2024年3月期第2四半期決算説明
大久保裕行氏(以下、大久保):みなさま、こんにちは。社長の大久保です。本日はご多忙の中、当社決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。前回に引き続き、今回も会場とオンラインでのハイブリッド形式で説明会を開催します。
それでは、2024年3月期第2四半期の決算概要並びに中期経営方針の取り組み、進捗状況についてご説明します。
連結業績ハイライト(前年同期比・予想比)
2024年3月期第2四半期累計の業績概要です。フードグループの増収に伴い、連結売上高は増加しましたが、訪販グループのRFID(電子タグ)取り付けに伴う原価の増加が主要因で減益となりました。こちらは、後ほどセグメント別にご説明します。
10月27日に上半期業績の修正を開示していますが、5月に公表した業績予想との対比では、売上高は下振れ、利益は上振れとなりました。
前年同期比増減
スライドには、売上高、営業利益のセグメントごとの前年同月対比を一覧にしてお示ししています。訪販グループ、その他は減収減益、フードグループは増収増益となりました。
下段に連結営業利益の主な増減要因を記載しています。フードグループの増収に伴い、粗利の増加があったものの、レンタルモップ・マットへのRFID(電子タグ)取り付けに伴い、原価が増加しました。その他、人件費や旅費・交通費等の経費も増加し、減益となりました。
予想比乖離
スライドには、5月15日に公表した業績予想との比較をセグメントごとにお示ししています。概要については、10月27日に開示したとおり、売上は下振れ、利益は上振れしました。
下段に営業利益の主な乖離要因を記載しています。RFID(電子タグ)の取り付けがわずかに計画から遅れていること、フード、訪販とも宣伝広告費の使用時期を一部下半期としたことが、利益上振れの主な要因です。
連結貸借対照表の状況
貸借対照表です。連結総資産は前期末から24億1,300万円減少の1,951億1,100万円、連結純資産は前期末から9億9,400万円増加の1,527億6,800万円となりました。
資産項目では、現金及び預金が25億8,400万円、有価証券が17億6,700万円減少、投資有価証券が14億2,100万円増加しています。
訪販グループ 業績概況(前年同期比・予想比)
セグメントごとの業績をご説明します。まずは訪販グループです。売上高は前年同期比7億5,400万円、1.4パーセント減少の534億3,400万円、営業利益は前年同期比24億6,000万円、48.4パーセント減少の26億2,000万円となりました。
当上半期のクリーンサービス事業では、主力商品である事業所用マットのレンタル売上が前年同期比でプラスとなりました。家庭用モップのレンタル売上は、前年同期比でプラスには至っていませんが、日商ベースではマイナス幅が改善しつつあります。
これは、当期から加盟店へ拡大展開を開始した家庭用営業専任組織の活動が、計画には届いていないものの、新規のお客さま獲得に成果を上げつつあり、直営店・関係会社で新規のお客さま獲得件数が解約を上回っていることが要因の1つと考えています。
業績予想との比較では、主力のクリーンサービス事業が、家庭向け、事業所向けとも計画未達となったほか、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、ワクチン接種会場等のサービス受注が計画を下回りました。レントオール事業の売上が下振れたこと等により、売上、利益ともに下振れとなりました。
訪販グループ 営業利益(前年同期比・予想比)
訪販グループの営業利益の減少要因、計画からの乖離要因についてご説明します。前年同期比では大きな減益となりましたが、これは中期経営方針の最重要戦略投資と位置付けているRFID(電子タグ)の取り付けを計画に従って進め、原価が大きく増加したことが主因です。
5月15日公表の業績予想対比では、営業専任組織の契約率が、概ね計画どおりとなりながらも、活動時間の不足により計画未達成となったこと、先ほどお伝えしたように、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、衛生関連商品売上が計画に届かなかったこと等で、営業利益も下振れとなりました。
フードグループ 業績概況(前年同期比・予想比)
フードグループの業績についてご説明します。売上高は前年同期比45億8,500万円、21.5パーセント増加の259億4,400万円、営業利益は前年同期比6億7,800万円、27.9パーセント増加の31億900万円となりました。
