ミガロHD、不動産事業の販売価格の上昇で格段階利益が増益、通期業績予想を上方修正 期末配当を増配
2026年3月期 第2四半期決算説明
中西聖氏:みなさま、こんばんは。ミガロホールディングス代表取締役社長の中西です。平日の遅い時間にもかかわらず、多くの方にお集まりいただき、ありがとうございます。本日は2026年3月期第2四半期の決算発表を行います。
今回の公募増資に関して、さまざまな市場の反応やご意見を頂戴したことについて、真摯に受け止めています。また、この短期間での株価下落についても、経営陣として非常に重く受け止めています。
今後の柱となる3事業のさらなる成長を考慮した場合、この決断を適切に活用し、成長速度をさらに高めることで、確実に返していきたいと考えています。
目次

さっそく決算発表を行います。会社概要、2026年3月期第2四半期連結決算の概要、業績予想・配当の修正、今回のオファリングの概要・目的、各事業の内容と将来の展望についてお話しします。
通常は「1時間で」と言いながら時間が過ぎていくのですが、今日はよりインタラクティブに進めるべきだと思いますので、説明は少し速めの速度で進行します。
会社概要

会社概要です。役職員は約600名で、ミガロホールディングスは2023年10月に設立されました。本社は西新宿にあります。
沿革・売上推移

売上高の推移についてですが、今期は600億円を目指しています。
2026年3月期第2四半期の決算ハイライト①

第2四半期連結決算の概要です。DX不動産事業では、新築の竣工時期によって四半期ごとにばらつきが生じます。そのため、期初に各四半期の売上高を表示しているのが青いグラフです。
今期は、新築物件の決済が第4四半期に集中することから、ミドル、ロー、ハイというかたちで推移を表していましたが、現時点では、第1四半期と第2四半期ともに若干の上振れが見られました。
2026年3月期第2四半期の決算ハイライト②

第2四半期決算のハイライトです。DX推進事業における顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」の導入が伸びており、DX支援のシステム開発も順調に進捗しています。赤い点線は通期の売上予想を表しています。
営業利益は、DX不動産事業の不動産の販売単価が伸びたことにより、前年比8パーセント増の21億円となっています。
2026年3月期第2四半期の決算ハイライト③

当社のKPIについてです。不動産の購入見込み客となる会員数は前年比で6,000人増加し、順調に推移しています。不動産の販売戸数は775戸で、前年比で38戸の減少となりましたが、こちらについては後ほどご説明します。
「FreeiD」のマンション導入棟数は前年同期比で146棟増加し、約2倍となる264棟に達しました。また、ストック収益である賃貸管理戸数や建物管理戸数が順調に拡大しており、デジタルインテグレーションの稼働案件数も着実に伸びています。
2026年3月期第2四半期 連結損益計算書

売上高は前年比マイナス1.2パーセントとなりました。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比約2パーセントから約8パーセント増加しています。この結果は、前年同期に比べ新築マンションの販売・引渡し戸数が増加したことにより全体として粗利率が高くなり、また、賃料の上昇を背景に中古マンションの販売単価上昇が寄与したためです。
2026年3月期第2四半期のセグメント別業績

セグメント別の業績です。売上高がDX推進事業で前年比3.8パーセントの増加、DX不動産事業では前年比1.4パーセントの減少となっています。
DX推進事業

DX推進事業に関しては、売上高は新規受注の増加により前年比3.8パーセント増収となっています。また、セグメント利益はマイナス8,300万円となっており、これは一過性のM&Aコスト約6000万円の計上を含んでいます。一過性のコスト計上を除けば収益性の向上により、赤字は縮小しています。
テック人員構成 > DXを支えるIT人員

テック人員構成ですが、今回、ユー・システム・クリエイション社が仲間に加わったことで、28名増加し、IT人員は363名となりました。
DX不動産事業

DX不動産事業に関しては、新築の販売ポートフォリオが高まった上で、売上高は総じて横ばいとなりました。一方、新築のポートフォリオが増えたことと販売価格が想定より高い水準で推移したことにより、セグメント利益は前年比で12.7パーセントの増益となりました。
DX不動産事業 セグメント売上高・販売数推移

