2019年8月期第2四半期決算説明会

荻島浩司氏(以下、荻島):チームスピリットの荻島でございます。本日はお忙しいところ、多数の方にお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。これから、弊社の第2四半期決算発表を進めさせていただきたいと思います。

説明会を進める前に、株式分割のお話をさせていただきたいと思います。本日、株式分割を発表させていただきました。上場来、おかげさまで高くご評価いただきまして、ありがとうございます。みなさまのご評価によりまして、上場時の価格から約3倍になり、今後流動性を高めていくという観点から、2分割することを発表しました。

また本日、株式会社USEN-NEXT HOLDINGSさまにご採用いただきましたことをプレスリリースにて、同時に発表させていただいたところです。

それではアジェンダに沿って説明させていただきます。まずはじめに、上場後、初めての半期の決算発表ということで、まだ弊社についてご存じの方は少ないと思いますので、我々の会社のサービスや会社の概要についてご紹介をさせていただきます。その後、事業・業績のハイライトをご紹介いたします。

私たちのミッション・ビジョン

私たちのミッション・ビジョンについてです。ミッションは、「すべての人を、創造する人に。」です。そしてビジョンが、「個を強く。チームを強く。」として掲げています。

今、IT、ロボット、AIといったものがどんどん進展していますが、そういったものに使われるのではなくて、AIやロボットを使いこなしていく人に育っていただくために、「我々のツール・サービスが貢献できるように」という思いを込めています。

私たちのビジネス

私どものビジネスです。「働き方改革プラットフォーム」と呼んでいますが、「TeamSpirit」というSaaSサービスを提供している会社です。我々は、このSaaSビジネスの単一事業となっています。見ていただいておわかりのように、「勤怠管理」「就業管理」「経費精算」「工数管理」等がひとつにまとまったサービスです。

「工数管理」は、1日8時間働いた中で「どういう作業を何時間やったのか」を記録する仕組みでございます。その先には、これを使って原価管理につなげていくことまで含まれたサービスです。それから「電子稟議」、社内用の「SNS」「カレンダー」といったような機能もあります。

簡単に申し上げますと、社員の方が毎日使わなければならないシステムを1つにまとめたサービスとなっています。これをSaaSという、インターネット上のサービスとして提供している会社です。

事業の特徴と強み

我々の事業の特徴と強みを、3点挙げさせていただきました。1つ目が「データを活用した『働き方改革』の実現」。2つ目が「B2B SaaSによる『サブスクリプション型ビジネス』」。3点目が「働き方改革プラットフォームという新ジャンルを創造」です。1点ずつ、次のページでご紹介したいと思います。

データを活用した「働き方改革」の実現

まず、「データを活用した『働き方改革』の実現」についてです。スライドの左側の図ですが、「TeamSpirit」ができる前の同様のシステムは、基本的には企業の基幹システム……例えば給与計算、会計、原価管理といったシステムにデータを入れるための仕組みとして存在していました。いわゆる、ERPの中にデータを登録しているわけです。

決算を行うだけであれば、今までのかたちでも構わなかったわけなのですが、今、働き方改革に注目が集まり、企業に対しての内部統制、コンプライアンスも非常に強く求められる時代になってまいりました。これらのデータをいち早く分析して、改善につなげていかなければならないといった世の中の動きが出てまいりました。

これまでの仕組みですと、これらの異なる分野のデータを掛け合わせて分析するには、一度ERP、基幹系システムの中にデータを入れてから取り出すことをしないと、分析できなかったのです。そのため、月次の締め後にしか分析できないという状況でした。

その点、「TeamSpirit」は、「勤怠管理」から「電子稟議」までの機能が1つのシステムでできています。一体となっているメリット・目的は何かと言うと、1つはワークフローの統一です。ワークフローとは簡単に言えば、「承認」「決裁権限」と言われているものです。

企業は、「勤怠管理だからこの承認の流れ」「経費精算だからこの承認の流れ」というように単体で決めるものではなく、企業としてのルール、規定として作るべきものです。我々のサービスを導入すれば、1つのルールをすべてのものに適用することができます。

もう1つ。蓄積されるデータが1つのデータベースの中に入っていますので、これを使って、しかもリアルタイムに分析できます。例えば、今打刻すれば今の情報が入り、リアルタイムに蓄積されます。

いわゆる「36協定」というものがあり、働き方改革では36協定の遵守を求められています。月末に残業時間を超えていることが発覚して、「あ、実は36協定を守れていなかった」ということではすでに遅いわけで、その途中で見ていかないといけません。

