1. 決算概要 エグゼクティブサマリー
松尾茂氏:まず、2017年8月期第4四半期及び通期決算の概況です。
決算概要サマリーになりますが、資料のいちばん上のところです。決算の概要、数値の説明になります。第4四半期と、通期の数値を並べてあります。
第4四半期の数字につきましては、売上高は25億900万円。売上総利益は7億3,800万円。営業利益は2億6,400万円。それぞれ前年同期に対しては、大きな伸長になっています。
表の右側が通期になりますが、売上高は81億7,400万円。売上総利益は22億7,900万円。営業利益は3億9,100万円になっています。
前年比は、売上高は伸びております。営業利益に関しては、第2四半期決算で修正させていただいた目安も含め、前年に対しては減っておりますが、表のいちばん右の対公表比をご覧ください。第2四半期で修正させていただいた数字に対して、売上高は微増。営業利益は、大きく増えて着地させていただきました。
そのさらに右側にコメントがありますが、ポイントとして、公表に対して増えたところは大きく上の2つです。
まず1つは、利益を意識した体制の構築。ここは第3四半期から進めておりますが、ここが進展したということになります。
もう1つは、ここも大きなポイントになりますが、グループシナジーです。我々のグループ会社が大きく伸びてきておりますので、比重も高まってきています。グループシナジー向上も利益に大きく貢献して、(営業利益、経常利益を予算から)上方修正させていただきました。
一方、年間のところでは、先ほど申し上げたように、売上が増えている中で、営業利益は当初計画したとおりの数字になっております。
成長戦略というかたちで人材投資をさせていただきましたので、営業利益は(前年を)下回っていますが、投資の回収が下期から進みはじめて、第4四半期で大きくかたちを結んできました。
その下の事業概要になりますが、ポイントだけ申し上げますと、大手企業への参画です。ここは注力領域です。あと、先ほど申し上げたとおり、グループ会社等のシナジー効果で、広くサービス展開が進んだというのが、キーワードになります。
後ほどご説明申し上げますが、エンタープライズ領域に関しては、大手主要企業との取引が本格的に始まり、当社売上高に占めるシェアも拡大しているという状況になります。また、エンターテイメント領域に関しましては、堅調な受注が進んでいます。
その下が、成長戦略トピックスになります。ここも先ほどの事業概要に絡みますが、金融・流通領域の売上成長が加速しているということになります。
トピックスの1番目は、通期の金融・流通領域におけるお客さま。平均顧客の売上は、全社平均の2倍以上になって、全社の成長を牽引しています。
2番目は、ハイスキル人材の参画などにより、事業会社との直接取引規模も含めて拡大していることです。
そして3番目は、グループ会社の順調な成長と新たな参画により、開発工程の上流から下流にわたって、サービスポートフォリオが充足していることです。
全体として通期のサマリーは、今申し上げたところになります。(上期に大きく)先行投資したハイスキル人材の立ち上がりが進んで、エンタープライズ領域での成長を中心にして、投資は回収ステージに進んでおります。
また一方で、利益管理体制と経営管理手法の強化によって、業績の成長加速に大きく寄与し始めています。
これが、全体のサマリーになります。
1. 決算概要 業績予想と実績について
通期連結業績予想に関して、上方修正をさせていただいております。
(修正理由の)3つのポイントとして、1つ目は、売上高はほぼ計画どおりの着地をしたこと。
2つ目は、利益に関して。人材への積極的な投資は継続しつつも、下期からコストの管理体制等(の強化)を含めて、さまざまなかたちで、利益にできる体制を作ります。
3つ目は、グループ経営推進によって、子会社の収益性が改善して、グループ損益に寄与したことです。資料の下に数字がありますが、売上高は若干の増ですが、営業利益・経常利益・当期純利益のいずれも、計画に対しては上振れして着地しております。
1. 決算概要 連結損益計算書
次は、決算の概況(連結損益計算書)です。資料の左が会計期間の第4四半期、資料の右が累計期間の年間になります。数字は、先ほど申し上げたとおりです。
営業利益率に関しては、前年(2016年)の第4四半期が9.1パーセントだったところが、この(2017年)第4四半期は10.5パーセントで、10パーセントを超えています。
ここに関しましては、さまざまな季節要因も含めて、販管費を若干抑えたところがあります。ここをステップにしながら、来期(2018年8月期)につなげていくきっかけになる(2017年8月期)第4四半期だったと思っています。
一方、累計期間に関しましては、営業利益率は4.8パーセントの着地です。前年に対して低いわけですが、第1四半期・第2四半期で先行投資したところが第3四半期から回復し始めました。
来年度は、第4四半期(の10.5パーセント)をベースにして上げていくというところを、後ほどご説明させていただきます。
1. 決算概要 四半期業績推移
