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トーセイ・リート投資法人3451

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目次

大河内幸貴氏:こんにちは。トーセイ・アセット・アドバイザーズ株式会社REIT運用本部長兼投資運用部長の大河内です。本日はお忙しい中、トーセイ・リート投資法人の第22期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

それでは、さっそくですが決算の説明に移ります。本日の目次です。

トーセイ・リートの概要(2025年10月31日時点)

トーセイ・リートの概要をまとめています。

サマリー(1)

第22期サマリーをご覧ください。今回の決算サマリーは、次のページを含む4点を記載しています。詳しくは後ほどご説明しますが、ここではポイントのみお伝えします。

まず1点目は、分配金についてです。第22期の分配金は、前期比プラス63円の3,875円となりました。売却益や内部留保の取崩しを除いた巡航ベースでの利益分配金として、3期連続で過去最高額を更新しています。地道な賃料増強策が安定した分配金の拡大につながっています。

2点目は内部成長です。リーシング環境が改善し、テナントの入替えや更新時の賃料増額の件数割合が順調に拡大しています。あわせて、賃料の変動についても右肩上がりで増加している状況です。

3点目は外部成長です。手元資金と借入を活用し、ファミリーレジを1物件取得しました。詳細は後ほどご説明しますが、トーセイ・リートが得意とする物件です。

サマリー(2)

4点目はバリューアップ事例です。物件のバリューアップ施策として、DBJ Green Building認証の取得を推進しました。築30年以上の3物件で1ランクアップを達成し、新たに2物件でDBJ Green Building認証の3つ星を獲得しました。

地道に取り組んできた物件価値やテナント満足度の向上施策が、評価として反映されたものと理解しています。

第22期(2025年10月期)決算概要(1)前期比較

決算概要です。第22期(2025年10月期)の決算概要をご説明します。まずは前期との比較です。

第22期は、賃料単価の上昇や物件取得効果による賃料収入の増加により、支払金利や各種コスト増加をカバーし、各利益段階で増益を確保しました。分配金については、前期比で63円増配となりました。

第22期(2025年10月期)決算概要(2)予想比較

予想比較についてご説明します。第22期は、住宅を中心とした賃料の上振れに新規物件取得効果が加わり、営業収益及びすべての利益段階で大幅な超過達成となりました。

分配金は前回予想比で135円増加し、3,875円となっています。利益相当部分の分配金が前回予想比で194円上振れしたことに伴い、当初予想していた内部留保の取崩し(59円)は実施せず、今後の安定分配継続のために温存しました。

1口当たり分配金の推移

1口当たりの分配金の推移についてです。すでにご説明のとおり、第22期の分配金は3,875円で着地しました。巡航ベースでの分配金としては、3期連続で過去最高額を更新しています。リートマーケットが軟調となって以降、分配金成長が確保できる無理のない外部成長と、物件の付加価値向上による地道な内部成長を積み重ねてきました。この結果、巡航ベースの分配金支払い能力が向上し、譲渡益に頼ることなく、無理のない分配金成長を実現しています。

稼働率の実績

運用実績についてご説明します。スライド左下の稼働率の実績をご覧ください。第22期末の全体稼働率は97.4パーセントとなりました。前期末比では0.1ポイント低下しましたが、前回予想対比では1.3ポイント上振れしています。

オフィスについては賃料アップを優先した結果、稼働率が低下しましたが、リーシング環境は改善傾向が継続していると認識しており、引き続き賃料アップを推進します。

商業施設は前期末比で0.2ポイント低下し、96.6パーセントとなりました。引き合いは増加しているため、低稼働物件を中心に早期リースアップを目指します。

住宅については賃料アップを重視する方針に転換しましたが、稼働率も順調に上昇し、前期末比で0.9ポイント上昇の98.0パーセントで着地しました。引き続き、積極的に賃料アップを推進していきます。

スライド右の表には、保有する63物件のうち、第22期末時点で稼働率が90パーセントを下回る4物件を掲載しています。前期末から1物件増加していますが、いずれも稼働率80パーセント台を維持しており、抜本的な問題が発生している物件はありません。

「日本橋浜町ビル」は、前々期末から空室箇所を変えながらも稼働率が90パーセント未満となっている物件です。現在、引き合いも活発化しており、賃料上乗せとあわせて早期リースアップに注力していきます。

「JPT元町ビル」については、2025年5月に199坪の退去が予定されており、リーシングと並行して共用部の大規模リニューアル工事を進めています。2026年3月完工の予定ですが、物件価値を高めることで賃料アップを目指します。

「本厚木トーセイビル」はテナントの入退去があるものの、稼働率が90パーセント未満の状況が続いています。この物件については、稼働率を優先したリーシング活動を強化していきます。

「和紅ビル」は、退去が入居を上回る状況が続き、稼働率が下がっている物件ですが、引き合いが増加傾向にあり、稼働率の回復が期待できる状況です。

スライド右下には、稼働率が改善した好事例を記載しています。

1つ目の「マイルストン東久留米」は、近隣で温泉施設を含めた商業施設の開発が進み、地域が活性化しています。法人営業を強化し、内覧会を開催するなどの対応を行った結果、複数の法人によるまとめ借りのニーズを捉え、安定して高稼働を維持できる状況となりました。

