ヒトコムHD2021年8月期トピックス①

安井豊明氏:ただ今より、ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス第25期決算説明会を始めさせていただきます。

私はヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス代表取締役社長グループCEOの安井豊明と申します。平素より格別なご高配を賜り、誠にありがとうございます。それでは、資料に基づいて説明を始めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

まず、2021年8月期の決算の概要です。今期もいろいろなことがありました。私もいろいろとありましたが、これほどいろいろなことが起こった期もなかったと記憶しています。

1年を通じて新型コロナウイルスの感染が拡大し、3つの山がありました。緊急事態宣言も相次ぎ、「よくなったかな」と思うとまた発令され、戦いの1年となりました。スライドに赤色で「GoToトラベル」と記載していますが、これで国内旅行が解放されると思えば、再び新型コロナウイルスの影響により中断してしまったということになります。

インバウンドやスポーツ、エンタメなど、よく話に上がる新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた事業は非常に低迷した状況が続いています。また、オリンピック、パラリンピックは長い時間をかけて準備しましたが、無観客開催ということで予定よりもかなり縮小されたかたちでの事業展開となりました。

一方で、『鬼滅の刃』を持つファッションライセンス事業は非常に好調で、この分野を引っ張っていきました。新型コロナウイルスによる苦境の部分をカバーするかたちで牽引したということになります。

巣ごもり消費に代表されるEC特需も当期の初めから非常に好調に推移し、牽引してくれました。行動制限による都心部の人流の抑制によって、都心部の小売業が非常に厳しい状況でしたが、パブリックのビジネスも含めたライセンス事業、ECなどが牽引し、ポートフォリオでなんとか進めながら難局を乗り越えた1年だったと総括できるのではないかと思います。

いろいろと手を変え品を変えて営業支援のかたちを作り、お役に立てるようにがんばりました。おかげさまで中間決算で上方修正を発表し、第3四半期では通期決算の上方修正も発表しました。

2021年8月期トピックス② 【事例紹介】コロナウイルス感染拡大対策関連事業例

新型コロナウイルス感染拡大の対策としての事業の中で、政府や自治体が行うものについて、我々も今までのノウハウを最大限に活かしてお手伝いさせていただき、全国レベルで受注しています。

その内容をトピックスとしてご紹介します。まず、羽田空港と成田空港を中心として、水際対策ということでPCR検査を行うなど、入国の前段階での対策を一手に引き受けて、数百人のスタッフで対応しています。

また、「病院の病床が足りない」ということはお耳に残っているかと思いますが、軽症者の受け入れ先としてホテルを活用した支援事業についてもお手伝いさせていただきました。

大規模接種会場の運営も各地で数多く行いました。「短期間ですぐに立ち上げてほしい」ということでしたが、要請に基づいて垂直的に立ち上げたワクチン接種の受付コールセンターなどが非常に機能したため、今回の感染拡大の対策を担ったことについては手ごたえを感じているところです。

東証1部から「プライム市場」への移行について

東証1部から「プライム市場」への移行についてご説明します。非常に関心のあるところだと思いますが、東京証券取引所が市場区分の変更を行うにあたり、あらためて審査などを行いました。

ヒト・コミュニケーションズは変更後も東証1部にあたる「プライム市場」への移行を念頭に手続きを進めていましたが、おかげさまで「プライム市場」の上場維持基準への適合が確定しました。

これにより、ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスは市場区分の移行日である2022年4月4日より、東証1部から「プライム市場」へ指定替えということになるため、まずはほっとしているところです。

決算ハイライト

決算ハイライトです。デジタル営業分野の主力事業であるEC運用受託事業が、既存の受託サイトに加えて新規の立ち上げサイトも好調に推移したことで、前半戦を中心に相当の業績を牽引しました。

また、『鬼滅の刃』などの数多くの有力なキャラクターライセンスを活かしたファッションホールセールにより、郊外型の関連店舗などを中心に堅調に推移したため、継続して好調な業績を牽引しました。一方、ヒューマン営業支援事業でも、先ほどお伝えしたように、政府と自治体が進める新型コロナウイルス感染症対策関連の事業が業績を牽引しています。

インバウンドのツーリズムやスポーツ分野は観客や入国の制限などもあり不振は変わらず、低迷しています。都心の小売店の苦戦が続く環境下ですが、充実した事業ポートフォリオでこれらをカバーして、売上高、営業利益ともに昨年対比2桁増の増収増益となり、この時期としては過去最高値で着地とすることができました。

