目次

増田道正氏:株式会社サニックス取締役常務執行役員経営企画本部長の増田です。2025年3月期第2四半期決算の内容についてご説明します。

本日のご説明は、スライドの目次に沿って進めていきます。5つの項目のうち、私からは1つ目の「第2四半期(4-9月) 決算概況」と、2つ目の「セグメント別概況」についてご説明します。

第2四半期(4-9月)決算概況

第2四半期の決算概況として、まず全体の数字からお伝えします。当第2四半期の実績は、売上高212億5,900万円、営業利益6億5,000万円、最終利益2億7,000万円という結果になりました。

この第2四半期の概況としては、第1四半期の時とほぼ変わりませんが、資源循環領域における発電事業の売電単価が大きく低下したことで、前年同期比で減収減益となりました。

その一方で、その他の事業は概ね堅調に、計画どおりに進捗しています。

第2四半期(4-9月)セグメント別概況

事業領域ごとの売上高と営業利益を棒グラフで示しています。主に全体の4割近くを占めている資源循環領域が減収減益となったことが、全体の数字に影響を与えています。

第2四半期(4-9月)セグメント別概況

各領域の個別の数字を記載しています。住環境領域は、売上高が前年同期比2.3パーセント増の80億8,400万円、営業利益が前年同期比19.2パーセント増の10億1,700万円となっています。売上高、利益ともに堅調に推移しています。

エネルギー領域は、売上高が前年同期比11.8パーセント減の48億3,700万円、営業利益は6,000万円の赤字となっています。

受注状況は堅持できているものの、案件の大型化に伴って受注から施工までの期間が長期化し、完工時期が遅れていることが一番の原因です。

資源循環領域は、売上高が前年同期比9.4パーセント減の83億3,700万円、営業利益が前年同期比45.5パーセント減の10億7,900万円となっています。

先ほどもお伝えしたように、発電事業における売電契約単価が低下したことが一番の要因です。

本社費用は、経費として13億8,500万円を計上しています。

第2四半期(4-9月) 売上高 対前年同期増減分析

売上高の前年同期比増減分析です。前年度の第2四半期と比べ、売上高は13億3,000万円のマイナスとなっています。減収の最大の要因は発電事業で、12億5,900万円のマイナスの影響があります。

ただし、この発電事業の影響を除くと、前年同期比7,000万円のマイナスとなり、減収幅は大きく縮小しています。

第2四半期(4-9月) 営業利益 対前年同期増減分析

営業利益の前年同期比増減分析です。前年同期の実績と比べると、営業利益が8億3,000万円のマイナスとなっています。減益の最大の要因は売上と同様、発電事業の減益です。金額にして10億2,400万円の減益となっています。

ただし、この発電事業の影響を除くと、前年同期比で1億9,300万円の増益となっています。そのような状況で、この第2四半期は着地しています。

住環境領域|売上高

セグメント別の決算概況です。まず住環境領域における売上高の四半期推移です。当第2四半期累計では、前年同期比2.3パーセント増となっています。四半期ごとでも堅調に推移しています。

住環境領域|営業利益

住環境領域における営業利益の四半期推移です。累計では前年同期比19.2パーセント増という結果となりました。四半期ごとの推移でも、業績は順調に拡大している状況です。

住環境領域|顧客件数

スライドのグラフは、HS(ホーム・サニテーション)事業の保証契約継続中の顧客件数の推移です。顧客基盤も順調に拡大しています。

エネルギー領域|売上高

エネルギー領域における売上高の四半期推移です。売上高は前年同期比11.8パーセント減となっています。この減収の要因は、先ほどもお伝えしたとおり、完工時期が遅れていることによるものです。

エネルギー領域|営業利益

エネルギー領域における営業利益の四半期推移です。こちらもスライドのグラフのとおり、全体としては粗利率は改善しているものの、完工時期が遅れていることにより売上計上が遅れ、第2四半期は赤字が続いています。

エネルギー領域|PV事業 受注状況

エネルギー領域のPV(法人向け太陽光発電)事業における足元の受注状況と通期の見通しです。お客さまのニーズが高まっている状況、および市場環境自体には大きく変わりはありません。受注高も、順調に堅持しているため、当2025年3月期の通期見通しについては、達成が見込める状況に至っています。

