第1四半期 CEO ハイライト

オーウェン・マホニー氏:決算電話会議へご参加ありがとうございます。本日は第1四半期の好調な業績、第2四半期および通期における要点を説明します。

まず、1年の好スタートを切れたこと、大変うれしく思います。とくに新作ゲームへの積極投資が、強力なライブ運用を通じて、ユーザー継続率を維持するという、当社の全体戦略に沿って実施されていることにとても満足しています。

さて、当第1四半期のハイライトと、グローバル拠点の最新情報を説明します。当第1四半期もまた、売上収益が、当初業績予想を上回る、すばらしい期となり、IPO以来最高の売上収益、営業利益および四半期利益となりました。

これは、重要な1月の旧正月の時期から3月にかけて、中国事業がとても堅調であったことが、主な要因です。

前四半期に、1月中旬に実施した、中国『アラド戦記』の旧正月アップデートが、大変好調なスタートを切ったとお伝えしました。

このトレンドは、四半期を通して続きました。3月のアイテム販売も予想以上に好調で、これら要因により、中国事業の売上収益は大幅に予想を上回りました。

『メイプルストーリー』も好調で、韓国およびグローバルで再び前年同期比で売上収益が成長しました。

前四半期の決算説明会で、何年も驚くほど安定している主力ゲームの息の長さについてお話しました。当第1四半期も、そのトレンドは継続し、ネクソンの強みをまた、明確に示す四半期となりました。

既存のオンラインゲームを長期間成長させる能力は、ネクソンの中核的強みです。当社の最高のライブゲーム運用と、開発能力をより多くのゲームの世界展開に繋げるために、ツールや管理方法を開発し、この強みを広げてきました。

当四半期の日本事業の発展もめざましく、『HIT』『ハイドアンドファイア』などの、モバイルゲームの好調な業績により、売上収益は前四半期比および前年同期比ともに増加しました。過去7四半期の、日本における最高の売上収益を記録しました。

ご存知の通り、日本ではネイティブゲームよりブラウザゲームからの収益が高い状況でした。しかし、第1四半期でこれが逆転し、ネイティブゲームからの売上収益はモバイル売上収益の半分以上を占めるようになりました。

数週間前、日本で新作ネイティブゲーム『ディズニー タッチタッチ』の配信を開始いたしました。当社が手がける初めてのディズニーゲームです。日本における今年の豊富な新作ラインナップの第1弾です。

日本での業績が良くなる一方で、直近で『ラプラスリンク』の開発を中止することを決定しました。オープンベータテストで、ゲーム品質が、求める品質・水準に達していないことがわかったためです。

とはいえ引き続き、日本事業を成長させるたくさんの機会があると考えています。日本のオンラインゲーム市場は、未開拓市場の1つで、とりわけモバイルゲームについてはそうです。

コンソールおよび、モバイルで提供されているゲームの多くは、シングルプレイヤーに焦点を置いたゲームとなっています。日本はまだネクソンが専門とする、マルチプレイヤーオンラインゲームの主要市場にはなっていません。

しかし、すばらしいネットワークテクノロジーや、進化したグラフィック・プロセシング・ユニットを搭載したモバイル機器で、没入型のオンラインゲームのプレイが可能となる中、急速に状況が変化しています。

当社は、過去10年間で築きあげた、すばらしいPCライブ運用チームを日本に持ち、このチームを大規模なモバイル市場に活かすことで、急発展する市場の先頭に立つことができると考えています。

日本チームは、長期に渡って既存ゲームを運用し、成長させる方法を知っています。この能力を、日本の趣向に合ったすばらしいゲーム開発と結びつけていきます。

国内で開発された『HIT』や『ハイドアンドファイア』がすでに成功しています。今度は、日本で開発したゲームでの成功を目指しています。

当社は日本におけるリーダーシップを強化してきました。当四半期において、とりわけ経験豊かな開発リーダーを、日本のグループスの、新規モバイルゲーム開発の監督者として配置しました。