売上高は842億2,500万円、前年同期比117.8パーセント、計画比では104パーセントですが、期初から上方修正しているため、期初の段階からの計画対比では115.4パーセントといった伸びになっています。

また、営業収益、すなわち実際の利益を示すものですが、47億8,700万円というように企業としてピークの数字を記録できました。こちらは前年対比152.0パーセント、計画比では108.3パーセントです。同じく期初に上方修正しているため、期初からの計画対比では136.8パーセントと高い伸びを記録することができました。

経営側としては、コロナ禍の影響を受け不振だった事業を、多岐にわたる営業支援のポートフォリオによりカバーしていることが非常に大きかったと痛感しています。

2021年8月期決算概要(損益計算書)

2021年度8月期の決算概要についてご説明します。

先ほどお伝えしたとおり、売上高は842億2,500万円で、昨年対比117.8パーセントです。内訳としてはアウトソーシング事業という、ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスのヒューマン営業支援事業の中で中核を占める事業が、昨年対比121.8パーセントと順調に伸びています。新型コロナウイルスのワクチン接種に関連する受託事業が大きく牽引したところがあります。

人材派遣事業は観光が少し戻ってきたことが貢献して、昨年対比104.3パーセントです。厳しい中ですが、昨年の3億1,300万円を上回る売上増となりました。

EC・TC支援事業は売上高385億7,800万円で、昨年対比70億円増の122.3パーセントです。ファッションの分野が大変好調で、巣ごもり消費を中心として牽引しました。

ホールセール事業ではファッションのライセンス事業が好調で、売上高97億9,500万円となり、昨年対比127.1パーセントで、20億円を超える業績の伸びとなりました。

その他の事業についてはまだまだ厳しく、売上高12億9,100万円です。インバウンドの観光事業が不振のため、昨年対比45.7パーセントとなりました。

営業利益と粗利益率については、とくに粗利益率が大事なのですが、厳しい中でも概ね昨年と同じくらいの率を記録しました。売上総利益は21億円の増収です。

販売管理費は積極的な広告費などの投下と、売上増に伴う変動費の増加があり、昨年対比105パーセントで4億7,300万円のプラスになっています。それにより、営業利益は47億8,700万円で昨年対比152パーセント、経常利益は51億2,500万円となりました。この営業利益と経常利益の差については後ほどご説明したいと思います。

経常利益は昨年対比152.5パーセント、最終利益は27億7,400万円で、昨年対比で200パーセントを超え、当期純利益は計画比で300万円増となりました。

経常利益並びに親会社株主に帰属する当期純利益について

経常利益並びに親会社株主に帰属する当期純利益についてご説明します。いくつかご説明しておかないといけない点がありますので、お付き合いください。

ツーリズム(観光系)子会社の業績が壊滅的な打撃を受けており、雇用調整助成金の受給を受けています。こちらは営業外収益ということで、経常利益に効いてくるところです。この助成金による経常利益の影響ですが、前前期の2020年8月期で2億1,000万円、前期の2021年8月期で2億8,600万円を計上しています。

この部分は都心部の店舗閉鎖などによる一時的な要素や、観光での添乗員などの仕事がなくなったことへの助成金の支給が中心です。おかげさまで、現在は各社とも業績が急回復しており、申請の対象から除外されました。よって2022年8月期の計画では、助成金の収入は計上していません。したがって、営業利益と経常利益のズレはこの分野によるものになります。

次に、M&Aによりグループ化した「UsideU社」についてです。オンライン接客の会社で、デジタルの営業支援ツールとしてリソース強化の観点からM&Aによってグループ化を図りました。今期の事業が好調だったこともあり、今後は事業損益のみにリスクを限定するということで処理しています。

子会社の株式評価損としてマイナス1億5,300万円、貸倒引当金がマイナス1億5,900万円で、合計マイナス3億1,200万円を一括で処理し、今期の事業リスクに限定するかたちで入れています。そのため、このM&Aによる大きなリスクはほとんどなくなったと考えていただければと思います。

セクター別 売上高実績

セクター別の売上高実績についてご説明します。デジタル営業支援、販売系営業支援、ツーリズム・スポーツ、ホールセール、セールスビジネス支援(プッシュ型の外訪の営業)、その他の6項目に分けてご説明します。

