沿革
大久保遼氏:代表取締役の大久保です。2026年3月期第1四半期決算発表を行います。
はじめに、2025年7月より当社は株式会社ライスカレーから株式会社MUSCAT GROUPに社名を変更しました。あらためて、MUSCAT GROUPをよろしくお願いします。
会社概要
当社の会社概要です。MUSCAT GROUPは、ブランドプロデュース事業において、「ブランドプロデュース領域」と「ブランドパートナー領域」の2つの領域で事業を展開しています。ブランドプロデュース領域では、自社ブランドを主に統括するWinCと、昨年買収した松村商店の2社が中心となっています。
また、ブランドパートナー領域では、祖業であるBtoBのSNSマーケティング支援事業を子会社のライスカレープラスが担い、全体をMUSCAT GROUPとして統括し事業を展開しています。
会社紹介
当社の会社紹介です。MUSCAT GROUPは「Difference for the Future」をミッションに掲げ、祖業であるSNSのマーケティング支援やデータ活用を通じて、再現性の高い人気ブランドの創出やブランド支援を展開していくブランドプロデュースカンパニーです。
ブランドプロデュースの方向性としては、当社が自らブランドを作り出す、あるいはM&Aによって当社グループにジョインしていただく方法があります。また、そこで蓄積したノウハウを顧客向けに展開するBtoB支援などを総称して、ブランドプロデュース事業として展開しています。
成長戦略「ニッチトップ戦略」
当社の成長戦略についてご説明します。当社は「ニッチトップ戦略」を掲げています。このニッチトップ戦略とは、マスの成熟した画一的な市場から、より個に特化したニッチな市場を抽出し、成長が期待されるこれらの市場を捉えるものです。そしてそこに対して、自社のブランドを展開したり、顧客向けのブランドを育成して成長させることを目指しています。
また、当社が展開する既存のブランドや、M&Aを通じて当社グループに加わったブランドは、すべてこのニッチトップ戦略という共通の成長戦略の下で展開されています。
この戦略に注力する理由は、祖業としてこれまで培ってきたSNSを軸としたマーケティング力、そしてデータの活用という強みを最も発揮できる領域がニッチグロース市場、ニッチトップ戦略が目指すマーケットであると考えているためです。
経営体制
MUSCAT GROUPの経営体制についてご説明します。代表は私、大久保が務めており、M&Aやバリューアップはスライドに記載のメンバーが担当しています。管理部門も大幅に強化しており、当社の経営体制のもと、今後も再現性のあるブランド開発やM&Aの推進を展開していけると考えています。
自社ブランド(ブランドプロデュース領域)
当社ブランドプロデュース領域の自社ブランドについてです。オーラルケアブランド「MiiS」や電動アシスト自転車ブランド「MOVE.ebike」などがありますが、今回ファミリー向けヘアケアブランド「bialne」が、新たにHaD社のM&Aを通じて加わりました。
提供ソリューション(ブランドパートナー領域)
ブランドパートナー領域についてです。当社のブランドパートナー領域は、ライスカレープラスとして子会社化し展開しています。この領域では、特に食品・飲料分野のマーケティングに強みを持っており、今後はその強みをさらに特化させる戦略を考えています。
新たな取り組みとして、「CCX social」「アドスタAI」に加え、AI関連のSNSツールを現在開発中です。食品・飲料マーケティング領域ではナショナルクライアントを中心に、AI関連のSNSツールについてはナショナルクライアントに加え、SNSのマーケティング予算が多くない中小企業も対象として、当社のソリューションを提供できる方向性で事業を進めています。
最新のトピックス①
最新のトピックスとして、「bialne」ブランドを運営している株式会社HaDを買収しました。
「bialne」の買収については、後半で詳細をご説明します。
最新のトピックス②
オーラル美容ブランド「MiiS」のテレビCMの放映についてです。こちらはすでに放映を終了しましたが、ニッチトップブランドとしての地位をオーラル美容市場に確立するため、予定どおり先行投資として実施しました。
最新のトピックス③
