2019年8月期決算説明会

小野寺徹氏(以下、小野寺):本日は、大変お足元の悪いなか、またお忙しいなか、日本BS放送、BS11の2019年8月期決算説明会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

最近は(今日のような)悪天候が多く、各地で被災された方も多いため、我々としても、また今日の雨による被害がないことを祈りながら、業務を進めていきたいと思っております。

あらためてご挨拶を申し上げます。私が代表取締役社長を務めております小野寺です。本日はよろしくお願いいたします。

まず、最初に2019年8月期の決算業績のハイライトを簡単にご説明しまして、その背景である事業環境、そして次に、当社の重点課題でありますコンテンツの充実についての成果に関して、VTRを含めてご説明したいと思っております。

2019年8月期 決算 業績ハイライト(連結・個別)

2019年8月期の業績についてご説明申し上げます。連結業績は売上高126億100万円で、前期比0.9パーセント増。営業利益は16億9,300万円で、前期比30.2パーセント減でした。個別業績に関しましては、売上高が117億9,200万円で、前期比1.8パーセント減。営業利益が16億1,200万円で、前期比33.3パーセント減になっております。

連結業績は、子会社の業績が若干計画値より上回ったことによって、売上高では前期より微増ですが、個別業績においては、売上、利益とも残念ながら前期比を下回る結果となっております。

当社を取り巻く事業環境

業績の背景にある市場環境について申し上げます。まず、今回の業績に関しましては、とくに主要要因は通販市場であります。また利益についてですが、当社の中期経営計画であり、成長戦略の重点課題でもあります良質なコンテンツと自社制作番組の充実を、当初計画どおり行いました。これによって、今回のような結果になっております。

次に、市場環境について簡単にご説明いたします。グラフをご覧ください。少し小さな字で読みにくいかもしれませんが、2018年の電通調べのデータを用いております。

ご覧いただいている(スライドの)左側の青いグラフは、テレビ広告全体の推移です。右側に示されているのが、私どものBS、CS、ケーブルなどを含めました衛星メディア広告費の推移です。

2018年はご覧のとおり、広告全体、メディア全体ともほぼ横ばいで推移しております。先ほど申し上げましたとおり、テレビ通販事業に関しましては、通販事業者側のネットへの移行などで、しばらくは我々の見方としても低調気味に推移していくと思われております。

ただし、その環境のなかで我々が目指しているところは、グラフに示しているとおりでテレビ広告費全体で約2兆円ある広告市場です。このなかで、我々はまだBSを含めた衛星メディアの広告費のシェアが5パーセントですので、この拡大を図ることによって我が社も広告が拡大すると信じております。

また広告市場は、クライアント側としても非常にシビアな状況になっておりますので、より効率が求められます。そのなかで、全国一波で広告を届けるという衛星メディアの特徴をより理解していただければ、十分に市場は拡大すると思っております。

2019年8月期のトピックス①

では、我が社の充実したコンテンツの成果を、まずはVTRでご覧いただきたいと思います。

(自社制作コンテンツの動画が流れる)

ご覧いただきました番組は、4月から9月までレギュラー番組として放送した番組の一部です。放送時期は9月までですので、現在とは若干違っております。現在の番組に関しては、番組プログラムガイドでご確認いただきたいと思います。

ご覧いただいておわかりになったかもしれませんが、ご説明したい点としては、地上波と違った作りを目指しているところです。ポイントは2点あり、まず1点目は、ターゲットを非常に明確にしようということです。

社内の内部的なことですが、通常は制作がメインで番組制作にあたるのはもちろんなのですが、制作部門だけではなく、マーケティング部門、広告会社さま、クライアントさまと接触のある営業部の社員も入れた番組ごとのタスクフォースをいくつか作りました。

そして、今までの視聴率データだけでなく、あらゆるデータを分析したり、さらに視聴者の生活行動……とくに、(動画を)ご覧いただいておわかりになったように、「フランス人がときめいた日本の美術館」は、最近3ヶ月間で美術館に行った人がどういう行動パターンなのかといったところも活用しながら、毎回番組作りをしております。

