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株式会社セラク6199

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宮崎龍己氏:株式会社セラク代表取締役の宮崎です。本日はご多忙のところ、弊社の決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。

私より2025年8月期通期決算概要および当期計画と株主還元、そして中期成長ビジョンについてご説明します。それでは、よろしくお願いします。

2025年8月期 連結業績

はじめに、2025年8月期通期決算概要からご説明します。

こちらは2025年8月期連結業績となります。当事業年度は、案件単価の上昇やDX領域の伸長、エンジニアの高稼働率維持により、売上高は247億7,600万円と、前期比で増収となりました。

また、積極的にビジネスパートナーを活用することによって、採用・教育費、エンジニアの待機コストが減少し、営業利益は25億5,000万円と、前期比で増益となりました。

通期計画に対しては、売上高、営業利益ともに達成しました。

2025年8月期第 連結業績(セグメント別)

次に、セグメント別の売上高、損益となります。弊社では、報告セグメントをSI領域、DX領域から構成されるデジタルインテグレーションセグメント、農業・畜産のDX化を支援するみどりクラウドセグメント、主にハードウェア領域を取り扱う機械設計エンジニアリングセグメントの3区分に分けています。

デジタルインテグレーションセグメントにおいては、ビジネスパートナーの活用やエンジニア教育による高付加価値化、Salesforce、COMPANYの運用定着支援を中心とするDX領域の伸長が順調に進み、事業規模は拡大しました。

その結果、将来の成長に向けた先行投資をしつつも、デジタルインテグレーションセグメントの売上高は238億8,100万円、営業利益は26億1,100万円と、前年同期比で増収増益となりました。

成長戦略の進捗状況

こちらでは成長戦略の進捗についてご説明します。IT人材プラットフォームに登録されているビジネスパートナーは2,000社を超え、当社案件とパートナーエンジニアのマッチングも着実に増加しています。

DXシフトについてはSalesforce、COMPANYの運用・定着支援の需要が旺盛だったことに加え、積極的な採用や組織体制の強化を行ったことで、DX領域の売上構成割合は前年同期と同水準で推移しました。

収益性向上に向けた取り組みについては、エンジニア育成による技術力の強化と、営業活動に注力した結果、高付加価値案件が増加しました。当社が注力している「みどりクラウド らくらく出荷」については、複数のJAで導入が進んでいます。また、導入を検討するJAも増加しています。

2026年8月期 連結業績計画

続いて、2026年8月期連結業績計画をご説明します。

売上高および営業利益の計画値はご覧のとおりです。今期は、安定した需要環境のもと、引き続き増収増益を見込んでおり、売上高は274億円、営業利益は28億5,000万円を計画しています。

AI・クラウド・農業DXを中心とした高付加価値領域へのシフトを加速させ、収益基盤の強化を図ることで、持続的な利益成長を実現していきます。

配当金および投資家との対話状況

次に、配当金および投資家さまとの対話状況に関してご説明します。現在当社では、2024年からの資本政策により継続的な自己株式の取得や消却を通じ、株主のみなさまへの還元を強化してきました。

これにより、2026年8月期の1株あたり配当金は、業績連動配当に定める16.9円に加え、自己株式消却に伴う増配の0.5円を加えた17.4円で予定しています。

また、2025年8月期は、個人投資家向けセミナーも継続的に実施し、幅広い層への情報発信を行うことで、経営方針への理解を深めていただける機会を創りました。

今後も株主・投資家のみなさまとの建設的な対話を通じて、信頼関係のさらなる強化を図り、株主価値の最大化を実現していきます。

中長期の利益最大化を目指す経営方針

最後に、中期成長ビジョンについてご説明します。

当社は、中長期の利益最大化を目指す経営方針を掲げています。規模が大きく、積上継続型での成長が特徴のシステムインテグレーション領域をベースに、高い利益率、成長性が期待できるデジタルトランスフォーメーション領域や、自社サービス、AIサービスに積極的な投資を行っています。

AI活用による高利益体質への転換

直近では、AI活用による高利益体質への転換を実現するため、粗利率向上と販管費率低減の両面での取り組みに着手しています。

具体的には、社内人材のAIシフトを進め、高い生産性を生み出せる人材を育成するとともに、その人材に伴走し、それぞれの業務や顧客と案件に特化した機能を持つAIサービスの開発・導入を進めています。

また、社内業務のAI化による販管費率の低減に加え、AI駆動型の採用や人材育成にも取り組んでいきます。

今期は、これらの活動を推進し、AIサービスの開発をリードする専任の体制を置いています。

一方、足元では引き続き労働集約的なIT人材需要も堅調に推移しており、これらのニーズに対しても着実に対応していきます。

AIサービス企業への変革ステップ

AIサービス企業への変革ステップはご覧のとおりですが、今期は「STEP1|基盤構築期」として当社では位置づけており、AIサービスの開発やAI人材の育成に着手し始めています。