グローバルな組織によるサポートに加え、今後日本ではより多くのゲーム開発を行い、韓国に次ぐ2番目の主要開発拠点としていきます。

次に欧米事業です。アメリカにおいて達成した、重要なマイルストーンについてハイライトします。これは欧米顧客へのリーチを拡大する取り組みにおいて、戦略的重要性を持ちます。

4月に、モバイルゲーム『ドミネーションズ』の累計売上高が1億ドル以上を記録したことを発表しました。約2年前にアメリカで『ドミネーションズ』を配信開始し、当社の主要タイトル同様の安定性と息の長さを見せています。

少し話題を変えて、新作ゲームについてお話します。

私たちは、長期に渡って安定的な売上収益を生み出す、複数の大ヒットタイトルを持ち、とても優位性のある立場にあります。これにより、中核事業を危機にさらすことなく、新作ゲームの投資をすることができます。

3月末には、日本と中国を除く全世界で『真・三國無双 斬』を開発、配信しました。これは人気の『真・三國無双7』のIPをベースとしたモバイルアクションRPGです。とりわけアジアにおいて好調なスタートを切り、第2四半期から業績に寄与すると予測しています。

さらに、今年は欧米で『LawBreakers』を配信開始します。『LawBreakers』は、標準的なアリーナFPSに、とてもユニークな試みを行った作品で、コアなFPSユーザーに、激しいアクションと独特なアプローチを提供します。

『LawBreakers』は、第1回のクローズドβテストを完了し、3月のPAX Eastでは、すばらしい存在感を示していました。

今後、世界中で数多くのタイトルを配信するため、運用チームは配信に向けた準備で忙しい状態です。ゲームが何か月も何年も、現在の業界トレンドよりも長い期間、ユーザーに楽しんでもらえることを願っています。

今後、開発状況や新作ゲームの業績について、皆さんに進捗状況をお伝えするのを楽しみにしています。

最後に配当方針の変更についてお話します。ご存知の通り、ネクソンは世界全体の連結ベースでは多くの利益を出し、多額の現金を持っています。

2013年末から2016年の半ばまで、半年ごとに1株あたり5円の配当を行ってきました。株主配当はネクソングループの親会社で上場企業である日本法人、株式会社ネクソンから支払われます。

日本法人による売上収益は、連結売上の10パーセント未満である一方で、費用に関しては、日本におけるゲーム運用・開発のみならず、成長投資や、それに関係する減損また損失、ストックオプションを含め、グローバル組織全体における費用も含まれています。

その結果、現時点における日本法人の利益剰余金は、配当を継続するには十分な水準にありません。このため当社は配当をとりやめ、グローバル事業における成長投資を続けるための、柔軟性を保持することを決定しました。

日本法人が利益剰余金を十分確保できる状況になりましたら、配当の再開をまた検討してまいります。なお、以前発表した、2017年2月13日からの1年間で100億円規模の自己株取得を行う方針に関しては、変更ありません。

それでは、CFOの植村の説明に移ります。

第1四半期 業績ハイライト

植村士朗氏:それでは、当該四半期業績の説明に移ります。なお、詳細は当社IRウェブサイトに掲載の、2017年第1四半期決算説明資料に記載がありますので、そちらをご確認下さい。

売上収益は、会計基準ベースで、前年同期比30パーセント増加。一定為替レートベースでは、33パーセント増加の748億円となり、当社の業績予想を上回る着地となりました。

営業利益は398億円。また四半期利益は199億円となります。主に中国の『アラド戦記』が、特別に好調であったことから、売上収益は業績予想を上回りました。

営業利益についても、業績予想を上回りました。子会社ののれんやゲームIP等に係る減損損失27億円が発生した一方で、主に利益率の高い中国事業からの売上収益が予想を上回ったことにより、業績予想を上回る結果となりました。

