E・Jホールディングス(株)の概要

小谷裕司氏:代表取締役社長の小谷でございます。私からは会社の概要と今後の経営戦略についてお話しさせていただきます。

まず、E・Jホールディングスの概要です。E・Jホールディングス株式会社は、2007年6月に旧エイトコンサルタントと日本技術開発の共同株式移転により、グループ参加会社の経営を統括する目的で設立しました。

2022年4月の東京証券取引所の再編により、プライム市場にて展開しています。2022年5月期の資本金は28億300万円、総資産は392億4,000万円となっています。

E・Jグループ会社の概要

E・Jグループの連結子会社は12社です。その他、非連結として5社を有していますが、これは新事業のラボセンターの位置付けとして特定目的会社となっています。

グループの果たすべき役割

今後の経営戦略についてご説明します。2020年頃から新型コロナウイルス感染症がパンデミック化し、産業構造や生活様式を大きく変えました。また、情報化社会が高度化し、加速しています。その結果、国内外ともに価値観が多様化し、社会経済が目まぐるしく変化している状況です。

世界人口が増加する中、日本は少子高齢化や人口減少が問題になっています。経済発展を進めるためには「Society5.0」として提唱されているIOTで仮想空間と現実空間を連携し、すべてのモノや情報、そして人を1つにつなぐとともに、AIなどの活用による量と質の全体最適社会の構築が急務とされています。

これらを踏まえ、目先のみならず10年後においても活躍し続けるE・Jグループの道しるべとして、昨年に長期ビジョンと中期5ヶ年計画を策定しています。

現在の我々を取り巻く環境は、社会経済において国内では一極集中と人口減少が起きています。グローバルでは人口は増加し、多極化しています。また、ダイバーシティが加速したり、Withコロナの中でどのように生活していくのかといった課題が挙げられます。

価値観や技術においては、国内外問わずシェアリングエコノミーの進展が挙げられます。また、「Society5.0」としてDXの推進が大きな要素になっています。

資源・環境・エネルギーについては、国内では脱炭素社会や再生可能エネルギーといったエネルギー資源の有効活用が大きな問題になっており、海外では食料や資源問題があります。そして、異常気象に伴う自然災害の増加は、国内外問わず増えています。

その中でどのようなことが注目されているのかを、トレンドオペレーターとしてまとめています。「ライフスタイルの変化」「経済成長と資源循環の両立」が急務であり、「デジタル革命の進展」「グローバル経営の進展」も必要です。

その中で、当社グループのコア・コンピタンスである「環境」「防災・保全」「行政支援」の3つを活かしながら、グループとしての役割をいかに果たしていくのかが重要です。その役割を3つの領域として掲げています。1つ目は、「環境負荷軽減への貢献」です。グリーン・インフラへの対応、自然との共生対応が必要になってきます。

2つ目の「持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献」は急務です。国土強靱化、防災・減災対応は必要不可欠な状況です。

3つ目は、「地域の課題解決と活性化への貢献」です。一極集中是正、スーパーシティ対応、あるいは地域がどのように人口減少を抑えながら活性化していくのかという課題への対応が急務になります。我々にはこれらを果たしていく責任があると考えています。

長期ビジョンの概要

そのような課題をもとに、2030年の目指すべき方向性を定めました。「革新と進化を続け、安心・夢のあるサステナブルな社会の実現に貢献する」がグループの方向性です。そして、「未来型社会インフラ創造グループ」として、先ほど挙げた3つの役割を果たすためESG経営を推進しながら、4つの基本方針を具体的に進めて貢献していく考えです。

長期ビジョンの4つの基本方針

長期ビジョンにおいては、「環境負荷軽減対応の強化」「持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献」「ダイバーシティ経営の実践」「最適な体制構築のためのガバナンスの強化」の4つの基本方針のもと、ESG経営の推進としてSDGsの目的を掲げながら、目標達成に向け対応していく考えです。

長期ビジョンにおける事業展開方針

それを実現するために、我々の強みとしている3つのコア・コンピタンスのもとで6つの重点分野を積極的に推進しながら、差別化的な要素を踏まえ、企業価値の向上を進める考えです。

