4Q業績ハイライト

鎌田和樹氏(以下、鎌田):本日はお忙しいところ、お越しいただきましてありがとうございます。それでは、決算説明資料に沿って説明させていただきたいと思います。今回、ページ数が50ページぐらいありますので、一部端折るところも出てきますが、よろしくお願いいたします。

まず、2019年5月期の業績でございます。第4四半期単体のハイライトは、売上高が62億3,300万円、営業利益が2億5,000万円でした。前年同期比では、売上高が165パーセント、営業利益が97パーセントとなっております。

通期業績ハイライト

第4四半期を含めた2019年5月期の通期業績になります。売上高が197億2,600万円で、粗利が54億700万円。販管費が41億6,000万円、営業利益が12億4,700万円、当期利益が8億8,900万円でした。

スライドの右側が前年同期比、ならびに2019年1月時点の計画……中間決算のタイミングで上方修正させていただきましたが、その計画比を記載しておりますので、ご覧いただければと思います。

売上高(四半期)推移

各事業の売上高推移を記載させていただいております。スライドの一番右側のグラフ、2019年5月期は、全事業において増収を達成し、前期比165パーセントを達成することができました。

粗利益(四半期)推移

粗利益につきましても、売上増にともない、同じく(前期比)165パーセントを達成することができました。

販管費(四半期)推移

後ほど質問も出てくるかと思いますので、先にお伝えしておきます。期末の一過性の投資、ないしは新規事業の投資も含めまして、第4四半期の販管費につきましては14億100万円となっています。

主な内容としては、特別にシステムに対して投資したということではなく、人件費、もしくは2018年11月に買収させていただきましたレモネードの拡販のための先行的な広告宣伝費などです。

2017年5月期の第4四半期を見ていただければと思いますが、トレンドとしては、期末において積極的に投資を行っているかたちが見て取れるかと思います。

営業利益(四半期)推移

粗利益・営業利益の推移につきましては、ご覧のとおりですので割愛させていただきます。

四半期末の従業員数、臨時雇用人員数推移

従業員数につきましても、期末時点で臨時雇用を含めて409名となっています。

期末所属チャンネル数および3ヵ月合計動画再生回数推移

3ヶ月ごとの動画再生回数の推移です。第4四半期は3月、4月、5月ということで、春休みやゴールデンウィークを挟んだ3ヶ月の合計再生回数は112億2,100万回となっています。

チャンネル登録者数ランキング

こちらのスライドも毎回出させていただいていますが、YouTubeの登録者数ランキングのシェア率につきましては、引き続きTOP10のうちの7チャンネル、またTOP100のうちの32チャンネル(を占めている)ということで、多少前後することもあるかと思いますが、引き続き高いシェアを誇っています。

チャンネル登録者数別の所属チャンネルの数

こちらが、期末も含めた総括というかたちで、チャンネル登録者数別の所属チャンネル数の推移です。

所属クリエイターの動画投稿本数の推移

こちらは動画投稿本数の推移です。2018年5月期と2019年5月期の比較になっていますので、ご覧いただければと思います。

タイアップ広告の業種別売上推移

トピックスになりますが、タイアップ広告におきまして、ジャンル別の売上を記載しております。(グラフの)一番下が「ゲーム」で(もっとも比率が大きく)、引き続きゲームに多く出稿いただいていますが、2019年5月期までに、ゲーム以外のタイアップ広告も大きく増加させることができました。

グッズ販売クリエイター数、販売個数の推移

グッズ販売に関する推移です。次のページはイベントに関するものですが、前期との対比になっています。詳細は割愛させていただきます。

これまで起きてきた事業環境の変化

今回の50ページにわたる資料のなかで、ここからが一番説明させていただきたいことになります。

弊社の長期構想をお話しするにあたり、今、業界が目まぐるしく変わっていますので、その部分をあらためて説明させていただきたいと思っています。

動画メディアの多様化

まず、1つ目の変化ですが、インターネットが普及したことによって、個人がメディアになる時代がいよいよ到来しています。

スライドの左側ですが、従来であればテレビというデバイスに対して、当たり前ですがテレビ番組しかありませんでした。現在はスライドの右側にあるように、テレビをはじめ、スマホやPCなどさまざまなデバイスが増え、それとは別に、コンテンツとしても、テレビ番組をはじめさまざまなオンラインコンテンツが誕生しています。

