通期連結業績ハイライト

吉田勝彦氏(以下、吉田):吉田でございます。それでは私より、2018年3月期の連結実績につきましてご説明申し上げます。

2018年3月期の連結業績は、売上高で8,791億3,900万円。営業利益は791億6,200万円。純利益は593億8,200万円となりました。前年同期比ではそれぞれ売上高で37.6パーセント。営業利益で61.5パーセント増。純利益で44.3パーセント増となり、売上高・営業利益・経常利益・純利益のすべてにおいて、過去最高となりました。

これは1月に経営統合したミツミ事業が収益に大きく貢献したことに加えて、ボールベアリング・モーター・LEDバックライト等の主力製品が堅調に推移したことによるものです。

為替の影響でございますが、売上高で前期比プラス235億円。営業利益で前期比マイナス10億円との推計でございます。次のスライドをご覧ください。

4Q連結業績ハイライト

2018年3月期第4四半期の売上高は2,242億1,100万円。営業利益は147億7,300万円。純利益は78億2,700万円となりました。前年同期比ではそれぞれ売上高で14.1パーセント増。営業利益で3.3パーセント増。純利益で51.8パーセント減。同じく前四半期比では売上高で0.7パーセント減。営業利益で34.2パーセント減。純利益で54.7パーセント減となりました。

売上高において、第4四半期として過去最高を更新しております。なお当第4四半期よりミツミ事業セグメントのOEMビジネスにおいて、お客さまとの契約の変更をいたしました。

これにより、売上高に計上される金額が増加しており、その影響金額は242億円となりました。この影響を除くと、前四半期比では売上高は11.5パーセントの減少となります。

また第4四半期の営業利益にはM&Aにより取得しました米C&AツールエンジニアリングとフランスのMach Aeroの企業結合に基づく公正価値評価の完了にともなう費用の増加影響(以下PPAの影響と呼びます)7億円が含まれております。

また純利益には固定資産の除却損11億円。事業用資産の減損損失54億円が含まれております。為替の影響ですが、売上高で前年同期比でマイナス40億円。前四半期比でマイナス34億円。営業利益では前年同期比でマイナス33億円。前四半期比でマイナス18億円との推計でございます。

売上高 年推移

次のスライドをご覧ください。 このグラフは年間の売上高の推移を表したものです。2018年3月期は8,791億円と過去最高を大幅に更新しました。2019年3月期の予想につきましては、セグメントごとに説明させていただきます。

当社は今期より国際会計基準IFRSを任意適用することを決定したため、予想数値についてはIFRSに基づき算出しております。このため日本基準を適用しておりました前期とは前期以前の実績値と直接の比較はできませんが、ご参考のためならべて記載しております。このあとの各スライドにおける予想数値についても同様となります。

売上高 四半期推移

次のスライドをご覧ください。 このグラフは、売上高の四半期ごとの推移を表したものです。第4四半期は2,242億円と第4四半期として過去最高を更新いたしました。

営業利益 年推移

次のスライドをご覧ください。 このグラフは、営業利益の年推移を棒グラフで、営業利益率の推移を折れ線グラフで表しております。2018年3月期はミツミ事業が収益に大きく貢献したことに加えて、ボールベアリング・モーター・LEDバックライト等の主力製品が堅調に推移したことにより、61.5パーセント増益の792億円となり過去最高を大幅に更新しております。

営業利益 四半期推移

次のスライドをご覧ください。 このグラフは、前のスライドと同じく営業利益の推移を棒グラフで、営業利益率の推移を折れ線グラフで四半期ごとに表しております。第4四半期は148億円となりました。前年同期比での増益は6四半期連続となります。

機械加工品事業セグメント 年推移

次のスライドをご覧ください。 次に、各事業セグメントの状況について、まず機械加工品事業セグメントについてご説明いたします。左側のグラフが年間の売上高の推移を、右側のグラフは棒グラフが営業利益、折れ線グラフが営業利益率を表しております。

売上高は1,764億円。前期と比べて13パーセントの増加となり、過去最高となりました。なお第3四半期からC&AとMach Aeroを機械加工品セグメントのその他として新規連結しております。