「経費精算」でも、予算に対して超えていないかとか、原価管理でも予実はリアルタイム、日ごとに見ていかないといけません。スライドの左側の図のかたちで見る限り、月末など締め後でないとそれを見つけることができない。そういうことが起きているのです。しかし我々の「TeamSpirit」を使っていただきますと、これをリアルタイムに見ることができます。

「TeamSpirit」にデータがたまるほうが先ですので、その後で、従来の基幹系システムにデータを取り込んでいただければ、今まで以上に決算がスピーディーに行われるといった特徴がございます。

スライドの上にも書いてありますが、ERPから従業員との接点となる情報収集機能を分離したという意味で、「ERPのフロントウェア」という言い方をしています。ユーザーインターフェースがよいことで、情報が無理なく蓄積され、それを可視化して振り返ることができる機能を持っています。

B2B SaaSによる「サブスクリプションビジネス」

2点目が、「B2B SaaSによる『サブスクリプションビジネス』」です。B2Bとは法人向けということです。SaaSとは、ソフトウェアを所有しなくても、インターネットでサービスとして使えるものです。サブスクリプションビジネスとは、期間に応じた利用料を月額でいただくことを表しています。

ソフトウェアを所有せず、常に進化するところがポイントだと思います。従来のパッケージ製品であれば、何年かに1回バージョンアップがあって、そこでお金を払って新バージョンに更新するということが起きていました。私どものサービスは、年に3回の定期的なバージョンアップが行われますが、オンラインで簡単に更新でき費用も月額利用料の範囲の中で賄うことができます。

この後にも出てまいりますが、先ほどもお話ししたような「勤怠管理」や「経費精算」が一体となっているサービスは、大企業でもほぼ実現できていないものです。高品質なサービスが、定額で、企業規模を問わず、すべてのお客さまに利用していただけるところも特徴になっています。

これらを実現するのに基本となる考え方が、「シングルソース・マルチテナント」です。

私どものサービスは、1,200社近くのお客さまにご採用いただいています。また2019年2月には三菱地所さま、今月はUSEN-NEXTさまのような、数千名、数万名の社員数のお客さまに採用いただいたことを発表いたしました。そういった規模の会社さまでも実は特別なものを使っているわけではなく、すべてのお客さまとまったく同じアプリケーションを使っていただいています。

そのため1,200社近くのお客さまの要望を反映して、バージョンアップというかたちで標準として取り込むことで、どんどん機能がアップして、お客さまの満足につながります。そして、最初にご要望をいただいたお客さまのところにもフィードバックされていく。こういったサイクルを実現することにより、ユーザー数が増えていきます。

お客さまの満足度を高めることで、継続的にご利用いただくことが一番重要です。例えば、昨年度のライセンスの売上がありましたら、昨年度の売上がそのまま今年度にも反映されるということで、それが非常に重要になります。これを実現することで、つねに進化するサービスを作ることができています。これが、2点目の特徴になるかなと思っています。

働き方改革プラットフォームという新ジャンルを創造

3番目は、「働き方改革プラットフォームという新ジャンルを創造」したということです。いわゆるポジショニングになりますが、よくご質問をいただく競合関係を説明する資料としても見ていただけますので、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

先ほどお話ししたように、「勤怠管理」や「経費精算」は歴史的に、基幹系システムにデータを登録するところから生まれてきました。10年前、20年前はどうだったかと言うと、大型コンピュータにデータを登録するために、紙のタイムカードや伝票があって、それをキーボードで入力してデータを取り込んでいました。

それがネットワークの時代になり、社員の方々が自動的に入れたものを取り込もうという動きが出てきて、我々のような分野のシステムが出てきました。最初に大手の会社さまが、先ほどの基幹系システムをカスタマイズしたり、スクラッチから一から開発することで我々と同じような領域のシステムができるようになりました。その次に、ネットワークで使える単体のパッケージ……例えば「勤怠管理」だけができる、「経費精算」だけができるというものが出てまいりました。

私どもはその次の世代として、先ほどお話しした、機能を統合した製品をリリースいたしました。一から開発するまではお金をだせないけれど、でも単体パッケージではなかなか用をなさないというお客さまを中心に使っていただいたわけです。

現在では大手の企業さまが一から作ったとしても我々の機能を超えることができないことを理解いただきまして、これを大手のお客さまにもそのまま使っていただく動きが出てきています。

先ほどの競合の話ですが、誰が競合になるのかと言うと、わかりやすい例では「単体パッケージのお客さんが競合になるんじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、スライドを見ていただくとわかるように、私どもは単体パッケージに最適な規模の会社はあまり狙っていません。理由は後でご説明します。