2点目に関しましては、オリジナリティ、独創性を意識しようということで、BS11ならではの番組作りを目指して、より視聴者やクライアントの方に貢献できるように良質な番組作りを目指しております。

2019年8月期のトピックス②

今のポイントも踏まえながら、成果として特番についてご覧ください。

(特別番組の動画が流れる)

最初にご覧いただいたのが、昨年10月22日に「アニメフィルムフェスティバル東京」というイベントが開催されたのですが、そのときに、当社のレギュラー番組「AnisonDays」とのコラボレーションイベントとして開催したライブの模様です。

当社の強みでありますアニメ戦略の一環として開催したイベントですが、番組の司会は森口博子さん、酒井ミキオさんで、ゲストは織田哲郎さん、大石昌史さんなど豪華ゲストをお迎えいたしました。

次にご覧いただいたのが「純烈」です。純烈と言えば、昨年末のNHK紅白(歌合戦)に初出場し、その後も若干話題になりましたが、非常に話題のグループで各放送局からのオファーがあるなかで、純烈さんが我が社の視聴者ターゲットに合うということで、いろいろな番組でご協力いただきましたが、純烈の冠が付いた初めての番組として放送いたしました。

次にご覧いただいたのが、少し毛色の変わった番組です。今年1月に放送しました本格的なヒューマンドキュメンタリーで「ヘレン・ケラー」を取り上げました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、昨年はヘレン・ケラーが亡くなってちょうど50周年で、戦争を挟んで日本に3回ほど来日している事実があることがわかりました。

このような、意外と知られていない事実を紐解くとともに、我々の現在の社会や生活の指針や道標になるのではないかということで、この番組を企画しております。制作にあたっては、昨年「北斎ミステリー」という特番で、民放連賞の最優秀賞を取ったスタッフを再結集して作り上げました。

2019年8月期のトピックス③

次にご覧いただいたのが、ローカル局とのコラボレーションの一部です。とくに地方局と組んだ長良川の花火大会(の番組)は、戦後最初に開催された花火ということで、非常に歴史のある花火です。SKE48のメンバーも何人か登場してもらっています。

そして、びわ湖。びわ湖という日本最大の湖の上で、繰り広げられる花火を地元のびわ湖放送、そしてKBS京都と3社での共同制作で行いました。

最後にご覧いただいたのが、KBS京都と毎回取り組んでおります夜桜の生中継です。これ以外にも、来月は京都の紅葉の生中継もしますし、レギュラー番組に関しましては、KBS京都ともコラボレーションして「京都浪漫」という番組を作っております。

このように、全国各地の四季折々の模様を、地方局と共同制作することで、例えばコストにしても折半するため効率がよく、また系列局に捉われないというBS11ならではの特徴を生かした差別化戦略だと思っておりますので、これからもどんどん進めていきたいと思っています。

2019年8月期のトピックス④

次に、私どもの強みであるアニメの部分に関して、成果をご説明します。トピックスに関しまして、昨年度に我が社が出資したアニメコンテンツの一覧ということで、約1年間で16作品に資本参加いたしました。

当然ながら、これ以外にも1週間に30分枠として約40タイトルのアニメ番組を放送しております。放送数に関しましては、地上波ネットワーク局、BS無料局においては一番であると思っております。

ご存知のとおり、アニメ戦略に関しましては「クールジャパン」も含めて大きな柱となっておりますし、これからもますます拡大の可能性があります。ただし、アニメ業界に関しましては、ビジネスが大変複雑な構造になっております。

そのようななかで、我が社としては開局以来長年築き上げてきましたアニメ業界との強いパイプを生かして、製作委員会やクライアントと直接強いアライアンスを組んで、強化していきたいと思っております。この周辺事業に関しましては、スライドをご覧ください。