ボールベアリングの売上高は1,059億円。前期比で13パーセントの増加となりました。これはデータセンターサーバーで使用されるファンモーター向けや自動車向けを中心とした幅広い分野で旺盛な需要が続き、外部販売数量が月平均で1億9,000万個と、前期に比べ11パーセント増加したものによるものです。

ロッドエンド・ファスナーは売上高は319億円となり、前期比で8パーセントの増加でした。ピボットアッセンブリーは315億円となり、前期比で3パーセントの減少でした。なお当社のシェアは80パーセント所持しており、安定的に収益に貢献しております。

営業利益でございますが、2018年3月期は427億円と過去最高を更新いたしました。これは前期比で営業利益は9パーセントの増加。営業利益率は0.8ポイントの低下となりました。なおPPAの影響7億円を除いた場合、営業利益は434億円。営業利益率は24.6パーセントとなりました。

製品別ではボールベアリングおよびピボットアッセンブリーは前期比で増益。ロッドエンド・ファスナーはわずかに減益となりました。

2019年3月期については、ボールベアリングは引き続き外部販売数量の増加が見込まれるため増収。またエア代等の特別費用の低減によりまして、利益率も改善することを見込んでおります。

ロッドエンド・ファスナーは増収増益。ピボットアッセンブリーはHDD市場の縮小にともない減収減益を見込んでおります。なお今期より、C&Aはボールベアリングに、Mach Aeroはロッドエンド・ファスナーに含めて表示しております。

機械加工品事業セグメント 四半期推移

次のスライドをご覧ください。 機械加工品事業セグメントの四半期ごとの推移です。第4四半期の売上高は473億円。前四半期と比べて1パーセントの増加となり、過去最高となりました。

ボールベアリングの売上高は278億円。前四半期比で4パーセントの増加となりました。ボールベアリングの数量でございますが、外販数量は月平均で過去最高の1億9,800万個となり、22四半期連続で前年同期を上回りました。

また生産数量は、3月に過去最高となる2億8,800万個に達し、本年4月までの目標であった月産2億8,500万個を達成いたしました。ロッドエンド・ファスナーの売上高は87億円となり、前四半期比で10パーセントの増加でした。

ピボットアッセンブリーは75億円となり、前四半期比で9パーセントの減少でした。なお当社シェアは80パーセント超を維持しており、安定的に収益に貢献しております。

営業利益でございますが、当四半期は105億円。営業利益率は22.1パーセントとなりました。これは前四半期比で営業利益比は5パーセントの減少。営業利益率は1.5ポイントの低下となります。

PPAの影響7億円を除くと、営業利益は112億円。営業利益率は23.7パーセントとなり、前四半期比で営業利益は1パーセントの増加。営業利益率で0.1ポイントの上昇となります。

製品別ではボールベアリングおよびロッドエンド・ファスナーは四半期比で増益。ピボットアッセンブリーは減益となっております。

電子機器事業セグメント 年推移

次のスライドをご覧ください。 次に電子機器事業セグメントについてご説明いたします。2018年3月期の売上高は4,515億円。前期比で2パーセント増となりました。製品別ではモーターは前期から16パーセント増の1,842億円で自動車向けを中心に、好調に推移いたしました。

エレクトロデバイスは2,278億円。前期から5パーセントの減少となりました。主要顧客の液晶モデルの最終製品の販売数量減の影響を受けましたが、当社の超薄型LEDバックライトに対する需要は堅調で、当初の計画を上回っていたしました。

センシングデバイスの売上高は357億円となり、前期比で7パーセント減少いたしました。営業利益は312億円。営業利益率は6.9パーセントでした。前期比では営業利益で42パーセント増。営業利益率で1.9ポイント上昇となりました。

製品別ではエレクトロデバイスで大幅に増益。センシングデバイスは減益。モーターは堅調に推移いたしました。2019年3月期についてはモーターは引き続き自動車向けを中心に需要増が見込まれるため、増収増益。

