今回のポイント①
平田政善氏:財務部を担当してございます、執行役専務の平田でございます。本日はお忙しいなかご来社いただき、誠にありがとうございます。それではさっそくですけれども、第2四半期、6ヶ月累計の決算の内容を説明させていただきます。
4ページをご覧ください。まず売上高・損益の概況を記載させていただいてございます。
第1四半期に引き続きまして、ストレージ&デバイスソリューションは、メモリが大幅な増収ということになりました。
また、エネルギーシステムソリューションでは、ランディス・ギア社がIPOにより連結除外となっているという影響で、減収になっています。円安による為替の影響も、約490億円ほどありました。
こういったものも含めて、売上高は2兆3,862億円。前年同期に対して1,155億円増、約5パーセントの増収という数字になってございます。
それから、営業損益面です。やはりメモリの価格が非常に安定しているということと、円安の為替の効果もあって、36パーセントの営業利益を計上できたということです。
それから、税引前損益が良くなっております。これは先ほど売上のところで触れましたけれども、ランディス・ギア社の売却をしたということがあって、約670億円ほどの売却益があったということになります。税引前損益は2,750億円ということで、営業利益の2,318億円を上回る数字になってございます。
それから、当期純損益はすでにご案内のように、メモリ事業を非適格で分割しましたので、税金計上が必要ということで、これを織り込ませていただきました。6ヶ月累計の純損益はマイナス498億円と、500億円に近い赤字となってございます。
メモリ事業 非適格会社分割に伴う税額影響
5ページで、メモリ事業の非適格会社分割の内容を、図式にさせていただきました。左のいちばん上の水色のところが、メモリ事業の非適格分割の、いわゆる評価益です。これが、1兆800億円。
今回、ベインキャピタルさんに2兆円で売却しました。この結果、1兆800億円を算定できるようになったということでございます。
その下のグリーンのところで、年間で税引前利益を4,000億円と見ております。これ以外の税金が、1,270億円ということになります。それに加えて、(メモリ事業の非適格分割評価益の)1兆800億円の税金が3,400億円のってくるということで、年間税額合計が4,670億円という数字になります。
これを年間の税引前利益の4,000億円で割りますと116.7パーセントと、税引にしては異常な税率になるのですけれども、こういった税率になるということでございます。
この税率を、米国会計基準法では四半期ごとの税金の引当に織り込まなければいけないということです。上期は2,750億円の税引前利益なので、116.7パーセントを掛けて、税前利益よりも金額が大きい3,209億円を、税金として計上するというような仕組みになってございます。
今回のポイント②
キャッシュ・フローでございます。876億円の資金入超ということになりました。昨年に対しては、2,361億円の改善ということです。
営業キャッシュ・フローも、営業利益が跳ねたということもあって、1,018億円の改善となりました。
それから投資キャッシュ・フローも、NAND投資向けのフラッシュメモリは引き続き、必要にして十分なレベルを織り込みましたが、ランディス・ギア社の売却のキャッシュ・インがありました。そういうことも合わせまして、昨年よりも1,343億円の改善という数字になりました。
財務体質は、先ほどご覧いただいた当期純損益が約500億円の赤字ということなので、(2017年)9月末では株主資本のマイナスが膨らみ、株主資本は約6,200億円のマイナスという数字でございます。
全社
7ページは今ご説明した表ですので、必要があればご活用ください。
営業損益(対前年同期分析)
8ページは、営業損益の対前年同期分析です。いちばん左が、2016年上期の営業損益の932億円です。これに、3つのブルーの部分、売価影響・NAND微細化・為替。また、メモリカードの改善に対する固定費の増加。さらに、これもやはりメモリ(の影響)が大きく、減価償却費・研究費の増加。こういったものの悪化要素があります。
もう1つは、緊急対策影響です。要は、一般の従業員のみなさんの賞与を、昨年は半減レベルにさせていただいていたのですけれども、少し緩和させていただきました。それのコスト増影響が277億円あって、(2017年上期で)2,318億円の営業利益になったということでございます。
営業外損益
9ページは、営業外損益の内訳になっております。(合計で)432億円のプラスの営業外損益でございます。
プラスの(要因として)大きいものが2点ございます。(資料の)中ほどの、有価証券売却損益の672億円。これがランディス・ギア社を中心としておりますけれども、こういったプラスが計上できたこと。
それから固定資産売廃却損益について、右側の注意書きに記載してございます。従来から活動しておりました、旧大阪工場。これのクローズができたということによる、収益計上。あるいは「都内所有不動産(等の売却益)」と書いてございますけれども、(具体的には)青梅工場とかです。