ミスタードーナツは、好調を維持しており、お客さま売上高は、全店ベースで前年同期比20パーセント増加、既存店ベースで前年同期比17.1パーセントの増加となっています。
「misdo meets」や定番商品の周年企画等、販売した商品が、いずれもお客さまから大変支持されたこと、また出店が進み、稼働店舗数が増加したことが増収増益につながりました。
ちなみに、お客さま数は前期比11パーセントの増加、お客さま単価は6.1パーセントの増加という結果となっています。
フードグループ 営業利益(前年同期比・予想比)
フードグループ営業利益の増加要因、並びに計画からの上振れ要因についてご説明します。いずれも好調な売上が主な要因です。
前年同期との比較では、前期の増収に寄与した、昨年末から年始にかけて販売した福袋の内容物である商品券の引換が当期に発生したことで、定番商品の構成が上昇し、原価率がアップしました。また、アルバイト給与や退職給付費用の増加で人件費が増加する等、経費も増加しています。
予想との比較では、上半期使用予定の宣伝広告費の一部を下半期使用に変更したことで、経費が若干下振れしています。
その他 業績概況(前年同期比・予想比)
その他のセグメントです。売上高は前年同期比2億2,900万円、2.9パーセント減少の77億9,900万円、営業利益は前年同期比1億9,900万円、45.1パーセント減少の2億4,300万円となりました。
当社子会社であるダスキン香港から調達していたペーパータオルを国内調達に変更したことが、このセグメントの業績に大きく影響しています。
また、期初に公表した海外取引の計画数値に誤りがありました。そのため、上半期業績予想との比較で大きな乖離が発生しましたが、通期での影響はありません。
2024年3月期 セグメント別業績予想
通期業績予想については、連結売上高・連結営業利益はいったん据え置きとしました。幅広い分野で値上げが生じており、原材料の高騰も続いていることから、好調なミスタードーナツも含め、販売状況をもう少し見極める必要があると考えています。修正が必要と判断した段階で、できる限り早くお知らせしたいと思います。
セグメントごとの通期業績は、上半期の実績を踏まえて見直しました。下半期売上高は、期初公表数値から訪販グループを下方修正、フードグループを上方修正しています。
フードグループの営業利益は下方修正しました。宣伝広告費の一部使用時期を下半期へ持ち越したほか、10月からのドリンク関係商品の価格改定に対応するための費用を新たに織り込んだ結果、売上高は上方修正にもかかわらず、営業利益は下方修正となりました。
株主還元
株主還元についてご説明します。11月8日に開示したとおり、当社は11月16日に創業60周年を迎えました。
それに伴い、当期の期末配当において、1株当たり20円の記念配当を実施します。中間配当35円、期末普通配当43円と合わせると、当期年間配当は98円となります。
また、昨年の11月から進めていた自己株式の取得が、2023年7月14日に終了しました。当期の取得分は52万7,000株、金額で16億9,600万円となっています。配当も含めた総還元性向は、146.4パーセントと予想しています。
中期経営方針2022
「中期経営方針2022」の取り組みについてご説明します。「中期経営方針2022」は、期間を2023年3月期から2025年3月期までの3年間と設定しており、2024年3月期は長期戦略「ONE DUSKIN」の第3フェーズの2年目に当たります。
「中期経営方針2022」では、3つのテーマを掲げています。テーマ1は事業ポートフォリオの変革、テーマ2は経営基盤の構築、テーマ3は社会との共生です。
中期経営方針2022の取り組み 訪販グループ
既存事業の変革、発展における訪販グループの取り組みについてご説明します。暮らしや事業環境における調律業を目指している訪販グループでは、「衛生領域」「ワークライフマネジメント領域」「高齢者サポート領域」を注力領域に定め、5つの戦略を推進することで、領域の深耕と拡大を進めています。
はじめに、開発戦略の取り組みからご説明します。ワークライフマネジメント領域では、鍵の交換サービス「ダスキンレスキュー」の検証エリアを拡大し、新たに神戸、名古屋、東京で検証を実施しています。
昨年、業務提携契約を締結したクラシアンさまとの協業を進め、大阪市内にて相互送客のテスト検証を開始しました。クラシアンさまは当社にレンタルモップのモニターを、当社は直営店でクラシアンさまに水のトラブルを抱える方を、相互に送客する検証を開始しました。両社の企業価値向上の最大化を実現するために、今後引き続き検討、実行してまいります。
