会社概要

髙野明彦氏(以下、髙野):代表取締役 兼 社長執行役員の髙野です。本日はお忙しい中、株式会社メンバーズ決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本日は、第30期(2025年3月期)第2四半期の決算概況、今期から開始した中期的な成長に向けた戦略(以下、中期成長戦略)の進捗、今後の業績目標等についてご説明した後、質疑応答に移ります。

簡単な弊社の概要です。ネット業界の中では老舗企業であり、来期で設立30年を迎えます。企業向けに、デジタル専門人材の伴走支援によるDX現場支援事業を行っています。

弊社は、事業活動を通じた社会貢献、社会課題の解決を非常に重要視しており、それをミッション・ビジョンとして掲げている点が特徴です。

「VISION2030」においては、気候変動や人口減少を中心とした社会課題の解決に対し、デジタルテクノロジーやデジタルクリエイターの力で貢献するといった長期ビジョンを掲げています。

売上高/売上収益および社員数の推移

そのようなミッション・ビジョンに共感し、賛同して集まる仲間たちが非常に多くいることで、プロフェッショナルサービスとしての弊社のビジネスは順調に拡大を続けています。

2025年3月期 第2四半期 累計 業績ハイライト

第2四半期の決算概況です。売上収益および弊社が重視している付加価値売上高は継続的に拡大を続け、過去最高を更新しています。

ただし、付加価値売上高が前年同期比10.3パーセント増と、今までよりも少し成長が鈍化している点は課題であると捉えています。

営業利益面はもともと赤字計画でしたが、計画に対して7,100万円増と、上振れて着地しています。今期は、利益重視の筋肉質な組織体制に転換するという大きな方針・目標を掲げていますが、この点については順調に推移していると捉えています。

2025年3月期 第2四半期 累計 連結P/L

P/Lの詳細です。今年4月に新卒社員411名が入社しています。そのような状況下で、稼働率を適正水準まで引き上げるという点については、まだ道半ばです。前年比1.2ポイント減となった売上総利益率についても、業績上は引き続き課題だと考えています。

ただし、中途採用費の抑制などのコストコントロールにより、販管費は前年同期比で削減できています。その結果、営業利益は上期5億5,000万円の赤字計画に対し、7,100万円上振れて着地しており、筋肉質な組織体制・収益体制への転換は順調に進捗していると考えています。

連結 売上収益・付加価値売上高

四半期単位の売上収益および付加価値売上高です。第2四半期で見ると、付加価値売上高の成長率低下が課題になっています。

連結 営業利益・デジタルクリエイター(DC)数・離職率

四半期単位の営業利益については、第2四半期単独では1,300万円と、プラスで着地しています。

DC数の伸び率は前年比11.3パーセント増と、従来の水準と比較すると、中途採用の抑制や離職率がやや高まった影響で、若干低下していると言えます。離職率は望ましい水準であるとは思っていませんが、今の稼働率の状況等を踏まえると、想定の範囲内かと考えています。

各事業領域 付加価値売上高・デジタルクリエイター(DC)数

事業ごとの状況です。今期から4事業領域に分け、それぞれの事業で専門カンパニー等を使いながらDX領域を拡張することで、成長率を各事業で高めていくという戦略をとっています。

残念ながらこの第2四半期は各事業とも成長率が低下していますが、デジタルサービス開発やデータ活用支援については、下期以降、成長の回復が見込めると捉えています。

一方で、制作/UIUXやデジタルマーケティングでは、専門カンパニーを通じたDX領域の拡大は進められているものの、従来型の大口のWeb運用顧客は低迷や縮小が見られています。そこでの綱引きがあるために、四半期の伸び率がばらついたり、下方にブレたりすることもあるだろうと考えています。

以上、第2四半期決算の概況についてお話ししました。

中期的な成長に向けた戦略

中期成長戦略に対する進捗です。今期から3年間の中期成長戦略として、スライドに記載した4つの方針を掲げています。それぞれ順番にお話しします。

①高収益体質の回復/確立-稼働率引き上げ最注力と利益重視マネジメントへの転換

まずは、高収益体質の回復・確立に向けて稼働率の引き上げに注力することと、利益重視マネジメントに転換するという方針および目標を掲げています。

新卒1年目・2年目を除くデジタルクリエイターの第2四半期の稼働率は82.8パーセントと、第1四半期に対して2.8ポイント増と、改善しています。

依然として、前年水準よりも低い状況です。ただし直近9月単月の数字を見ると、わずかではありますが、前年よりも上回ってきています。

そのため、下期は前年をしっかりと上回る水準を目指し、稼働率が適正水準に上がるまでは中途採用を引き続き抑制気味にしながら、稼働率の向上に取り組みたいと考えています。