徐々に進むテレビからインターネットへの移行

情報通信白書からのデータですが、2013年以降、各年代においてテレビとインターネットでどれくらいの時間を使っているかというものです。青く囲んでいるところで言いますと、年々テレビの視聴時間は少なくなっています。

それに反比例するかのように、インターネットの利用時間がますます伸びています。30代以下では、テレビとネットが逆転してきていると言っても間違いないと思います。

国内広告市場における広告予算のシフト

あえて、旧来メディアというかたちで、テレビやラジオなど4つのマスメディアにおける広告市場の成長率を出させていただきました。ご覧のとおり、やはりシュリンクしており、前年対比でマイナストレンドになっています。

一方、(スライドの右側の)サイバーエージェントさまが出されている動画広告市場の推移で言いますと、2019年は2,312億円ですが、これがまだどんどん伸びており、圧倒的な上昇トレンドになっています。

私たちが出させていただいている計画からも、広告費が旧来のメディアから移り変わってきていることが見て取れると思います。

普段視聴する動画コンテンツサービス

そうは言いましても、カバー率で言うと、民放は高い数字を保っていることは間違いありません。ただし、昨今のYouTubeの数字も出ていますが、すでに80パーセントを超えるカバー率になってきており、YouTubeに関してはテレビに匹敵するほどの動画メディアになってきています。

個人がYouTubeのランキングを独占

そうしたなかで、どのようなコンテンツが上位を占めているかと言いますと、個人が作るコンテンツです。これは「弊社が(上位を占めている)」ということが言いたいのではありません。トップ10では、企業さまのチャンネルは1つしかなく、それ以外はすべて個人のチャンネルです。いよいよ、個人がコンテンツを作ることへの称賛と理解が得られ、その結果、個人がメディアになる時代が到来してきていると思っています。

インターネット内でも個人コンテンツの消費時間が増加

2000年以降、ポータルサイトのなかへコンテンツを見に行く人たちは年々減っており、ソーシャルからの流入が増加しています。(スライドの)右側に記載のとおり、個人……具体的には友人、あるいはインフルエンサーが発信するコンテンツをいろいろなかたちで見に行く人たちが非常に増えました。

「何を」発信するかだけでなく、「誰が」発信するかが重要に

もう1つトレンドがあるとすれば……(スライドの左側の)「過去」は、テレビしかなかった時代を指していますが、リモコンの各ボタンでキー局を選んでコンテンツを見に行く時代から、2000年以降にインターネットが普及して、そのなかからコンテンツを探す時代になっていきます。今、さらにそこからどうなっているかというと、好きなチャンネルをフォローして、コンテンツを探しにいく時代に変わりました。

何が言いたいかというと、コンテンツがありすぎるということです。みなさん、どんなコンテンツに出会えばいいかがわからなくなっています。

そのなかで、実際にどういうコンテンツに出会っているかというと、結局は自分が好きなもののチャンネルを優先的に見にいく時代に変わってきています。

個人コンテンツの優位性

先ほど、個人が作ったコンテンツがかなりトップのシェアを保っているとお伝えしましたが、その背景として、個人が作るチャンネルはコンテンツとして非常にフォローされやすいです。

その理由は、毎日動画を投稿することによって、1人のYouTuberのなかで、彼ら自体のコンテンツにストーリーが生まれていくからです。やはり、個人が動画を投稿することに対する共感がユーザーの心を非常に強く動かしています。