こちらには、四半期ごとの業績の推移を書かせていただいております。
年間売上高は、2014年通期の21.5億円から、2017年通期の81.74億円に推移しています。四半期ごとに見ていただくと、順調に伸びています。2017年は第1四半期からさまざまある中で、第3四半期、第4四半期と(順調に)実力で成長させていただいております。
利益に関しても、それぞれ成長しております。この資料のタイトルにありますが、四半期売上高、売上総利益、営業利益ともに過去最高値を達成させていただいているというのが、四半期および年間での数字になっています。
1. 決算概要 四半期業績予実
四半期業績予実です。ここは前回の(2017年)第3四半期のときにもご説明させていただいておりますが、売上高(青色)は、計画どおり上がってきています。下期は若干上振れはありますが、ほぼ計画どおりです。
一方利益(赤色の営業利益・灰色の当期純利益)は、第3四半期では、まだ営業・販管費等高い中で、なかなか営業利益が出ないだろうと見込んでいるところでした。
しかし、さまざまな管理の仕組みを変えたりとか、収入等の経営管理の仕組みを変えたりとかも含めた結果、第4四半期で利益を上げさせていただきました。
さまざまな理由がありますが、こういうところも含めて大きく(利益が)上がってきているというところが、こちらの資料から見て取れると思います。
1. 決算概要 セグメント別業績推移
次が、セグメント別の業績推移の情報になります。大きくエンタープライズ、エンターテインメントという領域になりますが、それぞれ伸びています。
エンタープライズに関しましては、「SHIFT’100」の成果として、対2015年比で、(2017年までの)2年間で2.4倍の売上高の達成。売上総利益に関しましても、2015年比で2倍。
SHIFT’100の成果として、後ほど社長(丹下大氏)から説明しますが、資料の右側に、大きなポイントとして2つ挙げております。事業会社・プライムベンダーとの取引が拡大しているという中で、我々の戦略としては、こういう大手のお客さまときちんと取引をして、社会インフラとしての会社のかたちを作っていくというところ。
そこに対しては、ハイスキル人材の獲得です。先行投資として、我々が第1四半期・第2四半期でやらせていただいたところが、きっちりと業界主要企業と絆を作っていきました。この結果、我々の売上高も売上総利益も、順調に拡大しています。
また、SHIFTサービスに関しても、グループ会社を含めて拡大しています。
その下の、エンターテイメントの領域についてご説明します。金額的にはエンタープライズに比べて小さいわけですが、売上高は2015年比で3.1倍。売上総利益も3.2倍と、どちらも増えております。
右側に顧客数・タイトル数のグラフがありますが、順調に伸びて、我々のビジネスの中で一定の支えをしております。
1. 決算概要 販管費の推移
こちらが、販管費の推移になります。
販管費は、従前からご説明させていただいておりますが、先行投資が大きく入ってきています。採用費を中心として、またM&Aの費用等を含めた戦略的投資です。
資料の右側の累計期間を先に見ていただくと、(合計が)18.8億円で、23パーセントの売上高比になります。けっこう、我々としては、前年と比べても増えていますので、ここにかけては、お金をかけています。
一方、左側の第4四半期(会計期間)ですが、(合計の対売上高比が)18.8パーセントで、ちょっと絞っております。ここに関しては、前年(2016年第4四半期)が約20パーセントでした。
来年以降はもう少し上げながら、全体の売上に対する比率を見ながら、販管費を適切に投資するところは継続してやっていこうと思っています。2017年第4四半期・通期に関しましては、こういう状況になります。
1. 決算概要 エンジニア数の推移
こちらは、従業員数になっています。資料のグラフにあるのは、実質デリバリーの人員という、直接現場でお金を稼ぐ人員になります。いちばん右の、赤いグラフをご覧ください。2017年第4四半期は、1,163人でスタートした(2017年)第1四半期に比べて1,563人で、順調に人が増えてきているということです。
グループ全従業員数を四角で囲ってありますが、2,000人に若干欠ける1,971人です。グループとして大きく成長してきているところを、見ていただけると思います。
1. 決算概要 連結貸借対照表
次は、バランスシートになります。この左の2017年第4四半期(赤色)ですが、総資産が約53億円です。資料の下から3つ目の、自己資本が19億円。自己資本比率が36パーセントです。
投資をしつつ、そこを借入でまかなっていく中で、一定の財務比率を維持しながら、我々としてはマネージしているということです。
ここに関しましては今後、キャッシュフローマネジメントをきっちりと強化してお金を稼ぐというところを、利益とともに意識している、我々の次回以降の戦略につなげていくためのバランスシートと、見ていただければと思います。
以上が、決算概況になります。
2. FY2018業績目標 FY2018アクション①