3点目のトピックスです。「TikTok」において、新しいソリューションである「TikTok Shop」の今後の成長が見込まれています。当社もこの「TikTok Shop」において、新しいソリューションをグループ会社のライスカレープラスを通じて提供しています。
当社は食品・飲料分野に強みを持っているため、「TikTok Shop」においても、この領域でリーディングカンパニーを目指していきます。
2026年3月期 第1四半期実績
2026年3月期第1四半期の決算についてご説明します。前回の通期決算説明資料でお伝えしたとおり、今四半期はテレビCMを中心とした戦略的投資を実行するため、一時的に赤字計上となる見込みでした。
投資は予定どおり実行でき、それに対して、調整後EBITDAが予算を上回るかたちで着地しました。このため、通期計画の達成に向けて非常に順調なスタートを切ることができました。
売上高についても、昨対比25パーセント以上の成長を果たし、順調かつ力強く成長を続けています。また、四半期ごとに開示している売上高および調整後EBITDA予想も、計画どおり推移しています。
特に第3四半期および第4四半期を中心に、通期で調整後EBITDAはスライドに記載された数字を達成できる見込みです。
2026年3月期 第1四半期進捗
第1四半期では特に「MiiS」の主力商品である「mm flora*」のテレビCMに1.5億円程度の投資が行われており、これが主な赤字の理由となっています。ただし、繰り返しになりますが、この赤字は通期において予定どおりです。
ブランドプロデュース領域(自社ブランド事業)の売上高推移
ブランドプロデュース領域における自社ブランド事業の売上高の推移です。昨対比125.1パーセントと非常に力強い成長を遂げており、下期に向けても順調な立ち上がりを見せています。
ブランドごとの構成については、スライドのとおりです。
MiiS (自社ブランド)の売上高推移
「MiiS」の売上高推移ですが、前年同期比38.5パーセントの伸びを記録しており、モールの売上が成長を牽引しています。テレビCMの効果については、認知拡大に貢献するとともに、秋冬に向けたオフラインでの卸売りおよび店舗展開への寄与も見込んでいます。
また、下期に向けて「mm flora*Bubble」という新商品の投入を進めています。
こちらは、大人気となった「mm flora*」シリーズの第2作目として、極めて高い期待値を持ちながら事業に取り組み、さらなる拡大を目指していきます。
MOVE.eBike(自社ブランド)の売上高推移
また、「MOVE.eBike」の売上高の推移ですが、2024年11月に当社グループに加わって以降、2026年3月期第1四半期に最も高い売上を計上しています。
もともとの顧客層に加え、恵比寿に店舗を展開する中で高所得者層への訴求にも成功しました。今後も引き続き高所得者層への訴求を目指し、ブランド価値の向上を実現していきます。
松村商店(メーカー・自社ブランド)の売上高推移
続きまして、松村商店の売上高の推移についてです。特にスクールバッグブランド「ロコネイル」は、平成リバイバルの文脈でSNSマーケティングが成功例となり、非常に良いPMIの事例となったと考えています。
従前、松村商店はIPコラボレーションをあまり行ってこなかったメーカー・ブランドですが、このたび、キッズ向けで極めて高い成長が見込まれる新しいIP「キャッチ!ティニピン」とのコラボを実現しました。この取り組みは第1四半期の数字には含まれていませんが、6月末から予約販売を開始し、順調に推移しています。
この売上の寄与は第2四半期に見込まれており、下期に向けた成長ドライバーとしての役割を果たす見通しです。
ブランドパートナー領域の売上高推移
続きまして、ブランドパートナー領域の売上高推移についてご説明します。当社が現在特に重要視しているのは、1人当たりの売上高です。利益率の高い営業組織や事業構造を再構築しているフェーズですが、すでに成果が現れ、今年第1四半期においては昨年および一昨年の第1四半期と比較して1人当たりの売上高を伸ばすことができています。
また、先ほどお話ししたとおり、食品・飲料といった分野にフォーカスして進める一方、SaaS領域ではAIを中心とした新しいマーケティングツールを中小企業向けに展開していく予定です。これらを総合的に見た際、下半期に向けてより安定的な収益貢献と再成長の準備が整いつつある状況です。