2019年8月期 当社施策の成果

周辺事業も、今後拡大を図るポイントだと思っていますが、成果としまして2点ほど取り上げております。

まず(スライドの)左側が「全日本eスポーツ学生選手権大会」です。ご存知のとおり、eスポーツの発展は凄まじいものがあります。最近のアメリカでは優勝賞金が300万ドルの大会も誕生したり、とくに北米や韓国では優良なコンテンツ(が豊富で)、そして大会としても2020年に中国・杭州で開かれるアジア大会では正式種目になります。また、今年9月に開催されました我が国の茨城国体では、特別競技として正式に認定、開催されています。

そのような状況を踏まえて、我が社ではかなり以前からeスポーツに関して注目していました。国内の正式な団体としましては、(一般社団法人)日本eスポーツ連合があります。ここで、我が社は放送局として初めて正式会員になっております。

(スライドは)昨年に開催したものの一部ですが、昨年は全国5つのビックカメラで予選会を開催し、オンライン予選の参加者を合わせまして、10月22日に本社で決勝大会を実施しました。こちらは11月に放送いたします。

(スライドの)右側が、先ほどご覧いただきました「AnisonDays」で、今年もさらに規模を拡大して9月に開催しました。

駆け足になりましたが、前期に我が社が行いました重点課題の実例について、ご説明いたしました。ここからは、業績についての詳細を平山取締役からご説明申し上げます。

損益計算書の概要(連結)

平山直樹氏:経営戦略を担当しております平山でございます。決算業績の詳細、そして今期の計画、配当・株主優待制度について、なるべく短い時間でまとめてご説明しようと思います。

ご説明する決算業績過年度分については、2019年10月5日に開示いたしております当初計画との比較として説明することとさせていただきます。

まず、連結の損益計算書をご覧ください。先ほど、社長の小野寺から説明がございましたため詳細は割愛しますが、連結の売上高は126億100万円、前期比ベースで言いますと0.9パーセント増、計画比で10パーセント減となっております。連結営業利益は16億9,300万円で、前期比で30.2パーセント減、計画比で15.5パーセント減となりました。

連結については、個別業績の影響ということで、私ども日本BS放送の業績の影響を大きく受けたことにより、売上高、利益ともに計画未達に終わっております。

連結ベースでは、昨年子会社化いたしました理論社、国土社……こちらは2018年1月に子会社化していますが、それらが売上、利益に貢献いたしました。差引きしていただければご承知のとおり、売上高は2社合計で約8億円、営業利益で約8,000万円を上げております。

ただし、この2社については、出版業界特有の事情もございますので、今後大きな成長を望んでいくということではなく、私どものなかでのグループシナジーを大きく求めていくということで、考え方は変えておりません。

貸借対照表/キャッシュ・フロー計算書の概要(連結)

次のページをお開きください。連結の貸借対照表、ならびにキャッシュ・フロー計算書で、連結部分についてご説明します。

まず、(スライド)左側に連結の貸借対照表を記載しておりますが、資産合計については前期比で7億8,400万円増えまして、199億9,300万円です。負債合計は4,100万円減の23億2,700万円、純資産合計は8億2,500万円増えまして、176億6,500万円となっております。

ここのポイントでございますけれども、流動資産が8億2,200万円増加しているというところでございます。これは、利益積み上げによります現預金の増加の7億2,000万円、ならびに売掛金増の7,000万円を主要因としております。

右側のキャッシュ・フロー計算書については、営業キャッシュ・フローベースで12億5,000万円を獲得。投資ならびに財務キャッシュ・フローは、おのおの持ち出しといたしまして、(それぞれ)1億9,800万円ならびに3億3,100万円の支出となっております。この結果、キャッシュベースでは前期末より7億2,000万円増加して、103億2,400万円になったということでございます。