基本的には、先進的な働き方や内部統制が必要な中堅以上のお客さまを狙っていきたいわけです。そうすると左上のゾーンのシステムと競合することになりますが、競合していたのは、ERPのメーカーではなく……例えばSAPさんやオービックさんといったところとぶつかっていたわけではなく、ERPを導入するいわゆるSIerさんやコンサル会社さんとぶつかることがありました。

しかし、そういった会社さんは、実は今では競合ではなく、「SAP」等のERPと「TeamSpirit」をセットでお客さまに販売していただくかたちに変わってきました。それが最近の動きです。先ほど、三菱地所さんの事例を出しましたが、野村総研さんが「SAP」と「TeamSpirit」をセットで導入するという事例でした。そういった動きがどんどん進んでいる状況です。そのため、大手企業に受け入れていただける基盤が必要となり、非常に厳格な仕組みであります「Salesforce」をプラットフォームとして利用しているところです。

余談ですが、このスライド(左側の「企業規模」の部分)にございます「EBU(4,000名~)」「GB(500~3,999名)」「MM(100~499名)」「SMB(~99名)」といった数字は、この後もたくさん出てきますので、覚えておいていただければと思います。

FY19Q2事業サマリー

前置きが長くなりましたが、次に進んでいきたいと思います。2019年度第2四半期の事業サマリーは、契約ライセンス数が17万5,000、契約社数が1,118社となりました。MM……先ほどご紹介した100人以上の会社さんのことですが、利用率が81パーセントです。リカーリングレベニューは後で出てきますが、毎年継続していただける売上の割合が82.4パーセントとなっています。

契約ライセンス数の推移を見ていただいて、この棒グラフがID数、いわゆるライセンスの数です。緑の折れ線が社数です。棒グラフの一番右側は、ちょうど半期が終わったところでの数字となっていますが、こういう状況です。

純増契約ライセンス数/セグメント別割合

次に、純増契約ライセンス数とセグメントの割合です。純増契約数については、この半期で約3万6,000ほど伸びています。昨年の純増が1年間で約4万でしたので、前年度の純増分に対して9割ぐらいは、この半年で伸びた計算になっています。

(純増契約ライセンス数の)内訳として、第1四半期・第2四半期の数字はグラフのようになっています。第1四半期については想定を上回る受注がございました。第2四半期が一見少なく見えていますが、第1四半期が予定よりもよかったというのが、我々としての実感です。それから、セグメントの割合としても、先ほどお話ししたGB以上、つまり500人以上の企業さんの利用率はさらに伸びている状況です。

FY19Q2業績サマリー

次に、業績のハイライトになります。業績サマリーですが、売上高は8億4,300万円で、前年同期比で見ますと51.9パーセント伸長したところです。営業利益に関しては、前年同期比で159.4パーセント伸びている状況です。

進捗率については、売上高45.1パーセント、営業利益36.3パーセントとなっています。我々のビジネスは後半の方が売上等が伸びていくかたちです。前年度の実績がAppendixにありますので、後でご覧いただければと思います。我々としては、順調に進んでいるという認識を持っています。

売上高・営業利益の四半期別推移

売上高と営業利益の四半期推移ですが、堅調に右肩上がりです。オレンジ色のグラフが営業利益ですが、前々期はずっと赤字基調で、前年度から黒字化した会社です。営業利益も順調に伸ばすことができました。ただ単に利益を出すためだけではなく、開発人件費や広告宣伝費など、適切な投資もしながら利益を出していく状況を達成できたかなと考えています。

売上区分別内訳

売上区分の内訳も上げさせていただきました。ライセンスの売上が47パーセントほど伸びまして、プロフェッショナルサービスが70パーセントぐらい伸びています。おわかりのように、ライセンスは製品を使っていただくための利用料と考えていただけたらと思います。

プロフェッショナルサービスは、このサービスを導入するときに一時的にお金をいただいて、導入を支援させていただくものと、導入後に円滑に利用するために、運用のサポートをさせていただく2つに分かれています。

前者の一時的な売上はスポットサポートといいまして、この中央のグラフの下の部分になります。その上がプレミアサポートで、運用部分をサポートするものになります。

「TeamSpirit」のお客さまは人事部・総務部の方などが中心になりますが、「勤怠管理」「経費精算」とは言え、準基幹系のシステムになりますから、自分たちでこれを動かすよりは、チームスピリットに頼んだ方が安いし的確だということで、運用についても委託をいただいているわけです。これも月額利用料金でいただいていますので、我々としてはずっと継続していくものとしてリカーリングレベニューの中に加えています。

したがいまして、ライセンスの売上とプロフェッショナルサービスの中のプレミアサポートを足したものがリカーリングレベニューとなります。このリカーリングレベニューも、対前年同期比で53.1パーセント伸びている状況です。