セグメント別の売上高ですが、その他が31億円まで増加していますが、これは土地の売却が入っていることにより多くなっており、それ以外として十数億円が当社のストック収入となっています。
2026年3月期第2四半期 BSハイライト

第2四半期のBSですが、ネットD/Eレシオは2.19倍、自己資本比率は23.4パーセントとなっています。当社の管理基準値として、不動産事業において金融機関から安定的に資金調達を行う観点で、ネットD/Eレシオは2倍まで、自己資本比率は25パーセントを目標に設定しています。
参考ですが、増資後の数値はネットD/Eレシオが1.53倍、自己資本比率が27.6パーセントとなっています。
2026年3月期 期初業績予想に対しての進捗

期初予想に対する進捗については、スライドをご覧ください。
2026年3月期 期初業績予想に対する進捗状況

売上高はちょうど半分程度ですが、営業利益・経常利益・当期純利益は良好な進捗を示しています。
2026年3月期 業績予想の修正について

2026年3月期の業績予想と配当の修正についてお伝えします。第1四半期および第2四半期において、当社の想定を少し上回る結果が見られたこと、またDX不動産事業において販売価格が想定以上に伸びていることから、営業利益を1億円上方修正しました。
当期純利益の増減率はプラス1.5パーセントとなりますが、経常利益についても同様に、金利の上昇によるファイナンスコストを少し見込んだ結果、プラス0.9パーセントの上方修正としました。
2026年3月期 今回修正予想に対する進捗状況

修正予想に対する進捗状況ですが、営業利益は72.6パーセント、経常利益は80.6パーセント、当期純利益は85.7パーセントとなっています。
株主還元(配当予想の変更について)

株主還元についてお話しします。中間配当と期末配当は、期初の予想では3円と5円で、年間配当は8円と見込んでいました。
株主還元(配当予想の変更について)

今回、中間配当は3円、期末配当は0.5円(50銭)増配して5.5円、年間配当は8.5円とする予想に変更しました。
資金調達の目的

オファリングの概要と目的です。独自の成長モデルを先にご説明します。当社には「顔認証IDプラットフォーム事業」と「DX不動産事業」、さらに今回表現を変えた、AIを活用した「デジタルインテグレーション事業」という、独自の成長モデルがあります。
例えば、顔認証の分野では、不動産会社であるプロパティエージェント社で培ったノウハウ、またソフトウェアのアップデートや機能のアップデートについては、建物管理事業や賃貸管理事業を通じた当社のノウハウを活用し、既存の顔認証システムのさらなるアップデートを進めることで、ナレッジがいわゆるシナジーとして効いてきます。
顔認証は現在、マンションやオフィスへの導入にとどまらず、まち作りを目指すスマートシティプロジェクトでも広く議論が進められています。このプロジェクトには、顔認証技術だけでなく、その他のシステム開発事業、例えばタウンポータルの構築なども含まれています。
これらは、AIエンジニアの存在によって獲得しやすくなります。デジタルインテグレーション事業については、顔認証技術を活用したスマートシティプロジェクトが、独自の営業ルートの1つとなりえます。
AIとデジタルインテグレーション、不動産に関してですが、デジタルインテグレーションによる業務の効率化を、プロパティエージェント社に適用し生産性を向上させています。実際に、昨年の上期と比較して、1人当たりの販売件数が確実に増加しており、効率が向上していることがわかります。
不動産分野では、さまざまなDXを活用した生産性向上のための開発やソリューション導入を行い、それが成功すると、デジタルインテグレーションチームによって横展開し、販売につなげるという仕組みが実現し始めています。
このような当社独自の成長モデルを実現し、さらに加速させる上で、今回の調達を実施したということになります。
資金使途