私どもの投資キャッシュ・フロー、ならびに財務キャッシュ・フローは非常にわかりやすい構成になっております。投資キャッシュ・フローについては、放送事業関係のシステムを順次手直ししており、そちらについて支出を行っています。また財務キャッシュ・フローについては、配当金の支払い等にほぼ充当されているとお考えください。

損益計算書の概要(個別)

次に、個別の損益計算書(の説明)にまいります。私ども、日本BS放送の売上高は117億9,200万円で、前期比ならびに計画比は、おのおの1.8パーセント減、12.6パーセント減となっております。営業利益は16億1,200万円で、前期比で33パーセント減、計画比で19.4パーセント減ということになっております。

弊社の個別業績分については、売上高、利益ともに前期比、計画比ともに下回る結果となり、減収減益となりました。当社は上場して5年が経つわけでございますけれども、初めてのこととなっております。

売上未達は、先ほど社長がご説明申し上げておりますけれども、広告媒体の多様化によります市場環境、とくに通販市場の低迷が主要因ということで、分析は重ねております。

費用については、戦略に則っています。私どもはコンテンツ商売をしておりますので、良質な番組制作に関わるコストについては削減せず、費用投資を前倒しで行い、今期以降に活用できるようなかたちで進めていったということです。

ただし、他方では減収となったものですから、営業利益はその分だけコスト面を食べたことによって減益となります。良質なコンテンツの充実こそ図れたと思っており、有効な投資ができたものの、利益部分については残念ながら目標対比で4億円程度、個別業績で落としているということでございます。

売上区分別実績(個別)

売上区分別の業績でございます。これは、当業界ならではの仕分けでございますが、タイム収入、スポット収入、その他という3つのカテゴリーで分けております。

タイム収入、スポット収入ともに広告媒体の多様化ということで、先ほど申し上げた各影響を受けました。とりわけ、当社売上の6割前後を占めております通販の売上を中心に落ち込みが著しく、ということが正しいと思っております。

要するに、売値があまり上がらずに、スポンサーが広告部分の買い控えを行ったと整理しておりますが、こちらの落ち込みが大きく、前期比で減少、計画比でも大きく減少という結果となってしまいました。

その他の売上についてです。アニメの製作委員会等で先ほど(スライドにて)16本の出資案件をご覧いただきましたが、こちらに伴います配当収入、自社制作コンテンツの2次利用……これは過去に私どもが作った番組を他局に購入いただく、この販売等が比較的好調でございまして、前期比で増収となっております。

アニメやeスポーツ関連の番組から派生するイベントの企画をしておりましたが、その実施スケジュールが8月末日……私どもの期末から後ろ倒しになり、10月、12月とずれていったこともございまして、(それが計画比で)未達となる1つの要因となっております。

主要費用項目実績(個別)

次のページをご覧ください。主要費用項目についてですが、良質番組への重点投資の戦略は先ほど述べたとおりです。番組関連費用と広告関連費用に重点的に投資するということで、(スライドに)抜き書きした3つの項目「番組関連費用」「放送関連費用」「広告関連費用」が私どもの変動要因ならびに固定コストとなります。

ご覧いただいたとおりの金額で、番組関連費用については41億2,200万円を使わせていただき、広告関連費用については15億100万円を使わせていただきました。最終的には、この支出等でコスト分が大きくなってしまったために、先ほど申し上げたように利益が落ちていると整理しております。

貸借対照表(個別)

弊社の貸借対照表でございますけれども、資産合計は前期比で6億9,100万円増の192億2,200万円。負債合計は前期比で6,900万円減の16億1,000万円。純資産合計は前期比で7億6,000万円増の176億1,100万円となっております。

貸借対照表上のポイントでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、流動資産が7億2,300万円増加しているところが目立ちます。こちらは連結の貸借対照表と同じご説明になりますが、利益の積み上げ分で6億8,400万円、売掛金増で1,800万円というところが要因になっております。

2020年8月期 通期計画(連結)

