2017年3月期決算説明会
中山晴喜氏(以下、中田):みなさま、こんにちは。代表取締役の中山晴喜です。本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。どうぞ最後までよろしくお願い申し上げます。
ご説明に先立ちまして、2期連続で当初の業績予想を達成できなかったことをお詫び申し上げます。未達の要因につきましては、後ほどご説明させていただきます。
初めに前期2017年3月期の決算概要について、次にセグメント別の状況について、最後に今期2018年3月期の業績予想についてご説明させていただきます。
それでは2017年3月期の決算概要についてご説明させていただきます。
業績ハイライト(損益計算書)
まずは業績ハイライトです。売上高は前期比92.4パーセントの293億8,700万円。営業利益は同106.2パーセントの、57億5,400万円となりました。
オンライン事業の新作を計画どおりに立ち上げ、業績に寄与させることができなかったため、業績予想は未達となり、売上高は前期比でマイナスとなりました。
営業利益・経常利益は、当初予想には届かなかったものの、コンシューマ事業・音楽映像事業での新作のヒットや利益率の向上により、過去最高を更新しました。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、4月21日発表の業績予想の修正で当初予想を下回る予想としておりましたが、最終的な税効果関係の精査により法人税等の調整額にプラスがあり当初予想は達成となりました。こちらも過去最高益を更新しております。
セグメント別概況
続いてセグメント別の実績です。
オンライン事業は、売上高が前期比74.7パーセントの147億5,000万円。セグメント利益は同78.2パーセントの32億7,100万円となりました。経年による既存タイトルの減少は想定内ではありましたが、新作の不振及び一部タイトルの開発中止による、費用計上等で減収減益となりました。コンシューマ事業は売上高が、前期比120.2パーセントの90億6700万円。
セグメント利益は同202.9パーセントの20億4,200万円となりました。新作タイトルのヒット等により増収増益となりました。
音楽映像事業は売上高が前期比123.8パーセントの56億700万円。セグメント利益は同122.5パーセントの16億300万円となりました。新作舞台やアニメの大ヒットが好業績を牽引した他、定番シリーズも好調に推移したことにより増収増益となりました。
売上高・営業利益の推移(四半期毎)
こちらが四半期ごとの業績推移です。通期の業績予想は達成となりませんでしたが、第1四半期・第2四半期の低調を大きく巻き返すかたちで、第3四半期に続き第4四半期も高水準の収益を上げることができました。
セグメント別売上構成(四半期毎)
こちらは四半期ごとの各セグメントの売上推移です。
オンライン事業が第3四半期からの反動減となりましたが、第4四半期にタイトルが集中した音楽映像事業が大きく伸長し、コンシューマ事業も新作のヒットに支えられ好調に推移いたしました。
貸借対照表(要約)
続いて、こちらは貸借対照表のハイライトです。主に増益に伴いまして、現預金や未払い法人税等、流動資産・流動負債が増加し、総資産・純資産が増加いたしました。
オンライン事業 2017年3月期のタイトル状況
それでは続きまして、各セグメントの状況についてご説明させていただきます。まずはオンライン事業です。
『剣と魔法のログレス いにしえの女神』につきましては、経年による減少がありますが、新機能の実装や継続的なコラボレーションイベントの実施等、各種ユーザー拡大施策を経た3周年記念イベントは盛況となり、市場における存在感を示すとともに年間を通して業績を牽引いたしました。
一方で、同タイトルの中国展開は、当初想定していたような収益が見込めず、サービスを終了いたしました。
また新作として、昨年4月にリリースしたiOSアンドロイド向けアプリ『スマッシュドラグーン』も不振のまま軌道に乗せることができず、サービスを終了いたしました。
その他の新規タイトルも立ち上げが計画どおりに進まず、一部タイトルにつきましては開発を中止いたしました。
オンライン事業 2017年3月期の状況
結果といたしましては、大幅な減収減益となりました。マーケティングの効率化や再三のタイトル整理により、利益率は改善しておりますが、何よりも既存タイトルの減少を補う新規タイトルを立ち上げられなかったことが最大の要因です。