2つ目の「T's garden西船橋」は、一時的に退去が増えましたが、賃料アップを実現しながら満室稼働へと回復した事例です。今後も入替えや更新時に、積極的に賃料アップを進めていきます。

賃料の状況(新規契約・解約)

賃料の状況です。第22期に発生したテナントの入退去による月間賃料の増減については、稼働率の低下により、9万9,000円の微減となりました。オフィス・商業施設で減少した賃料の大部分を、好調な住宅部門でカバーしています。

スライド左下の表では、同一区画におけるテナントの入替えによる賃料の変化を比較しています。第22期中に発生した224件の入替えのうち、187件で賃料の増額が実現しました。増加した件数割合は83.5パーセントで、前期の68.5パーセントをさらに上回っています。

第22期の賃料増加については、前期と比較して減少していますが、スライド左下に記載の注意書き2つ目にあるとおり、第21期における大口増額要因がなくなったことによるものです。

直近のリーシング環境を見ても改善傾向に変化はないと認識していますので、今後も積極的に入替えによる賃料増額を進めていきます。

賃料の状況(賃料改定)

更新時の賃料改定状況です。更新時増額件数の割合は37.3パーセントとなり、前期実績を5.3ポイント上回りました。

月額賃料は155万7,000円の増加となりました。賃料増額率は5.0パーセントで、前期比で1.7ポイント拡大しています。

季節要因により、10月期の更新件数は4月期に比べて減少する傾向がありますが、増額件数割合とともに増額率も改善しているため、月額賃料は前期比で76パーセントの増額を確保しました。今期もすべてのアセットタイプで増額改定が進捗し、減額改定はありませんでした。

資産価値の維持・向上への取り組み(CAPEX投資)

CAPEX投資についてご説明します。第22期も、物件の資産価値、環境性能、テナント満足度向上に寄与するCAPEX投資を積極的に進めてきました。費用対効果を見極めた投資を心がけ、稼働率の向上と賃料水準の引き上げにつなげています。

スライド左のグラフは、CAPEX投資額及び減価償却の推移を表したものです。第22期のCAPEX投資額は、前期からのずれ込みなどもあり増加しましたが、今後も減価償却の7割から8割程度を目安に、積極的に実施していく方針です。

今期は、「東戸塚ウエストビル」でエレベーターリニューアル工事を実施したほか、「T's garden蕨Ⅱ」や「クエスト山手台」でテナント満足度向上も兼ねた大規模修繕工事を行いました。

保有物件全体の状況を把握し、バリューアップと機能向上のバランスを取りながら、着実に設備の更新を進めています。

資産価値の維持・向上への取り組み(共用部リニューアル)

第22期においても、賃料アップを目指したリニューアル工事を進めてきました。「クエスト山手台」では、掲載のとおり各種修繕・リニューアル工事を実施しています。

直近の入替え賃料は18.6パーセント増加しており、今後も入替えや更新の際に賃料の拡大を進めていきます。

「T's garden蕨Ⅱ」では大規模リニューアル工事を実施し、10月に完工しました。テナント平均賃料を10パーセント以上増加させる賃料設定で募集を行い、すでに申し込みが入っています。

スライド右下の「KM新宿ビル」は、第19期に実施した共用部リニューアル工事により、大口の賃料増額に成功した物件です。入替えでは、2025年3月に33.3パーセント増額で成約し、2025年7月半ばより賃料が発生し、第23期には通期で寄与する予定です。

更新においては、48.7パーセント増額で契約しました。段階的な賃料アップとなっており、第23期以降5期にわたり賃料増額が継続する予定です。

資産価値の維持・向上への取り組み(専有部リニューアル)

専有部のバリューアップ工事の事例を紹介します。住宅を中心に、専有部のバリューアップ工事が賃料アップにつながっています。テナントの入替えに合わせ、資産の状況を確認しつつバリューアップ工事を進めていますが、進捗状況はまだ低水準にとどまっています。今後も継続して実施していく方針です。

第22期(2025年10月期)取得物件の概要

2025年8月末にファミリーレジを1物件取得しました。共有部に加え、専有部全室のリニューアル工事がすでに完了しており、高いクオリティを有しています。

全室が80平米を超える間取りで、車種に制限のない平置き駐車場やトランクルームも完備されており、子育て世代のファミリーにとってニーズの高い物件となっています。

また、前所有者がテナントゼロの状態から稼働率を優先してリーシングを行っていたため、賃料には約10パーセントのギャップがあると認識しています。

手元資金と借入金を活用することにより、分配金の成長につながっています。第23期には通期で寄与することで、分配金が54円上乗せされると予想しています。

第22期末鑑定評価額及び含み益の状況

第22期末の鑑定評価額は、新規に取得した物件を含め1,005億円です。含み益は前期末比で9億円増加し、186億円となりました。各アセットタイプとも含み益が拡大し、含み益率は22.7パーセントとなっています。