繰り返しになりますが、そうしたところから個人がメディアになる時代がいよいよ到来しているということをお伝えします。

今後予想される事業環境の変化

次に、これからどうなるかについて、もう1つお伝えしたいと思います。先ほどお話しした「個人がメディアになる」という言葉と、次に出てくる「個人経済圏」という言葉をキーワードとして覚えていただきたいと思います。

従来の産業構造の問題点①

事例を出させていただきますと、例えばアーティスト、ミュージシャン、デザイナーさんなど、いろいろな方々がいらっしゃいますが、これまでは、活動したいと思った時に、音楽活動がしたければどこかの事務所に入らなければなりませんでした。もしくは、どこかのレーベルに所属する必要がありました。また、デザイナーさんであれば、やはりどこかのアパレル企業などに入らなければなりませんでした。このように、(クリエイターと)消費者との間には常に企業がいたのです。

従来の産業構造の問題点②

いろいろなところから資料を引っ張り出していますが、私たちは、コンテンツの制作者が獲得する収益が非常に少ないととらえています。

スライドの左側がアニメの例で、右側が音楽の例です。例えば、CDないしデジタルコンテンツで音楽を売った時に得る収益は、昔からのマーケットで言うと、作詞家や作曲者、もしくは制作者が受け取れる金額は全体の12~16パーセントぐらいしかないわけです。

それ以外のお金がどこに行っているのかというと、先ほどお話ししたとおり、アーティストが所属しないといけないレーベルさんであったり、流通だったりします。

最大の要因はチャネル(販路)とメディア(露出)の制約

あらためて、なぜそういうことになっているのかというと、2つの制約があるのではないかととらえました。

1つは、チャネルの制約です。実際に、音楽や書籍を出そうとしても、先ほどのお話しのとおり、売るためには書店さんに置いてもらわなければいけない、もしくは出版社に取り次いでもらわなければいけません。いろいろなかたちで、企業さんが間に入るのです。

もう1つは、メディアの制約です。動画というコンテンツを世の中に発信していこうと思ったときに、4マスメディアというお話をさせていただきましたが、そのメディアにどうにかして取り上げてもらわなければ、実際には消費者に情報が届きませんでした。

この2つの制約によって、従来は個人が収益を上げることが難しかったと思っています。

しかし、ITやSNSの普及により、これまでの制約から解放へ

個人がメディアになる時代だということをお伝えしましたが、先ほど申し上げた2つの制約である「チャネル」や「メディア」は、インターネットやデバイスが普及することで、「解放」という言い方が正しいのかはわからないのですが、実際に、クリエイターとユーザーが直接つながれるようになりました。

音楽であればオンライン上で販売できますし、書籍でも同様です。自分で情報を発信したいということであれば、わざわざメディアに出る必要もなく、自ら積極的にソーシャルを使って情報発信すればいい。いよいよ、そういう時代になったわけです。

メディアの変化に伴い、マス消費社会から多様化の時代に

従来であれば、「テレビに出ていたあの服、あの商品をみんなで買おう」という流れでしたが、昨今は、いろいろなかたちでいろいろな人が情報を発信しており、いよいよ多様化という言葉が、僕らの産業においても広がってきています。その結果、マス消費社会というものから、多様化の時代に変わってきているのではないかと思っております。

「個人がメディア化」→「個人が経済圏を形成」する時代

私たちは、ずっとYouTube上でビジネスを続けていますが、YouTuberやクリエイターというものをみなさまが想像された時に、テレビや映像と同様の市場がネットにも広まっていくのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。実際に、もうそこからジャンプアップして、スライドの右側にあるとおり、彼らがその力を使いながら、いよいよそれ以外のビジネスも始めています。

音楽もECもそうですが、インフルエンサーという人たちが、自分たちのなかの「経済圏」を作り始めるのです。

海外では既に広告以外の個人経済圏が大きく拡大

このスライドは、弊社がコンサル会社に調査を依頼した内容です。実際に、海外での個人経済圏はどうなっているのかというところで、日本は今、さきほどお話しした動画広告市場も含めてですが、個人では500億円ぐらい稼いでいるといわれています。しかも、ほぼ広告ビジネスです。