エレクトロデバイスでは有償支給部品の減少にともない売上高の減少を見込んでおります。センシングデバイスでは売上高は微増、利益率は改善することを見込んでおります。

電子機器事業セグメント 四半期推移

次のスライドをご覧ください。 電子機器事業セグメントの四半期ごとの推移です。

売上高は1,017億円。前四半期比で9パーセント減となりました。製品別では、モーターは前四半期からほぼ横ばいの469億円で、自動車向けを中心に堅調に推移いたしました。エレクトロデバイスは452億円。前四半期から19パーセントの減少となりました。需要期を過ぎたことにより減少をいたしております。

センシングデバイスで売上高が87億円。前四半期比で3パーセントの減少となりました。営業利益は75億円。営業利益率は7.3パーセントでした。前四半期比では、営業利益で36パーセント増、営業利益率で2.4ポイントの増となりました。製品別ではエレクトロデバイスで増益、モーターおよびセンシングデバイスは堅調に推移いたしました。

ミツミ事業セグメント(含む統合前) 年推移

次のグラフをご覧ください。 統合前を含めましたミツミ事業セグメントについてご説明いたします。

売上高ですが、2018年3月期は2,506億円となり、前期比で41パーセントの増加となりました。なお先ほどご説明いたしました通り顧客との契約変更による売上の増加242億円を除くと、前期比で27パーセントの増加となります。

これは主に新型ゲーム機器が本格的な需要期を迎え、出荷する量が大きく増加したことのほか、主要顧客向けカメラ用アクチュエーターが増加したことによります。営業利益は215億円。営業利益率は8.6パーセントとなりました。前期比では営業利益は321億円の改善。在庫評価減調整後の営業利益と比べても197億円の大幅な増加となりました。これは全体の生産性が大幅に改善したことに加えて、新型ゲーム機器およびカメラ用アクチュエーター等の出荷が増加したものによるものです。

2019年の3月期の売上高につきましては、新型ゲーム機器およびカメラ用アクチュエーターの出荷の増加を見込んでいるから増収を見込んでおります。また契約変更による売上高の増加は1,000億円程度を見込んでおります。営業利益は、出荷の増加に伴う増益を見込んでおります。営業利益率は契約変更による売上の増加を除くと上昇することを見込んでおります。

ミツミ事業セグメント(含む統合前) 半期推移

次のスライドをご覧ください。ミツミ事業セグメントの四半期ごとの推移です。

第4四半期の売上高は750億円となり、前四半期比では12パーセントの増加となりました。前述の契約変更による売上の増加242億円を除くと、売上高は前四半期比で24パーセントの減少となります。これは【?17:32】あったことによるものです。営業利益は14億円。営業利益率は1.8パーセントとなりました。前四半期比では、営業利益は86パーセント減。営業利益率は12.9ポイントの低下となりました。

純利益 年推移

次のスライドをご覧ください。このグラフは純利益の推移を棒グラフで、1株あたりの純利益の推移を折れ線グラフで表しております。

純利益は前期比で44パーセント増の594億円となり、過去最高を更新いたしました。1株あたりの純利益は141.1円となりました。

純利益 四半期推移

次のスライドをご覧ください。これは四半期ごとの推移でございます。

純利益は前四半期比で55パーセント減の78億円となりました。なお先ほどご説明申し上げました通り、固定資産の除却損11億円、事業資産の減損、損失も14億円が当四半期に含まれております。1株あたりの純利益は18.7円となりました。

販管費 四半期推移

次のスライドをご覧ください。このグラフは販管費の四半期ごとの推移を棒グラフで、売上高の販管費推移を折れ線グラフで表しております。

販管費は250億円。前四半期比で6億円の増加となりました。売上高販管費率は11.1パーセントと、前四半期に続き低い水準を維持しております。

たな卸資産 四半期推移

次のスライドをご覧ください。続きまして、たな卸資産の四半期ごとの推移です。

第4四半期末は1,501億円となり、3ヶ月前と比べると、ほぼ横ばいとなりました。

設備投資額・減価償却費 年推移

次のスライドをご覧ください。このグラフは設備投資の推移を左側の棒グラフで、減価償却費を右側の棒グラフで表しております。

2018年3月期の設備投資は542億円。減価償却費は316億円でした。2019年3月の設備投資総額は、将来に向けた増産投資等を中心に600億円となる見込みです。またそれに伴って、減価償却費も400億円となる見込みです。

