2016年度通期業績ハイライト①
宮坂学氏:みなさん、こんにちは。ヤフー株式会社16年度の通期、および第4四半期の決算について私の方からプレゼンをさせてもらいます。
今日は通常の通期の決算、四半期の決算に加えて、中期的・長期的な方向性について少し後半に話をしたいと思いますので、いつもよりも少し長くなるかもしれませんけど、じっくり聞いていただければというふうに思っております。
まず、通期の連結の業績です。売上高は8,537億円で、30.9パーセントの増加となりました。営業利益については、調整後営業利益とを営業利益、EBITDAも調整後というものとそうでないものがあります。
今回の決算は「調整後」という言葉がいくつか出てきます。この調整後の営業利益というのは、昨年度アスクルを連結化したことによって、一時的な営業利益が約596億円ほど加算されています。それが今年はないです。
逆に、今年に関していうと、非常にみなさまにご迷惑をおかけした倉庫の火災で、130億円ほどの損失が発生して、これは来年はありません。
なので、通常の営業利益の中で、去年は一時的にプラスのものがあって、今年は今年だけつくマイナスのものがあるので、そういった一時的なものを除いたものを調整後営業利益というふうに呼ばせてもらっております。
これがこの後のプレゼン資料でもいくつか調整後というのが出てきますので、調整後というのが出てきたら一時的なものを除いたものというふうに思ってもらえればというふうに思っております。
2016年度通期業績ハイライト②
国内の関連の売上高ですが、2,864億円で、広告の売上高ですね。7.3パーセントの伸びとなりました。
通期で見て、初めてスマートフォンの比率が50パーセントを超えてきたと。20周年の節目のタイミングで迎えられてよかったなと思います。
eコマースの流通総額は23パーセント伸びて1.85兆円になりました。月間アクティブユーザーID数の方も順調に伸びていて、15パーセントほどアクティブIDの利用者が増えています。
通期 売上高
こちらの方に通期の売上高のグラフを記載しております。20期連続での増収となっております。
通期 売上高構成
こちらの方に売上高の構成を記載しております。マーケティングソリューション、コンシューマー、その他。この、その他決済の金融の事業は、いずれも売上の方を伸ばしております。
通期 調整後営業利益
これは調整をしていない営業利益なんですけど、昨年はこの2,249億円の中に一時的な連結に伴う営業利益の加算が約596億円のっかっています。それが今年なくなるっていうのもありまして、調整をしないと、前年度比の14.6パーセント減の1,920億円ということになっております。
この調整と調整じゃないものを少し分解したものがこちらのチャートです。2015年度は1,653億円が通常の営業活動から生まれた営業利益で、そこにアスクルの企業欠業に伴う、連結化に伴う、再測定利益というのが加算されていて、2,200億円強の営業利益で昨年度は決算いたしました。
今年度は596億円がないのに加えて、アスクルの物流センターの火災というので130億円ほど損失が出ておりますので、こういったものを考慮すると2,050億円ということで、前年度比で24.1パーセントの調整後営業利益ということになっております。
通期 連結キャッシュフロー
今度はキャッシュフローの方で少しご説明したいと思います。
営業活動によるキャッシュフローは1,270億円ほど増えました。この増えたものを主に設備投資といった未来の技術に関する投資をしたことと、それから株主のみなさまへの配当というかたちで営業キャッシュフローを未来への設備投資と株主への還元に使っていくというかたちでやることができました。
新たな特記事項としては、カード事業がどんどん大きくなっておりまして、カード事業の運転資金が非常に必要になってきています。この運転資金をやっぱりちゃんと他の事業と分けてマネジメントしていこうということで分離をしております。
そして、社債を含めた外部の資金調達を、今回カード事業の伸びに応じて取り組んでおりますので、この財務活動によるキャッシュフローで805億円というものはプラスとなっております。
2016年度 第4四半期業績ハイライト①
ここから、第4四半期3ヶ月だけ見た業績になります。これはそれぞれ見ていただければわかると思いますので、詳細の説明はここでは省かせてもらいます。
広告・eコマースともに第4四半期もよくて、特にeコマースは初めて四半期単位で見てスマートフォンの比率が50パーセントを超えてきましたので、来年は年度で見ても半分以上がスマートフォンになるんじゃないのかな、というふうに期待をしています。
四半期 売上高
第4四半期の売上高で過去の推移をグラフにしたものになりますが、このように伸びております。
四半期 売上高構成
それぞれの事業セグメントもマーケティングソリューション、コンシューマー、その他の決済関連ところも順調に売り上げを伸ばしております。
販売促進活動
販売促進活動であります。2015年度に比べて2016年度はより効率的にターゲットをしぼったかたちで販売促進活動をやって、その上で流通を伸ばしたいという話をこれまで何度かさせていただきましたが、第4四半期も同じように、前年度は168億円だったものが127億円ということでかなり、抑制気味な販促活動をしております。
ただ一方で、それにも関わらず、流通総額を伸ばすことができたのは、徐々に販売促進だけに頼らず売り場の力が着実についてきているんじゃないかな、というふうに自分では評価をしております。
販売促進に使った内訳はこちらに記載している通りになります。
四半期 調整後営業利益
第4四半期だけで見た経年の調整後営業利益の推移をこちらの方に記載をさせてもらっております。
ここまでが通期の決算と、第4四半期の決算の報告となります。
Daily UB(デイリーユニークブラウザー)数
ここから少し全体的なサービスの利用動向についてご紹介したいと思います。