しかし、スライドにあるとおり、中国では広告ビジネスはもちろん、それ以外にも投げ銭であったり、もしくは中国では「Watch and Buy」といいますが、動画を見て、そのまま商品を購入する……そのままAlibabaで商品を購入するといったかたちで、インフルエンサー個人が直接的にユーザーと接点をもって、購買意欲を上げているということが行われています。

日本がこれに適しているのかどうかは別問題として、原則としては私たちもインフルエンサーの重要度が増していると思っております。

まとめ:今後は「個人経済圏」が成立する時代へ

スライドに「まとめ」として挙げさせていただいておりますが、「個人経済圏」が成立する時代がどういう時代かについてです。企業さまからすれば、昔は限られたチャネルでしたので、そのなかでビジネスを独り占めできました。

しかし、いろいろなかたちで個人がメディアとしてユーザーとタッチポイントを作っていくとどうなるかというと、やはり旧来のメディアだけを使っていると、若年層へのリーチがどんどん難しくなるのです。

一方、個人には追い風が吹いています。今まではどこかに所属しなければならない、もしくはなにかしらの制約を受けていたわけですが、インターネットを通じて自分自身でファンを直接獲得することができますし、自分自身でビジネスを作ることができます。まさしく「個人経済圏」を、自分たち自身で作り上げていくことができるわけです。

企業が間に入ると、いろいろなかたちで中抜きが発生しますので、こうしたビジネスが成立しなかったわけですが、ニッチな産業においても、このかたちであれば成立するのではないかと考えています。

UUUMのビジネスモデル

ここまでお伝えしました「個人がメディアになる時代」と「個人経済圏」というところを2つ含みながら、私たちの長期構想をお話しできればと思います。

引き続き、弊社のビジネスモデルとしては、インターネット上で活躍する個人をサポートしていくことを目指しますし、彼らが作る個人経済圏をどんどんサポートしていく企業として、圧倒的No.1を目指していきたいと考えております。

UUUMの強み

今までは、動画クリエイターというものを中心としておりましたが、そこに加えて、いろいろなジャンルのインフルエンサーを抱えていきたいと思っています。

もはや、アウトプットするコンテンツが動画だけではありません。先ほど申し上げました音楽、もしくは短尺の動画もそうですが、いろいろなインフルエンサーが常日頃から活動するうえで発信するコンテンツを、適材適所というかたちで、YouTubeをはじめとしたさまざまなプラットフォームに乗せ変えていきたいと思います。そして、そこに経済圏が生まれて、マネタイズしていくことをサポートしたいと考えております。

UUUMは個人のクリエイターとともにあらゆる産業構造を変えることを目指します

「個人をサポートしていく」「個人経済圏を伸ばしていく」ということで、この2つが順当に進めば、先ほどの(スライド31ページの)アニメの産業でご覧いただいたピラミッドの構造が見事に変わり、圧倒的に個人が受け取る収入が増えます。そのような産業構造に変わっていくと思いますし、私たちはそこを目指していきたいと考えております。

将来目指すべき市場規模のイメージ

先ほど、動画広告市場のお話をさせていただきましたが、私たちは動画市場に留まりません。どういう市場……みなさまの業界ではTAM(Total Available Market=潜在市場)という言い方をするかもしれないですが、どこを目指していますかと言われた時に、テレビ広告は6兆円市場、音楽は5,000億円市場、ECは9兆円市場ですが、あらゆる市場のなかで個人が活動して、個人が経済圏を作っていきますので、そのシフトしていくところをサポートさせていただこうと思います。それが、私たちが今ターゲットとしている市場規模になっていくのかなと捉えております。

経済圏拡大へ、広告以外の売上拡大を本格化

わかりやすい例ですが、弊社では動画クリエイターというかたちでYouTuberを抱えておりますが、今回の2019年5月期のなかで伸長したものの1つが、彼らが作ったグッズや、彼らが実施したイベントです。