ポートフォリオの推移

ポートフォリオの推移です。第22期末の資産規模は837億円、物件数は63物件となりました。直近では、住宅を中心に物件取得を進めた結果、住宅の保有比率が52.7パーセントとなり、安定性を維持しつつ成長性を確保しています。

1口当たりのNAVは、前期末比で2,449円上昇し、15万9,522円となりました。

財務運営(1)

財務運営についてです。2025年8月末に物件取得資金の一部として、6億円のブリッジローンを実行しました。また、11月末には合計40億円の長期借入を実施しました。返済期限は5年と6年で調達し、出来上がり金利と返済期限の分散を考慮した運営を行っています。

財務運営(2)

各種財務指標は記載のとおりです。保有物件の大半が賃料交渉に適した短期契約形態であることを踏まえ、リファイナンス資金の50パーセントについては変動金利で調達しました。

なお、期間6年の固定金利と変動金利のベースレートの差は1.2パーセント程度あり、変動金利を採用することで当面の利払い低減メリットを享受できます。また、借換え後も固定金利比率は84パーセントを維持しており、金利上昇に対する耐久性も備えています。

鑑定LTVは40パーセントを下回る水準に低下しており、資金調達力が増しています。LTVについては、引き続き総資産をベースとしますが、保有資産の分散を背景に安定した業績が見込めることから、総資産LTVを50パーセント水準まで引き上げることも視野に入れています。

第23期(2026年4月期)・第24期(2026年10月期)の運用サマリー

業績予想についてです。第23期(2026年4月期)及び第24期(2026年10月期)のサマリーをまとめています。

最初に分配金についてです。2026年4月期の分配金は、前回予想から60円上方修正し、3,800円としています。また、巡航ベースの分配金でも69円の上方修正となっています。

2026年10月期は、第23期と同額の3,800円を維持する予定です。オフィスや商業施設の稼働率回復を想定し、第24期では賃料の増加が通期で寄与することから、巡航ベースでの分配金は前期比で22円の増加を見込んでいます。

今後もトーセイ・リートらしい堅実な運営を行い、着実な上振れを目指していきます。

続いて、外部成長についてです。今後も東京経済圏の物件取得を主体としつつ、利回りの確保に貢献する地方物件の取得も目指していきます。

JREITマーケットはまだ回復途上にあると認識しており、手元資金の活用や物件の入替えを含め、分配金の安定的な成長を追求し、投資主価値の最大化を実現していきます。

次に、内部成長についてです。2026年4月末の想定稼働率は、前回予想から0.4ポイント上方修正して96.4パーセントとしています。全体的には、従来と同等の保守的な設定とご理解いただければと思います。

ただし、オフィスや商業施設の引き合いが活発で確度の高い申し込みも入っていることから、オフィス・商業施設の稼働率回復を織り込む一方で、高稼働となっている住宅については若干強めのストレスをかけています。

2026年10月末時点では、一定の入退去を追加で織り込み、96.2パーセントと想定していますが、これをしっかりと上振れさせることを目指していきます。

ESGについてもトーセイ・リートらしい進化を追求していきます。築年数の経過に伴う各種機能の低下については、費用対効果を見極めた設備投資によってカバーし、サステナブルな運営を推進します。

第23期(2026年4月期)・第24期(2026年10月期)の業績予想

第23期及び第24期の業績予想についてです。第23期は従来同様、想定稼働率を保守的に算出する一方で、物件取得や賃料アップにより営業収益は前期比横ばいを計画し、支払金利や各種コストの増加により、減益減配の予想となっています。

前回予想対比では、営業収益及び各利益段階で上方修正を行っています。新規物件の取得を反映させたことに加え、市場金利を現行水準に引き直したことで、金融収支が改善したことが要因です。

第24期は、期末の稼働率が0.2ポイント低下すると想定していますが、第23期末までに稼働率の回復を見込むオフィスや商業施設の賃料が通期で寄与することから、第23期対比で増収増益となる予想です。分配金は内部留保取崩しの調整により、第23期対比で横ばいとなる計画です。

分配金の予想について

分配金についてです。第23期の分配金は、前回予想を60円上方修正し、3,800円を予想しています。巡航ベースでは69円の上方修正となります。賃貸事業収入は確実に増加していますが、各種経費増を追加で織り込むなどの調整を行っています。

第24期の分配金については、支払金利やその他のコストのさらなる上昇を織り込んでいますが、賃貸事業収支の改善で賄う予定です。

これまで同様に、稼働率の上振れや賃料アップを推進することで、第23期以降も右肩上がりの分配金成長を目指していきます。

ESG(トピックス・外部評価・イニシアティブ)

ESGトピックスです。第22期も環境対策を含めた物件価値の向上に取り組みました。物件機能の改善により、築年数30年以上の3物件でランクアップを実現し、新たに2物件で3つ星を取得しました。

この結果、認証取得比率は46.8パーセントとなり、うちグリーン適格資産の割合は56.8パーセントに上昇しています。今後もトーセイ・リートらしいESG貢献を続けていきます。

ESG(環境)

環境認証の取得状況や環境パフォーマンス、共用部のLED化率、環境改善工事の実施例を掲載しています。

ご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

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