コスト構造

コスト構造はスライドのようになっています。人件費が約半分ぐらいで、プラットフォーム仕入が2割ぐらいです。これは、Appendixに出てくる構造の方がわかりやすいと思いますので、別途ご紹介したいと思います。

また、従業員数は前年同期比で約26パーセント増えています。積極採用をしていますので、ぜひみなさまのお知り合いがいらっしゃいましたら、チームスピリットに応募するよう伝えていただければと思います。

キャッシュ・フローの推移

キャッシュ・フローの推移ですが、非常に好調で、経常収支を左から見ていただきますとわかるように、ずっと右肩上がりの基調になっています。右側のフリーキャッシュ・フローの部分とそのマージンについては、半期単位で開示しているためちょっとデコボコしていますが、前年同期で見れば上がっている状態です。

また、損益計算書や貸借対照表は、資料をご覧いただければと思います。ここまでが、私どもの決算発表になります。続いて、内容を補足する意味で、Appendixをご説明していきます。

FY19事業計画骨子

すでに以前(2018年8月期決算発表)の決算発表のときに説明している内容と重複しますが、私どもの事業計画の骨子としましては、CAGRで50パーセント以上の売上達成を継続していくこと。これが1点目です。2点目は、それを達成し、中期的な成長を加速するために、次世代プロダクトの開発投資を継続していき、成長企業としてあり続けたいと考えています。

3点目は、プロダクト開発投資をしながらも、今年度に関しては営業利益として2億5,000万円を確保することを目指しています。私どもは、非常にコストコントロールのしやすい会社ですので、現時点で、これは十分達成可能かなと認識しています。

FY19 業績予想

業績予想ですが、スライドのとおり、売上高は18億6,900万円、営業利益は2億5,000万円です。前年度と対比しますと、それぞれ51.7パーセント、259.7パーセントのプラスという状況です。

CAGR50%以上の売上成長率の実現

前のスライドをグラフにしたものです。前年度の12億3,200万円に対して、今年度が18億6,900万円と、そこを目指して進めてまいります。

プロダクト開発投資を増加しながら営業利益約2.5億円を確保

先ほど説明を飛ばしましたが、いわゆる収益構造をグラフ化したものになります。サブスクリプションビジネスは、そのお客さまが解約しない限りは、前年までの売上がずっと継続していきます。

今年度の新規の売上追加に関しては、期初……我々だと9月の受注については、1年間使っていただきますので、1年分の売上が計上できます。

しかし、期末となる8月に受注した場合、それがすごく大きい金額であったとしても、今年度の売上には1ヶ月分だけしか計上できません。そのため実は、今年度で新規に獲得する売上は、受注金額の半分ぐらいしか貢献してきません。ですが、翌年度、そのお客さまに継続していただくことで、丸々1年分が売上になる構造になっています。その前年までの売上が積み重なっているのが、このグラフにある既存のリカーリングレベニューとなります。ですから、これを解約されないことが非常に重要になるわけです。

それに対して、一定量とは言え解約してしまうお客さまも若干あります(既存リカーリングレベニュー(解約))。しかし我々としては、解約されたとしても、残ったお客さまに追加していただいたり、また我々の中には原価管理や人事情報管理ができるファミリー製品があるため、そういうものをご活用いただくことで、結果として既存のお客さまのリカーリングレベニューは増えている状況です(既存リカーリングレベニュー(既存追加))。これは今でも続いています。

解約のことを「チャーン」と言いまして、それが逆にプラスになっているため「ネガティブチャーン」という言い方をしますが、海外で言うところのSaaSビジネスとして、これができていないと結果的には、例えば広告費をどんどん投入したとしても、数年でその価値がなくなってしまうことになるわけです。

我々は極論すると、新規をとらなくてもどんどん収益が増えていくという構造になっています。

これに対して、リカーリングレベニューの新規のグラフの部分は、先ほど申し上げた、今年新規で取っていくものですが、その中で運用サポートと言って、サービスで売り上げていくものがここの売上(リカーリングレベニュー(プレミアサポート))になります。

その右側にありますのが、いわゆるスポットで導入時点で費用をいただくものですから、リカーリングレベニューはこの(スライドにあるとおりの)範囲ということです。

これに対して、原価の構造で一番大きいのがプラットフォームの利用料です。次に、プレミアサービス等を実現するための人件費(プロフェッショナルサービス&プロダクト保守費用)、販管費の中の人件費、その他販管費となっています。これが事業を行うために最低限必須な部分となります。

その下にありますのが、広告宣伝費や次世代開発プロダクト費用です。あえて次世代プロダクトの開発費は分けていますが、これをどの程度投資するかによって利益が変わってくるところです。

