社名変更
舩橋哲也氏(以下、舩橋):社⾧の舩橋でございます。本日はお忙しいところ多くのみなさまにご参加いただき、誠にありがとうございます。早速でございますが、2021年度第2四半期決算のご説明を始めさせていただきます。
まず先立ちまして、社名についてご報告します。先般、10月1日をもちまして、社名を「協和エクシオ」から「エクシオグループ」に変更しました。もともと「協和」に込めていた「協力して和合する」という思いを「グループ」に読み替え、さらなる成長を遂げたいということで、新たなスタートを切りました。
機関投資家のみなさまには、引き続きのご支援、ご指導を賜れれば幸いです。また、弊社のHPに社名変更のスペシャルサイトもご用意していますので、ぜひ2030年VISIONの部分も含めて、ご覧いただければと存じます。
(1)決算ハイライト
第2四半期の説明に入ります。まず、今回の決算ハイライトです。ご覧のとおり、おかげさまで受注高・売上高・営業利益がすべて過去最高の第2四半期決算となりました。
営業利益は、前年同期比52パーセント増で、それなりに高い伸びを記録しました。会計基準の変更に伴う影響も含まれてはいますが、その影響を除いても大幅な増加となっています。
また今回は決算発表に合わせ、自己株式の消却と、期末配当の増配を発表したところです。現在保有している自己株式のうち、100万株を消却するとともに、株主のみなさまへの感謝の意を込めて、社名変更に伴う記念配当の2円を実施する予定です。
(2)業績ハイライト(受注高・売上高)
トップラインの説明に移ります。受注高については、すべてのセグメントにおいて前年同期比増となりました。後ほど詳細にご説明しますが、特にNCCのセグメントは大きく伸びてきています。
また、売上高についても同様に、すべてのセグメントで前年同期比増となりました。この中でも想定外といいますか、GIGAスクールの影響が昨年大きかったわけですが、それに比べてもまずまず、システムソリューション事業全体は伸びを示しています。
(3)業績ハイライト(営業利益)
営業利益については、まず売上増に伴う増益の効果、また施工効率の向上や、業務プロセスの改善による利益率改善の効果がありました。それから今まで少しご心配をおかけしていたかもしれませんが、グローバル面での、海外事業における着実な利益の改善も加わり、最終的に大幅な増益を達成しています。
収益認識基準導入に伴う、第2四半期における影響額はおよそ12億円となっております。この影響を除きましても、おかげさまで大きな増益となっています。
(1)計画サマリー
2021年度業績予想についてです。5月の決算発表から、残念ながら計画値については今のところ変更はしていません。おかげさまで、第2四半期までの業績、特に上期全体として非常に好調ではあるのですが、一方下期においては、「世界的な半導体不足等の影響」や、昨年同期比で見たときに「GIGAあるいは高度無線等の特別な特需案件の反動減」というものもありますので、少し先が読みにくい状況であるとは認識していますが、私どもの計画の達成には揺らぎはないと思っています。
もう少し確度をもって見通せる状態になり次第、必要があれば業績予想を変更することになろうかと考えています。
(1)NTTグループ
セグメントの概況について個別にご説明します。まずNTTグループについてです。売上高は前年同期比で84億円の増加となりました。昨年度の下期に受注した高度無線環境整備推進事業の案件については、今のところ工事も順調に進んできており、売上の増加につながっています。
また、NTTドコモの部分については、当初は非常にご心配をおかけしましたが、例えば今年の6月までに、5G基地局を1万局施工する大きな目標が達成されたように、工事の案件がかなり集中しています。そのおかげもあり、売上の増加につながっています。
高度無線については、特に北海道地域での雪による工事中断、あるいは、移動通信で5G以外での投資抑制も想定されているところですが、引き続き計画の達成を目指して取り組んでいきます。
(2)NCC
NCCのセグメントについてです。売上高は前年同期比で69億円の増加となりました。ソフトバンク、KDDI、楽天、各通信キャリア企業で、それぞれ年度末の目標に向かって積極的に基地局を建設していく大きな方針に変更はないと見ています。
また、各通信キャリア企業から当社に対しても、大きなご期待をもって発注いただいていますので、しっかりと設計、工事を進めていく所存です。
その大きなご期待にお応えするため、品質を確保しながら、また同時にスピード感をもって対応していく必要もあると思っており、私どもエクシオグループ全体におけるタイムリーなリソースのシフトや、アクセスとモバイルのマルチスキル化といった施策を引き続き推進し、柔軟かつ効率的な施工体制を構築していきたいと思っています。
(3)都市インフラ①
都市インフラのセグメントについてです。都市インフラの売上高は、前年同期比で28億円の増加となっています。昨年度は第2四半期まで、電気設備工事の大型案件、これは進行基準の部分も含みますが、それが複数ありましたので、少し反動減を心配していましたが、今年度の上期についても、大型データセンター案件の着実な工事の進捗などにより、売上に計上されている部分も含め、前年同期比増という結果になっています。