衛生領域では、当社のイベント等の事業を運営するレントオール事業が提供する「防災サポートサービス」の災害協定を締結した自治体が51自治体となりました。
「防災サポートサービス」は、災害発生時に全国の拠点を利用して自治体の避難所開設に必要な施設衛生サービスとレンタル商品の提供をサポートするサービスです。今後とも、地域の安心安全に貢献してまいりたいと考えています。
高齢者サポート領域においては、4月よりフレイル予防に貢献し、地域にお住まいの高齢者の生活をサポートする「まちかど生き活きプラザ」を埼玉県和光市にオープンしました。引き続き、人生100年時代を見据えた高齢者向けのサービスの拡充に注力してまいります。
中期経営方針2022の取り組み 訪販グループ
情報と流通の改革によるお客さまとの新たな接点作りと、顧客維持の強化を図る取り組みについてご説明します。
組織戦略では、リアル接点強化の施策として、お客さまの開拓に特化した家庭用営業専任組織の加盟店展開を開始しました。すでに113店の加盟店で稼働しています。家庭用営業専任組織による9月までの新規契約件数は1万5,000件となり、前年同期の活動と比べて133パーセントと、着実に成果を上げつつあります。
市場のニーズが高い役務提供サービスの需要に応えるための拠点戦略では、上半期に、ケアサービス事業は39店、シニアケア事業は7店を新たに出店しています。今後とも、提供体制の強化、拡充に努めてまいります。
CX戦略においては、Web広告の強化、eコマース施策が順調に推移しました。ホームページからのレンタル品のおためし数は前年同期比で16パーセントの増加となっています。会員サイト「DDuet」の会員数は158万人に到達し、前年同期比で22パーセントの増加となりました。また、昨年秋から展開しているマイページ機能の拡充をより一層高め、お客さまの利便性を高めてまいりたいと考えています。
物流戦略についてですが、物流戦略のメインは、やはりRFID(電子タグ)の取り付けです。上半期に若干の遅れはあるものの、今期中には取り付けを完了させて、予定どおり来春より運用することで、当初目指していた生産の効率化を開始できると考えています。運用開始により、来期は、8億円程度のコストダウンに加え、先行導入していたレンタル品のコストが必要なくなることから、約15億円から16億円の利益貢献を想定しています。
商品戦略については、「ダスキンレスキュー」の鍵交換等の検証を含め、さらに抗菌・抗ウイルス商品の拡充を進めてまいりたいと考えています。
中期経営方針2022の取り組み フードグループ
フードグループの取り組みについてご説明します。フードグループでは、誰もがいつでも「しあわせな時間」を過ごせるようなショップ作りと、おいしさ・楽しさの提供を追求しています。そのために、新業態開発や既存バリューチェーンの強化、マーチャンダイジングに注力し、取り組みを進めています。
主力事業であるミスタードーナツでは、開発戦略として「misdo meets」において、祇󠄀園辻󠄀利さまとのコラボレーション商品第2弾を期間限定で発売し、当期もお客さまから大変支持をいただきました。また、商品発売20周年を迎えた「ポン・デ・リング」と、50周年を迎えた「フレンチクルーラー」は、周年記念商品を発売しました。
「ポン・デ・リング」では、驚きの見た目と食感で楽しめる「白いポン・デ・リング」を発売しました。当社はドーナツを揚げているため、普通は茶色くなるのですが、当商品は揚げているにも関わらず白さを保っています。開発担当者に「どうして白いんだ?」と確認したところ、「社長、それは企業秘密です」と、私にも教えてもらえませんでした。それだけ開発に苦労して取り組んできたということの証だと思っています。
「フレンチクルーラー」では、生食感のドーナツ「生フレンチクルーラー」を発売しました。この2つは大変好評で、売上にも大きく寄与しました。
また、来店促進を目的とする「ミスドゴハン」の強化では、1つのドーナツで2つの味を楽しむことができる「ザクもっちリング」を発売し、好評をいただきました。こちらはテイクアウトでも「ミスドゴハン」をお楽しみいただける、お惣菜のドーナツです。
加えて、「かつアンドかつ」においても、季節に合わせたメニューを開発・展開し、毎年ご好評をいただいている広島産の牡蠣フライなどが楽しめるフェアを今年も開催しています。
中期経営方針2022の取り組み フードグループ