まず、デイリーユニークブラウザーの方は順調に伸びております。そして、特にスマートフォンからのアクセスがさらに拡大していて、今では1日の利用の65パーセント以上がスマートフォンからのアクセスとなっております。
マルチデバイスでインターネットの利用者が、インターネットを使う方がどんどん増えていらっしゃいますので、端末ごとのcookieとか、そういったものに依存していると、ちゃんとしたパーソナライゼーションができなくなります。
なので、ログインしてヤフーIDでヤフーを使ってもらおうというのを今、積極的に進めているんですが、それも順調に推移していて、1年前と比べると15パーセントログイン数が増えました。
これはID取得者、月間のアクティブの利用者が3,898万人ということで伸びています。
スマートフォン アプリ累計ダウンロード数
さらに、スマートフォンを使う時に、ログインしてヤフーに加えて、アプリでヤフーを使ってくださいというのを非常に積極的にやっているんですけど、アプリの方も順調に伸びております。
累計のダウンロード数は1億ほど。またさらに伸びて累計で4.8億ダウンロードまでヤフーのアプリを使う人がダウンロードしてくださっています。
スマートフォン アプリ累計ダウンロード ランキング
1年間で見ても、昨年1年間で見た日本のパブリッシャー別のダウンロードランキングを見ても、ヤフーのスマホのアプリの累計ダウンロードは日本で一番という、非常に高い評価をいただいております。
eコマース国内流通総額
次に、eコマースですが、一番下がオークションですね。オークション、ショッピング、そしてアスクルともに、3つ堅調に数字が伸びております。
ここからもう少し、事業別にブレイクダウンしたかたちで紹介をしたいと思います。いつも通り今、利益を生み出している基幹事業と、今は赤字だけど将来的に利益を生み出すための先行投資をして先行と市場の2つに分けてご紹介をしたいと思います。
広告関連売上高
まずは基幹事業のうちの広告関連の事業であります。広告関連の売上高は9.6パーセント1年間で増えまして、786億円になりました。とくにディスプレイも伸びましたし、もう1つ、やはり検索連動型広告が復調したというのが非常に嬉しい年になりました。
検索連動型広告売上高–前年同四半期比成長率
検索連動広告のトレンドについてこちらの方に記載しています。Yahoo! JAPAN最大の売上の柱であった、検索連動広告が、長らくマイナス成長で前年割れでした。
他で、YDNとか、インディード広告で伸ばしていても相殺してしまうというような現象が起きていたんですけど、2016年度から新たに、もう1回検索連動広告を頑張ろうという取り組みを開始した結果、このように急速に急速に回復をしてきて、今期も7.7パーセントの成長ということで終わることができました。
1つ1つは非常に小さな機能の改善の積み重ねと営業活動の賜物なんで、決定的な「これをやったから伸びた!」っていうようなものではないんですけど、逆に言うと、小さな継続の改善の力はついてきたということではないかと思っています。
スマートフォン広告売上高
もう1つ検索連動広告に加えてスマートフォンの広告売上高というのが非常に伸びていて、1年前と比べてみると32パーセントの伸びになっております。
インフィード型動画広告導入
今後、ぜひとも育てていきたい新しい商品としては3月15日から正式に販売を開始したインフィード型広告の中に動画を配信するというものであります。
これは長らくいろんな技術的なテストを繰り返していたんですけど、ようやく全面的に正式リリースができました。とはいえ、まだ始まったばかりの商品ですので、どう育てていくかについては慎重に見守りながら育てていきたいと思っております。
長い目でみれば動画広告の成長というのは、日本の広告市場の中でも間違いなく伸びていくと思いますので、市場の伸びの追い風をヤフーが受け入れるようにしたいと思っております。
オークション関連取扱高
基幹事業についてご紹介します。
2つ目はオークション関連の事業です。オークションの方は堅調に数字を伸ばしておりまして、2,279億円で終わることができました。会員サービスも順調に月額有料会員の数は1,773万人で去年よりも増えましたし、プレミアム会員だけでみても前年と比べると6.0パーセントの増加とになりました。以上が基幹事業についてのご説明となります。
ショッピング商品数
ここから先行投資事業についてみなさんにご紹介したいと思います。まず1つ目のショッピング事業でありますが、商品の数、引き続き伸びていて2.0億品を2.7億品に伸ばすことができました。
ヤフーの調べによると、国内でいちばん商品数の多い売場はYahoo!ショッピングではないかと思っております。
ショッピング事業取扱高
そして流通総額の方も順調に伸びておりまして、前年と比べると21.4パーセントの伸びを記録することができました。
ショッピング広告売上高
流通は21パーセントの伸びなんですが、広告の売上は2倍で商品数が増える、流通総額が伸びる、最終的にそれを広告にちゃんと展開していくっていう1つのエコシステム。ビジネスのシナリオが確立されつつある1年だったんではないかというふうに思っております。
クレジットカード有効会員数
もう1つ。今度はカード事業の先行投資事業についてご紹介します。こちらのeコマースの伸びに連動するかたちで順調に会員が伸びておりまして、前年と比べても1.6倍会員を伸ばすことができました。
クレジットカード取扱高
会員数は1.6倍の伸びなんですが、利用される額に関していうと、2.2倍になっておりますので、ちゃんと稼働してる1人当たりの流通の多い会員さんが増えているということが見て取れると思いますので、こちらも順調にいってると思います。
「Yahoo!ウォレット」口座数
ウォレットの口座数もeコマースの伸びに連動して過去最高になりましたし、ウォレットの取扱高も約20パーセント近く伸びた年となりました。
以上が今年度、そして第4四半期の事業に関するアウトラインのご紹介になりました。