資源循環領域|売上高

資源循環領域における売上高の四半期推移です。当第2四半期の売上高累計では、前年同期比9.4パーセント減となっていますが、発電事業を除くと6.1パーセント増の状況です。

資源循環領域|営業利益

資源循環領域における営業利益の四半期推移です。当第2四半期の営業利益累計では、前年同期比45.5パーセント減ですが、発電事業を除くと6.9パーセント増の状況で推移しています。これは売上高と同様です。

資源循環領域|発電事業 売上高

資源循環領域の発電事業単体の売上高の四半期推移です。発電事業については、当第2四半期累計で、前年同期比48.1パーセント減となっています。

売上高減少の主な要因は、1つは発電所の売電単価の低下です。もう1つは、第1四半期決算時にもご説明したとおり、4月から6月の第1四半期中に行ったボイラーの大規模な設備更新工事に伴い、稼働日数が減少したことです。

資源循環領域|発電事業の販売単価の推移

当社は将来の売電単価を見通すに当たり、スライドに掲載している卸電力取引市場の売買価格を1つの参考指標にしています。ご覧のとおり、2024年7月以降は市場単価が予想を上回っており、当初の見通しに比べ、価格が上昇していることが見て取れます。

このような売電単価の上昇に伴い、全体的な市場環境は好転しています。これにより、入札案件の販売価格も上昇するため、当社としては、新たに販売先の確保ができている状況となっています。

資源循環領域|廃プラスチックの受入状況

資源循環領域のプラスチック事業における、廃プラスチックの受入量と処理単価の推移です。当第2四半期累計で、処理単価は前年同期比1.3パーセント減ですが、受入量は前年同期比8.2パーセント増となっており、事業全体で業績は堅調に推移しています。

以上で、2025年3月期第2四半期の決算概況のご説明を終わります。

2025年3月期 通期連結業績見通し

なお、通期連結業績見通しについては、5月15日に公表した内容から変更はありません。売上高が462億4,600万円、営業利益が17億1,500万円、当期純利益が10億9,300万円となる計画です。資料の33ページ目以降に記載していますので、後ほどご確認いただければ幸いです。

「一元くん」シリーズの紹介

宗政寛氏:代表取締役社長の宗政です。本日はお忙しいところ、決算説明会にご参加いただきましてありがとうございます。

第2四半期までの結果は増田がご説明したとおりです。前年同期に対しては、発電事業で売電単価が低下した影響がありましたが、計画に対しては利益水準を上回りました。下半期も順調に推移していくものと考えています。

我々は、成長に向けた戦略投資についても積極的に実施し、「既存事業の着実な成長」と「稼ぐ力」を強化していきたいと考えています。

特に資源循環領域では、廃棄物の適切な処理やリサイクルが重要な社会課題となっています。その中で、廃棄物の管理業務には多くの煩雑な作業があるなど、さまざまな課題を抱えています。

当社はこのような環境下、さらなる事業基盤の拡大と社会課題解決に向けて、排出事業者向け廃棄物管理システム「環境エース一元くん」の販路拡大と販売強化を進めています。

第1四半期に、「サニックスシステム」から「一元くん」に名称を変更しました。CO2排出量の集計機能の追加や、2024年5月には中間処理事業者向けの「産廃エース一元くん」を新たに発売するなど、サービスの拡充を進め、よりよいものにしてきました。

資源循環領域|さらなる事業基盤の拡大に向けた取り組み

今回その中でも、もっともターゲット顧客が多い「環境エース一元くん」の利用料を、2年間無料にするキャンペーンを開始しました。今年10月1日から来年9月30日までに利用を開始していただいたお客さまに対して、ご利用開始から2年間、使用料が無料になるというものです。

「環境エース一元くん」は、産業廃棄物を排出するすべての事業者が対象になります。廃棄物を排出しない業種はほとんど存在しないため、ほぼすべての企業がターゲットになります。