デジタル営業支援は先ほどお伝えしたとおり、ECを中心としてインサイドセールスやデジタルソリューションを活用し、売上が71億円増と高い伸びを記録しています。

ヒューマン営業支援のお家芸である販売系営業支援は、都心部などの営業支援が不振でずいぶん薄日が差してきています。前半戦を中心として前期は非常に不調でした。店舗の閉鎖、時短営業などが相次ぎ、マイナス13億9,700万円となっています。今期については一応、プラスに持っていく計画になっています。

ツーリズム・スポーツについては入場制限や規模の縮小があり、ツーリズムに至ってはインバウンド、空港ビジネス、国内・海外への旅行が大きく足を引っ張り、マイナス12億円です。

今ご説明した販売系、ツーリズム・スポーツがマイナスで、他の分野はすべてプラスに推移しています。ホールセールは先ほどお伝えしたとおり、ファッション系のライセンス事業が好調です。セールスビジネス支援はモビリティビジネスで大きな受注があり売上を牽引しました。

キャッシュレス系の店舗などでプッシュ型である外訪型営業が継続して拡大しており、6億100万円のプラスです。また、パブリックビジネスを中心とした新型コロナウイルスのワクチン接種の対策事業などを全国で行っております。こちらが大きく伸び、売上高55億2,900万円増の、昨年対比プラス256.9パーセントを記録しています。

収益認識に関する会計基準の適用について

2022年8月期の計画についてお話します。その前に、いくつか大きな変化があった項目についてご説明します。

まず、収益認識に関する会計基準の適用についてです。新会計基準の適用により、売上計上基準が変わった分野があります。当社グループにおけるBBF(ECサイトの運営受託事業)の売上認識などが対象です。

「EC上での商品売上と商品の仕入高を相殺するかたちで手数料部分のみを売上計上すべき」という変更で、この制度自体は4月から導入されていますが、私どもは8月決算のため9月1日より適用します。

従来の売上高は商品取扱高(総額売上高)だったため、売上高が2本立てで開示になると考えてください。そのため、過去との比較については、この総額売上高を見ることでボリュームを確認できると思います。売上高は商品の原価部分と、仕入れ部分と、売上高とを相殺した、手数料部分だけの計上になるとご認識ください。

第25期、すなわち前期の実績を踏まえて、この計上基準がどういうふうに変化するかとご説明します。売上高が約350億円、営業利益が13億600万円で、売上総利益率は10.8パーセントとなっています。

それが、今回の収益認識の新基準適用になると、手数料基準になるため、今、お伝えしたとおり2本立てでの開示になります。総額売上高350億700万円は、前期の売上高と比較しても変わりません。手数料(フィー)による売上高が69億9,200万円になるため、売上高がスライド右側の赤い四角で囲んだようなかたちで表示されます。

また、ECのシステム関連の外部業務委託費を、これまで販管費として計上していたのですが、手数料が売上高として計上されるため、販管費から売上原価に算入するという変更を勘定的に行っています。

そのため、売上総利益は売上高が縮小したことにより、利益率が10.8パーセントから33.5パーセントと、ある意味大きく改善したことになります。営業利益は13億600万円のため額は変わりません。これらをご理解いただきたいと思います。

粗利率についても営業利益率についても、売上高の対象が手数料収入の69億9,200万円だけとなるため、3.7パーセントから18.9パーセントと大きく改善しています。

総額売上高でボリュームを確認できるため、利益金額は大きく変わらないと思っていただきたいのですが、慣れるまでは見方が大変だと思い、ご説明させていただきました。

ワクチン接種ペースが加速。販売・営業・サービス分野の事業環境が期中に改善すると予想

新型コロナウイルスのワクチン接種ペースが加速する中で、販売・営業・サービス分野の事業環境が期中に改善する点について、ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスは「コロナ禍が業績にどれくらい影響して、どういうふうによくなるのか悪くなるのか」という質問をよく受けますので、ご説明します。

マクロな話になりますが、先ほど「日本経済のGDPの見通しはコロナ禍を少し克服して薄日が差す」とお話ししたように、2022年の見通しは2021年から4.2パーセント、1.4パーセントから4.2パーセントのGDPの伸びを予想しています。

また、スライドの表に示している「内需」「民需」「個人消費」といった、ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスに関係がある代表的な経済指標を引き抜くと、すべて4.2パーセント、5.3パーセント、6.3パーセントと大きく2022年から改善をしていくと発表されています。