そこから残った結果が利益であり、今年度は2億5,000万円を計画しています。こういったかたちになり、非常に安定した収益源がございます。先ほど申し上げたように、コストコントロールが非常にしやすい仕組みになっており、かつ、トップラインが順調に伸びているため、次世代の開発投資も継続して進められる状況です。

中期的な成長を加速するため、次世代プロダクト開発投資を継続

中期的な成長を加速するために、次世代プロダクトのリリースを計画しています。これが、この春からとなっています。時々、「春とはいつのことか?」と聞かれますが、「夏の前です」と答えています。夏の前には、きちんとこれをリリースしたいと思っています。

この製品は、既存製品とベースとなる部分は同じで、「勤怠管理」「経費精算」ができるのですが、それに加えて事前にプランニングをする要素を付け加えたことで、既存のもので振り返りをして、その結果、改善すべき内容をプランニングできるような製品になっています。

昨年の決算発表(2018年8月期決算発表)でご紹介していますが、すでにカゴメ株式会社さまでプレ利用をいただいていまして、フィードバックもいただきながら、製品を強化しているところです。

今後の成長イメージ

次に、今後の成長イメージですが、「5年後に売上100億円、契約ライセンス数100万を目指す」と考えています。

GB/EBU企業の契約状況/業種別分類

GB/EBU企業の契約状況はこのようになっています。前回の発表(第1四半期決算発表)と比べると、新たなロゴが加わりました。カゴメ株式会社さま、三菱地所株式会社さま、そして本日発表させていただいた株式会社USEN-NEXT HOLDINGSさま、株式会社LIFULLさま、日本アジアグループ株式会社さまのような、大手企業さまのご採用が順調に進んでいる状況です。

また、スライドの右側を見ていただくとおわかりのとおり、他に比べると、システム開発や工数管理をするIT系企業が若干多いですが、その他の業種についても平均的にご利用いただいている状況をご覧いただけると思います。

GB/EBU企業への導入事例(1/3)

株式会社USEN-NEXT HOLDINGSさまの事例ですが、ホームページを見ていただければ詳細が出ています。操作性であったり、4月の働き方改革法制度に対応した部分をご評価いただいた記事となっています。

GB/EBU企業への導入事例(2/3)

こちらは、日本アジアグループ株式会社さまです。「TeamSpirit」の全機能を使い尽くしていただいている企業さまで、非常にご好評いただいています。

GB/EBU企業への導入事例(3/3)

そして、三菱地所株式会社さまです。先ほどご紹介した、いわゆるSIerやコンサル担当の会社さまとの協業の一例です。

マザーズ上場企業の「TeamSpirit」利用率

また「TeamSpirit」について、先ほど「内部統制やコンプライアンスにも効きます」とお話ししました。例えば「勤怠管理で36協定を守る」という法律を守るという意味で、コンプライアンスとなります。

働いている時間の中で、「どういう作業を何時間した」というように「工数管理」ができるのですが、働いている時間が8時間だったら、今日1日の工数は8時間以上にならないように管理することができます。

そのため……世の中は、どんどん人が原価となるサービス型になっているわけですが……人が動いたその時間が、一般管理費なのか売上原価なのか、売上原価だった場合は「どのプロジェクトなのか」という個別原価管理が求められます。当然ですが、それが今期の売上なのか来期の売上なのかで、利益の問題にもつながっていきます。

労基署に「我々の会社では、社員にまったく残業させていません」「ホワイトな会社です」と言いながら、税務署には「非常に工数がかかって、利益が出ませんでした」と言うことができないようになっています。

実は、こういった内部統制を実現するために、大手の会社さんでは昔からシステムを連携させていたわけです。そういったものも「TeamSpirit」なら標準でできるようになります。

先ほど申し上げたとおり、決裁権限が守れて、36協定も守ることによって、未払い残業がなくなるであろうという期待から、マザーズに上場されている企業さまにご採用いただいています。

今年の3月までにマザーズ市場に上場されている企業さまの15.5パーセントに「TeamSpirit」をご採用いただいていますし、今年の3月までにマザース市場に上場承認された企業さまの25パーセントが「TeamSpirit」を採用しています。

東証さんでは市場改革をされるそうですので、マザーズの伸び盛りの会社に東証1部にいっていただけると、我々の利用率もどんどん上がっていくのかなと期待しています。こうした成長企業の利用も進んでいる状況です。

四半期売上進捗イメージ

こちらが、少し言い訳めいている資料になるのですが、我々のSaaSビジネスの進捗を表している資料になります。一般的に、「安く仕入れて高く売る」という会社さんの場合、進捗は25パーセントずつするのが一般的な考え方かと思います。