あとは、青森県に迎賓館めいたものを持っていたのですけれども、そういうところの売却のクローズをしました。こういったもの(の合計)で約800億円強のプラスがあるということを主体に、営業外損益は432億円のプラスということでございました。
フリー・キャッシュ・フロー
10ページが、フリー・キャッシュ・フローです。先ほどもご説明させていただきましたが、(折れ線グラフの)いちばん右が、フリー・キャッシュ・フローで876億円のプラスという実績が出ております。
水色(の棒グラフ)が、営業キャッシュ・フローでございます。過年度と比較しますと、やはり主体は営業損益が良くなり、プラスに転じているということです。
それからピンク色の投資キャッシュ・フローが、528億円となっています。
先ほど申し上げました、ランディス・ギア社の売却のキャッシュ・インがあったということで、プラスになっているということです。投資キャッシュ・フローのところは、ランディス・ギア社を除きますと、そこの点々(赤色の破線)にございますように、約1,000億円の投資を行ったということです。
そういうことで、過年度と見比べていただきますと、例年どおりNANDフラッシュメモリ中心の投資を続けているという状況です。
貸借対照表
それから、貸借対照表を11ページに載せています。
左が資産でございまして、いちばん知っておいていただきたいのが、中ほどグリーンのところです。のれん・繰延税金資産等ということで、(2017年)3月の時点では4,153億円でございましたけれど、(2017年9月末では)1,947億円ということです。
これもランディス・ギア社の売却に関連して、こちらを買収した時ののれんがなくなったということでございます。
それから(右の)負債は、いちばん下のその他(灰色)のところが約2,000億円ぐらい増えていますが、これも先ほどご説明した、税金の引当です。これが乗ってきたということで、その他が増えているということでございます。
(紫色の)有利子負債は減少してございますけれども、これは社債とか長期借入金の返済分がきたということで、減っていっている状況でございます。
セグメント別
こちらは、セグメント別の内容でございます。
13ページが、総覧表です。一言で申し上げると、昨年度との比較で言えば、ストレージ&デバイスソリューションが増収増益ということでございます。詳細を次ページ以降に、分社会社別・セグメント別につけてございます。
エネルギーシステムソリューション 主要事業内訳
14ページが、エネルギーシステムソリューションでございます。火力・水力、ここが国内プラント案件を中心に増収ということ。それから、送変電・配電・太陽光といったところが、市況の悪化により減収しました。
それから、いちばん下がランディス・ギア社です。ランディス・ギア社が途中で連結除外になったということを受け、2017年度から減っており、併せ持ったこのセグメントでは、191億円の対前年の減収という数字です。
営業利益につきましても、とくに火力・水力で追加の進行基準案件のコストの引当が必要になったことがあったことなどにより、昨年からは約100億円の悪化となっております。
絶対値(2017年上期営業損益の水色の部分)をご覧いただくとおわかりのとおり、40億円の赤字です。後半戦に、このセグメントは売上が集中するということがあります。約4,300億円の売上です。ただ、いわゆる固定費の未吸収が出てきたため、若干の赤字になりました。
ちなみに、資料のすぐ右のほうに、吹き出しを書いています。売上あるいは営業利益各々に対する、為替と緊急対策の影響です。このセグメントで申しますと39億円ほど、昨年に対して影響があるということを書かせていただいております。
同じように、エネルギーシステムソリューションの合計のところに、セグメント別フリー・キャッシュ・フロー(FCF)で665億円を記載させていただいております。この中には、先ほどのランディス・ギアの売却によるキャッシュイン、それから株式会社IHIさんとか(フランスの)ENGIEさんにプットオプション行使をされているので、これに対する支払いが入っているということでございます。
エネルギーシステムソリューション 受注残高推移
15ページが、エネルギーシステムソリューションの受注残高の推移でございます。昨年度(2016年)9月末に比べて、受注残高的には大きな変化はないということでございます。
インフラシステムソリューション 主要事業内訳
16ページが、インフラシステムソリューションの事業の内容でございます。公共インフラが、2017年度はたまたまですけれども、事業の端境期ということで受注物件が減っており、売上が減っています。前年同期に対して、減収減益という内容でございます。絶対値も赤字になっております。
ビル・施設については、昨年(2016年)から、売上が若干減ってございます。これはやはり、当社のバランスシート等がついていること。お客さまの中には、弊社のバランスシートを見て発注を控えるという社内規定があるところが、数社ございます。そういったところの受注が取れなかったということで、売上が減っているということでございます。