10月11日時点のワクチンの接種率は1回目が73.6パーセント、2回目が64.3パーセントと、「70パーセントは確実だ」として先進国でも非常に優秀なかたちで改善しています。ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングは8月決算ですので、現在のワクチンの接種率を見ても、新年度、または年変わりから少しずつ回復の部分が見えてくると期待を膨らませているところです。

昨今ニュースなどで耳にしていると思いますが、ワクチンパスポートの導入により経済復興への動きによって事業は改善していき、私は少なからず今よりはよくなるだろうと考えており、その分野をスライド下部分に丸で囲って示しています。

例えば、スポーツの入場者数は大きく増やす方向の話があります。また、国内旅行では、現在「GoToトラベルはあるかないか」と言われていますが、私は国内旅行からまた新たな門戸が開くと考えています。

長らく大変だったエンターテイメント・コンサートなども復活の兆しが見えています。都心部への人流が回帰して都心部の大型施設に人が戻ってくれば、ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスの物販などの営業支援がまた増えてくると考えています。

空港ビジネスの復活、海外旅行の復活、最後にインバウンドの旅行者の増加というかたちでつながっていくものだと期待していただければと思っています。

2022年8月期計画(損益計算書)

2022年8月期の計画(損益計算書)はスライドのとおりです。前期は初めて800億円を超えましたが、今期については902億7,200万円で、昨年対比で107パーセントの伸びを計画しています。

総額売上高は、前期から引き継いで昨年対比107.2パーセントです。フィーですが、BBFのEC事業を調整しました。スライドの表の上から2つ目の売上高が585億9,000万円で、並べて直すと昨年対比104.6パーセント、プラス24億4,600万円の伸びを予定しています。

アウトソーシング事業は昨年対比104.2パーセントです。人材派遣事業は物流や観光の復活を見て昨年対比120.3パーセントです。EC・TC支援事業についても高い巣ごもり需要をの継続を受け、昨年対比103.7パーセントの伸びを予定しています。

ホールセール事業については『鬼滅の刃』の減速がある可能性も含めて90億円とし、昨年対比で91.9パーセントで、こちらだけマイナスの計上となります。その他の事業についても昨年対比114.6パーセントで高い伸びを予想しています。

粗利率についてはプラス23.6パーセントということで、昨年と同様の粗利率を計上しています。こちらはBBFの売上高の見直しや新会計基準の見直しもあり、大きく向上しています。営業利益については初めて50億円という数字を計上しています。昨年対比では104.4パーセントです。

経常利益は先ほどお伝えしたとおり、今期は雇用調整助成金の受給はありません。そのような意味では、実質的には大きな経常利益の伸びを計画しているということですが、昨年は助成金を入れているため昨年対比では99.5パーセントです。今期については最終利益が初めて30億円を超えています。

セクター別 売上高計画

セクター別に移ります。なんと言っても牽引しているのはデジタル営業支援で、昨年対比でプラス11億6,100万円です。販売系営業支援についてもいよいよプラスに移ってきて、昨年対比でプラス9億5,600万円、4.6パーセントのプラスです。ツーリズム・スポーツも11億円に近い伸びで、昨年対比でプラス24.7パーセントで復活が見えています。

オリンピック・パラリンピックの期越えの部分の受注が確定しています。体操の世界選手権の一括受注に成功しており、大規模なスポーツ大会の受注による大きな伸びを予定しています。

ホールセールについては、先ほどお伝えしたとおり唯一のマイナス分野です。セールスビジネス支援についても、モビリティのエリア拡大によって昨年対比でプラス4億4,300万円となり、プラス32パーセントです。その他のパブリックビジネスについてはやや減収で、昨年対比でマイナス4億1,200万円を計上しています。

デジタルマーケティング分野の拡大(総額売上高)

デジタルマーケティングにおいて強化してきた部分についてご説明します。「ヒト力」を中心とする非デジタルヒューマン営業支援プラットフォームです。非デジタルとデジタルの割合ですが、今期の計画は902億円でデジタルが49.8パーセントです。デジタルのシェアをさらに大きくしていきますので、着実に体質が改善していると理解していただければと思います。

私たちのビジネスは3歩先、4歩先ではなく、半歩先を進みながら実績をしっかりと上げていくことで実現可能なDXを推し進めていきます。いかにリアルにマネタイズしていくことをお手伝いできるかが我々の営業支援の取り組みの一番の中核であるとご理解いただければと思います。

