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井宮大輔氏:SMNの井宮です。本日は中期経営計画についてご説明させていただきます。まず全体像と基本戦略についてお話しし、その後、既存事業の戦略、計画値、ESG経営への取り組みについてご説明させていただきます。
事業領域の推移
全体像と基本戦略についてです。SMNはアフィリエイトからDSPに始まり、DSPに搭載するAIの開発、さらにはWeb制作会社やEC支援会社の買収により、マーケティング領域におけるサービスを拡大することで、「ブランドと人をつなぐ」ことを行ってきました。このブランドと人のつながりですが、昨今においては変化が起こっていると感じています。
ブランドと人のつながりの変化
以前は、ECプラットフォームを通した人とブランドのつながりがメインでしたが、昨今はそれに加えて、オウンドメディアや自社ECを通じてダイレクトに人とつながることで、より深い関係性を構築するDTC(Direct To Consumer)の流れが顕著になってきています。
弊社の試算では、DTC市場は2026年に約3.3兆円の市場に拡大すると予測しています。
DTCの課題と解決
しかし、DTCを進める上での課題は、ブランドのオウンドメディアの認知と、またその顧客の拡大にあります。SMNはデジタルマーケティングについて、長年培ったノウハウがありますので、我々であればその課題を解決できると考えています。
基本戦略
そこで、中期経営計画の基本戦略として、それぞれの既存事業で培ったデジタルマーケティング、ECの構築や運用、CRM、データ分析などのサービスを統合することで、ワンストップのDTC支援ソリューションを新規事業として成長させ、大きく変化していきたいと考えています。
初期においては、既存事業で培ったサービスを利用しますが、新たにDTCを行うブランドの顧客を拡大することで、顧客が成功するために解決する課題が拡大し、我々のサービスをさらに強くしていくと考えています。
ブランドと人のコミュニティ
DTCソリューションは、ブランドと人のコミュニティを広げることだと考えています。コミュニティを広げることはソニーグループの経営方針でも語られている「Community of Interest」の拡大につながり、ソニーグループの方針にも合致した戦略だと考えています。
DTC支援ソリューション~強み~
DTC支援ソリューションにおいて、デジタルマーケティングは強みになります。それに加えて、データ分析による改善が強みになると考えています。
従来はデジタルマーケティングの領域において、AIを用いた改善を行ってきました。しかし、今後のDTC支援ソリューションにおいては、顧客データやオウンドメディアの解析、カスタマーサービスなど、新たなデータが獲得できます。
アドテクノロジーで蓄積されたデータと、新たに獲得するデータを合わせて、それをAIで解析することで、その解析結果を用いた改善によりブランドのDTCを成功に導くことができると考えています。
AI技術はソニーグループのR&Dセンターと協業しており、この領域においてもすでに研究を進めています。
DTC支援ソリューション ~AIによる改善の例~
こちらは一例ですが、先ほどのご説明で、DTCにおいて顧客の拡大が課題だということをお伝えしました。しかし我々は、AI技術とデータを用いることで、既存顧客に類似した顧客へ広告配信を行うことで、顧客拡大を進めていけると考えています。
DTC支援ソリューション ~ビジネススキーム~
DTCソリューションの進め方としては、社内を統括しクライアントの窓口となり、プロジェクトのマネジメントを担う組織を設立し、各サービスを持つチームと連携してソリューションを提携していく予定です。
また、現在社内にはないサービスが必要になることも考えられますので、それについては他社との連携も積極的に行っていきたいと考えています。
ロードマップ
ロードマップとしては、来年はルビー・グループのラグジュアリーブランドの既存または見込み顧客を中心に開始することで、DTC支援ソリューションの確立を行いたいと思います。その後、クライアントベースを拡大し、その中で特定領域のデータや知見をためることで、3年後にはDTC支援において特定領域におけるポジションを確立したいと考えています。
ポジションを確立したあかつきには、DTC支援事業はアドテクノロジー事業と並ぶ大きな柱に成長し、SMNの成長と今後の経営基盤の安定に寄与していくものと考えます。
既存事業と新規事業の相乗効果
既存事業の戦略になります。先ほどもご説明しましたが、既存事業も新規事業も、ともに中心にあるサービスを使っていくことになります。それぞれの顧客の成功のために、両面からサービスが強化されるものと考えています。
それによって、それぞれの事業の成長につながると考えています。既存事業についても、今後も重要な事業として継続していきます。
アドテクノロジー事業の戦略
アドテクノロジー事業の戦略についてです。昨今においては、動画広告が非常に伸びています。特にブランドの認知訴求に関して、動画広告は非常に有効と考えていますので、こちらを引き続き強化していきたいと考えています。
動画広告を中心とした広告を、様々なメディアやデバイスに配信していきたいと考えています。現在ではモバイルやPCが中心になっていますが、昨今ではコネクテッドテレビも伸びてきています。これに加えてDOOH、また将来的にはメタバースにおいての広告配信も挑戦していきたいと思います。
また、これらのさまざまなメディア・デバイスに配信された広告を統合的に計測するツールも提供していきたいと考えています。こちらを用いることで、顧客と広告主の最適なメディアプランニングを提案していきます。
国内ファッション業界では初となるマルチアングルライブコマース配信を実施
さまざまなメディア・デバイスに配信する例として、11月に国内のファッション業界では初となるマルチアングルのライブコマースを実施しています。今後もこのような先進的な事例に積極的に挑戦していきたいと考えています。
デジタルソリューションの戦略
デジタルソリューションですが、こちらは大きく2つの事業があります。まず、ウェブ制作を中心に行っているASAに関しては、海外拠点を増強していきたいと考えています。そちらと合わせて、SMNおよびソニーグループのシナジーを用いて成長させていきたいと考えています。
また、ルビー・グループにおいては、SMNのデジタルマーケティング事業との連携を強化します。ラグジュアリーブランド以外の顧客の拡大も行うことで、ともに成長させていきたいと考えています。
中期経営計画 数値目標
計画値になります。売上200億円、営業利益15億円を目指します。中期経営戦略を追求することで、3年後の2025年3月期にこちらの数字を実現したいと考えています。
ESG経営への取り組み
ESG経営の取り組みです。まず環境に関しては、今回行うDTC支援ソリューションにおいて、余剰在庫・廃棄ロスをテクノロジーを使って実現していきたいと考えています。社会貢献においても、現在行っている「こども食堂」などの福祉施設への事業を継続していきたいと考えています。また、ガバナンスにおいては、経営の健全性と透明性を一番大事なものとして進めていきます。
井宮氏からのご挨拶
最後になりますが、中期経営計画として、新たにDTC支援ソリューションを新規事業として立ち上げることをご説明しました。また、既存事業も環境変化の対応などを含めて成長させることで、SMNとして継続的な成長ができるように大きく変化していきたいと考えています。
ご説明は以上になります。本日はご清聴ありがとうございました。