グッズというと、クリエイターのキャラクターがTシャツの真ん中に印刷されているようなものを思い浮かべるかもしれないですが、実際には、彼らがプロデュースして、まったく別のブランドを出したりしています。

この「クリエイターサポートその他」という領域では、動画広告以外の領域を伸ばすことができました。2018年5月期は10億円でしたが、2019年5月期は22億円まで伸びました。全体的にはネット展開だと思うのですが、今後ますます、ここに力を入れていきたいと思います。

この事例でおわかりのとおり、(42ページの)一番上の広告市場以外のところにも踏み込んでいるということをご理解いただけるのではないかと思っております。

ピースオブケイクと資本業務提携により更なる裾野拡大へ

本日(2019年7月12日)14時に、「note」というサービスを運営していらっしゃるピースオブケイクさんとの資本業務提携を発表させていただきました。

スライドにもリリースの内容を書かせていただいておりますが、私たち自身も、動画クリエイター以外の新しいクリエイターへのサポートを積極的に行っていく、その1つの意思表示ですので、ぜひご覧いただければと思います。

長期構想実現に向けた当社の戦略

先ほどからお話ししております長期構想実現に向けて、取り組むことは結果的にはシンプルです。横軸のところは、ありとあらゆるクリエイターを獲得していくことで裾野を拡大していきたいと思いますし、彼らと一緒にビジネスを作っていくことで、縦軸の個人経済圏をますます大きく伸ばしていきたいと思っています。

そこに対して、弊社が今までどおりオリジナルコンテンツを作っていきます。

この3つのバランスを1つずつ伸ばしていくことによって、私たちの将来に対しての戦略が描けていけるのではないかと思っております。

当面は売上拡大(市場拡大)を優先

こちらのスライドは、2017年5月期からの業績結果になります。2019年5月期でいうと、売上高は197億円、営業利益率は6.3パーセントとなります。

「目先、やることは何ですか?」と言われたら、「個人経済圏をどこまでも伸ばしていかないといけない」と答えます。私たち自身のシェアは一定に保ちながら、さらに伸ばしていきます。この市場自体をもっともっと伸ばしていくというところで、まずは売上にコミットしていきたいと考えております。

もちろん、その成長のなかで利益率をさらに向上させていきたいとも思っていますが、まずは売上の拡大フェーズに突入しています。基本的には、先ほど掲げた3つのポイントをそれぞれ伸ばしていくことにチャレンジしていきたいと考えております。

20/5期業績見通し

以上を踏まえまして、2020年5月期の業績見通しを発表させていただきたいと思います。

売上高が260億円、粗利率が70億2,000万円、販管費が56億2,000万円、営業利益が14億円、当期利益が8億8,000万円と考えております。

サービス別売上高見通し

セグメント別の数字等はのちほどご覧いただければと思いますが、(スライドのグラフの)右から2番目、やはりクリエイターサポートのところで、先ほどお伝えしたように、グッズやイベントを積極的に伸ばしていきたいと考えております。

販管費の見通し

ご質問いただくと思いますので先にお伝えしておきますと、販管費の56億2,000万円の内訳ですが、新規事業に2億2,900万円、それ以外では本社の移転がありますので2億4,000万円を見込んでおります。

駆け足になりましたが、以上で私からの発表は終わらせていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:ゴールデンウィークの状況について

質問者1:大きく分けて、3点、お願いします。

まずは終わった期のところです。5月は連休がありましたが、ゴールデンウィークはどれくらい寄与して、どのような影響があったのかを教えてください。

鎌田:ゴールデンウィークについて、今年はそこまで再生回数は上がらなかったと感じておりますし、実際に数字としても出ております。毎年のゴールデンウィークのトレンドがそうなのかと言いますと、その年によってイベントだったり(が異なりますので)、今年はそうだったというかたちで捉えていただければと思います。