顔認証IDプラットフォーム事業に関しては、システム・サービス開発に10億円、人材強化に2億円、販促強化に3億円を投資します。このうち、販促についてはすでに開始しています。
デジタルインテグレーション事業では、人材強化、特に採用の強化に注力しています。当社は現在、デジタルインテグレーション事業をAIに特化させる方向で進めています。
AIソリューションに関しては、4月から開始したところ、想定以上の粗利や案件の受注、実証実験の機会を得ることができました。この4月から7月にかけて、大きな手応えを感じています。
ここでは、社内に在籍しているAIの分野に強いプロジェクトマネージャーやエンジニアを活用し、積極的に挑戦を続けていますが、予想以上に需要が高いことを実感しています。
そのため、1,000万円から2,000万円規模のAIソリューションの提案を行えるデータサイエンティストを含む3名の採用をすでに終えました。今後もしっかりと増やしていきたいと考えています。
DX不動産事業に関しては、自己資本比率を高めるとともに、マンション開発資金7億7,000万円を活用し、2029年3月期の売上高1,000億円を確実なものとすることを目指しています。販売価格が上がっていることもあり、土地や中古物件の仕入速度をしっかりと高めていくことに活用していきたいと考えています。
当社グループの展開する事業

簡単に各事業の内容と将来の展望についてお話しします。本日は初めてこの会に参加される方がいらっしゃるとのことですので、あらためて事業内容をご説明します。
顔認証サービス「FreeiD」の主な提供実績

顔認証はさまざまな場面で広がっていますが、当社は入退室管理、本人確認、決済などの用途で、主にマンションやオフィス、工場への導入を進めています。
顔認証の収益モデル

ビジネスモデルですが、導入費用と月々の利用料を収益源としています。
FreeiDの差別化ポイント「オール顔認証マンション」

当社は特にマンション向け、デベロッパー向けの顔認証システムに強みがあります。それは、当社自身がマンションデベロッパー事業を展開していることに加え、工事の段取りを理解していること、さらに賃貸管理事業を行っていることから、必要となるソフトウェアの開発が可能であることによります。また、入居者さまがよりスムーズに暮らせるノウハウも持ち合わせています。
「オール顔認証マンション」ではエントランス、メールボックス、宅配ボックス、エレベーター、そして玄関ドアに対応しており、当社が日本で初めてリリースしました。
国内初の顔認証マンションを全国各地へ拡大中

現在までに264棟を竣工しており、昨年から約2.2倍に増加しています。また、大手企業の導入も進んでいます。例えば大和ハウス工業の場合、最初の導入時にはさまざまな課題があり、リリースを出すことができませんでしたが、現在では全国で53棟にご導入いただいています。
サンガスタジアムを中心に“顔ダケ”で駆け出せる街づくりを推進

当社は、オフィスやマンションなどに顔認証を導入するだけではなく、1つの顔画像で異なる顔認証エンジンを使用し、駅、タクシー、マンション、オフィス、ショッピングなど、さまざまな場面で活用できるような仕組みを目指したところ、サンガスタジアムをはじめ北海道上川町やイオンモール常滑でも実証事業が実現しました。
顔認証プラットフォーム「FreeiD」

プラットフォームのユーザー数は1.6倍に増加し、約4万人となりました。ソリューション数はデバイス数で約1.7倍となり、特にマンションが大きく伸びています。
「FreeiD」に関する主な特許例

今四半期の新規査定中の特許は、4件となります。このうち、非常に重要な特許が2件含まれています。ただし、特許番号や詳細については、半年間は公開しない前提です。
特に、顔認証を利用したマンション関連の業界では注目を集め始めており、具体的な特許内容については異議申し立て期間である半年間は公開しない方針としています。それでも、2件の重要な特許を取得できたことは大きな成果だと考えています。
当社グループの展開する事業

先ほどお話ししたデジタルインテグレーションは、スライド中央に記載しています。
当社グループの事業間シナジーについて

デジタルインテグレーションに関しては、さまざまな開発ノウハウ・ソリューションを有しています。プロパティエージェント社に生産性を高めるためのITの導入やDXソリューションを提供し、それがデジタルインテグレーションへの横展開につながるシナジー効果を持っています。
グループ内再編