昨年、最大規模で採用した現在2年目の社員(585名)の第2四半期の稼働率は71.5パーセントと、着実に向上しています。下期で昨年並みの水準までは稼働率を引き上げられるよう、取り組んでいきます。

①高収益体質の回復/確立-稼働率引き上げ最注力と利益重視マネジメントへの転換

採用状況です。今年4月には、新卒社員が411名入社しています。一方で、今期の中途採用については、稼働率が適正水準になるまで抑制するという方針をとっており、上期の段階においては49名と限定的に行っています。

基本的には、下期もこの方針を継続しつつ、さらに来期の新卒社員は100名以下になる見込みです。このような採用状況と今の成長状況を勘案すると、この下期から来期以降には稼働率や収益性の順調な改善を見込めると考えています。

加えて、規模が拡大しながらもコストの抑制が実現できています。上期における売上収益に対する販管費率は前年同期比2.2ポイント減と、高収益体質・筋肉質な組織体制への転換が順調に進んでいると考えています。

②高成長事業の確立-DX4事業に再編、既存顧客売上の最大化

成長戦略の2番目は、高成長事業の確立に向けて4事業それぞれがDX領域を拡張し、成長性を高めていく中で、既存顧客の売上を最大化していく方針・目標です。

それを実現するために注力すべき顧客を定め、注力顧客のDX領域やDX部門に対してDXサービスを提供する取り組みを進めており、順調だと考えています。

DGT顧客の上位50社における1社あたりの付加価値売上高は、前年同期比2.6パーセント増であり、また、第2四半期末時点で年間取引額1億円以上の取引社数は前年同期比6社増、前期末比4社増の50社となり、順調に拡大しています。

しかし、取引額3億円以上5億円未満の顧客は前年同期比3社減となり、DGT上位50社の1社あたり付加価値売上高も増加率はわずかに留まっています。この背景としては、専門カンパニーを通じたDX領域の拡大は順調である一方、従来型の大口Web運用顧客の取引がやや低迷、または縮小傾向にある綱引きの中で、全体の業績はいまひとつ伸び切らない状況にあると考えています。

②高成長事業の確立-DX4事業に再編、既存顧客売上の最大化

重ねて申し上げますが、DX領域は順調に拡張できています。弊社は専門カンパニーを活用し、DX専門技術領域を拡張していく方針をとっています。その専門カンパニーの付加価値売上高は、第2四半期累計で前年同期比42.3パーセント増と、順調に拡大を続けています。

連結全体の付加価値売上高に対するDX領域の比率は、専門カンパニーならびに他の部分も少し含めて39.4パーセントと順調に拡大してきています。この領域の成長性は高いため、さらに注力していきます。

また、DX領域の転換をさらに加速させるため、営業戦略、サービス戦略、人材戦略にも投資していくことで、全社の成長性を高めていこうと考えています。

③高成長事業の確立-顧客のDX内製化伴走支援ポジションの獲得

成長戦略の3番目に、顧客のDX内製化を伴走支援するポジションの獲得という目標を掲げています。このようなポジションチェンジをしていくため、顧客のDXプロジェクトを伴走支援するPMO(Project Management Office)人材を育成する取り組みを進めています。

PMO人材育成計画では、すでに今期計画していた120名を上回る152名を育成しており、順調に進んでいます。専門カンパニーにはPMO支援専門カンパニーもあり、その付加価値売上高は前年同期比48.2パーセント増と、非常に好調に推移しています。この下期以降も、さらに拡大できるだろうと考えています。

ポジションチェンジの影響に加え、DX領域へ向けたサービスと専門カンパニーの拡張を進めているため、新卒社員の割合が大きく増えているにもかかわらず、全社の売上単価は少しずつ上がっています。