ネット有利子負債とフリーキャッシュフロー 年推移

次のスライドをご覧ください。このグラフは有利子負債総額から現預金を差し引いたネット有利子負債の推移を棒グラフで、フリーキャッシュフローを折れ線グラフで表しております。

2018年3月期末におけるネット有利子負債は525億円となり、2017年3月末から184億円減少いたしました。今期は設備投資が増加するものの、利益の拡大によりフリーキャッシュフローは改善し、ネット有利子負債はさらに減少する見込みです。一方で中期の成長に向けて積極的なM&Aなども引き続き検討してまいります。

業績予想

次のスライドをご覧ください。これは今期2019年3月期の業績予想をまとめたものです。

今期は売上高、営業利益、純利益のいずれも過去最高を大幅に更新する見込みです。電子機器セグメントにおいて売上の減少を見込むものの、顧客との契約変更による売上の増加、および機械加工品における主力製品であるボールベアリングの旺盛な需要や生産能力の拡張による増収等により、売上高全体としては増加する見込みです。

営業利益予想は、為替市場やスマホ市場の動向などにも不透明感が強いものの、ボールベアリング、ロッドエンド・ファスナー、モーターなど多くの事業では生産、出荷が着実に増加する見込みであることなどを主要因に830億円への増加を見込んでおります。なおIFASの適応に伴い、2019年3月期の経常利益の見込みは記載してございません。為替レートは1ドル105円を想定しております。

セグメント別業績予想

次のスライドをご覧ください。こちらは各事業セグメント別の予想です。

株主還元

次のスライドをご覧ください。次に株主還元策についてご説明いたします。昨年11月の第2四半期決算説明会でもご説明させていただきました通り、今期は1株あたり26円と大幅な増配といたしました。なお昨年実施いたしました自社株買いを含めた総還元性向は約33パーセントとなりました。

以上で私からの説明を終わります。

前期(18/3期)の総括

貝沼由久(以下、貝沼):それでは私のほうから経営方針と事業戦略についてご案内を申し上げたいと思います。

今説明にありましたように、おかげさまで非常に良い年が終わりました。この機械加工品、電子機器も増益になったわけですけれども、今まで一番業績が良かったのは15年3月期の601億円でございました。

ミツミも非常にターンアラウンドしたんですけれども、ミネベアのほうも601億円を超えたということで、非常にそういう意味で良かったなと思っております。

機械加工品、この2015年3月期は397億円、電子機器が307億円だったんですけれでも、今年は427億円と312億円です。先ほどPPAの話がありましたので、たらればですけれども、434億円と312億円というところまできました。

ただイレギュラーなところもございまして、PPAの7億円をちょっと想定しておりませんでしたが、スマホとゲームでブレーキが2月ぐらいからかかった、というのが正直なところでございます。

たくさんの部品をやっておりますので、事情もそれぞれ異なった競争環境にあるというところの中で、今年のやはり1番の増益の度合いを測るところは、スマホの数量とLEDバックライトの部留まり、このあたりなんじゃないかなと思っております。

今期(19/3期)計画のポイント

スマホは頭を打ったと、新聞などでは書かれておりますけれども、私は今年のモデルは売れると個人的には思っています。しかし、このへんは保守的に想定しておいたほうがいいのかなと思っておりますし、正直に言ってまだ値段も決まっていません。ここはどうしても今年の大口のお客さまに対しては、1社立ち上げということになっていますので、まだ不透明な部分があり、こういう数字にしておこうという、わたくしどもの一種の配慮が働いたということです。

売上は、凸凹しておりまして、電子機器が下がり、ミツミが上がります。

ミツミは商流を変更することによる基本契約が変更になりまして、今度の購入部品が売上に上がる一方で、今までのバックライトの購入部品が今期はなくなるということです。

同じぐらいの売上増と売上減が会社の1つの中で起こるといったイメージでとらえていただけると、よくおわかりになるんじゃないかなと思います。

それと今期の特徴は後半追い込み型になりまして、少し前期とは違ったかたちになるのかなと想定しております。

中期事業計画 数値目標

去年の11月に中計をタッチアップをいたしました。(スライドの)左のグレーのバーは前期なんですけれども、期初560億円で発表いたしまして、第3四半期の時に800億円ということになりましたが、792億円だったんです。