今期、2020年8月期の連結の計画でございます。理論社、国土社を合わせた3社連結の売上高は前期比3.2パーセント増の130億円です。営業利益は前期比18.7パーセント増の20億1,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比19.1パーセント増の13億8,000万円を計画しております。

これまで同様、引き続き良質なコンテンツへの投資は惜しまない方針でございますが、詳細はこのあと(に社長が説明する)7つの戦略というところで触れさせていただくことになるかと思います。

例えば、独立局であることをさらに強みとして活かしつつ、他社、他局との協業などの新たな取り組みをすることを計画しており、スピードアップしていこうということです。

また、今月10月には営業強化を狙った組織変更を実施しております。営業部門を改組いたしまして、新規クライアント開拓部隊を専門部署として設置しました。これは、営業担当役員に直轄するということで、営業開発室というものを作って活動を開始しております。

全社的には、コストコントロール、コスト削減の意識を強く持たせまして、番組制作の強化と売上の拡大というバランスを上手にとり、今期は収益率の向上をきちっと叶えまして、売上高の達成ならびに営業利益、とくに連結20億1,000万円をなんとか達成するということを念頭に置いて運営していきたいと思っております。

2020年8月期 通期計画(個別)

日本BS放送の個別計画ということでございますが、売上高は前期比4.3パーセント増の123億円とさせていただきます。また営業利益は20億円、純利益は13億8,000万円を計画しております。

営業面、費用面の方針については、先ほど連結の計画で申し上げたとおりでございますが、今後の当社の設備投資の予定について、多少付言をしておきたいと思います。

現在放送しておりますのは2Kと言われる放送ですが、その2K放送設備の更新時期を迎えており、設備更新に伴った建屋の改修も計画に入っております。

具体的に、当期は約2億円~3億円の設備投資を行います。来期の2021年(8月期)には約7億円(を見込んでおり)、合算で10億円程度の投資が必要になり、その支出を予定しております。4Kや8Kについては別の話でございまして、この10億円は現在の放送を維持するために必要ということになります。

他方で、この設備投資は減価償却してまいりますので、急激に償却負担増は出ませんけれども、中期的には2年後の2021年8月期にかけて投資額が大きくなります。当期の分と合わせまして、3億円から4億円の償却費の負担増を見込んで、来期以降の計画を立てないといけないと考えています。

配当の状況と方針

株主還元、配当、優待についてご説明します。弊社の方針は、長期に安定した配当を継続的に実施するということで、株主のみなさまにお約束しています。

前期は残念ながら減収減益となりましたけれども、1株当たり20円の配当は予定どおり実施させていただき、今期についても同様の安定配当の方針に則り、前期同様で1株当たり20円の配当を予定しているということで、プレスにて発表しております。

株主優待制度

株主優待制度は、個人投資家のみなさまから大変ご好評をいただいているビックカメラの商品券贈呈ルールを、今期も続けてまいりたいと思います。

少し駆け足になりましたが、前期2019年8月期の決算業績の詳細ならびに今期の計画、配当、株主優待についての方針をご説明いたしました。

このあと社長から、当期2020年8月期の経営方針ならびに中期経営計画等の戦略についてご説明を申し上げます。

基本戦略『4つの力』と重点施策『Value7』

小野寺:あらためまして、小野寺です。ここから、今期の経営計画についてご説明したいと思います。まずは、スクリーンでVTRを流しますのでご覧ください。

(番組紹介の動画が流れる)

ありがとうございました。VTRをご覧いただきましたが、後ほど番組について簡単にご説明します。1つだけお話をしますと、「キラボシ!」という番組を10月からスタートさせておりますが、30分のスポーツドキュメンタリーで、MC・ナレーターに葵わかなさん(を起用しました)。

NHKの朝の連続ドラマ「わろてんか」で人気が出て、非常に伸びてきた女優さんですが、彼女が同世代の学生に向けて、気持ちのこもったナレーションをして(素晴らしい)番組作りをしてくれています。こうした番組を、ぜひ生かしていきたい……視聴者の方、スポンサーの方に理解していただきたいと思っており、一生懸命現場ががんばっています。