グループ各社の役割と連携

グループ12社の役割です。エイト日本技術開発は、国内外を問わない総合コンサルタントです。その他、専門領域を扱う近代設計、日本インフラマネジメント、アイ・デベロップ・コンサルタンツ、二神建築事務所といった会社があります。

地域コンサルタントとして、ローカルの問題に対し積極的に展開していく企業グループもあります。また、EJECタイランドという海外を中心とした企業があり、専門領域と地域を補完する意味で外部パートナーやM&Aを積極的に推進していく考えです。

長期ビジョンへのロードマップ

長期ビジョンへのロードマップです。スライドのとおり、一昨年、第4次中期経営計画が終わりました。2022年5月期から第5次中期経営計画をスタートしています。

第5次中期経営計画は、「革新・進化のための基盤整備」という位置付けにしており、第6次中期経営計画、第7次中期経営計画を展開することで、2030年度に売上高500億円、営業利益60億円、当期純利益40億円、ROE10パーセント以上を目標としています。

第5次中期経営計画の概要

第5次中期経営計画の概要です。2021年度から2024年度までの4ヶ年計画で進めており、「革新・進化のための基盤整備」という位置付けのもと展開しています。

3つの基本方針である「既存事業強化とサービス領域の拡充」「多様化するニーズへの対応力の強化」「環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築」から具体的な5つのメインテーマを掲げて展開し、連結売上高は385億円、営業利益は48億5,000万円という目標で進めていく考えです。

なお、当初は連結売上高が380億円、連結営業利益が46億円、当期純利益が31億円と設定していました。当期純利益などについては2022年5月期の初年度に目標を達成したこともあり、連結売上高、営業利益、当期純利益などについて7月12日に上方修正しています。

数値目標と投資方針・配当政策

このように、中期経営計画を確実に達成しながら長期目標を達成していく考えで、そのために必要な投資は積極的に行っていきます。

イノベーション投資として、約40億円を第5次中期経営計画の中で進めていく考えです。特にDXによる業務プロセス改革、生産性効率の改善については2023年5月期に積極的な投資を行います。詳細については、後ほど永井よりご説明します。

その他、必要な研究投資開発、教育、研修も進めています。なお、この40億円の中には新たなM&A費用は含まれていません。

利益還元について

配当政策については、安定配当を継続します。一般的には配当性向といったことが言われていますが、当社は株主資本配当率3パーセントを目標として掲げ、これを目指す方向で増配を含めながら安定した配当を考えていきます。

スライドのとおり、2021年5月期の前に株式分割を行っています。2020年5月期は50円の配当としていましたが、これを分割後に戻すと25円ということで、5期連続で増配を進めています。

2016年5月期は13円で、その前は10円の配当でした。基本的には増配を続けて株主に還元していく方針です。スライドには掲げていませんが、株主優待も実施しています。このように、引き続き第5次中期経営計画の目標達成と長期ビジョンの達成に向けて尽力していく考えです。私からのご説明は以上です。ありがとうございました。

2022年5月期 連結決算概要

浜野正則氏:2022年5月期決算の概要についてご説明します。当期の期首から収益認識に関する会計基準を適用しています。売上をどのタイミングで、どのように認識し財務諸表上に反映させるかについての会計基準です。

当社はこれまで完成基準で、一部は進行基準というかたちでしたが、収益認識基準を適用しても基本的には完成基準ならびに進行基準は変わりません。

ただし、一部の業務では完成基準の適用を進行基準に変更したり、進行基準の適用を一部完成基準に変更したため、その影響を経過措置というかたちで会計上処理しています。そのため、認識基準を適用したみなし部分を若干含んでいることにご留意ください。

それでは、2022年5月期の連結決算概要についてご説明します。スライド中央の数値は2022年5月期予想で、受注高は350億円、売上高も同額の350億円、営業利益は39億円という目標を設定していました。

2021年5月期の実績では370億円近い受注高を実現していますが、この期の後半には補正予算の早期発注があったため、期末に受注が非常に伸びました。2022年5月期はその受注の消化をベースに選別受注に切り替え、受注目標を低めに設定してスタートしました。