来期(2018年8月期)の業績目標について、お伝えさせていただきたいと思います。資料の左側にありますが、まず数字の目標です。売上高は120億円、営業利益は8億円、営業利益率は6.7パーセント。
それぞれ対前年比、今申し上げたこの2017年の実績に対して、売上高は47パーセントの増加。営業利益は104パーセントで、ほぼ倍増。営業利益は1.9ポイント増やさせていただいています。
資料の右側に、グラフで推移を出させていただいています。この2017年の着地が、81億7,400万円。その右の2018年が、120億円。こちらの上下のバランスを公表させていただいていますが、上期は54億円、下期は66億円。
営業利益率は、(2018年上期が)5.6パーセント、(下期が)7.6パーセントというバランスの中で、上下のメリハリを付けて、さらに成長させていくというかたちです。
後ほど社長から成長戦略を話してもらいますが、上期は引き続き人材採用などを含めて、先ほどご説明した販管費の売上高ポイントを若干上げながら、下期の売上の成長および利益の貢献に向けて、上下のバランスを見ながらやっていくというかたちになります。
下期を含めて、この120億円の売上と8億円の営業利益は、我々としてはある意味でボトムラインと考えています。(上期は)2017年に引き続いた投資および施策の中で、下期にかけて大きく伸ばしていくというかたちで、伸びしろを含めたマネジメントをする。
伸びしろ(を含めた)経営を今後実現していく、この2018年8月期にしたいなと思っています。
2. FY2018業績目標 FY2018アクション②
これをやるための施策のご説明になります。資料のタイトルに、「[SHIFT’100]を超え、[SHIFT’300]への挑戦を開始」とあります。ここ(2017年8月期の売上高)は81億円の着地ですが、もう100億円が見えてきているということです。
(目標である売上高)1,000億円の中の、1つのマイルストーンとしての集金目標「SHIFT’300」を、後ほど社長からお話しします。ここの挑戦を開始ということで、3つの軸ですね。
1番目は、サービス強化。ここは「モノ」になります。2番目は、アカウント強化。ここは「カネ」ですね。あと3番目は、人材強化。ここは「ヒト」になります。ヒト・モノ・カネの経営資本の強化、ここを徹底的にやっていくというところが、SHIFT'300に向けての布石です。
2018年はこの(SHIFT'300の)中の1年目で、それぞれ項目を出させていただいています。
1番目のサービス強化、モノに関しましては、さまざまなサービスのレベルを上げていくというかたちで、ラインナップを強化する。フルマネジメントサービスの推進と、サービスラインナップの強化。
また、「SHIFTシンクタンク」というかたちで、我々が持っているナレッジをさらにデータベース化して、ここをどう広げるかということで、モノ・サービスの強化を図っていくという、ステップとしての一面です。
2番目のカネという意味では、アカウント強化ですね。ここは、お客さまとの関係の強化です。現状でも我々がやっておりますが、プライマルカスタマーさんを含めたパートナーシップというかたちです。
お客さまとある意味対等な関係の中で、我々の価値を提供する。お客さまと共同しながら、よりよいかたちで価値を作っていく。
ここに関しては、金融・流通向けの戦略的な事業展開。あと、顧客タッチポイント増加での認知度向上。資料の右上に、長期的なパートナーシップ作りと書かせていただいています。
事業会社の中で、さまざまなかたちで切り出しをする。例えばシェアードサービスを作って、それを我々との中で交流していくというビジネス展開をさせていただくというところも、お話をさせていただいているところになります。
3番目は、人材強化です。我々としては、マーケットがある中で最大の課題は、やはりリソースとしてのヒトの確保、人材強化になります。ここに関しましても、3つのポイントですね。戦略的な人材の交流と、仕組みとしてのCAT検定・スキルDBの構築。
さらに、我々が従来から申し上げているような、IT人材だけではなく、非IT人材が活用できることによってパイが広がるといった仕組み。こういうものを、2018年の施策としてやらせていただくということです。
戦略的人材交流に関しましては、先ほど申し上げたパートナーシップの中でも、さまざまな人材が世の中にはいらっしゃいます。非IT人材を含めたパートナーシップの中で、お客さんとの関係の中での人の構築・人の強化ですね。
こういうものを含めて、モノ・カネ・ヒトをさらに強化するというかたちが、この2018年の業績目標を達成するための、我々としての施策になります。先ほど申し上げた数字(2018年通期財務目標の、売上高120億円・営業利益8億円)をある意味ボトムラインにしながら、上期・下期のバランスの中でこの施策を強化していく。
上期、とくに第1四半期が、そういった施策を打てる1つのポイントになりますので、ここを数字的には少し低めに抑えながら成長させていくというかたちで、中期目標の中につなげていきます。
後半は、社長から成長戦略以降の話をしていただこうと思います。よろしくお願いします。