さらに、機動力の高い運営体制を実現するために、2025年7月からライスカレープラスとしてカーブアウトし、万全の体制を整えています。
当社の掲げる「ニッチトップ戦略」におけるM&Aについて
続きまして、昨日発表しましたHaDの買収についてです。今回の買収は、当社が掲げるニッチトップ戦略の文脈に沿ったM&Aです。
ファミリー向けヘアケアブランド「bialne」について
まず、数字についてです。グラフはHaDが展開するファミリー向けヘアケアブランド「bialne」の売上高・営業利益の推移を示しています。ご覧のとおり、四半期ごとの数字でも高い成長率を維持し、さらに高い営業利益率を誇るブランドです。
また、特にサブスクリプション型のファミリー向けヘアケアブランドでは、継続率が87パーセントを超える非常に高い水準となっています。さらに、初月割引を行わない販売手法を採用しており、ユーザーからの評価が非常に高く、コミュニティ性や熱量の高いブランドとして展開されています。
このブランドは、オーガニック成分を使用したプレミアムラインでありながら、親子で共用できるユニバーサルな商品設計が特徴です。その結果、ヘアケア市場の中でも、ファミリー向けヘアケアというニッチな分野で成長を遂げています。
本件M&Aの条件等
今回のM&Aの形態ですが、当社の自社ブランド事業を手掛けるWinCの下で事業を展開するかたちで整理しています。
「ニッチトップ戦略」における本件M&Aの位置付け
あらためて、ニッチトップ戦略における本件M&Aの位置付けについて説明します。
マス向けのヘアケア市場は5,000億円以上の規模があるものの、ファミリー向けヘアケア市場におけるブランド展開は限定的です。その中で、付加価値の高い商材を展開している企業として、「bialne」はファミリー向けヘアケア市場自体の成長を牽引するだけでなく、その市場でトップブランドを目指すことができると考えています。
本件M&Aの詳細(1) なぜbialneか
このような高い市場性に加え、サブスクリプションモデルによる高継続性・定期収益型のストックモデルを活用することで、PLの安定化が可能となっています。
また、ブランドの特性として、インフルエンサー発のD2C型ブランドである一方で、マーケティング主導ではなく、商品力主導で定着している点が挙げられます。
さらに、商品原価や配送コストといった部分に、粗利率の向上や、販管費率の改善を図れるといった潜在力がまだ十分に残されているため、守りのPMI面でも利益率向上が期待されます。
当社とのシナジーについては、定期購買以外のチャネルとして、当社が得意とするSNSマーケティングとモールの組み合わせ、あるいは「MiiS」で取り組んでいる卸販路の拡大が挙げられます。これらにより、スケールアップの余地が大きく、成長の可能性を十分に秘めた状態で当社グループに加わるかたちとなっています。
本件がもたらす企業価値向上について
本件がもたらす企業価値の向上についてです。既存事業への寄与としては、MUSCAT GROUP保有ブランドとのクロスセルやアップセル、特に認知機会の拡大が期待されます。
また、「bialne」事業については、SKUが少ないブランドであるため、当社の企画開発力や多様なチャネルの分析力を活用して、今後は商品のラインナップを拡大していきます。
さらに、SNS強化を含むWebマーケティングの部分では、モール向けや特定のインフルエンサー以外へのマーケティングが未着手の部分も多いため、これらを総合的に取り組むことで価値を創出していきます。
MUSCAT GROUPの中でも成長に寄与するブランドとなり、時価総額の向上につながると考えています。
中期の成長イメージ
最後に、中期の成長イメージをスライドに再掲載します。2025年3月期では調整後EBITDA2.3億円を見込んでおり、3年後には調整後EBITDAが6億円から十数億円を超える規模、すなわち時価総額で100億円から300億円規模を目指していきます。
この目標については、当然ながらレンジの上限を目指しており、2026年3月期第1四半期までに仕掛けたM&Aを含め、順調に中期の成長を描けるような推移であると考えています。
ニッチ成長市場のNo.1プレイヤーへ
あらためまして、ニッチ成長市場のNo.1プレイヤーを目指し、MUSCAT GROUPは今期も事業を推進していきます。引き続きMUSCAT GROUPをよろしくお願いします。ありがとうございました。