当社調べにはなりますが、すでに電子マニフェストで運用している排出事業者でも、「環境エース一元くん」を取り入れていただくと、廃棄物管理業務を年間約100時間削減することが可能です。

多くのお客さまに使っていただき、廃棄物管理業務で抱える問題・課題を解決することで、その利便性を実感していただければ、お客さまにとって、社会にとって、サニックスと「一元くん」が必要不可欠な存在になると考えています。

このサービスを多くのお客さまに知ってもらうために、展示会への出展だけではなく、全国のビジネスパーソンをメインターゲットとしたテレビ番組や新聞での広告・PRを実施し、認知拡大も併せて進めています。今後も、さらにテレビCMや新聞広告、Web動画、野外広告なども適時実施する予定です。先日11月12日には、日本経済新聞の朝刊に広告を出しました。

10月から始まった無料キャンペーンは、多くのお客さまからお問い合わせいただき、すでに4,400件以上になっています。幸先のよいスタートを切ることができたと思っています。

資源循環領域|さらなる事業基盤の拡大に向けた取り組み

当社がターゲットとしている事業所数は、約400万事業所あると考えています。最低でも、まずはその1パーセントの4万事業所に導入を目指しています。例えば、4万事業所に導入できれば、「環境エース一元くん」の売上で約50億円が見込めます。

また、「一元くん」は付加価値の高いサービスと自負しており、一度契約をしていただければ、解約のみならず、当社が受け入れている廃棄物が他社へ流れることも防止することができると考えています。

新聞広告やテレビCMなどを通じて認知を高め、無料キャンペーンで試してもらい、その効果を実感していただくことで、「環境エース一元くん」の利用者拡大を図っています。

同時に、システム販売を通じて、個別訪問営業あるいはフロー型ビジネスから、オンライン営業やストック型ビジネスへ転換していくことで、稼ぐ力も養っていきます。そして将来的には、廃棄物リサイクルのネットワークを構築し、循環型社会の実現に貢献したいと考えています。

ホールディングス体制への移行(進捗状況)

当社グループは、2025年4月1日にホールディングス体制となって新たなスタートを切ります。さらに、来年は創業50年の節目の年を迎えます。資源循環領域だけではなく、住環境領域とエネルギー領域でも、さらなる事業拡大に向けて新たな取り組みを積極的に取り入れていきます。そしてスピーディな経営判断のもと、それぞれに最適な事業運営を行い、成長を図っていきます。

住環境領域では、将来的な海外進出を目指していることから、私たちのペストコントロール分野での現在位置を知るために、今年、インドとアメリカで開催された「ペストワールド」というペストコントロールの展示会に、若手社員を視察に派遣しました。

2年後には、アメリカで開催される世界最大の「ペストワールド」に私たちも出展し、その後の海外進出への足がかりにしたいと思っています。

エネルギー領域|さらなる事業拡大に向けた取り組み

エネルギー領域では、すでに分社化したサニックスエンジニアリングが、今年9月に熊本県が所有する施設の再生可能エネルギー導入事業の事業予定者に選定されました。

また10月には、徳島県の鳴門市にあるボートレース場に、太陽光発電設備等設置業務の受託候補者として選定されました。このように行政の大型案件についても、スピード感を持って受注につなげています。

サニックスはグループ一丸となって、企業理念である「次世代へ快適な環境を」のもと、多様化するお客さまのニーズにお応えしながら、持続可能な社会作りの一翼を担うべく、着実な歩みを進めていきます。

2024年9月2日、繰越欠損金を解消(単体:欠損填補)

配当については、これまで利益剰余金がマイナスであったことから無配としていましたが、今年9月に、資本金を利益剰余金に振り替えることでマイナスを解消し、財務体質改善を進めてきました。

将来に向けて一定の利益水準を確保できる体質になったため、現中期経営計画の達成を図り、早期復配を目指していきます。株主のみなさまのご期待に応えられるように、引き続き企業価値の向上に努めていきます。

今までとは異なる発想・新たな取り組みを積極的に取り入れて、将来の大きな成長につなげていきたいと思います。どうぞ、これからの展開にご期待ください。引き続きよろしくお願いします。