しかし、私どものビジネスは、先ほど申し上げたような構造になっています。スライドは前年度の進捗率を表していますが、第1四半期・第2四半期とも、ほぼこれに近いかたちで進んでいると考えています。

私からのご説明は以上になります。どうもありがとうございました。

質疑応答:次世代プロダクト「TeamSpirit WSP」の価格について

質問者1:質問を2点お願いします。まず、三菱地所さんのような大手企業の場合は、段階的に導入されていくと理解しています。そうすると、御社が開示されている17万5,000のライセンス数には入っていないところがたくさんあると思います。そういったものを外部から、確度の高いものだけ確認するような方法があるのかを教えてください。

もう1点、次世代プロダクトの「WSP」ですが、これはさらに働き方改革を実現しやすくなるプロダクトだと理解しています。すでにテスト中なので、いろいろなフィードバックをいただいていると思いますけれども、単価を今の600円からさらに上げていく余地がどれぐらいあるのか、その手応えなどを教えていただけますでしょうか?

荻島:1点目につきましては、我々も正確に確認する術がないこともありますし、開示していませんので、外部から確認する方法はないと思っています。ただ、ご質問いただいたとおり、大手企業さんの採用が進みますと、段階的な導入はあると思います。

また、グループでの採用があった場合、グループでいきなりドンと一括導入いうことはなく、グループ会社1社ずつで進んでまいります。すでに受注済みのお客さまが段階的に利用数を増やしていくということは、既存の追加に入っているのではなく、新規にカウントされますけれども、そういった状況は進んでまいります。そのため、大手企業さんの採用が増えると、潜在的なIDが増えていく可能性がかなりあると理解しています。

2点目の「WSP」の価格に対する問題ですが、これもまだ開示しているわけではありません。我々としては、これからデフレを脱却してインフレにしていかないといけないと考えていますので、価格は、ぜひみなさまにご理解いただけるところにしていきたいと考えています。

質疑応答:TeamSpiritのオプション機能について

質問者2:ご説明ありがとうございます。スライドの28~30ページで導入事例を出していただいていますが、これはいずれも次世代プロダクトではないという理解ですが、三菱地所さんなどは、「マイナンバーエンジン」など、オプション機能みたいなものが入っていると思います。このあたりの単価のイメージだけでも構わないのですが、教えていただけますか?

次世代プロダクトではなくても、大企業が入ることによって、その部分については単価が上がっていくのではないかと思います。USEN-NEXTさんや日本アジアグループさんのように、今後、大企業がどんどん増えていくときのイメージとして、どういったオプション機能があって、どういったものが使われやすいのかを教えてください。

荻島:今までご紹介をさせていただきましたのは「TeamSpirit」という本体の機能で、「勤怠管理」や「経費精算」を一体化しているものです。これ以外のオプション製品として、いわゆる人材のマスターとなる人事情報を格納する「TeamSpirit HR」という製品があります。そこには、さらにオプションとして、マイナンバーの保管ができる「マイナンバーエンジン」があります。

もう1つ、「TeamSpirit Leaders」というものもあります。工数管理というのは、働いている人が、どのプロジェクトに何時間かけたかという実績を記録できるものです。「TeamSpirit Leaders」は、それを原価管理につなげるために予算を入れて、それに対する実績を蓄積して、どういう状況にあるのかを記録するサービスです。

先ほど、例としてシステム開発の割合が大きいと出しましたが、そういった受託系のシステム開発をするお客さま、マーケティング・コンテンツ開発関係のお客さまに、かなりご採用をいただいています。

ご質問のように、「TeamSpirit」の単価は600円で提供しているのですが、三菱地所さんがどうかといったことはお答えできません。ただ、このようなファミリー製品の利用により、全体を通じて600円以上のARPUを達成できているところです。

増山秀信氏(以下、増山):1点、補足させていただきます。三菱地所さん、日本アジアグループさん、USEN-NEXTさんは、それぞれリリースの内容を見ていただければわかると思いますが、「TeamSpirit」だけでなく、荻島が申し上げたようなファミリー製品を使っているお客さまが多いです。

全体的に、大企業さんの方がいろいろなことを実現したいという傾向が強いため、我々としても600円のもの単体だけでなく、他のものをかなりご提案して採用される傾向が強くなっています。ですので、今後は単価が上がる傾向になっていくのではないかと思います。

質疑応答:プレミアサポートが伸びている要因について

質問者2:次に、スライドの14ページについてです。前年の売上で、第2四半期にかけて成長率がかなり加速していますが、ライセンスは前期の第4四半期から純増数がかなり増えてきていますので、それが積み上がってきて成長率が上がってきているという理解でいいのかという確認です。