その時の来期、再来期が横に書いてあるところで、当初630億円で予想したものを820億円に上げて、今期は830億円と。為替とかいろんな変動がございますので、11月の時の為替と今とは全然違うということもございまして、このようなかたちになっています。

来期は1兆円、1,000億円をぜひ狙っていきたいと思っておりまして、当初800億円を900億円に修正し、920億円になって、M&Aで差額の分を埋めていきたいという感じになっております。

機械加工品事業 数値目標

機械加工品は本当にすばらしく良くなりました。ミツミの業績改善が終わって、わたくしがこの会社に入っていろんな点で業績改善のアドバイスに入ったわけですけれども、おかげさまでいろいろな効果が出てきていると感じております。

ボールベアリング事業の戦略

ミニチュアベアリングの話をしておりますと、IR等でも、なんでベアリングは小型はこんなによくなるのかという質問をよく受けます。今日はかなりここに時間と枚数を使いまして、もう一度なぜこのミニチュア・小径、わたくしどもの22ミリ以下が今ホットなのかというところをお話申し上げたいと思います。

まず実績です。(スライド表中の)グレーから見ていただいて、月平均FY13が1億3,700万円が1億4,500万円、1億5,500万円、1億7,100万円と来まして、17年の平均が1億9,000万円まで来ました。

今年は2億900万円を一応予定しております。すでに何度もご案内しておりますけれども、二度の投資を今実行中でございまして、今期月産3億個、来期は3億1,500万個まで生産能力を上げていこうという取り組みを行っております。

ここには自動車、データセンター、ドローン、産業用インバーター、ロボットコントローラーと書いてありますけれども、このへんがものすごく牽引しているということでございます。

自動車部品搭載率予測と世界自動車出荷予測

次の表が、自動車でなんでミニチュアベアリングが増えているのかということです。

(スライドを指しながら)だいたい2015年のワールドワイドの自動車の出荷がこのぐらいだったのが、2020年には1億台ぐらいになるだろうということで、毎年少しずつ上がっていっています。

ところが、ここで見ていただけるように、ラグジュアリーのほうにかなり移行しておりまして、今、ラグジュアリーにしかついてないものが、コンパクト、ミドル、ラグジュアリーというふうに、ずいぶんいろいろな装置がつくことによって、わたくしどもの試算だと、マーケットは14億個ぐらいから22億個まで、この5年で膨らんでいくだろうと考えております。

自動車1台あたりベアリング数量

これをもっと端的に、EVになってなんでベアリングが増えるんだとどこに行っても聞かれるんですけれども、今回いろいろ分析をしました。

簡単に言ってしまうと、ガソリン車が今高級車が中心ですけれどもだいたい45~47個ぐらいついているんですが、これが68個になるだろうと考えています。

その入り繰りを細かくここに書いてありますので、ぜひご覧いただければと思います。

おもに電池関係、エンジンが回らないことによってポンプ関係のものがみんなモーターに置き換わります。水、油といったものが油圧制御するのも、完全なEVは油圧制御は完璧になくなりますけれども、ハイブリッド等はエンジンが止まっている間モーターでそういう圧をかけていくというところに、ベアリングが使われていくということでございます。

ベアリング需要:データセンター向け冷却ファン

データセンター向けの冷却ファンがすごい勢いで伸びております。

ベアリング需要:ドローン(無人航空機)

それからドローンです。

世界で一番大きなドローンの会社に、わたくしども100パーセント使っていただいております。仕様が自動車と同じで、寒冷地から熱いところまで、しかもあっという間に回転数をマックスまで上げるんです。

これは我々のような高精密なベアリングがないものだと負荷がかかりやすい。一気にマックスまで上げますから。

もしベアリングが壊れると、当然墜落ということになりますので、やはりものすごい信頼性が必要です。わたくしども90パーセント以上のシェアを持っているわけです。ドローンもいろんな使い方がご存知のとおりここへ来て増えておりますので、これからベアリングを後押しするものなんだろうと考えております。