コンシューマ事業 2017年3月期のタイトル状況
続いて、コンシューマ事業の状況についてご説明させていただきます。パッケージソフトの新作では、人気シリーズの新作『牧場物語 3つの里の大切な友だち』『Fate/EXTELLA』『閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH』がそれぞれ好調なセールスとなり、好業績を牽引いたしました。
アミューズメント部門におきましても『ドラゴンクエスト モンスターバトルスキャナー』『ポケモンガオーレ』の新作機種の稼働を開始し収益貢献いたしました。
コンシューマ事業 2017年3月期の状況
こちらがコンシューマ事業の過年度推移のグラフとなります。前々期は海外ゲームソフトの好調、アミューズメントの復調による利益伸長となりましたが、前期はそれに加えて、国内ゲームソフトのヒットが大きく貢献し、さらに利益倍増の成長となりました。
音楽映像事業 2017年3月期のタイトル状況
続いて、音楽映像事業の状況についてご説明させていただきます。こちらの事業では『プリキュア』シリーズ、『遊戯王』シリーズ、ミュージカル『テニスの王子様』、舞台『弱虫ペダル』、ミュージカル『薄桜鬼』といった定番シリーズがたくさんあるなか、それぞれ好調・堅調に推移いたしましたが、前期におきましてはとくに新作の大ヒットが好業績を牽引致しました。
舞台『刀剣乱舞 虚伝 燃える本能寺』は初演を昨年5月に行いましたが、大好評につき規模を拡大し12月から1月にかけて再演を行い、こちらも勢い衰えず大盛況となりました。
また初演再演共に、DVD・ブルーレイの販売も絶好調となりました。また『刀剣乱舞』は新作アニメ『刀剣乱舞-花丸-』も昨年10月から放送開始し、大ヒットとなりました。
もう1つの新作が、こちらの『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』です。こちらも6月に行いました初演が大ヒットとなり、今年の1月には続編となる『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ~Take your marks!~』の公演を行い大盛況となりました。
またこれらの新作も含んだ当社コンテンツの二次利用収入がありました。とくに中国向けの映像配信等も好調に推移しました。
音楽映像事業 2017年3月期の状況
こちらが音楽映像事業の過年度推移のグラフとなります。定番シリーズの収益基盤に、新作のヒットが積み重なり、着実な成長を遂げております。
続いて、2018年3月期の業績予想についてご説明させていただきます。
2018年3月期 業績予想
こちらが本日、決算短信と共に発表いたしました2018年3月期の通期業績予想です。売上高は前期比102.1パーセントの300億円。営業利益は同104.3パーセントの60億円。
経常利益は同103.3パーセントの60億円。当期純利益は同100.4パーセントの41億8,000万円を目指してまいります。
2期連続で未達となった「営業利益60億円」という目標になりますが、3度目の正直で全社一丸となって取り組んでまいります。
なお今期もタイトル編成スケジュールの都合から、前期同様に後半型の事業計画となっていますことをあらかじめお伝え申し上げます。
2018年3月期 重点施策
続いてこちらは今期というよりかは中期的な内容になりますが、重点施策です。当社は今年で創業20周年を迎えますが、この20年で養った当社の総合力を遺憾なく発揮し持続的成長の実現を目指してまいります。
具体的には総合エンタテインメント企業として、オンライン、コンシューマ、音楽映像、さらにそれらのサブセグメントからなる、幅広い企業領域を武器に、新タイトルの開発、IP価値の最大化、戦略的協業の推進、海外展開の強化、多メディア展開の拡大。これらに注力し、さらなる成長を目指してまいります。
オンライン事業 2018年3月期の取り組み
ここからは今期の具体的な取り組みについて、ご説明いたします。
まずはオンライン事業です。4月17日よりDMMゲームス様との協業タイトル『天歌統一ぷろじぇくと』のPC版のサービスを開始いたしました。
こちらはスマートフォン向けにも開発を行っております。またアイディアファクトリー様、角川様との共同プロジェクト『戦刻ナイトブラッド』のゲームアプリを2017年内に配信を予定しております。