③高成長事業の確立-顧客のDX内製化伴走支援ポジションの獲得

人材育成の取り組みをさらに加速させていきたいと考えています。顧客のDXプロジェクトを支援するPMO人材の育成を進めていますが、加えて各事業でDXプロジェクトの伴走支援に必要なUXデザイナーやマーケティングDX人材などの職種や人材を定義し、育成をさらに加速させていきます。

3ヶ年の中期成長戦略の期間内に、全社で90パーセント以上の人材をDX伴走人材に転換させていくことをプロジェクトとして集中的に進めていきます。

このような人材育成の取り組みを通じて、弊社のポジションチェンジやDX領域への転換を大胆に加速させていきます。

④将来への投資-脱炭素DX事業の確立/脱炭素DX人材の育成

成長戦略の4番目に、将来への投資として脱炭素DX事業の確立という目標を掲げています。昨今の急激な気候変動の影響や国際情勢を踏まえ、顧客企業や市場のニーズが非常に拡大しています。

しかし、市場は非常に混沌としており、サービスは未だ確立されていません。弊社でも矢継ぎ早に各種サービスを展開していますが、大きく当たるサービスが確立されている状況には至っていないと捉えています。

今後は市場が非常にホットになっていくだろうと推測しているため、将来に向けて成長投資を継続していきたいと考えています。

以上、中期成長戦略の進捗についてご説明しました。

中期業績目標

今後の業績目標についてお話しします。今期は足場固めの期とし、来期以降に営業利益率を5パーセント、10パーセントへと高め、その先には成長率20パーセント以上という高成長事業を目指していくという3ヶ年目標を掲げています。

収益性の改善は順調に進捗しています。来期目標は営業利益率5パーセントですが、成長率があまり上がらなかったとしても達成できるだろうと考えていました。その見通しのとおり、仮に成長率が5パーセント程度であったとしても、営業利益率5パーセントは十分達成できる状況です。

ただし、成長率5パーセントを狙うわけではなく、高い成長性を狙っており、今後は成長率をさらに引き上げていくことに注力していきます。

付加価値売上高成長率向上に向けて

成長率の引き上げに向けて具体的にご説明します。先ほどからお伝えしているとおり、従来型である大口Web運用顧客が弱含みになっています。従来のWeb領域の市場全体が弱含みになっているとまでは思っていませんが、少なくとも大口のWeb運用に関してはコスト削減モードになってきていると捉えています。

弊社でも、従来型のWeb運用系サービスはおよそ横ばいの成長率となってきており、当第2四半期累計でも、付加価値売上高が前年同期比1.7パーセント減となっています。

一方で、専門カンパニーを中心としたDX領域の比重は全体の4割近くまで上がってきている中で、上期で前年同期比33.0パーセント増と高い成長率を維持しています。

DX領域への完全な転換を目指し、下期以降はサービス戦略、営業戦略、人材育成戦略といった各戦略においてもDX領域への投資を加速させることに注力していこうと考えています。

今後は成長性の高い領域の比重を高めることで全社の成長性も高め、20パーセント以上の高成長を狙っていきたいと考えています。

2025年3月期方針/業績目標

今期は足場固めの期としていますが、まずは今期の通期営業利益計画として掲げている2億円をしっかりと達成します。

それをベースに来期以降の営業利益率5パーセント、さらに成長率を引き上げることに向けた取り組みとして、この下期から投資を加速し始めることを考えていきます。

株主還元

そのような中で、来期以降は収益性の改善が十分に見込めるため、今期の利益額は大きくないものの、増配方針は継続していきたいと考えています。したがって、今期は一株あたり1円増配となる32.0円の配当を計画しています。

DX領域におけるサービス事例

DX領域の拡張事例については、IR事例の許諾を得ることがなかなか難しいため、新たな事例を出すことができていませんが、弊社Webサイトに多くのサービス事例を掲載しています。よろしければ、そちらもぜひご覧ください。

多くのDX領域の事例が出てきており、DX領域で取引を拡張しているお客さまには、高い成長性を実現することができています。

私からの説明は以上です。

質疑応答:社員の戦力化の進捗について

司会者:「社員の戦力化の進捗は順調ですか? 新たな気づきがあれば教えてください」というご質問です。

髙野:DX内製化伴走支援ポジションのための人材の育成、戦力化は、順調に進んでいます。

PMOという職種・スキルをしっかり分解して定義し、育成すれば、これまでのエンジニア、デザイナー、クリエイターなど、いわゆる専門技術側の人材にビジネススキルを付加していくことは可能だという手応えが得られています。