インフラシステムソリューション全体で、絶対値をご覧いただきますと、営業損益が27億円ということで、これもほぼ0に近い数字でございます。ご案内のとおり、(当社は)下期に集中して売上が立ってくるということがございます。上期は固定費に対して売上がまだまだ足りないといったかたちで、こういう数字になってございます。
フリー・キャッシュ・フローは、370億円のプラスという結果でございました。
ストレージ&デバイスソリューション 主要事業内訳
17ページが、ストレージ&デバイスソリューションでございます。メモリ・HDD・デバイス他。ここには、(産業向け等が好調な)ディスクリートあるいはシステムLSIが入ってございます。いずれも、黒字ということです。
とくに目を引くのが、メモリの営業利益率の36.5パーセント。営業利益の絶対値は約2,050億円ということでございますが、HDDも昨年(2016年)と比較してほぼ堅調に推移しています。あるいは、システムLSI等といったところも堅調に推移しているというところが、ご覧いただけるかと思います。
ストレージ&デバイスソリューション 四半期別営業損益トレンド
18ページは、(ストレージ&デバイスソリューションの)四半期別の営業損益のトレンドでございます。あとでご覧いただければと思います。
リテール&プリンティングソリューション インダストリアルICTソリューション
19ページです。上段が、リテール&プリンティングソリューション。いわゆる東芝テック株式会社でございます。国内のお客さまは、コンビニ・スーパーを中心にPOSの入れ替え需要が旺盛ということで、利益率もよくなっているというところでございます。
下段が、インダストリアルICTソリューション。売上高は1,187億円、営業損益はマイナス19億円ということです。一部戦略的に、将来的に続いて低マージンを挽回していくというものです。ここはいったん、若干低マージンのものをとって、進行基準の売上が立っているということでマイナスになっております。
その他
20ページは、(その他の)PCと映像です。売上的には、PCは昨年(2016年)、海外B2C事業がやや残っていたということがありました。今年度(2017年)はすっかり止めていますので、その分の売上が落ちています。また、営業利益も落ちているということです。
今後の下期に向けて、上期(の売上高)で申しますと841億円ですけれども、こういった売上のレベルで営業ロスを出さない体制を、構築しているところでございます。
映像についても、品質問題対応等がかかったとか、いろいろとございますけれども、結果的には47億円のマイナスで終わっています。ここについても今、構造改革を進めております。
PC・映像とも、少なくとも0以上をキープできるような体質にする。あるいは当社の事業から切り離していくといったことを、鋭意進めているところでございます。
全社
ここから、業績予想でございます。
いちばん上の黒丸(箇条書き)を見ていただきたいです。構造改革の費用としては、今まで400億円を織り込まさせていただいてございますけれども、(業績予想では)それを増額させていただいて、600億円にさせていただいております。
それから下期の為替レート前提を、110円に変更させていただいております。
先ほど触れたかと思うのですけれども、緊急対策で従業員のみなさんの賞与の削減をしていたものがございます。削減自体はまだ続けておりますが、少しその削減幅を縮めました。この影響が、前回の予想に対して115億円のコスト増の要素になっているということでございます。
あとは、メモリ(譲渡に係る会社)の分割に伴う税金を、3,400億円計上しているということです。株主資本は、(資料の)中ほどより下にございますけれども、このままの状態ですと7,500億円となる見通しでございます。
資料のいちばん下段に、2行記載させていただいていますけれども、とにかくベインキャピタルさんと共同して、(2018年)3月までにメモリのクロージングを行い、株主資本をプラスに持っていくということを、鋭意進めているところでございます。
ただ、いろいろな状況変化はあると思うので、会社としてはまだなにも決まったことはございませんが、いろいろな資本政策を検討させていただいている状況でございます。
セグメント別
23ページが、セグメント別でございます。いちばん下に、売上高が4兆9,700億円・営業損益が4,300億円と記載しております。いちばん右が、(2017年)10月の後半に公表させていただいた見通しでございます。
全社では変えていないのですけれども、セグメント別にはストレージ&デバイスソリューションが売上高で600億円・営業損益で450億円改善できるだろうという見通しです。
一方で、エネルギーシステムソリューションが、今回見通しを作るにあたって、お客さまといろいろとディスカッションさせていただきました。基本的には、再稼働が後ろにずれるだろうということで、800億円の減収です。
これはおそらく、2018年度に売上が立ってくるというものでございますけれども、こういったものの売上が減り、その見合いの営業利益が減るであろうという見通しを入れさせていただいてございます。
それから、いちばん下の消去というところには、追加した構造改革の200億円を入れております。そういったことを併せ持って、全体では前回の見通しを変えるということで、公表をさせていただいております。