昨年の第2四半期の決算発表で、「1人当たりの生産性を圧倒的に高めていきたい」という話をしました。そして、第3四半期の決算発表ではCHRO、CMOを採用したことについてお伝えしました。
現在、特にDX推進事業において、不動産分野も含めて「1人当たりの生産性を圧倒的に高める」ことを実施している最中です。この取り組みはまだ始まったばかりです。
その過程で、バナーズ社とベスト・プラクティス社を合併させ、また、バックオフィスをミガロホールディングスに集約する動きもしました。これにより、一人ひとりが専門の業務にしっかり専念できる環境を整備しました。
TIERO社は、システム開発業界は「多重下請け構造」と言われることがあるなか、「Tier 0」、つまりお客さまの要件定義からではなく、DX化やAIによる生産性向上を目指す会社が今後大幅に増えていく見込みですので、そうした会社において、「Tier 1」ではなく「Tier 0」のようにプロジェクトの前線で構想段階から伴走する存在となることを目指しています。
AIソリューション提供カンパニーへ

AIソリューションをしっかりと持ち、開発会社というよりも、お客さまに喜ばれる開発を提供し、そのAIソリューションによってお客さまの生産性を高めていくことを実現するグループを目指しています。システム開発自体は今後も非常に長く続くため、この姿勢を堅持していきます。
以前にもお話ししたとおり、10人で100のパフォーマンスを出す会社から、5人で200のパフォーマンスを出す会社へと変化していかなければなりません。
その先進事例が、デジタルインテグレーション事業における横展開の武器となり、それを実行することで、しっかりと成長していきたいと考えています。
高い資産性を持つDX不動産事業のセグメント別物件情報

不動産事業については、投資用の新築のコンパクトタイプのマンション開発や、投資用中古マンションを個別に仕入れての販売を行っています。主なターゲットは、年収700万円以上の全国のビジネスマンの方々です。
居住用のコンパクトタイプマンションについては、競合があまり見受けられない中で、1LDKタイプが主流となっています。現在、40平米前後や45平米の物件が多く見られるようになってきました。
居住用物件のトレンドについては、しっかりつかむことができていると考えています。住宅ローン控除が50平米から40平米に変わる可能性があるとの情報が日本経済新聞にも掲載されていました。
4人の核家族向けに3LDKや4LDKのマンションが以前は当たり前でした。しかし、都心では晩婚化や結婚しない人の増加により、「DINKs(Double Income No Kids)」というような言葉も出てくるほどの状況となっています。そのため、以前から1LDKタイプのマンション事業を進めていることは、大変好評をいただいています。
投資用アパートについては、価格が2億円から4億円程度で、利回りはおおよそ4.5パーセント前後となっています。
ここは富裕層の方々を対象に販売しています。
事業コア(DX不動産会員数)

クラウドフィンディングの「Rimple(リンプル)」についてですが、当社ではWebマーケティングを活用してお客さまを呼び込んでいます。集客が増えるほど販売件数も増加していく仕組みです。
資産形成の調査結果と応援キャンペーンの開催

CMOが加わったことで、さまざまなPRやマーケティング施策にさらに拍車がかかっています。「不動産所有があたりまえの社会を創造する。」というビジョンは、プロパティエージェント社が掲げる理念です。
アンケート結果によると、多くの夫婦が将来の生活やお金に対して強い不安を感じていることがわかりました。かつてのように60歳まで働き、多額の退職金や国民年金、企業年金がある時代ではなくなっています。
こうした背景から、さらなるニーズの拡大が見込まれ、この取り組みによって面談の申し込みも多数いただいています。
国内初の鍵が一切いらない“オール顔認証マンション”

当社の強みの1つは、当社が開発する投資用の新築1Kタイプおよび1DKタイプのマンション、さらに居住用の1LDKタイプのマンションにはすべて顔認証が導入され、鍵が一切いらない「オール顔認証マンション」だということです。
入居者から高い評価を頂いており顔認証が今後家を選ぶ理由にも

初めての方もいらっしゃると思いますのでご紹介しますが、こちらは2023年に実施したアンケートの結果です。97パーセントの方が「便利」または「非常に便利」と回答しています。
次に住むマンションに顔認証を「希望する」「強く希望する」と答えた方が94パーセントに上りました。
各種KPI

各種KPIについてですが、DX不動産会員数は順調に推移し数を伸ばしています。
私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
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