「ミスタードーナツ」における出店戦略です。上半期は新たに22店を新規出店しました。全国合計の稼働店舗数は1,008店へ増加しました。また、店舗改装においても、よりゆったりお客さまにお過ごしいただくための新店舗への改装を進め、上半期は78店を改装しました。引き続き、お客さまの利便性の向上を目指してまいりたいと考えています。
CX戦略においては、商品をゆっくり選ぶことができ、レジに並ばず商品を受け取ることが可能な「misdo ネットオーダー」の認知拡大に取り組んでいます。加えて、デリバリーサービスのさらなる拡充のため、「Uber Eats」「Wolt」を順次導入しています。
今後も、お客さまの体験に新たな価値を提供できるよう、取り組んでまいりたいと考えています。
中期経営方針2022の取り組み
事業ポートフォリオの変革に向けた、新しい成長機会への投資についてご紹介します。当社は、株式会社JPホールディングスさまへの約90億円の出資及び業務提携を決定しました。JPホールディングスさまは、少子化の加速や待機児童問題という社会課題解決に取り組む、保育園や学童クラブ等を運営する子育て支援のリーディングカンパニーであり、東京・関東を中心に約300施設を運営しています。
今後、幼稚園は減少していく見通しがあり、子供を預けながら働ける保育園・学童クラブ等は増加する見込みとなっています。さらに、保育園に預けるためには、これまで両親の就労証明が必要でした。今後は就労証明が必要なくなる方向性だと確認しています。その結果、働きたくても子育てで働けなかった層の、働くことのできる環境への移行が見込まれると考えています。
そのような環境の中で、生涯にわたりダスキンとの関係性を維持するための領域の1つを「子育て領域」と特定し、子育てをしながら働く方々が安心して暮らせる生活環境の提供を目指してまいります。
当社の既存事業である家事代行サービス「メリーメイド」、プロのお掃除サービスなどの代行サービスをご提供することにより、ご家庭にゆとりの時間をお届けすることができると考えています。
あわせて、JPホールディングスさまの事業・ノウハウ等の強みを活かしつつ協業することで、子育て領域への新たなサービス開発を進め、東京・関東にとどまらず全国の子育て層に対し、既存サービスを含めて提供したいと考えています。
この領域は、ダスキンがお客さま、そして社会に長く必要とされ続ける企業となるために、当社にとっても非常に大きな挑戦となっています。今後、協業検討プロジェクトを立ち上げ、具体的な検討に入っていきたいと考えています。
中期経営方針2022の取り組み
海外戦略では、RE&S Enterprises Pte Ltd社と、ミスタードーナツ事業のシンガポール展開におけるマスターフランチャイズ契約を締結しました。このシンガポール展開では、2023年5月にミスタードーナツ1号店、7月に2号店をオープンしました。今後の予定としては、3年以内に9店舗の出店を目指しています。
シンガポールでも、ミスタードーナツは非常に好評で、当初の見込みを上回る成果をあげています。今も30分以上の行列を作って、ご購入いただいている状況が続いています。今後も、積極的な海外展開を実行していく計画であり、現在もその他アジア諸国への展開の可能性を探っています。
中期経営方針2022の取り組み
テーマ2の経営基盤の構築についてご説明をします。人的資本経営の推進として、当社においても人材を資本と捉え、従業員が成長し続けられる環境整備が中長期的な企業価値につながると考えています。その取り組みの1つとして、今期より従業員が新しい技術やスキルを自律的に学ぶための教育ツールを導入しました。導入後、約半年で350名が利用し、総学習時間は2,300時間を超えています。
こちらは昨年の実績の数値と比較すると、当社の従業員1人当たりの年間研修時間を6パーセント押し上げる値となっています。今後も従業員の学びをサポートすることで、事業環境の変化に対応し、社会課題解決に向けた事業ポートフォリオへの変革に必要な人材を育成してまいりたいと考えています。
また、DX推進については、クラウド移行に伴う現在のオンプレミスで作っているレガシーシステム再構築に向けたプロジェクトを立ち上げています。そのための人材育成にも、引き続き注力しています。
最後に、テーマ3の社会との共生についてご説明します。CO2排出量削減推進のため、一部拠点においてEV車両をテスト導入しました。
削減コストとランニングコスト、実用性等について、現在実証実験を行っています。引き続き、2021年6月に策定した「ダスキン環境目標2030」の実現に向けて、取り組みを進めてまいりたいと考えています。