配当計画

配当計画については、前期の上場10周年の記念配当をプラス3円織り込みました。この分野を組み込んで、今期についてはさらに0.5円50銭を足し、実質的には3.5円の増配で、25円の配当を予定しています。業績に伴いながら、配当によって株主のみなさまに確実に報いていくことを継続している状況であり、2011年の上場以来、これで11年連続の増配ということになります。

トピックス① デジタル分野の更なる強化(1)コロナ禍で顕在化する変化への対応

2021年8月期の取り組みのトピックスをご説明します。デジタルのお話をずっと続けていますが、営業販売サービス分野の事業環境は、新型コロナウイルスによってかつてないほど急速に変化していくと思い、これをまたチャンスと捉えて「×ヒト力」でDX・リソースの充実に取り組み、営業支援の強化を図っていきたいと決意を新たにしているところです。

既存産業へは新たにいろいろなテック、つまり技術やITデジタルテックで既存の事業に対して改善や進化を図り、さらに「ヒト力」も併せて提供することにより、お客さまのDXを支援していきたいと考えています。またこのテックを使うことで、お客さまの商業への対応やライブコマースの進化など、いろいろなかたちで無人決済などの商品やソリューションアイテムが生まれています。

積極的にこれからも「ヒト力」を掛け合わせるかたちで、営業支援機能を強化しながら、既存事業のみなさまがこれから新しい領域や事業に仕掛けていく時に「リソースが足りない」「『ヒト力』が足りない」「取り組む人材がいない」という部分に寄り添いながら、クライアントのDX化に協力していきたいです。

トピックス① デジタル分野の更なる強化(2)デジタルソリューション営業部の新設

デジタル分野のさらなる強化への施策は3つあります。まず1つ目はデジタルソリューション営業部を新設しています。お客さまであるDXのベンチャーとヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスの全グループ会社をすべて紐付けるように、一体となってデジタルソリューションをレベルの高いかたちで提供していきます。

CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の設立をしており、ここで有力ベンチャーとの業務提携や資本業務提携なども検討しながら事業を拡大していきたいと思っています。

2つ目は、本社の6階にグループDXのベンチャーを集約するため、DXステーションフロアを開設する工事を今、行っている最中です。ここに卓越したリソースを持つベンチャーをCVCなどによって連携を固めることで、一緒になってスケールをしてマーケットを取っていきます。「×ヒト力」も含め、営業支援体制を整えて取り組みたいという思いで、このDXステーションフロアを進化させて活用していきたいと思っています。

3つ目は、前期にグループ化したLIVEコマースのMofflyというグループ会社を支援するため、本社1階に本格的にLIVEコマーススタジオを作り、一気呵成にスピードアップしてマーケットを取りにいきたいと考えています。

トピックス① デジタル分野の更なる強化(3)オンライン接客による営業支援

デジタル分野の強化として少し説明しますと、先ほどお伝えしたオンライン接客があります。非接触がテーマで、前期にUsideUというベンチャー会社をグループ化しました。アバターを使ったオンラインでの接客を、ありとあらゆるところで活用します。

販売の現場、または生命保険や損害保険などの相談の窓口、それから不動産の窓口です。こういった各種案内事項にくわえて、将来的には調剤薬局の世界、それから通信の世界でもこのオンライン接客が続くと思っています。

引き合いは大変多く、手応えを感じているところです。いろいろな技術を組み合わせながらオンライン接客を行います。我々は、アバターに対して裏でソリューションを行う「ヒト力」の専門性が高い人材も抱えているため、この優位性をさらに発揮して一挙にマーケットを取っていきたいと考えています。

トピックス① デジタル分野の更なる強化(4)LIVEコマースによる営業支援

先ほどお話ししたLIVEコマースについてもUsideUをパートナーとして入れています。ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスのグループ会社として、しっかりECと併せるかたちで強化を図っていきたいと思います。

トピックス① デジタル分野の更なる強化(5)ECサイト運用支援の展開拡大

スケールとしてはすごく大きくなってきましたが、ECサイトの運用受託事業は順調に伸びてきています。今期は、受託するサイトは160サイトを予定しています。売上高も387億円ということで、おかげさまで順調に伸びてきています。

新規で取った有力なファッションサイトのオフィシャルサイトについては、ナーチャリングが約2年かかるかということです。2年かかったものがどんどん収益に貢献してきます。この部分では新規が取れているか取れていないかが非常に大事な指標になりますが、160サイトということで順調に伸びてきています。

