、日本百貨店をご紹介させていただきます。
この日本百貨店は、日本の“モノづくり”と“スグレモノ”というのをテーマに、日本の特産品、名産品を目利きによって仕入れて、日本百貨店というブランドで、東京・横浜のエリアに9店舗。
この左下に書いてありますが、「日本百貨店おかちまち」から始まって、7月にオープンしました「グランスタ」ですね、「日本百貨店とうきょう」ですが、こちら合わせて9店舗展開しております。
直近では、先ほども言いましたグランスタに、このような「日本百貨店とうきょう」というのを作って、おかげさまで大変賑わっているということでございます。みなさまの出身地の名産品にも出会えるかもしれません。東京駅をご使用の際はぜひお立ち寄りいただければと思います。
これはよくある県のアンテナショップを横串にしたセレクトショップだというイメージで見ていただければいいかなと。そうしますと、塩辛1つとっても80商品ぐらい集まると。非常に変わった展開をしているところでございます。おもしろい商品たくさんございます。食品や雑貨も合わせてありますので、ぜひご覧いただければと思います。
最後となりますが、この9月1日にコーポレートサイトをリニューアルいたしました。これまで長らく単体をベースにした企業サイトではございましたが、当社グループの事業を容易にご理解いただけるように、デザインを一新しております。
また、スマートフォンやタブレット端末でのご利用が増えておりますので、端末によって自動で最適なモニター幅で表示されるレスポンシブデザインを採用させていただています。
今後もみなさまの利便性を高めながら、適宜最新の情報を発信してまいろうと思っております。ご意見・ご要望ございましたらお寄せいただければ幸いでございます。
このあとのページにつきましては、ご参考としてビジネスモデル、外部環境、中期の経営計画、業績の推移、株式、会社概要等を掲載しておりますので、ご参照いただければ幸いです。
以上で私からのご説明を終わらさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。