稼働率の向上に対する新卒若手社員の戦力化については、従前お話ししているとおり、イノベーティブなものができているわけではないと思っていますが、毎年数百人を採用し、あの手この手を使いながら新卒社員の育成、戦力化に取り組んできたことで、細かいノウハウの蓄積はあると考えています。

その中でも、これまでは専門技術育成が重要だと捉えて育成してきましたが、PMO人材を育成している中で、新卒若手社員にもビジネススキルの教育・育成の重要性が高まっていることがわかってきました。

先ほどお話ししたPMO人材育成を拡張・応用するかたちで、新卒若手社員にもビジネススキルに注力して育成していくことで、より早期に高い稼働が実現できるのではないかと考えています。

質疑応答:PMO人材の稼働状況など、詳細について

司会者:「どのようなスキルを持った人材が、PMOとしてのキャリアとなるのでしょうか? 稼働状況や収益寄与など、PMO人材の状況について詳しく教えてください」というご質問です。

髙野:先ほどのご説明と一部重複するかもしれませんが、PMO人材は、顧客のDXプロジェクトを伴走支援します。

スキルを分解すると、いわゆるプロジェクトマネジメントスキルになります。スケジュールや予算管理、品質体制の管理スキルが、PMO人材における1つの軸です。

もう1つは、DX領域において必要となる、ビジネス変革のスキルです。業務フローをしっかりと整備することや、変革していくことへの理解、顧客のビジネスへの理解などが挙げられます。

例えば、このシステムはどのように影響するのか、貢献できるのかといった、システム面の理解などのビジネス変革スキルが求められます。このようにスキルを分解しながら、育成を進めている状況です。

PMOとしてのキャリアという面では、かなりの上位層でなければできないとは捉えていません。新卒1年目、2年目であってもPMO人材として育成していくことは可能だと思っています。

業務領域での経験が少なくてもできるような領域でしっかりとスキル育成をしていれば、経験値でカバーせずともできる領域もあるため、若手からでも育成できると考えています。したがって、ベテランでなければいけないことはないと捉えています。

一方で、従来のエンジニアやUXのクリエイターなどのデジタルクリエイターが、テクニカルディレクターやUXに強いプロジェクトマネジメント人材、デジタルマーケティングに強いDX人材となるポジションや職種もあります。

つまり、従来、弊社が得意としていた現場側のデジタルクリエイターやエンジニアクリエイター、プロデューサーといった人間が、プロジェクトマネジメント領域で顧客のDXをさらに強く推進していくような、より上流の領域に入っていく道もあると考えています。

そのため、いわゆる上位の戦略に強いコンサルティング企業が行うプロジェクトマネジメントというよりは、デジタル側のスキルに軸足を置き、加えてプロジェクトマネジメントやビジネス変革についても、顧客の伴走支援ができる人材を育成していくことを目指しています。

PMO単独の人材として数を多く育成していくよりは、今お伝えしたとおり、デジタルに軸足を置いたプロジェクト推進人材を多く輩出していきたいと考えています。

こちらについては、非常に価値が高い人材になっていくと考えています。そのような人材として、より高度で非常に単価の高い人材に育てていけると考えています。

質疑応答:M&Aや資本業務提携について

司会者:「M&Aや資本業務提携については、どのようなお考えですか? 他社からのアプローチはないのでしょうか? その部分の課題についても教えてください」というご質問です。

髙野:まず、弊社が買う側となるM&Aについては、完全否定するものではありません。今まで私自身が案件を見て検討してきましたが、完全にマッチするものがあれば、M&Aを行うことを否定するものではないです。

しかし、当社の戦略やカルチャーとマッチする、もしくは最終的な価格がマッチする事例は非常に少ないと考えています。そこについては、特に方針や計画には盛り込んでいません。

「資本業務提携について、他社からのアプローチはないのですか?」というご質問について、あるかないかと言えば、このような業界環境の中で、弊社のようにデジタル専門人材を多く抱えている会社は、例えばコンサルティング会社や代理店、商社などの大手企業が数多くM&Aを行っていると思います。

