2018年3⽉期 第1四半期トピックス

守本正宏氏:まず第1四半期の業績の概要ですけども、トピックスとしまして、従来我々がやっておりますリーガル事業以外のヘルスケア、ビジネスインテリジェンス、デジタルコミュニケーションなどの事業に関しましては、とくに「KIBIT」搭載のソフトウェアの導入社数が前年同期に比べまして2.2倍。

売上高として約3倍に増えておりますので、リーガル以外の事業といたしましては順調に推移していると考えております。

一方、リーガル事業に関しましては、従前からもお話していますように、大型アジア案件の獲得に向けて、営業の加速に向ける体制を強化している途上である状況でございます。

2018年3⽉期第1四半期 連結損益計算書

業績の概要ですけども、まずPLの状況です。

AIに関しましては、先ほどご説明したように順調に推移しておりますが、リーガル事業におきましては日本およびアジアにおいては比較的順調に、これまでとほぼ同等のレベルですけれども順調にきているということが言えると思います。

米国においては新体制の移行、組織強化に重点をおいた結果、Review案件は増えたんですけれども、本来の高採算のHosting、Processなどの案件の獲得が減少したことによって、結果的に減収減益となりました。

全体の我々の計画の中では、想定の範囲内ではありますけども、前年同期比に比べまして、減少したということになります。

2018年3⽉期第1四半期 連結貸借対照表

バランスシートの状況です。やはり減収減益の状況を受けまして、全体的な総資産としてはマイナスになっておりますけども、大きな留意点というものはありません。

連結売上⾼ / サービスタイプ別

我々の今の状況をお示しするのに、ステージと読んでおりますが、業績の特徴がこのようにボックスで表されています。

今現在ステージ3と四半期の売上が約25億円から30億円の範囲内のボックスの中にいるということで、次のステージに行くための準備期間を、この中で力を蓄えております。

蓄えたのちに短期間で次のステージに行くというところですけれども、現在は一応この範囲内におりまして、概ね計画どおりと言えると思います。

もう1つの特徴としましては、AIが必死にできるぐらい売上も上がってきたことも言えると思います。

リーガル事業 売上⾼・営業利益推移

一方、リーガル事業に関しましては、先ほどもご説明したように1Qに関しましては、4Qの再生強化の中でやっておりまして、現在大幅に減益となりましたけども、2Qは全体として利益が出る体制まで回復できると考えております。

リーガル事業 新規顧客・⼤型案件顧客の推移

一方、リーガル事業における非常に重要な指針であります大型案件の獲得数ですけども、まだ1Qなので増えておりませんけども、今年度は5社獲得を目指して、現在進んでいるところでございます。

リーガル事業 顧客ホームカントリー別売上⾼の推移

またリーガル事業におけるホームカントリー。国別顧客の状況に関しましては、やはり現状は今アメリカが減っておりますけども、さらにこれは、どちらかというと下の日本・アジア。

主に日本ですけども、売上を今後も伸ばしていくと。ここに注力をしていくということで進めてまいります。

AI事業 分野別 売上⾼推移

一方、AIに関しまして4Qはどうしても跳ね上がる状況で、1Qは4Qよりも下がっておりますけども、進捗状況は順調に進んでおりまして、2Qはさらに売上が増加していくものと考えております。

とくにヘルスケア、デジタルコミュニケーションなどで売上が順調に伸びて新たな柱となっていくだろうと考えております。

AI事業 ⼈⼯知能「KIBIT」搭載ソフトウエア導⼊が進む

そのAIですけども、「KIBIT」搭載ソフトウエア導入も進んでおりまして、現在導入数が累積で57社。これは日々企業数は増えております。

とくに金融機関向けの導入も進んでおりますし、1つは知財特許の解析ツールの導入社数も増えております。

また、ヘルスケアにおきまして、はじめて製薬企業向けの我々のAI「KIBIT」が導入されているというのも実績として生まれてきました。

以上が業績の概要になります。

⼤型アジア案件獲得への営業加速に向け体制を強化

それでは引き続き事業のアップデートに関してご説明したいと思います。 我々の主要事業でありますリーガル事業におきましては、やはり大型のアジア案件獲得へに向けて体制を強化していくということです。