以上、ベアリングはこういうことです。

航空機部品事業の戦略

航空機はすでに何度もお話をしておりますけれども、C&A、Mach Aeroで約15億円の増益効果があるということと、NHBBがまさにカムバックしてきまして35パーセント増益を果たしました。

今期は10パーセント以上の増益ということと、将来楽しみなのはオフセットビジネスと言っています。インドにMach Aeroの工場があるわけですけれども、やはりインドでの引き合いが着実に増えてまいりました。

Mach Aeroも第2工場を借りているところがありました。わたくしどもが買いに行く時は全然機械が入ってなかったんですけれども、今は満杯になりまして、その隣の第3工場もこれから機械を入れていくということで、C&A、Mach Aero、NHBBが、これからものすごいシナジーを効かせてくるだろうと思っております。

ピボットアッセンブリー事業の戦略(HDD)

ピボットです。

これもまた幸運と思うんですけれども、実はある一定の容量を超えるとピボットが2個使い、ベアリング4個使いになります。

今度はピボットが4個使いになるというところまで、HDDのメーカーで発表している会社がございます。これはホームページにも出ていますので、ご覧いただければおわかりになると思います。

そういう意味で、みなさんもお気付きになっていると思いますけれども、瞬時に呼び出さなければいけないのはSSDで処理して、少し時間をおいてもいい、ものすごい古いものはHDDでストレージしていくという中で、1台当たりのデンシティも増えてまいります。そういうところには、これからメカニカル部品がもっと使われるという内示を受けております。

したがいまして、このあたりもベアリングのプッシュアップにある一定の貢献をしていくだろうと思っております。

電子機器事業 数値目標

電子機器は先ほどちょっとお話ししましたけれども、個人的には、今年は私は売れると思っておりますが、これは個人的な話なので、ここは保守的に想定する。

あと値段が、先ほども言いましたように全然決まっておらず、作り込みが行われていないので、立ち上げ損がどのぐらい出るのかが、まだ正直に言って完璧にシミュレーションできていない部分がございますので、今年はこういうかたちにしようと考えました。これは本当にわかりません。一応、保守的に想定したとご理解いただければいいかなと思います。

モーター事業の戦略

モーターも、おかげさまで、スロバキアは5月の末にようやく竣工いたしまして、自動車用のモーターが中心ですけれども、ここで作っていきます。前期は1,842億円まで来ました。今期は最低2,000億円は達成できるだろうと、私どものモーターディビジョンから報告を受けております。引き合いが非常に増えてまして、中にはものすごい大きな引き合いもあります。

ですから、こういうものを着実に取っていくと、モーター事業、ことに車関係の事業でより大きく羽ばたけるのではないかと考えております。

中国テクニカルセンターの開設

中国のテクニカルセンターを開設することを決めまして、もう(2018年)10月に開設ということで進んでおります。

モーターだけではなくて、ベアリング・LEDバックライト・半導体・コネクタ・アンテナ・コイル等々、かなり自動車向けの製品が増えてきましたので、1ヶ所に行ったら我々の製品群の技術をつぶさに見れるところを作っていこうということで、蘇州にこういうところを作りました。

蘇州に作った理由は上海から近い、便がいいということと、この近くには技術大学がたくさんありますので、いろいろ若い人たちを採っていかれるということです。それから、やはりどこか1ヶ所で、旧ミネベア・旧ミツミの製品がすべて自動車として完結してセールス活動ができるところで、このように考えました。

ヨーロッパでも、これは作っていきたいと思っております。これから先は、ミネベアミツミとしての規模をきちっとお客さまに出すことが、私どもは重要だと考えておりまして、必ずやこれも一定の貢献をするだろうと考えております。

LEDバックライト事業の戦略

LEDバックライトは、一時大変ご心配をおかけしましたけれども、現在の時点では、このように書かれているとおりであります。この下に、対抗ディスプレイの進化として、第2弾として、サプライチェーンで有機ELディスプレイに対抗する新たな開発に着手をいたしました。

有機ELは消費電力も多くて、バッテリーもかさんでおりますし、ゲーマーがゲームをずっとやっていると、焼き付きが起こりやすいという話も聞いております。

私どもは、1つまだ有機ELに欠けているのは、黒の出し方だと思っているんです。こういうところを中心に、第2弾のサプライチェーンで、有機EL対抗モデルをできるだけ早い時期にまた出していきたいと思っております。