今なにかあればここではお話しできないことではありますが、当社としてそちらへ進むという方針は、現段階では考えていません。仮にそのような提案があった場合には、それはそれとして、取締役としてしっかり検討していかなければいけないと理解しています。

質疑応答:今後の業績について

司会者:「今後の業績について質問です。2025年3月期下期から2026年3月期上期にかけて、どのような動きになると考えておくべきですか? 定性的な動きを中心に、ご解説をお願いします」というご質問です。

髙野:基本的には、本日繰り返しお伝えしているとおり、収益性の改善については順調だと考えています。今期を底として、今後の収益性や利益率を上げていくことについても、目標や方針は順調に進捗していると考えています。

成長性については、従来型の大口Web運用顧客の低迷または縮小がいつ・どのくらい起きるのかということが、成長率が向上に転じられるかどうかというポイントの1つです。四半期単位や半期単位で見ると、その影響は出てくると捉えています。

ただし、スライドの図をご覧いただくとおわかりになるとおり、成長性の高いDX領域の比重がどんどん高まってきていて、現在は4割弱まできています。いずれはこちらの比重が高まってくるということが、時間の経過とともに実現できると考えています。

どうにかしてWeb運用領域を保つことを考えるというよりは、この成長領域への転換・拡大を早めていくことを実現させていきたいと捉えています。

DX領域への転換がさらに早まり、この成長性をより高められることが実現できれば、下期以降は、成長性をまさに狙っているレベル感に高めていくところまで近づけていけると考えています。

質疑応答:DC数の減少要因について

司会者:「DC数について質問です。例年に比べて、第1四半期から第2四半期にかけての減少幅が大きいようですが、離職率が高まっていることが原因ですか? 何か対策を取っていますか?」というご質問です。

髙野:要因は2つあります。1つ目は中途採用を抑制していることと、2つ目は、ご指摘のとおり離職率が悪化していることです。

先ほどからお伝えしているとおり、中途採用については、全体の稼働率が適正水準になるまで抑制していくことを考えています。今まで通期で200名前後の採用をしていたところから、上期は49名と限定的な採用を行っていることが、DC数の減少要因の1つになっています。

もう1つは、離職率です。現在は、全体の稼働率がまだ低い中、数百人単位で空き稼働社員がいるという状況です。そのような中、残念ながら他社を選ぶことや、独立するなど、そのような離職が出てくることは仕方がないと言いたくはありませんが、想定できると捉えています。

逆に、例えば競合にどんどん引き抜かれている状況があるかというと、もちろんゼロではありません。なきにしもあらずではありますが、それによって離職数が大幅に増え、DC数が減っているかというと、そのような状況ではないと捉えています。

離職を減らすに越したことはありませんが、離職率の対策としても、まずは稼働率を上げ、会社が順調な状況にしていきます。社員にとっても今後の成長性を感じられるうえに、仕事を通じて成長の実感が得られる状況にしていくことが、第一に優先することだと捉えています。

さらにその先について言えば、PMOやDXの伴走人材という、付加価値の高い人材に成長できるキャリアを作ることが大事だと考えています。

また、昨今の人材獲得競争の中においては、賃上げをしていくことも非常に重要だと考えています。こちらについては、もともと「VISION2030」の中で、10年間で社員の給料を1.6倍にするという大きな方針を掲げています。

昨年はそうした賃上げを実現できていませんが、基本的には継続して取り組んでいきたいと考えています。

加えて、最終的にはもともと当社が非常に重視しているミッションやビジョンの取り組みを実現していくこと、特に、脱炭素DX事業といった社会に大きく貢献できる事業を作っていく中で、社員のエンゲージメントを高めていくことが非常に重要だと考えています。

髙野氏からのご挨拶

髙野:収益性の改善は順調ですが、成長性については、この第2四半期決算段階では少しご心配をおかけする状況だと考えています。

しかし、現在取り組んでいるものの手応えはしっかり出つつあると考えています。この下期以降は成長率をしっかりと回復させ、ご期待いただけるような業績、ならびに会社の姿を実現できるように今後も取り組んでいきますので、どうぞよろしくお願いします。

本日はありがとうございました。