そして3年後から5年後には、SI領域、DX領域ともに、これまでの労働集約型サービスからAIを基軸とした高付加価値サービスへの転換を行っていきます。

中期成長ビジョン

AIにより当社事業を取り巻く需要の変化が想定されることから、中期的な成長ビジョンについては見直しを行います。

今後、需要変化の見極めが完了した時点で、成長ビジョンをアップデートすることを予定しています。

成長戦略① IT人材プラットフォームの拡大

次に、足元の成長戦略についてご説明します。

成長戦略の1つ目は、IT人材プラットフォームの拡大です。前期より重点施策として取り組んでおり、前期はパートナー企業数が大きく増加しました。案件へのパートナーの参画も順調に増えており、今後は優良パートナーとの関係強化や、大型案件での協業に注力していきます。

成長戦略② 高付加価値化

成長戦略の2つ目は高付加価値化です。DXシフトとして、顧客管理・営業管理システムのSalesforce、人事・労務システムのCOMPANY、業務プロセスデジタル化のintra-martを手掛けています。

この領域は、現在でも全社平均を上回る高い売上成長率と利益成長率で推移しており、全社の売上に対する構成割合が30パーセントを超えるまでに成長しています。

これは、当社のカスタマーサクセスが付加価値として市場で評価されていることに加え、人材の希少価値が高く、先行優位性を有していることが理由です。

今後も、カスタマーサクセス国内ナンバーワンのポジションを確立し、利益率をさらに高めながら、売上成長率も高めていきます。

また、引き続き、単価を高く設定できる準委任・請負案件の獲得に注力していきます。

成長戦略③ 新規事業収益化

次に、「らくらく出荷」についてです。当社では2014年から、農業を含む一次産業の将来課題にITで貢献するみどりクラウド事業を開始し、ビニールハウスなどの圃場環境をIoTでモニタリングする「みどりクラウド」、その技術を畜舎環境用に応用した「ファームクラウド」に加え、培った技術を農水産ソリューションとして提供してきました。

その中で、JAひろしまさまとの取り組みにより、青果の集出荷業務を効率化するQRコードとスマートフォンアプリを使った「らくらく出荷」を開発しました。

これが、大きな効率化をもたらすと評価され、複数のJAで導入が進んでいます。今後、流通ラベル数の増加に応じた売上・利益の拡大が見込まれています。

直近では、年間7,000万件の流通量を目標とし、将来的には集出荷以降の工程へのサービス拡大や、漁業など、農業以外の流通にも応用を見込んでいます。これはまさしく農業のDX化の本流となるものです。

さらに、企業向け生成AIサービス「NewtonX」の開発実績をもとに、業務領域や案件に特化したAIサービスを開発していきます。

すでにSalesforce運用支援AIとしてサービス名「AZUSA」が成果を上げており、今後、IT運用自動化など当社事業とシナジーが効く領域でのAIサービスを生み出していく考えです。

市場に対する当社のアプローチ

当社は、成長可能性が高い市場に対していち早く参入し、独自のポジショニングを確立するという方針で事業を展開しています。

今後は、AIによるIT業界の構造変化を見据え、AIサービスと高付加価値DX人材の育成によって利益成長を実現していきます。

DX領域の市場ポテンシャル

現在、世界のクラウド市場は拡大を続けており、2024年には100兆円規模を突破し、2030年までには150兆円規模まで拡大することが見込まれています。特に、企業のITシステムのクラウド化とAI活用がさらに進むことが予測されています。

DX領域の成長性

当社は、これを「クラウド化による新市場の出現」と捉え、旧来のIT人材とは大きく異なるスキルを持つ、カスタマーサクセス人材の育成で優位性を獲得しています。

今後は、自社サービスであるSalesforce運用支援AIの「AZUSA」によってさらなる付加価値化を実現していきます。

みどりクラウドの対面市場と成長シナリオ

「みどりクラウド」においては、国内農業生産のうち集出荷業務のデジタル化を現在のマーケットとしていますが、「らくらく出荷」の利用数を伸ばし、漁業などへの転用や食品流通分野への進出も視野に入れています。

M&A方針

M&Aについては、当社事業と親和性の高い企業に対するM&Aを目指しています。具体的には、当社事業関連領域において強みを持つ企業に対し、当社の営業力・採用力・教育力の投入によって大きく事業拡大が見込めることを重視しています。

直近では、2024年にグループ入りしたAND Think株式会社について、グループ入り後に事業成長スピードが加速しました。

同じく2024年にグループ入りした株式会社マインドは、吸収により事業子会社セラクCCCと一体となったことで、当社の営業基盤を活かし高付加価値案件の獲得につながっています。

今後も、適正な価格で取得できる好条件の案件に対して積極的に検討を行っていきます。

ご説明は以上です。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

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