質問者1:16ページのところで、(タイアップ広告の業種別の売上の)中身が分けられているところについてです。

「アプリ・IT」と「玩具」がけっこう伸びているように見えます。このあたりについて、何かコメントがありましたらお願いいたします。

鎌田:ご覧いただいているとおり、前期についてはクライアントさまからの発注が多かったということです。

質疑応答:クリエイターのコンプライアンスについて

質問者1:コンプライアンスのことでおうかがいします。以前から、クリエイターさんが作る動画について、(コンプライアンスの面で)非常にしっかり取り組まれているという認識です。すぐにニュースになってしまうリスクがあったりということで、ここ最近は動画だけでなく、コンプライアンスの管理が非常に重要性を増しています。

ここであらためて、御社の取り組みについて……(御社の場合は)一般的な企業での社員に対するものとは異なりますが、御社のスタンスはどういったものなのか、足元の取り組みについてご説明をお願いします。

鎌田:コンプライアンスにつきましては、やはりクリエイターが起こすトラブルは、数としても少しずつ増えてきていると認識しております。

足元の対策ですが、もともと年に2回のコンプライアンス研修があり、実際にクリエイターを集めて行っています。また、専属クリエイターが投稿する日々の動画についても、すべてチェックしています。リーガル的な部分も、レギュレーション的な部分もチェックさせていただいております。

今、ご質問いただいたコンテンツ以外の部分での弊社のコンプライアンスにつきましても、やはり僕たちは「動画を作る機械」を相手にしているわけではなく、人間をマネジメントしていますので、彼らの日々の行動……彼ら自身も著名人、インフルエンサーであるということを再度自覚して、日々、間違った行動をとらないように、より一層教育を強化します。

質疑応答:新たなYouTuberなど、最近の動きについて

質問者2:まず、25ページのランキングのところで教えてください。

私の勘違いかもしれないのですが、「すしらーめんりく」さんが御社の所属だったように記憶しているのですが、もし脱退の理由や経緯について、ご回答いただける部分があればお願いします。

鎌田:おっしゃるとおり、「すしらーめんりく」というチャンネルについては、弊社からは外れたかたちとなっております。

内容につきましては、個人の範囲になりますので詳細はお伝えできないですが、複雑なことは特にはないということだけお伝えしておきます。

質問者2:新しいYouTuberさんの台頭というところで、何か新しい動きはありますでしょうか?

鎌田:TOP100については特にお伝えすることもないと思いますが、現在の新しいクリエイターでは、先ほども説明させていただいたとおり、ニッチなチャンネルでもクリエイターが目立ってきたと思っております。

ゴルフチャンネルもそうですが、例えばスノーボードのプロ選手であったり、ボーリングのプロの選手であったり、もしくはバスケットボール選手であったりと、従来、これが5年前であれば、YouTubeで生活するのは難しかったのではないかと思います。そこから、多種多様な新しいクリエイターが生まれてきているというかたちです。

質問者2:レモネードの直近の動きはいかがでしょうか? 今のところはそれほど大きな動きはないように見られるのですが、いつごろ貢献しそうでしょうか?

鎌田:レモネードは2018年11月に吸収合併させていただいたのち、前期末にも先行投資をしましたし、直近でいうと、右肩上がりで順調です。

本業であるYouTubeの事業に対して、絶対値としてはまだ少ないですが、現在、利益率としては一番高い事業になっておりますので、引き続き先行投資をして、伸ばしていきたいと考えています。

2020年5月期あたりには、しっかり(数字に)入ってくるのではないかと思っています。

質疑応答:アドセンスの売上の見通しについて

質問者3:6ページにアドセンスの売上推移の数字があると思います。この動画再生回数の成長の見込みについて、どのように想定されているのか教えていただけますでしょうか?