2022年5月期の実績では、受注高は350億円の目標を若干下回り、計画比97.4パーセントの340億7,400万円となりましたが、ほぼ見込みの範囲となりました。

一方で、生産に注力したことで生産高は10億円余り増加した結果、売上高は計画比104.8パーセントの366億6,800万円となりました。それに伴い原価率のよい状況が続き、営業利益は計画比15.2パーセント増の44億9,100万円、経常利益も計画比14.8パーセント増の47億600万円、当期純利益も計画比11.5パーセント増の31億2,100万円となり、第5次中期経営計画の目標である31億円を達成しました。

利益に関しては営業利益、経常利益ともに5期連続の増、純利益は4期連続の増となり、それぞれ過去最高益を更新しました。

連結受注高の内訳

受注の内容についての分析です。受注高が340億円と計画を若干下回った要因として、1件当たりの受注高が昨年の1,231万7,000円から当期は1,098万8,000円と約10パーセント落ちたことが、全体の受注高を押し下げたものと考えています。

プロポーザル業務の受注が若干落ちていますが、プロポーザルは非常に時間と労力がかかる作業であるため、そちらを多少省いて生産に注力した傾向が現れたと分析しています。

連結受注状況の概要

受注の状況については、受注高が全体で前年同期比92.3パーセントに対し、技術提案型業務は前年同期比85.8パーセントで、全体の下落よりもやや大きな数字になりました。こちらに関してはプロポーザルなどへの応募件数削減の影響が出たものと認識しています。

しかし、環境・エネルギー、自然災害リスク軽減、都市・地域再生、インフラメンテナンス、公共マネジメント、デジタル・インフラソリューションの6つの重点分野に関しては、前年同期比96.2パーセントと全体の下落率を上回っています。当社グループが注力している商品の方向性は間違っていないと認識しています。

連結受注高

連結受注高の発注機関別と地域別の概要です。発注機関別では都道府県と民間がそれぞれ前年同期比約4ポイント増加していますが、中央省庁が前年同期比6.8ポイント減となり、プロポーザル受注の減が中央省庁の減に響いたものと思います。地域別には中国、九州が増加し、近畿が減少という結果になっています。

2022年5月期 通期業績結果

2022年5月期の通期業績の結果です。受注高、売上高は先ほどご説明したとおりで、売上総利益は前期33.2パーセントから0.1ポイント増の33.3パーセントとなりました。原価率の若干の改善の結果だと思います。PBRは0.65倍、自己資本比率は70.2パーセント、ROEは11.8パーセントです。

2022年5月期 連結決算 総括

連結決算の前期比と計画比です。計画比で売上高は104.8パーセント、当期純利益は111.5パーセント、前期比では売上高は106.8パーセント、当期純利益は112.1パーセントとなっています。

総括になりますが、外部要因として新型コロナウイルス感染症拡大による業績への大きな影響はありませんでした。防災・減災、国土強靭化予算の影響についても、発注状況に関してはおおむね計画どおりの発注がされたと思います。また、収益認識に関する会計基準の適用がありました。

連結損益状況

連結損益の状況をグラフにしたものです。売上高は、業務消化を中心としたことで計画からさらに伸ばすことができました。経常利益は原価率の維持もあったため33パーセント台を継続し、経常利益率も12.8パーセントと目標を達成しました。当期純利益も31億2,100万円と、計画値28億円を上回りました。

中期経営計画の最終目標値を初年度で達成したことで、先ほど社長がお伝えしたとおり、第5次中期経営計画の最終数値目標を変更しています。

連結貸借対照表の前期比較

連結の貸借対照表の前期比較です。総資産に関しては前期末から17億円増の392億円、流動資産は前期末から12億円増の276億円、固定資産は前期末から5億円増の115億円、負債の合計は前期末から3億円減の116億円、純資産は前期末から29億円増の275億円になっています。

連結業績四半期の推移 比較

四半期ごとに受注高、生産高、売上高、営業利益をグラフにしています。最初にお伝えしたとおり、従来、売上高と利益計上は完成基準がベースで、そのトレンドはほぼ変わっていません。各年度においても第4四半期に最終売上高と利益計上が集中するという特色は変わっていない状況です。