スライド右のトピックスについてです。再生可能エネルギーの分野については、9月に昭和電線ホールディングスと業務提携を開始しました。10月からは私どもの技術者を、彼らが開設している研修所に送っており、技術力向上のための研修をすでに鋭意進めています。おかげさまで人材育成も、非常に順調に進んでいると理解しています。
トピックスの2つ目は、木質バイオマスの自社発電です。このあとご紹介しますが、自社発電用の設備を建設し、すでに建設をスタートしています。地元のみなさまのご理解もいただき、投資資金については「グリーンボンド」にて調達を予定しています。
トピックスの3つ目はローカル5Gについてです。こちらも各種進めていますが、特にNEXCO中日本を含めて、高速道路トンネル内のメンテナンス作業の効率性および安全性に関わる実証実験を予定しています。
(3)都市インフラ②
売上高の推移を事業領域ごとにブレークダウンしたグラフを用意しました。「公共等インフラ設備」「電気/環境設備」「土木設備」となっています。年間の進捗にでこぼこ感は少しありますが、全体として順調だと思っています。
特に「公共等インフラ設備」においては、鉄道部分はご存じのように、コロナ禍の影響で少し厳しい状況もありましたが、トンネル等の公共事業について、堅実に案件が取れてきています。
「電気/環境設備」については、データセンターについて継続的に受注も取れてきていますし、再生可能エネルギーの分野についても開拓しており、しっかり進んできていると思います。
また、「土木設備」についても、前年同期比で見ると、少しずつですが伸びを示しており、無電柱化や、あるいはトンネル等推進に関わる部分、それから老朽インフラに対するリニューアル工事など、案件が増えてきています。
すでに新聞等でも伝わっているかもしれませんが、JVでのリニアの大型の案件に私どもも参加します。さらにもう1つ、こちらもJVになりますが、大型のトンネルの案件にも参加していますので、土木設備領域も堅調ないしは非常によい傾向で進んでいると思っています。
(3)都市インフラ(洋上風力ビジネスへの参画)
都市インフラの中で洋上風力に関わる部分について、簡単にご紹介します。先ほどお伝えしたように、9月に昭和電線ホールディングスと業務提携を行っています。特に、電力自営線やケーブル部分の工事を進めるため、技術力の獲得等をしっかり行おうという計画で、すでにもう十数名社員を投入し、勉強してもらっているところです。人材の育成が完了次第、実践に移りたいと思っていますので、来年度以降の実績を非常に楽しみにしています。
(3)都市インフラ(バイオマス発電)
もう1つはバイオマス発電で、現在は栃木県足利市、福島県古殿町の2箇所に建設中です。栃木県のほうでは、国産の自然の木材をベースにした燃焼装置を考えています。福島県については、木質チップをガス化するという新しい取り組みを行っています。タールの排出量が非常に少ないのではないかと期待される小型高性能のものを用意しており、完成後はぜひみなさまにも見ていただけたらと思っています。
SDGsの達成、貢献という観点も含め、地産地消の推進、さらに、お世話になる地域コミュニティのレジリエンス向上などを行いながら、2030年のビジョンにも掲げているカーボンニュートラルな社会の実現につなげていきたいと考えています。
また、「グリーンボンド」については100億円を調達する予定で、今準備を進めています。
(4)システムソリューション①
システムソリューションのセグメントです。前年同期比では、現在までのところで約179億円の大幅増となっています。テレワークなど働き方の改革に応じたクラウドPBXなどのデスク環境関連システムに加え、昨年度すべて終わったかと思いきや若干今期にずれこんだ「GIGAスクール」の案件、高校のIT機器の導入案件など、おかげさまで、大型の文教案件を前半戦でも受注することができました。
グローバルについては、スライド右側のトピックスに少し記載していますが、APACで立ち上げてきた、中古製品を含む端末の利活用という新しいビジネスを拡充しています。シンガポールでARCO(アルコ)という会社を立ち上げていますが、この日本国内でのビジネス拡大も狙い、日本法人を10月1日に設立したところです。
すでに日本国内での営業展開も進めており、複数の大手のお客さまからもだいぶ引き合いをいただいています。中古品を取り扱うための認証等を取れ次第、契約を進めていく所存です。
保守運用ビジネスについては、グループ各社で個別に提供していたサービスを統合し、セキュリティも交えてリカーリングビジネスの拡大を狙っていこうと思っています。
海外でロックダウンが続く中で、グローバルについてはご心配を掛けた面がいろいろとありましたが、新規ビジネスの継続的な展開に加え、各種インフラの工事もしっかりと進捗してきており、おかげさまで増額を達成しています。
(4)システムソリューション②
内訳について簡単にご紹介します。スライド左側のシステム開発、サービス提供の部分について、売上高は大きくなってきています。今年の年間進捗率が約半分まで来ており、この調子でなんとか計画を達成していくのではないかと思います。