このスライドは、先ほどご説明したとおりで、以前と同じく我々はターゲットとオリジナリティを意識して番組制作を行います。では、そのもとになる基本戦略、重点施策はどういうところなのかということで、それについてご説明したいと思います。

ご存知のとおり、現在のテレビ業界、メディア業界はなかなか変化が激しく、もちろん今までのノウハウもそうなのですが、全社、そして関係会社の方々も含めて力を集中させよう(と考えています)。そのために戦略が大事ではないかということで、戦略に関しましては我々経営陣だけでなく、社員、幹部社員も含めて、何ヶ月間もかけてみんなで練ったものです。

まずは、基本戦略である「4つの力」です。昨年までも「4つの力」という基本戦略を掲げておりましたが、今年は少しアップデートしています。

最初に、視聴者分析や市場環境状況を判断するマーケティング力をつける。次に、集めたデータを活用して、もっとも現状に適したコンテンツを作り出す企画力。そして先ほども言いましたけれども、非常に変化が激しいなか、いろんなデバイスもありますが、それらをどのように活用していくかを考えるということで、効果的な施策を考える戦略構築力。そして、なによりも重要なのは、とにかくやってみようということで、全社一丸となって実践する実行力。この「4つの力」を社員がみんなで共有しようということで。

これを、PDCAのようにグルグル回すことによって、成長戦略のサイクルがうまく回っていく、成長戦略に乗っていくと信じております。

重点施策『Value7』①

次に、この「4つの力」の戦略をもとにした戦術や重点施策に関して、(スライドの)右側の重点施策「Value7」を挙げています。

まず、Value Ⅰが、独立TV局としての強みを最大限に活用するということです。先ほどから言っております地上波系キー局、親局を持たない我が社としての利点を活かしていこうと考えており、地方局とのコラボレーション、番組制作、共同セールスを活かしていきます。それと同時に、広告宣伝施策に関しましては、やはり系列の新聞社ではなく、全国の地方紙や東京における中央紙で幅広い宣伝も可能だと思っています。

Value Ⅱですが、自社制作番組の充実です。これは従前からお話ししているとおり、我々放送局にとっては、何はなくともコンテンツ力、クオリティアップが重要なテーマです。とくに今年は、クオリティコントロールに加えて、コストコントロールということで、いい作品をより効率的に作り出す、そして確実に利益を上げるのも重要な課題だと思っております。

重点施策『Value7』②

Value Ⅲは、情報番組の選択と拡大です。これは従前からご説明しておりますように、TVショッピングに対する戦略で、我々BSメディアにとっての重要な経営資源です。ただし、非常に厳しい状況でもあります。そのなかで特定といいますか、重点的なクライアントであるショッピング関連会社との健全な関係を持って、放送時間に関しましても一定の割合を保とうということを掲げています。

そうは言いながらも、新規クライアントも着実に開発しておりますので、これも伸ばしていきたいと思っております。

Value Ⅳは、アニメ関連事業の強化と発展です。ご存知のとおり、アニメは我が社の強みであり、これをさらに活かしていくということで今年は発展という文言を付け加えております。先ほど来ご覧いただいております番組だけではなく、イベントを含めた周辺事業の拡大を図っていくということと、さらに良質なコンテンツには積極的に出資を進めていき、アニメ業界とのさらなる良好な関係(の構築)も図っていこうと思っております。

Value Ⅴは、他企業・ローカル局とのコラボ(の促進)です。これは若干重複することがあります。ローカル局との部分は前述のとおりですが、とくに大手制作会社……これはワールドワイドを含めて、先ほどご覧いただいたVTRにもありましたが、ディスカバリーはご存知のとおりアメリカを基盤として、全世界のドキュメンタリーを含めたコンテンツプロバイダーとしては相当の大手になります。