連結貸借対照表の推移

連結貸借対照表の推移に関してもスライドに記載のとおりです。売上高が第4四半期に集中するため、入金は4月、5月に集中し、期末に現金・預金が潤沢になっています。第3四半期までは固定費がほぼ一定で出ることで現金・預金が減少しますが、この期間中は短期借入金で賄っています。前期は第2四半期での増資により、純資産が約16億円増加しました。

連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フロー計算書の状況です。営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期比プラス9億5,600万円、投資活動によるキャッシュ・フローは前年同期比マイナス5億500万円、財務活動によるキャッシュ・フローは前年同期比マイナス13億1,500万円、現金及び現金同等物の増減は前年同期比マイナス8億6,400万円となりました。

期首の残高178億8,800万円が、期末の残高では170億2,300万円となっています。主な増減内容についてはスライド右側に記載のとおりです。

2023年5月期の位置付け

2023年5月期の通期業績見通しについてご説明します。2023年5月期は、第5次中期経営計画の2年目となっています。また、第5次中期経営計画初年度で最終年度の純利益目標を達成したため、「E・J-Vision2030」の売上高や各利益目標を修正しています。

2023年5月期 重点施策

重点施策については、初年度から重点目標や施策の内容に変更はありません。

2023年5月期 業績見通しの考え方

2023年5月期の業績見通しの考え方です。中期的にはインフラ需要は引き続き活況です。当面は新型コロナウイルス感染症の影響に若干の懸念がありますが、現状ではその影響は限定的であると見ています。

事業環境については、国内は2022年度当初予算が約6.1兆円で、例年並みの数字でスタートできると思っています。しかし、地方自治体の予算はコロナ禍の影響で15パーセントくらいの減を見込んでいます。海外でも引き続きコロナ禍の懸念はありますが、ODA予算は5,680億円を見ています。

事業計画について、受注計画は業務消化を引き続き優先しつつ、提案型業務への提案数が減少しているため、選択と集中により拡大を図っていきたいと考えています。

生産・売上計画については、さらなる生産性のアップを目指します。事業拡大投資では、業務効率改善に向けたIT投資を中心にした人材育成を図り、効率化と生産能力向上がベースになるように投資していきたいと思います。

2023年5月期 通期業績見通し

2023年5月期の通期業績の見通しです。受注高は360億円、売上高は370億円、営業利益は46億円、経常利益は48億円、当期純利益は32億円という目標を掲げています。単体についてはスライド記載のとおりです。売上は子会社からの配当金がベースになるため、グループの業績の好調に伴い、売上も増加していく状況です。

以上で2022年5月期の決算概要、2023年5月期予想のご説明を終わります。ありがとうございました。

基本方針① 既存事業強化とサービス領域の拡充

永井泉治氏:事業統括本部長の永井です。どうぞよろしくお願いいたします。私からは第5次中期経営計画の3つの基本方針について、2022年5月期の主な事業内容をご説明します。

まず基本方針の1つ目の「既存事業強化とサービス領域の拡充」をどのように実現するかについて、4つの具体的な方針を示しています。

1つ目は、最先端技術を取り入れ、国土強靭化、老朽化するインフラメンテナンス、環境に配慮したサステナブルな社会インフラの整備、加えてCM(コンストラクション・マネジメント)などの行政支援のサービスを深化させ、重点課題として取り組みます。

2つ目は、環境、防災・保全、行政支援の当グループ3つのコア・コンピタンスを基盤とした6つの重点分野により、今後成長が想定される事業領域の拡大、変革を図ります。

3つ目は、経済発展とともにインフラ整備市場が拡大する東南アジアを中心に、M&Aを含め海外事業基盤の再構築を図ります。

4つ目は、研究開発、デジタル機材などへの積極的投資によりDX推進を加速することで、競争優位性を確保します。これらの方針に基づき、事業を実施していきます。

基本方針① 吉野川サンライズ大橋の設計・施工一括管理

具体的な事業例として、エイト日本技術開発と近代設計の連携業務で、四国横断自動車道の徳島県吉野川河口部に架けられた長大橋である吉野川サンライズ大橋の設計・施工管理についてご紹介します。