スライド中央の保守運用のビジネスについても、年間の進捗が5割超となりました。こちらには少し投資して新しいカスタマーセンターを作り、グループ内のリソースを集結して、リカーリングビジネス拡大のために立ち上げ強化を進めてきました。
グローバルは先ほどお伝えしたように、着実に成長してきています。先般も非常に大きな案件について、現地から色よい返事が舞い込んできています。後半戦、あるいは来年以降が非常に楽しみになってきていると考えており、大きな期待感を持って見つめています。
(4)システムソリューション(保守運用ビジネス)
保守運用ビジネスについて簡単にご紹介します。これまで蓄えてきた我々のいろいろなノウハウを結集して、今まで運営してきたもののフルリニューアルを行うために、少し投資を行いました。弊社のような会社としては珍しく「SOC」も充実させているため、昨今の環境下においても、24時間365日、十分対応できるセキュリティ体制があると考えています。
この分野については、2025年度に100億円規模の事業となることを目標に立ち上げていく予定です。
(1)グループ再編成
グループ全体の方向についてご説明します。おかげさまで、多くの会社に子会社としてジョインしていただいています。特にインフラに関わる分野については、こなれてきている部分もあるため、シナジーの最大化を目論んで、現在いくつかの子会社の再編成を進めています。東北と北海道エリアについては、エンジニアリングの最適な体制を実現するべく、今年8月に統合を実施済みです。
共通系子会社では、DXおよび効率化を加速しながらコスト低減を図るということで、12月以降の再編成を予定しています。また、来年度になる可能性は高いのですが、ソリューション系の子会社についても再編成を考えています。
(2)国内M&A実績と今後の狙い
M&Aです。昨年はコロナ禍の影響もあったため、ずいぶん身構えていましたが、おかげさまで、事業全体も安定成長の基盤が少しできてきたと思っています。今年は、2つのテーマでM&Aを実施しました。
1つ目は、発表したばかりですが、11月からジョインした菱星システムです。都市インフラ事業で、国内の電力線の施工技術をしっかりと持ってがんばっている会社です。ここに技術者も配置して、増強をかけたいと思っています。
2つ目は、先ほどお伝えした保守運用事業の強化ということで、こちらも11月からですが、アイティ・イットという会社にジョインしてもらいました。リカーリングビジネスを拡大させていこうという中で、期待している中核会社となります。
今後も成長ドライバーとなるべきM&A先は探しつつ、我々として本当に必要なシナジーが見込める分野において、M&Aの果断な対応をしていきたいと思います。また、統合効果を最大化できるよう、PMIについての議論も十分に進めながらM&Aを行っていきたいと考えています。
(3)ESG目標
ESG目標です。2025年度のKPIを定めて、それに向けて取り組むということで進めています。
(1)配当、自己株式
株主還元についてご説明します。配当と自己株式の取得に関わる部分です。年間配当は10期連続増配予定で、記念配当を含めて90円とすることを考えています。自己株式については、前半戦で30億円取得を公表しましたが、今後も適宜判断を進めたいと思っています。
また、自己株式の消却についても初めて議論を行い、今年度は100万株の消却を決断しました。株主のみなさまから見た時の、取得した株が再放出されるという希薄化の懸念にも対応したいということで、議論を進めてきた次第です。
(2)総還元額、ROE・EPS
総還元額、ROE・EPSについては、スライドに記載のとおりです。総還元では約130億円となり、計画どおりに進捗すると、総還元性向は53.8パーセントとなる予定です。
(1)コロナウイルスワクチンの職域接種
最後に、トピックスを少しご紹介します。まずは、コロナウイルスワクチンの職域接種です。日本全国で職域接種を行い、グループの従業員のみなさまとそのご家族、さまざまな協力会社やビジネスパートナーのみなさまも含めて、約9,000名の接種を各地で行い、業務に励んでいます。
(2)スマートオフィスをコンセプトにした支店オフィスの新設
オフィス新設の取り組みです。スライドにあるのは北海道のオフィスのリニューアルの例ですが、最新設備の導入による業務の効率化、集約化に伴う協働オフィス化を実現するべく構築しました。
また、我々がこれから作っていくオフィスについては、災害があった場合のレジリエンスにも対応できることを目指します。例えば北海道の場合は、約72時間もの自家発電により業務が止まることがないように進めようという考えのもと、建設したところです。
(3)再生可能エネルギー由来電力を導入
再生可能エネルギー由来の電力の導入について、すでに国内38箇所の事業所において、夏の段階で電力を切り替えています。2025年度までには、グループの自社管理拠点すべての電力を、再生可能エネルギー由来に変えていく所存です。
以上で、第2四半期の決算のご説明を終わります。ご清聴いただき誠にありがとうございました。