例えば、NHKで放送されたダイオウイカ(を扱った番組)が数年前に流行しましたが、あれはNHKとディスカバリーが共同制作した会社です。我々はディスカバリーとパートナーシップを結び、多様なコンテンツを供給いただいております。

もちろん、ディスカバリーをはじめ、いろいろなコンテンツホルダーや制作会社との協力関係をさらに伸ばしていこうというのがこの施策です。

重点施策『Value7』③

Value Ⅵが、スポーツコンテンツの充実です。これは2点ありますが、まずはご覧いただいたようにeスポーツのことです。まだまだ発展しますし、地上波を含めてだいぶいろいろな企画が出てきています。先駆者の我々としてはノウハウがありますので、この流れに乗っていきたいと思っております。

もう1つのスポーツコンテンツは、先ほどご説明しました「キラボシ!」のようなスポーツドキュメンタリーです。来年はご存知のとおり2020年の東京オリンピック・パラリンピック、まさに今はラグビーワールドカップで、日本全国がスポーツで盛り上がっていますが、この流れはますます強くなっていきます。

当然、我が社もこの流れに乗っていこうと考えています。今までも、学生柔道大会、女子ソフトボール、そして非常に人気が沸騰しておりますBリーグの放送も行っております。そして「キラボシ!」のようなドキュメンタリーも拡大させて、育てていきたいと思っております。

最後のValue Ⅶです。放送周辺事業の新規開拓と増強ということで、俗に言う「放送外」という分野ですが、我々BS11としては、あくまでも優良なコンテンツを中心とした周辺事業の拡大であり、地上波が考えているようなまったく違う分野での放送外収入ということではありません。

我々としてはコンテンツを中心とした事業拡大ということで、ここに関してはBS他局でもかなり売上を伸ばしており、非常に拡大する余地があると思いますが、番組販売、ネット販売の分野だと考えております。

放送コンテンツの更なるクオリティアップ

少し簡単にご説明しますが、これが10月からのポイントとなる番組ですが、VTRをご覧いただいたため、おわかりだと思います。

放送事業の発展に伴う周辺事業の拡大

学生スポーツとしての全日本eスポーツ学生選手権大会を、12月15日に我社で決勝大会を行って、生放送とネットを使った同時再送信に挑戦してみたいと思っています。現在、ビックカメラの店舗を使い、昨年は5ヶ所でしたが、さらに拡大して8ヶ所でオフライン予選を行っております。

それ以外に、アニソンのイベントも増やしていきたいです。また、ローカルコンテンツだけではない、二次利用としてのホテルやVOD販売も拡大していこうと思っております。

新・中期経営計画

最後に、今後の中期計画についてご説明いたします。何回かお聞きいただいているかと思いますが、いろいろと再検討した結果、我が社の売上目標は150億円としたいと思っております。これは、我が社が将来にわたって安定的に事業を継承していくために必要な目標です。

ご存知のとおり、この150億円台というのは、現在先行する先輩局である地上波5局のみなさま(の売上)が、150億円から多いところでは180億円(ということで目標にしています)。

ただし、売上分析をすると、本業の放送事業が140億円から160億円台で、我が社は放送事業収入がメインですので、この部分で150億円に近づけるということが、次のステージから事業を進めるための大きな目標になるのではないかと思っています。

しかしながら、率直に申し上げまして、達成時期に関しては見直しが必要だと思っております。現在の市場環境から考えると、なかなか今までの計画どおりにはいかないということで、今回の目標達成時期は2022年8月期に変更しております。

先ほど来申し上げておりますとおり、これを達成するために、「4つの力」と「Value7」を全社を挙げて実行していくことで、成長戦略が進められると思っております。

以上、駆け足の部分もありましたが、少しでもみなさまに我が社のことをわかっていただくために、ご説明申し上げました。なによりも、みなさまのご支援、ご協力が我々にとっての最大の強みになります。

私からの説明は以上とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。