この業務はエイト日本技術開発が基本設計を行い、施工管理はグループ会社の近代設計とエイト日本技術開発の共同で実施しました。

吉野川サンライズ大橋の概要をご説明します。自動車専用橋梁で、橋長は1,696.5メートルと非常に長く、上部工の形式はPC(プレキャストコンクリート)15径間連続箱桁橋という特殊な橋梁で、国内最大級の連結桁数です。

設計にあたってのコンセプトですが、吉野川河口の環境を考慮し、上部工形式を決定しました。また、予想される南海トラフの巨大地震にも耐えうる構造とし、海が近いため海水による塩害対策や、河口部の景観に配慮しています。

施工管理にあたっては、発注者側から設計技術者の参画を強く要望され、当社グループが現場管理を担当しました。この橋梁は、2022年3月21日に供用を開始しています。

基本方針① 広島駅南口広場再整備CM事業

1つ目の基本方針の別の事例をご紹介します。広島駅南口広場の再整備CM事業をエイト日本技術開発が実施しました。

広島電鉄の路面電車をJR広島駅の1階から2階に移動することで、乗降客の利便性の向上や広島駅南口周辺に点在するバスの乗降場を集約しました。そのため駅全体の利用動態を変更し、広島駅を中心とする公共交通アクセスの向上と、都市機能や都市空間の快適性、利便性の向上を図りました。

エイト日本技術開発は、都市計画設計の技術に加え、行政支援のノウハウを有していることから、URリンケージとJVを組み、この業務を受注しています。業務内容は、発注者の広島市交通局と連携し、発注契約支援や業務管理を行うものとなっています。これを実施するメインの技術者として、当社の技術者が現場に常駐しています。

新駅の開業は、令和7年です。令和8年には、バスやタクシー、マイカーエリアなどすべての工事が完了する予定と聞いています。

基本方針② 多様化するニーズへの対応力の強化

2つ目の基本方針についてご説明します。「多様化するニーズへの対応力の強化」をどのようにして実現するかについて、4つの方針を示しています。

1つ目はデータ、情報資産、ICT技術を活用した新商品、新サービスを開発することで、2つ目は既存の農林事業を活かした地域課題解決ビジネスを深化させていくことです。

3つ目は、グリーンインフラ、スマートシティ、物流・ロジスティックス推進等、未来型社会インフラへの知見・ノウハウ・技術を獲得し、新たなインフラニーズを収得することです。4つ目は、新規事業・技術力強化に必要なアライアンス・M&Aを積極的に行うことです。

この4つの方針で目的を達成するために、DXに加えて当社の得意とする3つのコア・コンピタンスの融合により、未来型社会インフラへの取り組みや、インフラDXの推進、国土形成に関するプロジェクトなどへも積極的に参加して、実現していく計画になっています。

基本方針② AR(拡張現実)を使った計画橋梁の現地確認

具体的な事例です。近代設計では、橋梁の設計においてAR技術を利用することで、現地での橋梁・架橋の状況や景観への影響など、工事前に関係者や発注者が完成に近い状況を現場で確認でき、計画の問題点を事前に把握することが可能となっています。

基本方針② 無電柱化事業における3Dを活用した取組み事例

2つ目の事例をご紹介します。北海道近代設計では、特に北海道でトップクラスのシェアを誇る無電柱化の設計にあたり、地中レーダーによる独自の解析技術や、BIM/CIMによる3次元モデルの設計を、施工計画や地元説明資料、地下埋設物の干渉状況の確認などに活用しています。

基本方針② 島根県砂防BIM/CIM(3次元計測〜3次元設計)業務

3つ目の事例をご紹介します。島根県の共立エンジニヤでは、令和2年より砂防施設設計において、自社で保有するドローン、UAVを使って3次元測量を行っています。これに基づき、BIM/CIMの図面を作成しています。

砂防施設の比較設計や詳細設計での数量の算出、施工計画などへの展開で、設計の効率化、品質の向上を実現しています。この技術は国土交通省からも高く評価されて、実際の工事におけるITC施工の業務拡大に寄与しています。