渡辺崇氏(以下、渡辺):アドセンスの数字の前提になっている再生回数に関しましては、前年比117パーセントを見込んでおります。

質問者3:その数字的に、成長が若干緩やかになっていると思いますが、その理由を教えてください。

渡辺:単純に、規模が大きくなってきておりますので、明確な変化があるというよりも、規模が大きくなってきたため、伸び率という意味では徐々にスローダウンしている状況でございます。

質疑応答:2019年5月期の販管費が計画よりも少なかった理由について

質問者4:質問が3点ございます。1点目は実績についてですが、計画に対して販管費が若干少なくなっておりますが、使いきれなかった部分はどこだったのでしょうか? また、使いたくても使えないという状況になっているのかについても教えていただければと思います。

渡辺:販管費は、もともと計画として42億円という数字を出させていただいておりましたが、それに対して41億6,000万円ということで、4,000万円ほど少なくなりました。そこに関しては、例えば採用費が想定以下だったなど、細かいものの積み上げになってしまうため、詳細はお答えいたしかねます。おおむね狙っていた費用に関しては使えた状況でございますが、計画まではいかなかったとご理解いただければと思います。

テレビCMと動画広告について

質問者4:2点目は、競合についてです。先ほど年齢別の視聴時間などを開示いただきました。

年齢層が高いお客さんを多く持つ商品の広告主さんの場合、ある程度はテレビCMや従来のマス広告のほうが費用対効果がいいということで、呼び戻しのような動きが起こり得るのではないかと思います。

若い世代は大丈夫だと思うのですが、テレビCMの競合に対しての御社の優位性について、どのようにお考えでしょうか?

渡辺:おっしゃるような可能性もあるのかもしれませんが、全体的なトレンドとしましては、テレビCMをやめてYouTubeに出稿される広告主さまは、まだほとんどいないと思っています。どちらかと言うと、テレビCMにのみ出稿してきた広告主がYouTubeにも出稿しているというのが、現状の認識です。

その背景についてです。若年層の方はほとんどテレビを見なくなっていますが、例えば自動車メーカーなど……若年層の方は基本的には買えないと思うのですが、そうした若年層に対してもYouTubeなどを通じてリーチしていかないと、そもそもの会社名を覚えていただけないと言いますか、それを知らずに成長してしまう可能性があります。

そうした広告主さまを含めて、若年層に向けてブランディングしていく、あるいはリーチしていくために、テレビだけではなく、YouTubeにも広告出稿しているということで、動画広告市場が伸びていると認識しています。

質問者4:そうすると、年齢層の高い人たちにはまだまだ浸透していないため、心配はないだろうと思ってよろしいですか?

渡辺:はい。

質問者4:これからインフルエンサーを獲得していくと思うのですが、質の高いインフルエンサーと言いますか、獲得したいと思うインフルエンサーはどういった方でしょうか? インフルエンサーのクオリティについてどのようにお考えか教えてください。

鎌田:今回、ピースオブケイクさんとの提携を発表させていただきましたが、情報量としては動画が一番多いのは理解しています。ただ、ユーザーがどういうタッチポイントでそのコンテンツを見るかについては、こちらのほうが見やすいなど、いろいろなかたちでの可能性があると思っています。

今いただいたご質問についてですが、インフルエンサーについては、今の時点で、例えば「追加で何人を獲得」といったことではなく、やはり個人経済圏を作っていきたいという思いで積極的に活動を行っていきたいと思います。

質疑応答:インフルエンサーの活用事例について

質問者5:コカ・コーラ様とのタイアップのように、企業様がインフルエンサーを活用する事例というのはどれくらい増えているでしょうか? 収益にどれくらいの影響を与えているのかなど、ポイントを教えてください。

鎌田:企業さまに、弊社のインフルエンサーを採用いただいている推移について、実際の私達の売上推移は6ページを見ていただくとわかりやすいかと思います。

セグメント別の売上高推移で、(グラフの)下から2番目が企業とのタイアップ広告ですが、2019年5月期の第4四半期の14億7,400万が、企業様に実際にお支払いいただいて、コンテンツを作っていくといったところです。