これは従前から申し上げてますように、日本・韓国・台湾などのアジアチームとアメリカのチームが協力して、クロスボーダーチームで案件をとっていくということは引き続き強化をしておりますけども。今、業界の中でも大きく環境が変わってきました。

これまで我々の業者は約1,000社ぐらいあったんですけども、そのコンサルテーションが進んでいるということと、一方これまで多くの企業は、ほとんど我々以外の、ほとんどの我々の同業者は第三者のサードパーティのソフトウェアを使ってサービスを展開するというビジネスモデルでした。

ところが、最近やはりデータ量が急激に増加してきているということですね。作業量が増えてくると。さらに、市場そのものは大きくなるんですけども、データ量の増加に比較して価格はそれほど上がらないといったことで、全体の市場は上がるんですけども、単価が下がってくると。

そうなってくるとサードパーティのソフトウェアを使ってサービスを展開していくという通常のビジネスモデルが、だんだん崩れてきているということです。

つまり、自社ツールを持ってサービスを展開する。あるいはソリューションを展開するという、企業が勝ち残るという状況になってきました。

そういう意味では自社ツールを持っている弊社は非常に今後勝てる体制、状況になってきていると言えます。

一方もう1つ、採算のことを考えますと、既存のビジネスモデルでも、やはりアジア案件とが採算がいいということで、ある意味大手もアジア案件を獲っていこうということになってきますけど、アジア案件に関しましては、我々のツール「アジア言語」ができる唯一のツールであるということ。

そして、多くのデータを解析するための人工知能を持っているという意味では非常に有利でありますし、当社の「Lit i View」というディスカバリー用のソフトウェアは、他社のツール、既存の今業界の標準と言われているツールと比べまして、一気通過年作業ができるということも、採用効率を上げていくと。

データ量が増えていって、価格が下がってくるということにも十分対応できるというツールであるということで、今後我々はこのスプラウトの技術においては有利であると言えます。

⼤型アジア案件獲得に向けた⽶国での取り組み

これをどうやって獲っていくかということなんですけども、やはりアジア案件といえども、訴訟そのものはアメリカが中心で起こっているものです。

アメリカで仕事をとらなきゃいけないということは、今も以前とあまり変わっておりません。そのために、2007年からアメリカに進出して、アメリカでの体制強化というものに努めてまいりました。

もう1つ、おさらいしていきますと、2007年にアメリカに進出して以降、まず2014年3月期にNASDAQに上場して、それから3社の買収を行って、米国の事業体制を拡大するということを行ってまいりました。

別々の会社で、もともと既存の会社があった我々も、それを統合するということを昨年行いました。そしてこの過程の中で、未上場会社の買収であったので、内部統制の問題などの課題を解決して、収益認識の問題に関しても収束。これほぼ収束しております。

新体制も今作りましたので、これによって今後の、我々の戦略を実行するという準備ができましたので、現在アジア案件を獲得するためのクロスボーダー、営業強化というのを行っております。

先ほどのような環境の変化に伴って、これを順次行っていくということだけではなくて、非効率的な低採算の米国案件を徹底的に管理していくと。逆に言うと、もう取らなくしていくということを徹底していく。それによる人員の最適化、拠点の統廃合ということで行います。

これ、米国案件でも、もちろん大型の案件もありますので、ラージアカウントに関しては維持し、また今後も増やしていこうとしていますけれども、低採算で小さい売上に関しましては、徹底的に管理していくと。

排除していくということで、結果的に売上も利益も上がっていくと考えております。この施策を徹底的に加速してまいります。

⾦融業界へKIBIT製品の導⼊が進む

ビジネスインテリジェンスの分野ですけれども、金融機関へのKIBIT製品を、Regtechのソリューションとして導入していくという事例が増えております。フィデューシャリーデューティーの目的を達成するために、コンプライアンス違反を早期に見つけて対応していくということで、我々のKIBITの導入が進んでおります。