第1四半期業績概要

営業利益が業績予想を上回った一方で、当第1四半期中に、米ドルに対して円高、および韓国ウォン高が進行したことにより、米ドル建ての現金預金および売掛金について為替差損159億円が発生したことから、四半期利益は業績予想を下回りました。

先ほどマホニーより説明がありましたが、当第1四半期の中国『アラド戦記』は、1月17日から3月28日まで実施した、旧正月アップデートが好調なスタートを切った後、四半期を通じて好調であったことに加えて、3月のアイテム販売がとても好調だったことから、売上収益が予想を大幅に上回りました。

また、1月17日に実施した、キャラクターのレベルの上限拡大は、コアユーザーにとても好評でした。

中国 – ハイライト

中国『アラド戦記』のMAU、課金ユーザー数、ARPPUの各主要ユーザー指標は、前四半期比および前年同期比で、それぞれ増加しました。

韓国 – ハイライト

第1四半期の韓国事業は、主に『アラド戦記』および『FIFA Online 3』『FIFA Online 3M』などの主力タイトルが好調であったことから、売上収益は業績予想を上回りました。

『アラド戦記』は、1月に追加した新キャラクター「女プリースト」が好評であったことに加え、旧正月の時期に実施したパッケージ販売がとても好評でした。

『FIFA Online 3』および『FIFA Online 3M』が、予想よりも好調であったことの主な要因は、旧正月のパッケージ販売が好調であったこと。また、効果的なプロモーションによる、売上収益への好影響などが挙げられます。

売上収益が業績予想を上回った一方で、前年同期比では減少いたしました。これは、『サドンアタック』および『HIT』が、前年同期比で大きく減少したことが主な要因です。

2017年度第2四半期 業績見通し

次に、2017年度第2四半期業績見通しの説明に移ります。

2017年度第2四半期の売上収益は、会計基準ベースで、前年同期比8パーセントから18パーセントの増加となる、413億円から448億円のレンジを予想しております。

一定為替レートベースでは、4パーセントから13パーセントの増加となる、397億円から431億円のレンジを予想しています。

営業利益は、112億円から140億円のレンジを予想しております。四半期利益は104億円から128億円のレンジを予想しております。

主に欧州およびその他の地域と、中国において、売上収益が前年同期比で増加することを予想しています。

欧州およびその他地域では、3月末に配信を開始したモバイルゲーム『真・三國無双 斬』が、当該の四半期の売上収益に大きく寄与することを見込んでいます。当該タイトルは、とりわけ台湾および東南アジア地域において、好調に推移しています。

2017年度第2四半期及び通期 地域別業績見通し

中国では、主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』に対し、労働節の時期に合わせたTier 1コンテンツアップデートを4月27日に実施し、とても好調なスタートとなりました。また、当第2四半期は、旧正月のアップデートも実施を予定しています。

4月から現在までのアクティブユーザー数および課金ユーザー数は、前年同期との比較で、ともに高い水準で推移し、とても好調であることから、売上収益が前年同期比で成長することを見込んでいます。

2017年度第2四半期営業利益見通し

2017年度第2四半期における営業利益は、112億円から140億円のレンジを予想しており、前年同期比で17パーセントの減少から5パーセントの増加となる見通しです。

対前年同期の増益要因としましては、利益率の高い中国事業や、欧州およびその他地域における新作モバイルゲームからの寄与による、増収効果が挙げられます。

一方、減益要因としましては、第1に、主に新作タイトルのローンチに伴う広告宣伝費の増加。第2にモバイルの売上収益が前年同期比で増加することによるプラットフォーム費用や、『真・三國無双 斬』などの好調に伴う、ロイヤルティ費用を含む変動費の増加。

第3に、韓国における従業員数の増加による人件費の増加が挙げられます。

営業利益を、予想レンジの上限で見た場合には、これらの減益要因よりも、増益要因の方が大きいことから、営業利益は、前年同期比で増加することが見込まれます。