「MINEGETM」の戦略(センシングデバイス事業)

「MINEGE™」ですけれども、おかげさまで非常にいろんなところに、サンプル活動が快調に進んでおります。フィードバックもかなりいいものがあって、ただ、たくさんのサンプルを要求されるお客さまもいらっしゃいます。

今は厚木工場の稼働が少し後ろ倒しになっておりますけれども、10月からはかなりの量のサンプルを、この厚木で作っていけるだろうと考えておりまして、こちらはもう少しお時間をいただきたいと思います。

ミツミ事業 数値目標

ミツミは、やはり正直に申し上げて、ゲーム・OISに対する依存度は大きいです。ですから、七本槍製品、ことにミツミの車載・コネクタ・電池を、とにかく今のうちに、規模の拡大を徹底的にやります。生産性の改善はかなりのスピードでもう進みましたので、やはりプロダクトラインを広げていきます。このへんを中心に、積極的な営業活動をやります。これが今期のテーマではないかと考えております。

アップサイドとしては、ここに書いてありますように、生産キャパを増やしました。OIS、それからゲーム。これも、約50パーセント増まで生産ラインを増やしましたので、読みどおり、今年いろいろゲームやスマホにはアナリストの方々がコメントを寄せられておりますけれども、いい年になれば、それだけ私どもも出荷が増えて、売上が増えていく体制は、もう作り終わったと考えていいと思います。

ミツミコア事業の戦略

それから、一つひとつは申し上げませんけれども、下の新しい製品が約100億円、これから上がってくるだろうということで、このへんもしだいにみなさんの目に留まるものが、今期から徐々に出てくると考えております。

新製品三羽烏

新製品三羽烏と呼んでおりますけども、おかげさまで、そこに私どもの「SALIOT」のショールームを開設しましてから、本当に毎週毎週、ものすごい勢いでお客さまが来ていただいて、引き合いをいただいているところでございます。

なにぶん、スタッフが非常に限られた人数しかおりませんで、建物を建てながらやるのもありますので、足がすごい長くなってしまうところもありまして、あっという間に、例えば携帯電話の部品のような立ち上がりはできないんですが、私個人としては、これはかなりの手応えを感じております。

それから、ベッドセンサーは7月になってしまいました。これは正直言って、リコーさまのサーバーの準備が後ろ倒しになってしまいまして、でも7月からやっと販売開始が決まりましたので、確実に7月からは販売が開始されていく。

そうするとベッドセンサーも、第2段階目というか、つまり拡張可能性です。ベッドセンサーに臭いのセンサーを付けたり、いろんなセンサーを付けていく。そういうところへ次に行きたい。それからもう1つの第2段階は、もちろん、より細かなトレースをしていかれる。つまり心拍数だとか、そういうものが取れる。「MINEGE™」もここに入れていきたいと思います。

それから、スマートシティでございますけれども、おかげさまで課金ビジネスがついに開始されました。35度とか40度近い湿気があるところで、壊れたりいろんな試行錯誤を今までやってまいりまして、これで壊れません。無線で、しかも、ほとんどオートマチックでできるシステムが完成いたしました。

これを、これから私どもの拠点がある国、中国・タイ・カンボジア・フィリピン・スロバキア。こういうところへ、私はトップダウンでこれから売り込んでいこうということで、どうなるかぜひ期待をして、ご覧をいただきたいと思っております。

中期事業計画 セグメント別数値目標まとめ

これは中期計画の、私どもの3年後の目標ということで、(スライドを指しながら)だいたいこういう指標を挙げております。

それから、キャッシュはずいぶんジェネレートすることになりました。

株主還元策

最後に、利益分配です。

配当性向は20パーセントです。今期、IFRSを適用するわけですけれど、純利益650億円となりますと、だいたい30円前後の配当は、増やしていくことができるのかなと思っております。

私どもが今やらなくてはいけないのは、足下のいろんなものの立ち上げをきちっとやって、みなさまのご期待に応えていくことではないかと思っております。

私からは以上でございます。ありがとうございました。