そして、スライドの上の部分です。プロフェッショナルサービスは15ページで分解していただいていますが、プレミアサポートがスポットサービス並み、もしくはそれ以上の伸び率・成長率になっている背景と、今後のトレンドみたいなものを教えていただければ幸いです。

荻島:14ページの点につきましては、ご質問いただいたとおりでございまして、順調にトップラインが伸びているというところです。また、グラフにはあえてグレーで広告宣伝費や開発人件費を入れさせていただきました。

これは、無理やり営業利益をひねり出しているということではなく、成長企業として必要な投資を行いながら、結果としてトップラインが伸びていることによって利益を出しているという部分を示したいと思って、このグラフを付け加えさせていただきました。

15ページのプロフェッショナルサービス売上の内訳について、大変いい質問をいただきました。ありがとうございます。スポットサポートは一時的な売上になりますので、次の期にどうなるかはそのときの受注次第になりますが、プレミアサポート、いわゆる運用サービスの部分が、スポットサービス以上に順調に伸びています。

この理由は、2点あると思っています。1つは、大手企業さまの採用が非常に増えていること。単純に考えていただければと思いますが、「勤怠管理」「経費精算」といったものをクラウドで使っているわけですから、本来、手間なく使いたいわけです。それなのに、大手企業で人件費の高い担当者の方を、サービスの導入や運用に充てるのは非常にもったいないという考え方があります。

大手企業はそうした運用部分についても弊社に依頼したいということもあり、それが数字が伸びている1つの背景かなと思います。

もう1点。以前の発表(2018年8月期決算発表)でもお伝えしましたように、我々は戦略としてカスタマーサクセスを標榜しています。どういうことかと言うと、既存のお客さまに対してサービスを強化することで解約を減らすという活動なわけですけれども、実はその活動に伴って、「それなら、運用部分も任せたい」というお客さまも増えています。プレミアサポートの増加と解約の低減というダブルで効いてくるといったことが実現できていると思います。

質疑応答:第1四半期に想定外の受注があった理由について

質問者3:ライセンス数の純増数について確認させてください。先ほどのお話の中では「第2四半期に比べて、第1四半期はかなり想定外の受注数だった」ということでした。その背景と言いますか、どういったことによるものなのでしょうか? 第1四半期に、GBやEBU級の大手企業さんの受注がかなり入ったことなどが要因でしょうか?

それとも、先ほども販管費・開発費、広告宣伝費・開発人件費のところで、内訳はわからないのですが、広告宣伝費を絞った結果としてなのか、そういったところのやりくりなどを確認させてください。

荻島:四半期ごとの受注状況の変動に関して、正確なところは、我々もわからないです。ただ、1つの情報として、受注社数がそんなにでこぼこしているわけではないところから、大手のお客さまにご採用いただいたからということですけれども、これが季節変動によるものなのか、何か他の理由によるものなのかはわかりません。

過去のトレンドを見ていますと、どの時期に増えるのかはちょっと予測できない点があります。ただ、大手のお客さまに採用いただいたことが大きいと思います。

増山:補足させていただきます。荻島が申し上げたように、大手さんの動向が数字に影響しているところがあります。1社あたり数千名という案件もけっこう出てきていまして、それがどこの四半期で入るかは、我々では調整しにくいところもあるので、多少でこぼこするところは出てきているのかなということです。

また、傾向として春ごろに導入開始したいお客さまが日本では多いです。会計期間というわけでもなく、必ずしもそこでやらなければいけないわけでもないのですが、なぜか春から始めたいというお客さまが非常に多いです。

中堅・中小のお客さまは、導入開始から3ヶ月前くらいに受注することが多かったため、過去のトレンドとして第2四半期に増えやすいというのがありました。昨今増加している大きなお客さまは、3ヶ月では絶対に導入できないということがお互いにわかっているので、「それなら、もっと前からやりましょう」「半年前からにしましょう」ということで、受注時期が少しずれてきています。

ただし、それが最終的にどこに落ち着くのかは、まだ動きが始まったばかりで、先ほど荻島が申し上げたように、トレンドは明確には見えていないのですが、そういったところで多少の変動が出ているかなというところです。

通期目線で見たときには、「こんなものかな」というかたちで進んでいるのが、実態です。

質問者3:わかりました。その中で前の第1四半期の資料と比較しても、GB、EBUの比率がかなり、全体の中でも伸びているのかなと思います。これは、先ほどご説明がありましたとおり、かなり大規模な企業で、かつ将来的に余財となり得るグループ会社の規模自体が、全体の伸びはともかくとして、全体の割合としては順調に拡大しているという理解でよろしいでしょうか?