こちらも、4月の14日より事前登録を開始いたしました。その他フジゲームス様、X JAPAN のTOSHIとの共同プロジェクト『ORDINAL STRATA』を、2017年夏にビーテクノ様との共同プロジェクトで、テレビアニメ『おそ松さん』を題材としたゲームアプリの配信が決定しています。
オンライン事業 開発パイプライン
こちらはオンライン事業の現在の開発パイプラインです。先ほどご紹介した4本の新作タイトル他、今期中にリリース予定の3本の新作の開発が進行しています。これらの詳細は随時発表してまいりますので、ご期待ください。
また既存タイトルにつきましても、ログレスを中心に売上維持に努めてまいります。なおログレスにつきましては、英語版の展開を進めております。
コンシューマ事業 2018年3月期の取り組み
続いて、コンシューマ事業の取り組みについてご説明させていただきます。今年3月に発売されたNintendo Switch向けに2タイトルを発売することを既に発表しております。
まずは昨年PS4、PSVita向けに発売し大ヒットとなった『Fate/EXTELLA』の移植版を、7月20日に発売いたします。
『閃乱カグラ』シリーズの新作も、2017年内にこちらはダウンロード専売にて配信することを決定しております。
アミューズメントにおきましては新型プライズマシーン『TRYPOD』を、2017年中に全国のアミューズメント施設で展開することを決定しております。
こちらは3月より複数のアミューズメント施設にてロケーションテストを行っておりオペレーター様からも非常に高い評価を頂いております。
また『ポケモントレッタ』につきましては、東南アジア各国での展開を昨年4月より、スタートいたしましたが、展開地域を徐々に拡大しておりまして、さらに強化してまいります。
音楽映像事業 2018年3月期の取り組み
最後に音楽映像事業の取り組みについて、ご説明させていただきます。
アニメにつきましてはプリキュアの新シリーズ『キラキラ☆プリキュアアラモード』が2月より、遊☆戯☆王の新シリーズ『遊☆戯☆王VRAINS』が5月10日よりテレビ放送が開始しておりまして、既に主題歌CD等を発売しておりますが、引き続きDVD等の販売も行ってまいります。
またゲームアプリのリリースも控え、当社の事業横断でクロスメディア展開する『戦刻ナイトブラッド』のアニメを、この秋に放送開始となるほか、昨年コンシューマゲームのシリーズ新作が大ヒットした『Fate/EXTELLA』のアニメ『Fate/EXTELLA Last Encore』と、昨年放送し大ヒットとなった『刀剣乱舞-花丸-』の第2期が、冬より放送予定となっております。
ステージ部門におきましては、新作舞台『ジョーカー・ゲーム』をゴールデンウィークに公開し満員御礼となりました。
前期大ヒットとなった刀剣乱舞は6月から7月にかけて続編となる舞台、『刀剣乱舞 義伝 暁の独眼竜』を公演いたします。
また舞台『東京喰種トーキョーグール』は、約2年ぶりとなる第2弾公演を6月から7月にかけて実施いたします。
定番のミュージカル、テニスの王子様は5月後半にはコンサート『Dream live』を「7月からは、青学vs立海公演」を行います。
さらにバーチャルアイドルプロジェクトとして、大きな注目を受けているB-PROJECTを初めて舞台化し7月から公演することを決定しております。
この他にも『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』や、舞台Kの新作『幕末rock』のライブ等、続々と公演を予定しております。
以上が各事業の取り組みとなりますが、これらを着実に実行していくことで、先ほど申し上げた業績予想を、達成できるよう努めてまいります。最後になりますが、これらを踏まえ、今期の配当予想につきましてご説明させていただきます。
配当予想/配当方針
まず2017年3月期につきましては業績予想の修正はあったものの過去最高益更新もあり、当初予定通り1株当たり30円の配当と決定させていただきました。
2018年3月期につきましても株主のみなさまへの還元策といたしまして、配当性向30パーセント以上の基本方針の下、普通配当は1株当たり30円を予定しておりますが、今期は設立20周年を迎えますので、それを記念して記念配当3円を加え、合計33円の配当を計画しております。
今後も継続的且つ安定的な配当を実施してまいりますので、引き続きご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上をもちまして、決算説明を終了させていただきます。最後までご清聴いただきまして、誠にありがとうございました。