また、それ以外の活用としましては、投資運用プロセスを支援すると。これは、長期的な投資をするための銘柄を、情報を分析し判断していくために、このKIBITを使っていくということで今、採用をされております。今後、この金融機関へのKIBITの導入が、我々のAIの事業の業績に大きく寄与していくと考えています。

製薬企業の様々な業務をKIBITが効率化

一方、ヘルスケアですけれども、これまで大きな病院、あるいは大学との共同研究、共同開発なども行ってまいりましたけども、短期的な収益のポートフォリオとしまして、制約メーカー向けの業務改善ソリューションというのを進めてまいりました。

現在もともと他の業界ではやっています、知財の分析、あるいは研究者の論文検索支援ツール、これも増えてきます。

また、営業支援などのソリューション。さらに、これはヘルスケアの事業を立ち上げたときからやっていました副作用報告の支援も、これも今後このKIBITを使ってやっていきます。

今後これをさらに進めていって、ヘルスケアの売上を今年度は1億円以上へもっていくということで進めてまいりたいと考えております。

KIBITエンジン搭載ロボットKibiro法⼈モデル充実

一方、Kibiro、ロボットの分野ですけれども、BtoBに関しましては、オフィス24さまとの共同開発で、すでに受付パッケージに関しましては販売を開始して、出荷も始めています。今後、ホテル、美容サロン向けのモデルなども現在開発中で、この第2四半期にはリリースできるものと考えています。

一方、BtoC向けに関しましては、コミュニケーション機能をすでに強化しましたけれども、この第2四半期中にはまた新たな新機能を追加して、強化していくということを進めてまいります。コミュニケーションロボットの分野ですが、かなり高機能のものが完成して、お客さまに提供できるようになってくると考えています。

認知拡⼤ AI・⼈⼯知能 EXPOへの出展

セールスプロモーション、マーケティングの活動ですけれども、AI・人工知能EXPOにも出展しまして、多くの方に弊社のブースにご来場いただきましたけれども、これによって我々の問い合わせも、昨年に比べて約2倍以上になってきております。実際に商談に結びついているのも数多く増えてきているというところでございます。

認知拡⼤ NHKスペシャルでの紹介

また、NHKスペシャルでも我々の人工知能が取り上げられまして、ソラストさまでの離職防止の取り組みに関して紹介されました。これによっても、また多くの引き合いをいただいております。

以上が事業のアップデートになります。それでは、2018年3月期のガイダンスと、中期の見通しに関しましてご説明したいと思います。

Q2⾒通し

Q2の見通しといたしましては、Q1ですね、たしかに非常に赤字を出しましたけれども、Q2におきましては、まだAIのほうで若干利益が出ないというところがありますので、リーガル事業に関しましては、今後利益を確保できるということで、トータルとしましてはまだ赤字になると考えておりますけれども、大きく回復すると考えています。

とくにQ2以降に関しましては、リーガル事業の、とくにアメリカにおきまして、アメリカでのレビュー案件を中心とした採算管理を行って、人員の最適化、拠点の統廃合などを積極的に進めて、現在のプロダクトミックスの状況でも利益が出る体制というのを確保していくということを進めてまいります。

中期⾒通し

中期の見通しに関しましては、基本的に変更はありません。とくにAI事業に関しましては、来年度には大きく利益に貢献できると考えておりますし、2020年3月期においてはヘルスケアも含めて利益を出して、リーガル以上の利益を確保できると考えております。

事業分野別戦略

全体の事業別の戦略に関しましては、大きく変更はありません。

リーガル事業に関しましては先ほどご説明したように、大型案件を順次、アジア案件を獲得していこうということを順次やっていくというよりは、むしろアジア案件に集中して、低採算のものはカットしていくということを積極的に行っていくというふうに進めてまいります。

このように、我々のこの成長の状況は、常に一気に上がっていくと。このボックスを、力を溜めて次に行くということで、現在はこのアジアの戦略を加速し、AI事業を加速して、次のステージを狙っていくということを進めてまいりたいと考えております。

以上で、私の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。