今後も、人に、社会に、喜びの種まきを実践し、社会的価値向上と経済的価値向上の双方を実現する、当社の経営理念の根幹である「道と経済の合一」を追求してまいりたいと考えています。
質疑応答:RFID(電子タグ)取り付けによる来期への業績影響について
質問者:RFID(電子タグ)取り付けによる業績影響について、すでにうかがっていた8億円のコスト削減に加えて、導入コストの減少分で42億円と、来期は合計で前年同期比プラス50億程度の増益要因と捉えていました。
しかし、先ほどの大久保社長のご説明の中で、15億円から16億円の費用の削減というお話がありました。この費用の削減は42億円に含まれているのか、それとも別途コスト削減として見ているのでしょうか? 従来のご説明と異なる点について、詳細を教えてください。
大久保:42億円は前期と今期に行うRFID(電子タグ)の取り付け費用です。生産性向上による年間のコスト削減額は約8億円としています。
一方、RFID(電子タグ)取り付けに伴い在庫が工場に滞留しますが、取り付けが完了すると、その滞留分を現場で流通させることができます。そのため、通常よりも年間でコストを削減できると考えており、来期のコスト削減額は先程のコスト削減額8億円と合わせますと15億円から16億円を見込んでいます。
質問者:42億円の導入コストと8億円のコスト削減、導入コスト減少分を合わせて前年比58億円の増益になるということですか?
大久保:おっしゃるとおりです。今期は取り付け費用の42億円がかかっていますが、来期はそれがありません。導入によるコスト削減の約8億円に加えて、生産性向上によるコスト削減の8億円、合計で58億円となります。
質疑応答:中期経営計画における営業利益120億円の達成確度について
質問者:中期経営方針で、来期は連結営業利益120億円を目標に掲げています。今期の水準に対して58億円のプラス、さらにプラスアルファということで、現状、来期の営業利益の達成確度についてどのように見ていますか?
大久保:先ほどお伝えした58億円は確実に効果が出てくるものと考えていますので、来期の営業利益120億円は実現性が低いものではないと考えています。
一方、人件費は高騰しており、今後は毎年5パーセント程度人件費が上昇していく予測も立てています。原材料価格の高騰も続いていますので、それらの影響も加味する必要が出てくると考えていますが、当初目標である営業利益120億円を達成するように努めていきます。
質疑応答:子育て支援への参入について
質問者:JPホールディングスの株式取得ということで、単純に投資だけではなく、御社のビジネスとして、今後、子育て支援の領域を拡大していくお考えがあるのか教えてください。
大久保:まずは子育てをされているご家庭へのサービスの提供を考えており、今後は新たなサービス開発も含めて、重点的に進めていきます。
ただし、保育園、学童クラブ等の直接運営については、今後の検討項目とさせていただきます。
質疑応答:今後のミスタードーナツの出店エリアについて
質問者:フードグループではミスタードーナツが非常に好調で、出店が増えつつありますが、現状、出店を増やしているエリアや立地はありますか? 加えて、今後の拡大が期待できる出店エリアや立地について、どのように見ているか教えてください。
大久保:出店エリアについては、どこかに特化しているわけではありません。ただし、立地については、ショッピングセンターやフードコートへの出店が約6割を占めています。
今ミスタードーナツが非常に好調に推移していますので、各デベロッパーからも多くのお声がけをいただいており、今後はそちらへの出店も増えてくると考えています。
一方で、ミスタードーナツは店舗にキッチンを構えていますので、そのキッチン分のスペースが必要で、都心部、特に山手線の内側への出店が加速できていませんでした。
今後は、テイクアウト専門店、キッチンを別に持つ店舗の組み合わせにより、山手線の内側、もしくは人通りが多い繁華街等への出店強化を図っていきたいと考えています。
質疑応答:ミスタードーナツのフランチャイズオーナーの出店意欲について
質問者:ミスタードーナツは既存店も好調ですし、基本的にフランチャイズでの出店が中心になると思います。フランチャイズのオーナー企業の出店意欲はかなり高いイメージを持ってもよいでしょうか?
大久保:ミスタードーナツの業績があまり芳しくない時は、ダスキン本社から融資、転貸借などの施策をとっていましたが、現在、その制度を活用する加盟店はまったくと言ってよいほどありません。
ご自身の資金で追加出店していく方向に変わっていますので、出店に関しては旺盛な意欲を持っていただいていると考えています。