増山:はい、そうです。

質疑応答:5年後の売上100億円の達成に向けた取り組みについて

質問者4:御社の収益構造について、もう少し理解を深めたいと思います。26ページの成長イメージで見ると、5年後の営業利益率が20パーセントくらいのところですが、今回の第2四半期、3ヶ月の営業利益率を見ると、18パーセント近く出てきていまして、「すごい数字だな」と感じています。

こういうサブスクリプションモデルをやっていらっしゃる会社さんは多く、「数字の限界利益の効き方がやはりすごいな」と思っています。おそらく、広告宣伝もされて、人はもちろん増やさなければいけないと思うのですが、相当増やさないと、これだけ売上が立って利益が20パーセントにとどまるというのは考えづらいです。

質問があやふやなのですが、今後5年でどのようにして人を増やさなければいけないのかや、広告宣伝費を湯水のごとくかけなければ、この(5年後の売上)100億円の達成は難しいのかについて、コメントをいただけますでしょうか?

荻島:そのお答えは非常に難しいです。我々も、そういう中期計画を考えているところです。直接的なお答えにならなくて恐縮ですが、現在、ボトルネックではないにせよ、やはり人は少ないなと感じています。

とくに働き方改革といったものが進展していますし、大手企業さんが受注した背景には、もちろん働き方改革もありますが、クラウド利用の進展もございます。

そう考えていくと、我々は非常にチャンスに恵まれている中で、これを取りこぼさないように、人は増やしていきたいと思っています。今度は、人を増やした際に、トップラインを上げるためにリードを獲得するという観点では、やっぱり広告宣伝もセットだと思うわけです。先ほどお話ししたように、いわゆる受注型のビジネスのように、広告宣伝をしたらドンと売上が上がって、すぐ利益につながる場合はいいのですが……。

私どものビジネスの場合はサブスクリプション型で、「期末の受注分の売上は1ヶ月分しか立たない」と申し上げましたけれども、単年度だけのことを考えると、ある程度抑えながらいかないと、きちっと利益を出せない。だけれども、期末に「1ヶ月だから」と言ってコストを抑えるわけではありません。

その先のことを考えたら、期末でもアクセルを踏まなければいけないというところの兼ね合いを、どういうバランスにしていくのが一番ベストなのかと。それをいろいろ悩みながら進めています。

直接的なお答えとしては、「このくらいの人数をかける」といったことはお答えできないです。広告宣伝に関してですが、最近は聞いたこともないような会社さんが、テレビCMをやっているのを見たりします。

我々は、一切そんなことをせずにこういった成長を達成しています。あまり無茶なことはせず、きちっとやっていきたいなと考えています。お答えになっているでしょうか?

質問者4:前期末から5名しか人を増やされていないですよね。前期も10人ちょっとしか増やされていない。誰でもいいというわけではないと思いますし、広告も「大手が採用した」ということで、ものすごい広告になっていると思います。労せずして、と言ったら怒られますけれども、お金をかけずに相当な引き合いが実を結んでいると思います。

そういったことを考えると、利益率は20パーセントでとどまるという理解ではなく、もっといこうと思ったらもっといけるという考え方でいいでしょうか?

荻島:利益率に関してはお答えできないですが、採用に関しては逆に、叱咤激励と受け止めました。どんどん人を増やしていきたいと思っていますので、先ほどもお話ししましたように、ぜひみなさまのお知り合いでも、いい人がいたら紹介していただければなと思っています。ありがとうございます。

質疑応答:B/Sの繰延収益について

質問者5:B/Sの繰延収益について、ここは顧客から前払いでもらっている料金のところだと認識しています。第1四半期と比べて、そこが伸びていない理由の説明をお願いします。

増山:繰延収益は対前四半期ではあまり伸びておりませんが、中長期的には堅調に伸びております。基本的に繰延収益は、我々がお客さんに1年契約していただいて、その1年分のうち、P/Lに売上で上がっていない部分で、先に前払いで受けている前受けの部分です。前受金が繰延収益というかたちになっています。

繰延収益はライセンス及びプロフェッショナルサービス売上のうち、回収済みかつ未計上の金額が繰延収益の残高になっているとご理解ください。四半期内での受注の時期や回収期間によって多少の変動はございますが、基本的に、トレンドとして右に上がっているという状況しか意識していないのが実際です。

これが3年契約や5年契約で、それを先にもらうとなってくると、またぜんぜん変わってきます。正直に言うと、1年契約で、都度こういうふうにやっていると、そこは大きく出ない。逆に言うと、大口のお客さんのものが、その四半期の中でうまくはまっていると増えるときもありますし、そうでなければ減るときもあるというところです。

根本的、本質的なところの変化が起きているわけではないことは、真実なんですけれども、今後のIRでもご説明できればと思います。