基本方針② DXの推進(①新システム導入の背景と目的)

4つ目の事例をご紹介します。長期ビジョンを実現するために、エイト日本技術開発では統合以来10年に渡り、業務管理、営業管理、人事管理、経理管理などの基本システムの抜本的な変更を行っているところです。

基本方針② DXの推進(② 新システム導入で実現できること)

このシステムの変更により、1つ目にリアルタイムデータの確認によるリアルタイム経営の実現を図ります。2つ目に、人材の評価・選抜・育成・人事配置・業務のデータベース化で、機動的なシミュレーション、人材配置の実現を可能にします。

3つ目に、業務実施における標準工程との比較や最適工程の簡略化、異常時工程の早期発見などの見える化、教育の最適化の実現を考えています。4つ目に、スキルの在庫管理により、業務実施管理や人事管理、人的スキルの見える化による受注機会の拡大を実現していく方針です。

このシステムの稼働は2023年6月を予定しており、システムの開発・運営予算として約18億円の投資を予定しています。

基本方針③ 環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築

3つ目の基本方針である「環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築」について、どのように実現していくかを5つの方針で示しています。

1つ目は、DXの導入により、業務のバリューチェーンの進化を実現して、業務の効率化・生産性の向上・成果品の品質の確保を図ることを目指しています。

2つ目は、グループ各社の総合力を集結し、さらなる企業価値向上を目指します。3つ目は、サテライトオフィスやテレワークを活用した多様な働き方を実践して、ダイバーシティを尊重した職場づくりとグループのブランド力強化を図っていきます。

4つ目は、イノベーションやマネジメント人財の育成の強化を目的とした「企業内学校」の創設と活用を行うことと、多様な人財確保によりグループの技術力の向上・人的資源の拡充を目指しています。

5つ目は、リスクマネジメント・内部統制の強化はもとより、コーポレートガバナンス・コードを踏まえた強固なガバナンス体制の構築と経営の透明性の向上により、株主・投資家との信頼関係を構築することを考えています。

この5つの方針の実践により、環境変化に柔軟に対応できる経営基盤を構築していきます。ガバナンスに関しては、具体的には「グループ経営会議」「グループ連絡会議」「グループリスク管理委員会」「サスティナビリティ推進委員会」等の会議体で、ホールディングスとして持株会社のメリットを活かして、柔軟で強固なグループ経営の実現に向けて、体制強化を図っているところです。

基本方針③ 主な取組み

主な取り組みとして、健康経営の推進が挙げられます。従業員及びその家族の健康は当社グループの重要な資本であると考え、健康管理は非常に重大な経営課題と捉えています。そのため、職員の意欲向上や女性活躍促進に向けた人財の確保と人財の定着支援を実施しています。

具体的な成果として、「健康経営優良法人2022」ではグループ会社4社、「えるぼし」「くるみん」は1社が認定を受けました。

社員の技術向上施策について、技術の高度化やニーズの多様化、ITを含めた情報化技術への対応など、OJTを補完する技術者支援が必要となっています。そこで、2021年6月1日に、エイト日本技術開発内に開校した企業内学校であるEJアカデミーで、グループ社員に対して土木の基礎講座や専門技術講座、行政・政策立案過程などの講座に加えて、話し方やマナー講座などの共通講座をカリキュラムとして実施しています。

講座は座学により実施しており、その内容を収録したアーカイブ研修ができるようなシステムで、受講や課題提出によってCPDという受講ポイントを取得できるようになっています。

基本方針③ 気候変動リスクへの取り組み

気候変動リスクへの取り組みについてです。パリ協定COP26で合意した「1.5℃目標」達成に向け、企業活動の見直しに着手しています。これを実現するために、ホールディングスの社長を委員長とするサスティナビリティ推進委員会を設置し、グループ全体で環境課題に対応します。

加えて、TCFDへの賛同表明を行い、コーポレートガバナンス・コードで求められる情報開示を予定しています。このためSBTiイニシアティブへの質問状への回答提出や、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)への質問回答などを実施して、活動の妥当性を検証予定です。

2022年5月期の主な事業内容をご説明させていただきました。ありがとうございました。