顧客のポートフォリオについてはこれまでファッション一辺倒でしたが、新たな分野としてEC化が遅れている食品分野に商機があるということで、食品への対応も拡大しました。その他の分野もいろいろありますが、化粧品などが寄せられています。

こちらについては強化を図りながらポートフォリオを築いていく努力をしているところです。努力の結果として、約20パーセントがファッション以外という成果が出てきていますので、こちらも大きく伸ばしていきたいと考えています。

トピックス① デジタル分野の更なる強化(6)EC事業の更なる拡大(事業モデルとライブコマース)

先ほどお伝えしたとおり、MofflyをBBFの中に組み入れました。一緒に新たなソリューション、新たな営業リソースとして、営業支援としてのEC支援の可能性をさらに追及できる体制で勝負していきたいと思っています。

トピックス① デジタル分野の更なる強化(7)インサイドセールス事業の飛躍的拡大

これまでもご説明してきましたが、「訪問するのか」「出張できない」などいろいろな諸問題が出てきました。我々がグループ化した後、新型コロナウイルスによって偶然にも非常に加速してきているのがインサイドセールス分野です。

スライド右上の棒グラフのとおり、売上の幅はそれほどではないと思いますが、9億3,200万円から10億円となり、今期は13億8,400万円ということで、このインサイドセールスは確実に伸びて、お客さまも非常に付いてきています。

私どものプラットフォームであるシステムをデジタルでインストールしていただき、営業の内容、日々の起こったことなどを共有しながら、プッシュ型でお客さまと売りたい商品を一緒に攻めていきます。こちらは市場の理解が非常に高まってきていると手ごたえを感じているところですので、期待していただければと思います。

トピックス②物流業界への参入

ECの拡大によって唯一、人材を使うビジネスとしては拡大が予想されている物流業界についてです。ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスは、本格的にこの物流の領域に入っていきたいと考えています。

生産された商品は配送センターから商品センターに運ばれ、店舗やECで再度売られて消費者に届くということで、配送のデポやステーションがあります。

スライドの赤枠で囲んだところで、我々の「ヒト力」を使ったサービスが提供できると踏み、配送センター、商品センター、庫内の業務、また、店舗は非常に取引先が多いため店舗の配送センターなど、これまで力を入れなかった物流分野に力を入れて参入していきたいと考えています。

トピックス③ パブリックビジネスの強化 政府・地方自治体のPPP/PFI案件への参入

継続的にヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスの運用能力が一番発揮されるものということで、PPPやPFI、施設運営管理の分野に参入してきました。各1年くらい経ちましたが、案件が相当煮詰まってきています。

アリーナ、体育館、公園PFIなどに私どもの運営のノウハウを活かしながら参入し、これからもずっと戦っていきながら、ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスの柱として育てていく予定です。

ESG/SDGsの取組み

最後になりますが、SDGsの取り組みです。ヒトコムグループは「マーケティングの未来創造企業」を目指して、「ヒト力」と「IT」を掛け合わせることで事業領域を拡大するとともに、専門性を高めながら新たなステージへの挑戦を続けています。

事業活動を通じたヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスならではの価値の提供により、持続可能なよりよい社会の実現に貢献していきたいと思っています。特に、Society(社会)に向けて事業創造による雇用の創出はもちろん、スタートアップ企業、ベンチャーの拡大、事業の進展を営業支援の立場でサポートしていきたいと思っています。

また、プロの人材の育成、キャリアチェンジに対する貢献、障がい者などに対する平等な雇用の機会に、事業の創造を進めながら貢献していきたいと思っています。

ツーリズムやスポーツは地域の新たな産業として力を入れている自治体が多数ありますので、ツーリズム・スポーツなどの運営・支援を通じて地域に貢献し、事業を展開できればと考えています。

以上、足早でしたが、今期の計画、前期の決算についてご説明させていただきました。長時間にわたり、ご清聴ありがとうございました。

安井氏からのご挨拶

新型コロナウイルスの感染拡大も、少しずつではありますが薄日が差してきたように思います。我々はポストコロナや経済・産業の復興に向けて貢献できるように、社員一丸となってがんばっていきたいと決意を新たにしているところでございます。引き続き、ご高配を賜れば幸いに存じます。本日は誠にありがとうございました。